弛緩出血の症状・原因・治療に関する記事

弛緩出血~産後の出血につながる子宮収縮が起こらない原因

弛緩出血~産後の出血につながる子宮収縮が起こらない原因

弛緩出血は、誰にでも起こりうる子宮視弛緩症の症状の一つ。子宮収縮のトラブルによる大量出血が起こることから、いざという時にショックを受けたり、慌てたりしないためにも、弛緩出血の原因や弛緩出血を起こしやすいママの条件などを知っておくと安心です。

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弛緩出血に注意!産後ママを襲う大量出血の原因とは?

出産後、赤ちゃんが無事に生まれてホッとしたのも束の間、弛緩出血というトラブルに見舞われることがあります。

妊娠や出産の際に起こるさまざまなトラブルについては、ぬかりなく情報収集している妊婦さんでも、産後に起こりやすいトラブルまでは、ついつい見落としがち。

しかし、無理をすると産後の肥立ちが悪くなると言われるように、産後のトラブルは生まれたばかりの赤ちゃんのお世話に大きく影響するため、正しい知識を身につけておくことが大切です。

そこで、今回は産後のママを襲うトラブルである弛緩出血の原因や症状について詳しくみていきましょう。

弛緩出血とは

赤ちゃんを抱っこする産後のママ

通常、妊娠中に赤ちゃんや羊水によって大きく伸びていた子宮の筋肉が、出産後に徐々に縮んでいくのに対して、正常に子宮収縮が起こらないことによって、出産後の胎盤が剥がれた後で大量出血が起こることを弛緩出血といいます。

赤ちゃんが生まれた後、子宮が収縮することで、子宮内で剥がれた胎盤や臍帯を排出する後産が起こり、その後、子宮は収縮を続け、2ヶ月ほどかけて元の大きさに戻っていきます。

ところが、何らかの原因で子宮筋が縮まない子宮弛緩症を発症した場合、弛緩出血が起こりやすくなるのです。

出産後、胎盤が剥がれる際に出血すると、通常は子宮が収縮して血管が縮まるため、自然に出血が止まるのですが、子宮が正常に収縮しないと血管がふさがらないため、「出血が止まらない」「大量に出血する」などの症状が起こります。

通常、出産時の出血量が200~250mlであるのに対して、500mlを超える異常出血がみられる場合は、弛緩出血が疑われます。

弛緩出血の原因

弛緩出血は誰にでも起こりうることですが、残念ながら予防することはできません。

しかし、いざという時に慌てないためにも、弛緩出血について知っておくことが大切です。大量に出血してもパニックを起こさないために、弛緩出血が起こる原因について事前に学んでおきましょう。

特に、次のような条件に当てはまるママは注意が必要です。

遷延分娩(せんえんぶんべん)

出産をしている妊婦さん

遷延分娩とは長時間に及ぶ分娩のことで、出産に時間がかかって子宮筋が疲労してしまうと、子宮が収縮する力が弱くなるため、スムーズに収縮できなくなって、弛緩出血を引き起こしてしまうのです。

初産婦の場合は30時間、経産婦の場合は15時間の場合、遷延分娩と診断されます。

全身麻酔

帝王切開の際に全身麻酔をすると、子宮の収縮が弱くなる傾向があるため、弛緩出血を引き起こしやすくなります。

事前にスケジュールが決められている予定帝王切開は局所麻酔を行うのに対し、微弱陣痛や妊娠高血圧症候群などにより緊急帝王切開が選択された場合は、全員麻酔が行われるため注意が必要です。

血液の凝固障害

通常、体内で大量の出血が起こると、血小板によって作られた血栓が、傷口に蓋をすることで止血されるのに対して、一度に大量に出血すると、血栓の数が足りなくなって血が止まらなくなるDIC(播種性血管内凝固症候群)が起こります。

DICは重症化すると、腎不全や肝不全などのさまざまな症状を引き起こすことから、十分な対応が必要とされます。

癒着胎盤や胎盤の遺残

おしゃぶりする新生児の赤ちゃん

胎盤が子宮内膜にくっ付いたまま剥がれない癒着胎盤が起こると、子宮の収縮が妨げられて、弛緩出血が起こることがあります。

また、後産が正常に起こらないことで、胎盤や臍帯が排出されずに子宮内に残ってしまうと、同様に子宮の収縮が妨げられて、出血が止まらなくなってしまいます。

子宮筋の伸びすぎ

通常の妊娠よりも子宮が大きく伸びて広がっていると、子宮が収縮する力が弱まるため、弛緩出血を引き起こす可能性が高くなります。

子宮が通常よりも大きくなるのは、次のような場合です。どれも事前に分かっていることなので、あてはまる人は心構えをしておくといいですね。

子宮筋腫合併妊娠

医師のイラスト

子宮筋腫がある状態で妊娠した場合、子宮筋腫合併妊娠と診断されます。筋腫自体は良性のため身体に害を及ぼすものではないのですが、筋腫の数や大きさ、できる場所によって、子宮収縮を妨げることがあるのです。

子宮筋腫は3人に1人の女性にあるため、子宮筋腫合併妊娠は決して珍しいことではありません。

急速遂娩(きゅうそくすいべん)

分娩中に何らかのトラブルが起きたため、急いで分娩を進めることを急速遂娩といいます。陣痛時間や分娩時間が短いと、通常に比べて子宮を収縮して元に戻る働きが弱くなるので、弛緩出血を起こしやすいのです。

急速遂娩の方法には、帝王切開のほか、吸引分娩や鉗子分娩があります。

弛緩出血が引き起こす症状

弛緩出血では、急に噴き出すように出血したり、徐々に長い時間をかけて出血したりと、その症状には個人差があります。

弛緩出血は、迅速な対応が大切なことから、次のような症状には十分に注意する必要があります。

子宮が柔らかい

触診をしている妊婦さん

頸管裂傷などでも大量に出血する場合はありますが、弛緩出血の場合は子宮筋の収縮が起こらないため、子宮が伸びきったゴムのようにブヨブヨしているのが特徴です。そのため、触診によって確認することができるのです。

さらに、子宮をマッサージすることによって一時的に回復することがありますが、すぐにまた柔らかくなってしまう場合があります。

子宮内に凝血塊がたまる

子宮内で大量の出血が起こることで、凝血塊という血の塊が子宮内に溜まった状態になります。

ただでさえ、弛緩出血によって子宮が収縮しにくいのに、凝血塊が子宮内に増えることで、子宮のふくらみを示す子宮底長がますます大きくなるのです。

大量の出血

子宮内で起こった大量の出血によって、マッサージ等の刺激を与えることで血が噴き出してくることがあります。

大量出血は、出血性ショックによりチアノーゼや嘔吐、めまい、血圧低下につながるほか、さらに出血が増えると、DICの状態が進行してしまうため注意が必要です。

弛緩出血の診断と治療方法5つ

病院で受診をしているママ

弛緩出血が疑われる場合、出産後に大量出血すること以外に、子宮底の圧迫によって血や血の塊が噴出することで、弛緩出血であると診断されます。

弛緩出血が起こっても、出血性ショックやDICを防ぐことができれば、産後の生活にほとんど影響を及ぼさないため、一刻も早く治療を行うことが重要となるのです。

弛緩出血の治療には、主に次のような方法があります。

1子宮内の遺残物を取り出す

弛緩出血の治療としては、まず、子宮の収縮を妨げている遺残物を取り出す処置を行います。

子宮内に指を挿入して、癒着した胎盤や胎盤片、凝血塊などの異物の除去が行われます。子宮内に遺残物があると、他の処置をしても効果がないことがあるので、徹底的に除去する必要があります。

2お腹の上からのマッサージする

お腹のマッサージをされるお母さん

子宮内に収縮を妨げるようなものが何も残っていないことが確認できたら、子宮収縮を促す処置を行います。

子宮収縮を促すためには、まずお腹の上から子宮底輪状マッサージが行われます。子宮底輪状マッサージとは、子宮底に手のひらをあて、円を描くように摩擦するマッサージで、一時的な子宮の収縮が起こり、血の塊が出てくることも。

マッサージは、子宮の収縮が改善され、止血が確認されるまでを目安に続けられます。

3子宮収縮剤を投与する

マッサージや腹帯のほか、お腹を冷やしたりしても子宮の収縮力が改善されない場合は、薬物による治療を行います。

子宮の収縮を促すためには、オキシトシン・マレイン酸メチルエルゴメトリン・メテナリン・アトニンOなどの、子宮収縮剤が点滴により投与されます。

4子宮体双手圧迫法

薬物治療でも効果がなければ、子宮体双手圧迫法により止血を行います。

子宮体双手圧迫法とは、手を膣の中に入れた状態で片方の手をお腹にあて、子宮の前後壁を両手で強く挟んだ状態で、数分から数十分圧迫して止血する方法です。おおよその場合、この方法で出血は止まります。

5輸血

輸血のイメージのイラスト

さまざまな処置を施しても止血ができない場合、出血が1000mlを超えるとプレショック状態になります。さらに、2000mlの出血で出血性ショック状態となり、重症化すると意識障害を引き起こすことがあります。

このような場合には、DICの治療や輸血が早急に行われる必要があります。

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この記事を書いたライター
れんプー

れんプー

趣味は野球観戦!カープ女子がライバルのアラフォー腐女子です。