帝王切開のリスクについてに関する記事

帝王切開のリスクと知っておきたい麻酔の種類や保険の給付

帝王切開のリスクと知っておきたい麻酔の種類や保険の給付

帝王切開はリスクが気になるという人は多いはず。手術の内容などの正しい知識を身につけて、少しでも不安を解消しましょう

マーミーTOP  >  出産  >  帝王切開のリスクと知っておきたい麻酔の種類や保険の給付

帝王切開のリスクとは?気になる麻酔や傷跡について

厚生労働省が発表した平成22年の保健統計によると、一般病院での帝王切開による分娩の割合は23.3%と、約5人の1人の妊婦さんが帝王切開で出産しています。それでも、やはり自然分娩の方が主流なので、妊娠経過が順調なママにとっては、帝王切開と言われてもあまりピンとこないのではないでしょうか。

ところが、どんな出産でも帝王切開になる可能性はあるのです。出産では最後まで何が起こるか分からないので、備えあれば憂いなし!帝王切開についてのリスクや手術の方法についての基本的な知識を身につけて、もしもの時のために心の準備をしておきましょう。さらに、帝王切開のメリットについて知っておくと、ママの不安も少しは解消されますよ。

帝王切開にはどんなリスクがあるの?

医師と話す妊婦

自然分娩が難しい場合に、ママや赤ちゃんのことを最優先に考えて帝王切開が選択されるとはいえ、外科手術となるとリスクが気になりますよね。自然分娩にまったくリスクがない訳ではないので、帝王切開による分娩ばかりが危険だとは限りませんが、自然分娩にはないリスクが伴うのは確かです。

帝王切開についてのリスクを事前に知っておくことで、急に帝王切開になったときでも受け入れられるようにしておくことが大切です。

心配される赤ちゃんへの2つのリスク

普通分娩で産まれてくる赤ちゃんに比べて、帝王切開にはどんなリスクがあるのでしょう。ここでは、帝王切開で赤ちゃんに起こりうる2つの危険性についてご紹介します。

1.肺液による呼吸不全

ママのお腹の中では、赤ちゃんの肺は「肺液」と呼ばれる液体で満たされています。そして、陣痛が始まると、肺液は徐々に血管やリンパ管などから吸収され、外気に触れた瞬間、赤ちゃんが空気を吸い込むことで通常の呼吸を始めるのです。

ところが、帝王切開の場合、肺の中に肺液が溜まったまま産まれることから、「新生児一過性多呼吸」と呼ばれる呼吸不全を起こしてプールで溺れたような状態になる可能性があります。この呼吸不全は一時的なもので、2~3日保育器の中で酸素吸入を受けることで自然と回復します。

2.麻酔の影響

帝王切開のために麻酔をかけた状態でママが仰向けになることで、下大静脈が子宮に圧迫されてママの血圧が急激に下がる「仰臥位低血圧症候群」を発症することがあります。この場合、十分に酸素が行き渡らないことで、赤ちゃんの低酸素症を引き起こす可能性が考えられます。

さらに、手術でママに全身麻酔を行った際、麻酔薬が胎盤を介して赤ちゃんに移行すると、赤ちゃんが麻酔で眠ったまま産まれる「sleeping baby」の状態になることがあります。この場合、人工呼吸などを行って赤ちゃんの呼吸を助けるなどの蘇生処置が行われます。

心配されるママへの5つのリスク

帝王切開によるリスクは、赤ちゃんよりもむしろママへの影響がはるかに大きいといえます。次のような身体的なリスクや精神的な影響が考えられることから、十分な注意が必要です。

1.外科手術特有のリスク
医師と看護師に囲まれて

出産とはいえ、帝王切開は手術を行うことから、通常の外科手術で起こりうる麻酔による合併症のほか、傷口からの感染症や大量の出血などのリスクはつきものですが、その中でも、特に「癒着」は産後のママの身体に大きく影響を与える恐れがあります。

癒着とは、手術で傷ついた組織が修復しようとして、他の臓器の組織などとくっついてしまうことで、帝王切開の後で膀胱や小腸との間に癒着が起こると、下腹部痛や腸閉塞、産後の下痢や頻尿に悩まされることがあります。最悪の場合は不妊症につながることから、最近では「癒着防止フィルム」を使った安全性の高い手術が増えています。

2.産後の肺塞栓症(はいそくせんしょう)

妊娠中は血が固まりやすくなることから、血の塊ができる血栓塞栓症の可能性が高くなります。一般的に妊娠中よりも産褥期に発生しやすく、自然分娩よりも帝王切開による出産後の発症率が高いことから、手術後は十分な水分補給のほか、膝の屈伸などの運動や着圧ソックスの着用などの予防策が必要とされています。

特に、血栓のほかに羊水・脂肪などが肺動脈に詰まって起こる「肺塞栓症」は、胸の痛みや呼吸困難を引き起こすことから、帝王切開の合併症の中でも重篤だといえます。術後はできるだけ早めに歩行をはじめることが大切なことから、無理をしない程度にトイレに歩いて行くなどしてしっかり予防しましょう。

3.後陣痛の痛みを強く感じる

後陣痛とは、お腹の赤ちゃんが大きくなるのにつれて広がった子宮が、元の大きさに戻る際に起こる痛みのことで、人によっては分娩の際の陣痛よりも痛いと感じることも。特に、帝王切開で出産した場合、陣痛のピークの痛みを経験していないことから、急に後陣痛が来た場合に痛みを強く感じる場合があります。

授乳の際は「オキシトシン」というホルモンが分泌されて後陣痛は起こりやすいほか、出産後の数日間は痛みが続くことがあります。後陣痛は、自然分娩や帝王切開などの分娩方法に関係なく、出産後のママなら誰にでも起こることなので、後陣痛について事前に知っておくこととよいでしょう。

4.次の出産も帝王切開になる可能性が高い

一度、帝王切開で出産すると、帝王切開によってできた傷のあたりの子宮壁が薄くなってしまうため、次に妊娠した際に普通分娩(経腟出産)で出産した場合、その部分から子宮破裂を起こす危険性があります。そのため、二回目以降に自然分娩を希望しても、帝王切開を進めるお医者さんは多いようです。

最近は、帝王切開で出産した後でも、二人目を経膣分娩で産むことができるVBAC(ブイバック)という方法が広まりつつありますが、帝王切開にリスクがあるようにVBACにもさまざまなリスクがあることから、医師と十分に相談のうえ、より安全性の高い方法を選ぶ必要があります。

5.帝王切開による出産が心の傷になることも
横になる妊婦と世話する看護師

自然分娩の途中で急に帝王切開になった場合、心の準備ができないまま手術が終わってしまうことから、想像していた出産とのギャップにショックを受けることで、帝王切開での出産体験を受け入れられないことがあります。一般的に「自然分娩=普通」と考える傾向が強いことから、「普通に産めなかった」ことに対して罪悪感を持ってしまうママも多いようです。

また、帝王切開に馴染みの薄い世代から「産みの苦しみを経験していない」「帝王切開で産まれた子は我慢強くない」等の、根拠のない言葉をかけられて傷つくケースも多いため、最近は帝王切開後に精神的なケアを行う医療機関がふえています。

自然分娩でも帝王切開でも、ママが大変な苦労をして赤ちゃんを出産したことには変わりありません。帝王切開の傷跡を、赤ちゃんが生まれてきた大切なしるしとして、赤ちゃんが言葉を理解できるようになったら「ここから産まれてきたんだよ」と説明してあげましょう。そうすることで、お互いの愛情がより深くなるはずです。

帝王切開の手術が必要となるケース

何かしらの問題によって自然分娩が難しい場合、帝王切開での分娩が選択されます。帝王切開には、事前に予定している「予定帝王切開」と、急を要する場合に帝王切開の手術を行う「緊急帝王切開」の2種類があります。ここでは、どのような場合に帝王切開を行うのか、具体的なケースについてみていきましょう。

予定帝王切開の場合

エコー画像で胎児を確認する医師

予定帝王切開は、妊娠36~37週の母体や赤ちゃんの様子を見て、自然分娩では難しいと判断されたときに実施が検討されます。赤ちゃんが逆子の場合や双子などの「多胎妊娠」赤ちゃんの身体が大きい「巨大児」赤ちゃんの頭がママの骨盤より大きい「児頭骨盤不均衡」などの場合は、予定帝王切開となる可能性が高くなります。

それに対して、ママに次の様な症状が見られる場合、同様に予定帝王切開となることがあります。

予定帝王切開の可能性が高いママの症状

・糖尿病・心臓病・腎臓病などの持病により自然分娩が難しい
・感染症を発症していて、出産の際に赤ちゃんに感染する危険性が高い
・子宮筋腫や前置胎盤によって子宮の出口や産道が塞がっている
・前回、帝王切開で出産した
・高齢出産の初産の場合

緊急帝王切開の場合

自然分娩で行う予定でも、分娩の途中で危険が迫った場合、ママと赤ちゃんの命を第一に考えて緊急帝王切開を行うことがあります。前置胎盤のほか、常位胎盤早期剥離によって胎盤が剥がれたことでお腹の中で出血が起こった場合や、妊娠高血圧症候群により高血圧や肝機能などの症状が悪化した場合、緊急帝王切開に切り替えることがあります。

また、胎盤機能が低下したことで赤ちゃんが危険な状態に陥る場合のほか、赤ちゃんの肩がママに恥骨に引っ掛かってうまく出られない「肩甲難産」や、子宮口が開かない、巨大児のため産道を通るのに時間がかかる等の理由により、分娩が長期化するのを避けるために、分娩の途中で帝王切開に切り替えることがあります。

帝王切開の手術方法の流れ

帝王切開の手術には、「どのように麻酔をするの?」「どんな傷跡が残るの?」「赤ちゃんの産声は聞こえるの?」などさまざま疑問を持っている妊婦さんが多いはず。そこで、帝王切開ではどのような手順で手術を行うのか、簡単な流れをご紹介します。いざという時に備えて、今からしっかり予習をしておきましょう。

1麻酔

麻酔の調整をするスタッフ

予定帝王切開では、「脊髄くも膜下麻酔」または「硬膜外麻酔」を行うのが一般的です。背骨に針を刺して注射器で脊髄に麻酔薬を注入する脊髄くも膜下麻酔に対して、硬膜外麻酔は、脊髄を包む硬膜の外側に細いチューブを通して麻酔薬を注入することから、長時間の手術にも対応することができます。

ママの状態によって、2つの麻酔のどちらかを選択するほか、脊髄くも膜下麻酔と硬膜外麻酔を併用する場合があります。麻酔の際の痛みには個人差がありますが、麻酔の前に細い針で皮膚に痛みの止めの注射をするので、あまり痛みを感じることはありません。

どちらの方法も局部麻酔のためママの意識がある上、胎児に影響がないため、産まれた時にしっかりと産声を聞くことができるのですが、緊急帝王切開の場合は、麻酔薬の点滴や吸入により全身麻酔が行われることから、ママの意識がないため痛みを感じることなく、眠った状態で手術が完了します。

2切開

麻酔が効いてお腹の消毒が済んだら、赤ちゃんを取り出すためにお腹の皮膚を切開します。切開の方法には、メスを入れる方向によって横切開と縦切開があります。下腹部を横に切開する横切開の場合、下着で隠れるので傷跡が目立たないことから、最近は横切開を希望するママが多いようです。

ただし、胎盤が子宮の入り口に近い位置にある「前置胎盤」で子宮の摘出が必要な場合や、緊急に赤ちゃんの取り出す必要がある場合は、縦切開が選択されるケースが多いようです。横切開に比べて傷跡が目立つ反面、縦切開の場合は手術時間が短く済むほか、傷口の治りが早いというメリットがあります。

3縫合

切開の後で急いで赤ちゃんを取り上げたら、子宮の中に残っている胎盤などをきれいに取り除き、まずは溶ける糸などを使って子宮を縫い合わせます。縫合によって子宮の出血が止まったことが確認されたら、癒着防止フィルムで傷を覆い、お腹の表面を腹膜・筋膜・皮下脂肪・皮膚の順番に縫い合わせて手術は完了となります。

帝王切開の傷跡は、産後子宮が収縮してお腹が元の状態に戻ってくると一緒にしぼんで、3ヶ月ほどたつと赤みもとれますが、完全に目立たなくなるには1年ほどかかることもあります。

帝王切開が保険の給付対象になることも

帝王切開の場合、手術代や処置料がかかるほか入院期間が長くなるため、普通分娩に比べて費用が高くなってしまうというデメリットがあります。しかし、帝王切開にかかる分娩費用は保険が適用される場合があることから、きちんと申請することで、適切な給付が受けられますよ。

女性向け医療保険の給付

女性を対象とした民間の医療保険(入院保険)の中には、帝王切開のために入院した場合、手術給付金が支払われるタイプや入院費が保障されるタイプ等があります。すでに医療保険に加入しているという場合は、保障内容について事前にしっかり確認しておくことが大切です。

中には妊娠27週目までなら妊娠中でも加入できるタイプもありますが、妊娠中に加入すると「特定部位の不担保」という子宮が原因の疾病が保険適用外となる条件が提示されることがあります。また、過去5年以内に帝王切開の手術を受けた人は加入できないことが多いので、保険は妊娠前に加入しておいた方がお得だといえます。

健康保険の適用と高額療養費制度について

病院の受付

帝王切開では入院日数が長くなるため、高額な出産費用が予想されますが、実は帝王切開は健康保険が適用されるので、びっくりするほど高くなることはありません。さらに、1ヶ月の医療機関に支払う金額が一定額を超えた場合、「高額療養費制度」を利用することで、超過した金額の支給を受けられるのです。

高額療養費制度を利用する際は、事前に申請して「限度額適用認定証」を準備しておきましょう。出産の際に認定証を提示することで、自己負担限度額を超える分を窓口で支払う必要がなくなりますよ。詳しくは、全国健康保険協会のホームページで確認するか、国民健康保険に加入している方はお近くの自治体にお問い合わせください。

健康保険や国民健康保険に加入している方は、帝王切開で出産した場合、自然分娩と同様に「出産育児一時金」という保険から支給される給付金があるので、出産前に合わせて手続きをしておくとよいでしょう。

普通分娩にはない帝王切開のメリット

帝王切開で出産すると聞くと、あまり良いイメージばかりとはいえませんが、実は自然分娩に比べてメリットもあるのです。リスクが大きい、手術が怖いと悪い面ばかり見るのではなく、帝王切開の利点にも目を向けて、帝王切開での出産を前向きに考えられるようになると良いですね。

分娩の安全性が高い

赤ちゃんの命を最優先するために帝王切開を選択するのですから、赤ちゃんにとっては安全性が高い出産方法です。普通分娩の場合、赤ちゃんは狭い産道を通って産まれてくることから、骨折や脱臼などの危険に遭遇することも…。また、ママにとっても子宮脱や膀胱脱などの骨盤臓器脱が起こりにくいほか、産後1年の尿もれの頻度が低いなどのメリットがあります。

出産日が事前に決められる

予定帝王切開の場合は、あらかじめ日程を決められているため、入院準備がきちんとできるので、急な陣痛に焦らず落ち着いて出産に臨むことができます。パパがあらかじめ休暇を取って、立ち会ってもらえるのもメリットです。さらに、産休や育休を取得予定のママは、出産予定日がはっきりしているため、職場復帰のスケジュールも組みやすいので助かりますね。

出産時間が比較的短い

普通分娩の場合、陣痛から分娩まで丸一日以上かかることがありますが、帝王切開を予定している場合は、一般的には1時間程度で手術は終了します。お産のために家族が睡眠不足になることもないし、体力的な負担が少なくてすむので、赤ちゃんにとってもママにとっても安心です。

帝王切開にネガティブなイメージを持っている人もいますが、考え方によっては悪いことばかりではありません。最も安全性が高いと判断された方法で産まれることが、赤ちゃんにとっての一番の幸せなのです。

スポンサーリンク

おすすめコンテンツ

この記事を書いたライター
ひなちゃんママ

ひなちゃんママ

子育てと仕事に頑張る共働き主婦です!ルンバ貯金始めました♪