ヒルシュスプルング病とは?に関する記事

ヒルシュスプルング病~新生児の便秘やおならが出ない原因

ヒルシュスプルング病~新生児の便秘やおならが出ない原因

ヒルシュスプルング病は、生まれつき腸の神経に異常がある病気です。重症度が高い場合は、生まれてすぐに気付くことができますが、軽症の場合は病気になかなか気づくことができないことも…。たかが便秘、されど便秘。便秘がちだという赤ちゃんは要注意です。

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ヒルシュスプルング病~便秘やお腹が張る症状は病気かも?

生まれたばかりの新生児は、生後24時間以内に生まれて初めてのうんちをします。この胎便と呼ばれるうんちは、とても粘り気が強いので、排泄が遅れると腸の中で硬くなってしまい、詰まってしまう赤ちゃんもいます。

入院中は、浣腸などの処置により便を出してもらうことはできますが、退院して自宅での生活が始まると、赤ちゃんが自力で便が出せずに便秘になることも…。

大人の中に便秘しやすい人もいれば、まったく便秘をしない人もいるように、赤ちゃんの便秘にも個人差はありますが、ひどい便秘が続く場合、もしかしたら、赤ちゃんの腸に異常があるのかもしれません。

今回は、赤ちゃんの便秘を引き起こす病気の中でも、重症の場合は深刻な症状を引き起こすヒルシュスプルング病についてご紹介します。

ヒルシュスプルング病とは?

笑顔の赤ちゃん

ヒルシュスプルング病とは、腸の働きをコントロールする神経節細胞が生まれつきない病気です。発症頻度は5000人に1人とされ、3対1の割合で女の子よりも男の子に多くみられます。

病名は、発見者のデンマーク人医師ハラルド・ヒルシュスプルングの名前から名付けられたもので、「腸管無神経節症」とも呼ばれています。

妊娠10週前後に小腸、大腸、肛門へと神経節細胞が広がっていく際に、遺伝子異常などにより神経節細胞の分布がストップしまったことが原因で起こります。

重症の場合は割と早い段階で分かることがほとんどですが、軽症の場合、便秘が続いて病院を受診し、検査を進めていった結果、ヒルシュスプルング病だったことが判明するというケースも少なくありません。

ヒルシュスプルング病の4つの分類

小腸と大腸のイラスト

腸はおおまかに小腸と大腸に分けられ、そのうち大腸は、盲腸のほか直腸(上行結腸・横行結腸・下行結腸・S字結腸)と肛門に近い直腸から成りたちます。

その大腸や小腸の神経節細胞の異常が原因のヒルシュスプルング病は、異常がみられる範囲によって、主に次の4つの型に分けられます。

1短域型(Short)

ヒルシュスプルング病の短域型のイラスト

短域型とは、直腸からS字結腸にかけて神経節細胞がないタイプです。神経節のない範囲が小さいので、短域無神経節症とも呼ばれます。ヒルシュスプルング病患者全体のおよそ8割がこのタイプです。

2長域型(Long)

ヒルシュスプルング病の長域型のイラスト

長域型とは、直腸から下行結腸~盲腸にかけて神経節細胞がないタイプですいいます。その領域が長いので、長域無神経節症と呼ばれます。ヒルシュスプルング病患者全体のおよそ1割がこのタイプです。

3全結腸型(Total)

ヒルシュスプルング病の全結腸型のイラスト

全結腸型とは、結腸全体と小腸の一部にかけて神経節細胞がないタイプです。結腸に神経節がないので、全結腸無神経節症と呼ばれます。ヒルシュスプルング病の中でも重症に分類されるタイプの病型です。

4広範囲型(Extensive)

ヒルシュスプルング病の広範囲型のイラスト

広範囲型とは、神経節細胞がない範囲が小腸の入口にまで及ぶ、広範囲無神経節症と呼ばれるタイプです。発症する割合が低く、ヒルシュスプルング病の中で最も重症とされています。

ヒルシュスプルング病の症状

ヒルシュスプルング病では、神経節細胞がないことでさまざま異常が腸で見られます。たとえ、新生児のうちに便が出たとしても、次のような症状が目立ってくるようになります。

慢性的な便秘

生まれたばかりの赤ちゃん

神経節細胞がある部分までは、通常の赤ちゃんと同じように便が運ばれてきていますが、神経節細胞がない部分ではぜん動運動が起こらないため、正常に排便されずに便秘が起こります。

神経節細胞がない範囲が広い重症の場合は、胎便が出ないなど、生まれた直後から便秘になるケースがほとんどですが、軽症の場合は浣腸で排便を促すことができます。

お腹にガスがたまる

慢性的な便秘によって、お腹にガスがたまりやすくなります。通常は、腸の中にガスがたまっても肛門からおならとして出すことができるですが、ヒルシュスプルング病ではそのガスを排泄することができないのです。

おならが出ないとガスがどんどんたまっていくため、お腹がパンパンに張った状態になります。お腹がまるで風船のように膨むこともあるため、「先天性巨大結腸症」と呼ばれることもあります。

腸閉塞

ミルクを飲んでいる赤ちゃん

腸閉塞とは、うんちやガスが詰まることで腸の流れが滞ってしまうことで、別名イレウスとも呼ばれます。詰まったものが流れないために、徐々に胃が圧迫されて吐き気がひどくなり、嘔吐を繰り返すようになるのです。

特にヒルシュスプルング病の場合、腸のぜん動運動が起きないうえ、神経節細胞がない部分が健康な部分に比べて細くなっていることから、便が溜まりやすく腸閉塞を起こしやすいのです。

吐き気や嘔吐によって母乳やミルクが飲めない場合、赤ちゃんの体重が増えないことで成長に影響を及ぼすため、日頃からの注意が必要です。

ヒルシュスプルング病の診断

便秘やお腹にガスがたまる等の症状から腸に問題があると疑われた場合、腹部のレントゲン撮影によって状態を確認し、診断を確定するために次のような3つの検査を行います。

1注腸造影検査

おしりから造影剤を入れて、腸の形や太さを確認します。

神経節細胞がない部分は、健康な部分に比べて細く動きがないのが特徴。注腸造影検査では、腸の変形などの腸の形状の確認が可能なことから、この検査によって神経節細胞がない部分を特定します。

2直腸生検検査

カルテを書いている女医

採取した直腸の粘膜を顕微鏡で確認し、神経の異常の有無を確認する検査です。

検査には、切り取った直腸の粘膜を使うため、直腸肛門内圧測定検査と同時に採取することが多いです。この検査では、「まったく神経節」「神経節が少ない」「正常」の3つの部分を確認することができます。

3直腸肛門内圧測定検査

直腸でバルーンを膨らませることで、直腸肛門反射の有無を調べる検査です。

直腸肛門反射とは、直腸が便などによって広がった際に、肛門を締める括約筋がゆるむ働きのことで、ヒルシュスプルング病では、正常な直腸肛門反射が見られません。この検査は一泊入院し、全身麻酔で行われます。

ヒルシュスプルング病の治療と予後

赤ちゃんの嘔吐がひどい場合は、鼻から管を通してガス抜きや貯留物の排泄を行います。全結腸型や広範囲型のような重症の場合は、栄養や水分の吸収ができないため静脈から栄養液を投与し、便を出すための一時的な人工肛門を作る場合もあります。

ヒルシュスプルング病の治療方法

医師のイラスト

ヒルシュスプルング病と診断された場合は、基本的に手術による治療が必要になります。手術では、検査によって神経の異常が見つかった部分を切り取って、正常な部分と肛門をつなげる処置が行われます。

手術の方法には、開腹手術以外に、3ミリから5ミリの穴をお腹に数か所開けて、そこから器具とカメラを入れて手術を行う腹腔鏡方法や、肛門から腸内に器具を入れて行なう経肛門的ヒルシュスプルング病根治手術があります。

ヒルシュスプルング病の予後

手術後は、定期的な浣腸を行った排便訓練を行い、排便リズムの獲得を目指すほか、全結腸を切除した根治術では、下痢傾向になるため、排便訓練、失禁ケア、また栄養管理、感染の予防などが大切になります。

そのために軽症であっても手術を行った場合は、成長とともに長期間の経過観察が行われます。
特にヒルシュスプルング病の場合、幼いころから長期的な治療が続くため、子供の理解力に合わせて根気強く排便訓練をするなどの、両親のサポートが大切だといえます。

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この記事を書いたライター
ひなちゃんママ

ひなちゃんママ

子育てと仕事に頑張る共働き主婦です!ルンバ貯金始めました♪