胎便吸引症候群とはに関する記事

胎便吸引症候群を引き起こす羊水混濁の原因とは?後遺症は?

胎便吸引症候群を引き起こす羊水混濁の原因とは?後遺症は?

胎便吸引症候群が引き起こす症状とは?知っておきたい原因と治療法、他に合併症についても分かりやすくご紹介します。

マーミーTOP  >  出産  >  胎便吸引症候群を引き起こす羊水混濁の原因とは?後遺症は?

胎便吸引症候群とは?知っておくべき羊水混濁による予後

「胎便吸引症候群(MAS:Meconium aspiration syndrome)」をご存知ですか。この病気は、出産直前や出産中に起こる赤ちゃんの病気で、妊娠中の経過が良好な人でも注意が必要です。今回は、胎便吸引症候群の原因と症状、治療法や恐ろしい合併症について、分かりやすく解説します。

お腹の赤ちゃんの正常な排泄の流れ

お腹の中にいる赤ちゃんのイラスト

お腹の中の赤ちゃんが、どのようにして排泄しているのか不思議ですよね。実は、お腹の中の赤ちゃんは、基本的にうんちをすることはありません

赤ちゃんに必要な栄養と酸素は、へその緒を通して送られ、赤ちゃんからママには、いらなくなった老廃物と二酸化炭素が返されるしくみとなっています。そのため、羊水を飲んで胎児尿と呼ばれるおしっこをしても、汚れたものは含まれていないのです。

ママのお腹でうんちをしない赤ちゃんですが、腸の中には、胆汁や腸液が混じった黒緑色の胎便が溜まっています。この時点では、腸がまだ動いていないので、うんちとして排出することは通常ありません。生まれたあと、ママのおっぱいを飲むようになってから、腸が動くようになると胎便が排出されるのです。

胎便吸引症候群が起こる原因

胎便吸引症候群とは、赤ちゃんが羊水に排泄してしまった胎便を吸い込むことで、肺や気管支がつまって呼吸障害を起こすことを言います。この症状は、胎児の腸の機能が完成して、排便が可能になる妊娠36週以降に起こります。

体の内部のことなので、エコー検査や血液検査などでは予測することができません。胎便吸引症候群は、妊娠中と出産時に起こる可能性があります。それぞれのケースごとに、原因をまとめました。

妊娠中に起こる原因

生まれたばかりの赤ちゃん

赤ちゃんがお腹の中にいる時、排便をしてしまったことが原因で、胎便吸引症候群を引き起こす場合があります。赤ちゃんは、お腹の中では排便を行わないようになっているのですが、妊娠中に何らかの原因で、お腹の赤ちゃんが呼吸困難の状態に陥ると、腸の活動が活発になって排便することがあるのです。

本来は出産後に出るはずの胎便を、羊水の中に排泄してしまうので、羊水が汚れて羊水混濁が起こります。お腹の赤ちゃんは通常、口呼吸をすることはありませんが、酸素不足になることで呼吸が苦しくなり、あえぐように羊水を吸いこみます。その時に、胎便により汚れた羊水が、口の中や気道、肺の中に入るので、胎便吸引症候群となってしまうのです。

過期産児は胎便吸引症候群に要注意

出産予定日が超過し、妊娠42週を超えて出産することを過期産と言い、胎便吸引症候群が重症化しやすくなるので、注意しなければなりません。胎盤機能が低下して、赤ちゃんが酸素不足となりやすいことと、羊水量が少ないので羊水内の胎便の濃度が濃くなってしまうためです。

他にも過期産のデメリットはたくさんあるため、陣痛がなかなか来ない場合は、陣痛促進剤の使用や帝王切開を行うことがほとんどです。自然分娩にこだわらず、赤ちゃんの安全を第一に考えた方が良いでしょう。

出産時に起こる原因

赤ちゃんが産道を通って出てくるとき、肺呼吸に切り替わった際に、口や鼻の中に入り込んでいた胎便を吸い込んでしまうことがあります。胎便に呼吸を妨げられ、肺の機能が低下し、呼吸障害を起こすこともあります。

胎便吸引症候群の症状

胎便吸引症候群になると、赤ちゃんの体に深刻な影響が出る恐れがあります。胎便吸引症候群の症状には、どのようなものがあるのでしょうか。

呼吸困難

呼吸をイメージする気管と肺のイラスト

胎便吸引症候群の代表的な症状として、呼吸困難があります。子宮内で排便したあと、汚れた羊水を吸いこむことにより、肺につながる気道や気管支に詰まったり、さらに奥にある肺胞が詰まったりします。そのため、うまく息を吸うことが出来なくなり、呼吸困難となってしまうのです。症状がひどくなると、肺の一部が破れたり、肺に炎症が起きたりするので注意が必要です。

呼吸の際の胸部のへこみ

胎便吸引症候群により呼吸困難を起こすと、息をするときに胸の部分がへこんだ状態となります。肺の機能が低下しているため、体に酸素を取り込むことが出来ず、このような呼吸となってしまうのです。

チアノーゼ

胎便吸引症候群により、体に酸素がいきわたらないとチアノーゼが起こります。チアノーゼとは、酸素不足により指の爪や唇の粘膜が青紫色になることを言います。そのままでは大変危険なので、すぐに酸素吸入などの処置を行います。

胎便による皮膚や爪の着色

羊水の中で排便した便が体に付着し、皮膚や爪に色がついてしまうことがあります。胎便吸引症候群の赤ちゃんは、お腹の中で胎便にまみれた状態となっているため、着色が起こってしまうのです。

胎便吸引症候群の治療

生まれた赤ちゃんが排便吸引症候群だった場合、合併症を起こさないようにするため、早めの処置を行う必要があります。どのような治療をおこなうのかをまとめました。

気道につまった胎便の吸引

気道を確保し、呼吸ができるようにするため、気道に詰まった胎便を吸引して取り除きます。赤ちゃんが子宮内で排便した場合、呼吸により、口や鼻の中に胎便が入り込む可能性があります。まず、それらの胎便を取り除き、気道や気管支に入ってしまった胎便を吸引して、呼吸ができるように処置するのです。

酸素投与

酸素ボンベのイラスト

排便吸引症候群が軽い場合や、気管に入り込んだ胎便を取り除いた後、酸素投与を行います。空気中の酸素濃度は21%ほどですが、排便吸引症候群の治療を行う場合、通常よりも高い濃度の酸素を吸わせ、弱った肺でも楽に呼吸ができるようにしてあげます

気管内洗浄

胎便が気管内にまで入り込んだ場合、気管内洗浄を行います。気管内に入った胎便を放置しておくと、呼吸困難により酸素不足となり、心臓や脳などに重い障害を残す恐れがあります。そのため、赤ちゃんの気管に胎便が入り込んだ恐れがある場合、ただちに気管内洗浄を行うのです。

人工呼吸器による呼吸の管理

保育器の中で治療をされている赤ちゃん

色々な処置を行っても、肺に汚れた羊水が残ってしまった場合、NICU(集中治療室)に入って、人工呼吸器による呼吸の管理を行います。肺の中の状態はレントゲン撮影で分かり、胎便が詰まって酸素を取り入れることができない場所は、白く映ります。しばらく呼吸の管理を行い、人工呼吸器がなくても自力で呼吸ができるようになるまで経過観察します。

胎便吸引症候群による合併症

胎便吸引症候群は、軽症の場合だと、その後の成長に影響が出ない場合が多いです。しかし、症状が重く治療が長引いた場合などに、合併症を起こしてしまうことがあります。胎便吸引症候群による合併症についてまとめました。

肺炎

胎便吸引症候群では、汚れた羊水を吸いこむので、肺炎が起きやすくなります。肺炎になった場合は、抗生物質による治療が行われます。

気胸

寝ている新生児

胎便吸引症候群により、肺の一部が弱くなり気胸になる場合があります。気胸とは、肺の一部に穴が開き、空気が漏れて肺が小さくなる症状のことです。気胸の症状としては、胸の痛みや呼吸困難、続く咳などがあり、再発を繰り返すことも。

気胸が軽度なら、安静にしていると3週間程度で穴がふさがりますが、重度の場合は入院して、肺から胸に漏れた空気を抜く胸腔ドレナージを行うことになります。

肺気腫

肺気腫とは、気管支につながっている肺胞という部分が機能しなくなる病気です。胎便吸引症候群で、汚れた羊水が肺胞部分まで入ってしまうと肺気腫になる恐れがあります。

肺胞は、体の中の二酸化炭素と新しい酸素を交換する大事な役割をしています。肺気腫になると、体に必要な酸素がうまく取り込めなくなり、咳や息切れといった症状が出るようになります。

低酸素性虚血性脳症(HIE)

低酸素性虚血性脳症(HIE)は、妊娠中や出産時に赤ちゃんが酸素不足になることで、心臓や脳が機能しなくなる病気です。1000件の出産に対し、8件程度で起こると言われています。胎児と母体の酸素交換が上手くいかなかったことにより発症し、胎盤やへその緒の異常、胎便吸引症候群などが原因です。

新生児遷延性肺高血圧症(PPHN)

新生児遷延性肺高血圧症は、赤ちゃんが生まれた後、肺の機能が切り替わらないことで起こる病気です。胎便吸引症候群や先天性横隔膜ヘルニアなどが原因で起こります。

お腹の中の赤ちゃんは、ママとつながっているへその緒を通して、酸素と二酸化炭素を交換しています。出産により、自然と肺呼吸が始まる仕組みとなっていますが、切り替えがうまくいかず酸素不足となるケースがあります。

この状態を新生児遷延性肺高血圧症と言い、生まれてすぐにチアノーゼや呼吸障害などになってしまうのです。新生児遷延性肺高血圧症の治療は、胎便吸引症候群など、元となる病気の治療を優先的に行い、人工呼吸器を使って体に酸素を送ります。

スポンサーリンク

おすすめコンテンツ

この記事を書いたライター
ひなちゃんママ

ひなちゃんママ

子育てと仕事に頑張る共働き主婦です!ルンバ貯金始めました♪