新生児黄疸のビリルビン基準値に関する記事

新生児黄疸はビリルビン基準値を超えると光線治療が必要?

新生児黄疸はビリルビン基準値を超えると光線治療が必要?

新生児黄疸かどうかを調べるビリルビン血中濃度、基準値をどのくらい超えると…?長引く黄疸に関わる病気やその治療法も紹介。

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新生児黄疸のビリルビン値の基準値を超えてしまったら

生後2~10日の新生児には、ほとんどの場合黄疸の症状がみられます。これを『新生児黄疸』と呼び、その多くの原因が生理的現象であって、何の治療をしなくとも自然に治ります。けれど黄疸の原因が、何かしらの病気にあるときには治療が必要になってしまいます。

そのまま放置してもよい『黄疸』と治療が必要な『黄疸』は、血液中のビリルビンという成分の濃度で見分けていきます。新生児黄疸におけるビリルビンとは何なのか、どういった基準で見分けることができるのか見ていきましょう。

ビリルビンとは

血液中の白血球

古くなった赤血球が分解されるときに、『ビリルビン』が生成します。赤血球の主な成分の一つであるヘモグロビンが体の中で化学変化をして、黄色い色素をもち黄疸の原因物質であるビリルビンになります。ビリルビンは肝臓に送られて、肝臓の酵素の働きで分解され、その分解されたモノが胆管から消化管に輸送され、便内に取り込まれて体の外に分解された形で排出されます。

ビリルビンと黄疸の関係

ママの体の中にいる赤ちゃんは、外の世界に比べると酸素量が限られている胎盤内で過ごしているため、ママの体に限られている酸素を上手に利用する必要があって、酸素と結びつきやすい赤血球が血液の成分な割合で多くなります。

ママの体から産まれて、酸素量の多い外の世界で酸素を求める呼吸が始まると、赤ちゃんの体の中の赤血球の分解が進み、ビリルビンが体の中で多くなってしまいます。産まれて間もない時期では、その多い量のビリルビンを肝臓ですべて処理しきれなくなって、残ったものが体を巡ってしていまい、赤ちゃんの皮膚がうすいこともあり、ビリルビンの黄色い色素が目立ってしまうことが、ほとんどの新生児におこる黄疸の症状です。

ビリルビンの数値の変化

生後1週間以内は、血液中の赤血球の分解が進みビリルビンが多くつくられてしまい、肝臓でも処理しきれない量が多くなり、ビリルビンが血液に含まれている濃度がもっとも高くなりやすい時期とされています。その時期を過ぎていくと多くの新生児では、ビリルビンの分解が進んでいき、血中濃度が下がっていく、黄疸症状も見られないようになっていきます。

治療が必要なビリルビン濃度

皮膚の色が濃く黄色染みてしまって治療が必要な黄疸と疑われるときは、血液中のビリルビン値を測って『高ビリルビン血症』かどうかを確定します。ビリルビンの濃度は、体重の影響も受けてしまいますので、より正確な診断のためには新生児の体重も考慮します。

日本産婦人科学会の機関紙に発表された、渡辺孝紀医師の研究報告によると

  • 新生児の体重が2500g以上の場合には、ビリルビンの血中濃度が15mg/dl以上
  • 新生児の体重が2500g以下の場合には、ビリルビンの血中濃度が12mg/dl以上

であると『高ビリルビン血症』と診断され、その高い濃度の原因が病気にあることが多く、その病気の特定や治療をして、新生児のビリルビンの基準値まで落とすことが必要であるとのことです。

新生児黄疸症状が長引く場合の治療法

保育器の中に入っている新生児

新生児黄疸は、ほとんどの新生児がかかってしまう症状であり、治療をせずとも自然に治っていく症例が多いです。けれど、高ビリルビン血症と診断された場合には、治療をしなければその症状が治まらないとともに、黄疸の症状もおさまってはいきません。

赤ちゃんの体で、ビリルビンの濃度が高まって「高ビリルビン血症」となった根っこの原因としては、赤ちゃんが新生児肝炎などの病気を患っていることが考えられます。それらの病気が原因であったら、どのような治療を受ける必要があるのでしょうか。そして、新生児黄疸を判断する上で、関わり合いが深い高ビリルビン血症はいつ診断されるのでしょうか。

入院中に診断されることが多い高ビリルビン血症

黄疸症状が強く見られる生後3~4日ころに、皮膚や白目の色合いからその疑いがあれば、血液検査をし「高ビリルビン血症」であるかを診断します。まだ生後間もなくて入院中の時期ですので、早期発見・早期治療がスムーズに行われ早期回復に結びつきます。採血を行わなくても、肌に押しあてるだけでビリルビン濃度が測定できる『ミノルタ黄疸計』で、その診断をおこなうこともできます。

高ビリルビン血症である、血中濃度を下げることが黄疸の治療でもある

血液検査をされる新生児

血液検査をして、体重が2500g以上の赤ちゃんのビリルビンの濃度が15mg/dl以上であったら「高ビリルビン血症」と診断されます。ビリルビンの濃度が高いということは、肝臓で分解できなかったビリルビンが、血液に多く含まれていることを意味します。血液に多く含まれている、黄色い色素をもつビリルビンは、黄疸の原因物質でもあります。

高ビリルビン血症であると、診断されることは、赤ちゃんが黄疸にかかってもいる状態であるともいえます。ビリルビンを基準値に戻す治療をすることは、黄疸の治療であるとともに、高ビリルビン血症の治療でもあります。

高ビリルビン血症に対して一般的に行われる治療法

ビリルビンの数値や黄疸症状の強さによって、実施される治療法が異なります。高ビリルビン血症と診断された場合に、一般的に行われる治療法について見ていきましょう。

光線治療
光線治療を受けている新生児

高ビリルビン血症と診断されると、まず行われるのが『光線治療』です。新生児に、目が隠れ鼻をふさがないような特殊な医療用マスクをつけて、保育器の中に入れ、光線療法用の「青い色」や「緑色」の光のライトをあてます。その光のエネルギーで、ビリルビンに変化が生じて、血液中の濃度が低下していきます。

光線治療は血液中のビリルビン濃度が基準値になるまで、日を変えて何度も光をあてます。赤ちゃんの皮膚や白目から黄色がかっている部分が消えていったら、治療を終える訳ではありません。

黄疸の治療は皮膚が元の色合いになっても、まだ体の中のビリルビンの濃度が高ければ黄疸の症状がすぐに表れてしまうので、ビリルビンの濃度を下げることを治療の目的とし、その値が基準値以下になるまで続けていきます。

交換輸血

光線治療をしても、黄疸の症状がおさまらず、重度の高ビリルビン血症と診断される場合は『交換輸血』が行われることもあります。交換輸血を適用するかどうかは、治療後に副作用がともなうことがあり、慎重に判断した上で実施していきます。

その方法は、交換輸血が必要な新生児の静脈から5~20mlほどの血液を抜き、抜いた分と同量の輸血用血液を別の静脈から輸血して行います。施術方法にもよりますが、短い時には1時間以内で、長い時には4時間程度で処置は終わります。赤ちゃんの体を流れる血液が、ビリルビンに変化しやすい性質であった場合には、その血液自体を変えるという治療法です。

リスクとしては、アレルギー反応・呼吸困難・発熱・吐き気などが挙げられます。また、稀に肺損傷が輸血開始後6時間以内に見られることもあります。

ガンマグロブリン大量点滴療法

「ガンマグロブリン大量点滴療法」は、タンパク質の一種であるガンマグロブリンを、点滴で赤ちゃんの体内に必要な量だけ取り入れることで、赤血球がビリルビンに変化するのをサポートする物質に、ガンマグロブリンを先に反応させることで、赤血球がビリルビンに変化してしまうのを抑えようという治療方法です。

近年では、交換輸血に代わるリスクの少ない治療法として、各医療機関で取り入れらており「ガンマグロブリン大量点滴療法」による黄疸の治療法が増えていくとともに、交換輸血で行う治療法は減少していくという傾向にあります。

高ビリルビン血症と新生児黄疸に関わる病気

高ビリルビン血症や新生児黄疸を長引かせる原因となる病気や、その後遺症について紹介します。

新生児肝炎症候群

寝ている新生児

新生児肝炎症候群とは、何らかの原因で肝臓の機能が低下してしまう病気を一括りにまとめたものです。その原因は、感染症や内分泌疾患などが関わっていると思われていますが、特定しきれてはいないので、症候群としてまとめられています。

肝臓の機能が弱まってしまうと、ビリルビンの分解スピードも弱まってしまい、血液に残る量が多くなってしまって、ビリルビンの濃度が高まるとともに、黄疸の症状も出てきてしまいます。

その他の症状としては、白っぽい便や授乳をしっかりしていても体重が増えないことが報告されています。ビリルビンの値を測る他に、肝機能検査などの数値でも判断した上で、新生児肝炎症候群であるかどうかを診断します。発見や治療が遅れてしまったら、肝機能障害になってしまうことがありますので、黄疸が長引く場合はすぐに病院で診察を受けるようにしましょう。

胆道閉鎖症

胆道閉鎖症は、肝臓で作られた胆汁が、その通り道である胆道が細くなったり・ふさがれたりしていてスムーズに通ることができなくなり、胆汁が肝臓に戻されたりすることで、その胆汁がさらに作られて体に貯まってしまうことを、抑えようと体の調整機能が働いてしまい、肝臓の機能が弱まってしまって、ビリルビンを分解するスピードも弱まってしまう病気です。

ビリルビンの分解スピードが弱まり、血液の中により多く残ってしまい、血中濃度が高まり黄疸の症状も出てしまいます。

国立成育医療研究センターの研究報告によると、胆道閉鎖症であるかどうかは、黄疸の症状と高ビリルビン血症の他にも、ウンチの色が薄いこともその病気であるかどうかを診断するのに、役立つそうです。

https://www.ncchd.go.jp/center/benshoku/for_medicalperson/docs/manual2.pdf

溶血性黄疸

溶血性黄疸とは、赤血球を分解するスピードが、母親と胎児の血液型(ABO式やRh式)が異なることなどが原因となり、スピードが早まってしまう病気です。赤血球の分解が通常時よりも早まってしまうことで、肝臓で処理しきれいほどのビリルビンが体に蓄積し、血中のビリルビンの濃度が高まるとともに、黄疸や血が足りなくなってしまい貧血の症状までも起こしてしまいます。

核黄疸

核黄疸は、病気が原因である黄疸の治療が遅れてしまった場合に、血液中に多く含まれているビリルビンが、赤ちゃんの脳内にまでに侵入してしまって、神経細胞を邪魔したりして、脳内回路のつながりを悪くして、脳性まひなどの症状を引き起こしてしまう病気です。

黄疸症状を長引かせている病気が、特定され早期治療をおこなうと、核黄疸になることはほとんどありません。

新生児黄疸との向き合い方

新生児黄疸は、ほとんどの赤ちゃんが生後2~3日頃にその症状になります。そして、その原因が病気以外であったら自然と治っていきます。新生児が黄疸であるのかは、その黄色がかった肌色の度合いだけではなくて、血液検査でビリルビンの濃度を調べたり、肌に「ミノルタ式黄疸計」をあてて測定する方法があります。

ビリルビンの血液濃度の測定は、体温計をつかって測ってあげるようにはママがしてあげられず、専門家の助けを借りなければいけません。産科に入院している間に、高ビリルビン血症と診断されてしまって、生後間もなく光線治療をした赤ちゃんとそれを見守ったママもいます。新生児期を過ぎてもなかなか黄疸の症状がおさまらずに、その原因が病気であると診断され治療を受けた赤ちゃんと見守り続けてあげたママもいます。

新生児は黄疸になりやすく、そのほとんどが自然に治っていきます。もしも、なかなか黄疸の症状がおさまらず、高ビリルビン血症や他の病気を患っていたとしても、それをサポートする医療スタッフや医療制度が整っていますので、ママはいつもと変わらずに優しく見守ってあげましょう。

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この記事を書いたライター
木下みずき

木下みずき

ウォーキング始めました!運動と食事で5kg減を目指すダイエッターです!