識字障害の初期症状と支援に関する記事

識字障害の初期症状12!文字に興味がない子供への3つの支援

識字障害の初期症状12!文字に興味がない子供への3つの支援

識字障害のある子供は、小さい頃から何らかのサインを出しています。お子さんの様子に思い当たるふしがあるママとパパは、識字障害の子供にみられる初期症状をチェックしましょう。医師の診断や家庭でできる支援についてもご紹介します。

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識字障害の初期症状かも!?読書や勉強が嫌いな子は要注意

子供が生まれたばかりの頃は、「とにかく元気でいてくれるだけで…」と思っていたパパやママも、幼児期が終わりに近づき小学校への入学準備を始めたり、小学生になって初めて通知表をもらったりする頃から、子供の能力や学力などが気になってしまいますよね。そして、親の期待通りの結果が出ないと「怠けている」「集中していない」などと、子供を責めてしまうことも…。

学習障害に関しては国内での理解がまだまだ不足していて、「怠けている」「集中していないからだ」「育て方が悪い」などと本人や親が周囲から誤解され、責められることもあります。そうした誤解を解くためにも、子供の識字障害や初期症状、家庭でできる支援などについて、一緒に考えていきましょう。

学校の成績が悪い原因は識字障害?

「学校の成績が子供の価値や幸せを決めるものではない」とわかっていても、やはり気にしてしまうのは親として子供の将来を気遣う愛情があるからこそ。そして、その愛情こそが子供の問題を早期に発見し、援助するためには必要不可欠なのです。

識字障害とは

全体的な学習や発達には遅れは無いものの、文字を読み書きすることだけが苦手という特性を差し示す言葉で、「発達性読み書き障害」とか、「ディスレクシア」とも表現される学習障害の一種です

漢字の勉強をしている小学生

識字障害は、知能の低さや勉強不足が原因となっている障害ではなく、算数障害などと同様に脳機能の発達に起因する特性ですので、親や学校の先生の正しい理解と支援が必要です。

識字障害は1890年代から疾患が報告されるようになり、2013年の米国精神医学会の診断基準での改定でようやく学習障害の一形態として示された疾患のため、まだまだ正しく理解していない人が多いのが実情です。そのため、読み書きが苦手であることを友達や先生に理解してもらえず、周囲との信頼関係を築けなくなり、反抗挑戦性障害などの二次障害になることもあります。

子供を二次障害から救えるのは、一番身近なパパやママの理解とサポートだけ。小学1年生以降に文字の読み書きが原因と思われる学業不振が見られても、子供を頭ごなしに怒るのではなく、子供の様子をしっかりと観察し、必要に応じて小児神経科などを受診することも視野に入れてサポートしていきましょう。

うちの子は識字障害なの?12の初期症状

識字障害と聞くと「読み書きが全くできない」と誤解している人は多いのですが、これは間違い。実際は、読み書きを間違えやすかったり、正しい読み書きを覚えにくかったりするというものです。絶望的に捉えず「他の子と比べると言葉に対する反応が遅い」「発達がスローペースだ」と考えて、焦らず一歩ずつ支援していくことが大切です。

本を読んでいる女の子

言葉や学習の発達には個人差が大きく、識字障害があっても幼児期にはそれほど気付かれにくいのですが、小学校に入ると一定の年齢で学年を仕切り、年齢に応じた画一的な教育を行っていくので、識字障害がある子供は「他の子よりも覚えが悪い」「成績が悪い」といった評価を受け、とても不利な立場に立たされます。

そのため、読み書きに苦手意識を持ってしまったり、「自分はダメな子」と自己否定してしまったりすると、その後の発達にも悪影響が出ます。ですから、他の学習障害と同様に、識字障害も早いうちに発見して、専門的なケアや支援を始めることで、子供の将来が大きく変わります。子供が次のような識字障害のサインを出していないかチェックし、子供の状態を確認しましょう。

識字障害12の初期症状

  1. 小さい頃から文字に興味を示さない
  2. 文字を教えても、覚えようとしない
  3. 文字を一つ一つ拾って、指で指し示しながら読む
  4. 「わ・たし」など一つの言葉を区切って読む
  5. 絵本を自分で読もうとしない
  6. 文末などを変えて、いいかげんに読む
  7. 黙読ができない
  8. すぐ疲れるため、集中して本や文を読めない
  9. 小さい「っ」、「ん」、「かあ」のような伸ばす音をよく間違える
  10. 「お」と「を」のような同じ音の文字をよく間違える
  11. 「王」と「玉」のように形の似ている文字をよく間違える
  12. 画数が多い漢字をよく間違える

識字障害の診断

学習ペースや理解度は子供によって個人差が大きく、単に国語の成績が良くないから識字障害だと判断することはできないのですが、算数などの他の科目は問題がなく学習が進んでいるのに、文字に関してだけ読み書きが難しく、小学校高学年になってもひらがなが読めないなどの症状がある場合には、一度小児神経科医師などの専門医を受診することをおすすめします。

医師と話しをしてる小学生の女の子

識字障害の診断は専門医による検査の結果によって行われます。検査内容としては、Wechslerなどの知能検査や国語や算数などの標準学力検査が行われます。学力検査では、自分の学年より2学年以上の遅れがあるかを調査し、さらに遅れがみられる点はひらがなか、カタカナか、漢字を知るために、読字や書字の検査も行われます。また、お子さんの状況に応じて心理学的検査頭部画像検査を行うこともあります。

専門医はさまざまな状況から読み書き機能のどこに障害があるのかを調べ、総合的に判断して診断し、支援の方向性を決めていきますので、親が「大丈夫!そのうち興味がでてきたらできるようになる」「読めないなら、私が毎日特訓すればいい」などと自己判断することで、子供に適切な支援を受けさせてあげられなくなり、さらに苦しめてしまう恐れもありますので注意しましょうね。

識字障害へのサポート

学校や専門医と連携しながら、一人ひとりの性格やペースにあった学習支援を進めていくことが大切です!

日本語は分かり易い!識字障害の発症率

ひらがなのおもちゃ

日本における仮名の識字障害の発症率は、およそ0.7~2.2%。人口にするとおよそ100~200万人と推定されています。これは欧米などのアルファベット語圏の3~12%と比べると比較的低い数値ですよね。2002年に日本の小中学校教師により行われた調査では、3.3%の児童に学習面のみの著しい困難が見られたそうですが、「ひらがな」「カタカナ」「漢字」の発症率など、より詳細な調査結果はまだありません。

識字障害の発症メカニズムはまだ解明されておらず、一定の条件下での遺伝など、さまざまな要因が考えられているのですが、日本における識字障害の発症リスクの低さは、日本語の読みやすさや聞き取りやすさが大きな影響を与えているといわれています。

日本語は欧米などのアルファベット圏の言語と違い、一つの仮名が一つの音韻の単位となっていて、とても読み書きがしやすい言語ですよね。ほとんどの音節が子音と母音の組み合わせで成り立っているので、聞き取りがしやすく、識字障害があってもそれほど読み書きが困難な状態には陥りにくいため、発症率が比較的低い状態なのではないかと考えられているのです。

識字障害の子供に家庭で出来る支援

子供の学習支援をしているお父さん

お子さんに識字障害がある場合や、検査の結果で障害は見つからなかったけれど文字の読み書きが好きではない場合は、子供の読み書きに対する苦手意識を緩和させるためにも学習方法を工夫して、家庭で学習支援を行うことが大切です。親はどのような支援を行えばよいのでしょう。

識字障害者向けの電子図書館を利用する

識字障害のある子供は、視力に問題があるわけではなく、文字の見え方が通常の見え方と違います。例えば、文字が泳いで見えたり、ねじれて見えたり、隣の文字と重なって見えたり、反転して見えたり…。お子さんの鏡文字で識字障害に気づくママもいます。

見やすいように部分的に色分けをするなど工夫をすれば文字を認識しやすくなりますが、授業に楽しく参加できるように、識字障害の子供向けに教科書や推薦図書などをわかりやすく電子書籍化し、音声で読み上げてくれる電子図書館もぜひ利用してみてくださいね。

アクセス・リーディング(サイト画面キャプチャ)

AccessReading(アクセス・リーディング)

TEL: 03-5452-5228

時間: 平日水曜日 13:00-17:30

住所: 東京都目黒区駒場4-6-1 3号館311号室

東京大学先端科学技術研究センター内に事務局があり、識字障害のある児童生徒や大人に向けて、教科書や本のデータを提供してくれるオンライン図書館です。無料で利用できますので、ぜひHPをチェックしてみてくださいね。

音読指導プログラムやアプリを活用する

母親と一緒にアプリを使って勉強している男の子のイラスト

鳥取大学では識字障害に対する正しい知識を普及させ、識字障害を持つ子供達が苦手な音読がスムーズにできるように支援活動を行っています。無料で使える音読指導アプリもその活動の一つで、タブレットを使って子供が楽しく学習できるように工夫がされていますので、識字障害のある子供の学習に効果的です。

「ディスレクシア音読指導アプリ 単音直音統合版」
ディスレクシア音読指導アプリ(サイト画面キャプチャ)

「ディスレクシア音読指導アプリ 単音直音統合版」は鳥取大学ディスレクシア小枝研究室が監修している、音読をスムーズにさせるための学習支援アプリです。比較的簡単な「ビギナー」と、少し難易度をあげた「チャレンジャー」に分かれていますので、子供の能力や学習ペースにあわせて使うことができます。

文字を読みやすく工夫する

識字障害のある子供は文字の形を認識することが難しいのですが、丸ゴシックのような、文字を見やすいフォントに変えるだけでも見方が変わり、認識しやすくなることがあります。

フォントだけでなく、文字のサイズを変える、文字と文字を間の空間を大きめに開ける、漢字にふりがなを振る、語の区切りに斜線をひくなどのちょっとした工夫をすると、言葉や文を認識しやすくなりますので、いくつか試してみて、その子が一番読み書きをしやすいように文字を整えてあげるといいでしょう。

親が読み聞かせをする

識字障害のある子供は、いきなり初めての文章を読むのが困難ですが、2度目に読むと前より上手になっていることが多いです。そのため、いきなり教科書などを読ませようとせず、まずは親が読みきかせあげて、内容を理解できたか確認することが大切です。ハリウッドスターのトム・クルーズさんも、識字障害があるため台本を読んでもらって録音し、セリフを覚えているそうですよ。

家ではリラックスさせてあげる

識字障害だけでなく障害のある子供達は、周囲に合わせるために、親が想像できないほどストレスを抱えて学校生活をおくっています。ですから、家庭ではできるだけリラックスできる環境を整え、スポーツや音楽など好きなことをする時間が必要であることを、親はきちんと理解しておきましょう。家庭でも無理をさせることで、鬱病など二次障害を引き起こさないように注意してください。

識字障害の子供に自信をつけさせてあげましょう

勉強をしている男の子

子供にとっても大人にとっても、苦手なものを克服することはとても困難で、ストレスのたまる作業ですよね。識字障害をはじめとする学習障害のある子供たちは、そういったストレスと闘いながら毎日頑張っています。パパやママも子供ができないことを怒ったり責めたりするのではなく、頑張りを認めてあげましょうね。

識字障害はまだまだ認知度が低いため、子供は周りと比較されたり責められたりすることで自信を持てなくなる傾向があります。読み書きが苦手なのは子供の欠点ではなく、あくまでも子供の個性の一つ。ですから、子供ができないことにばかり目を向けるのではなく、子供の良い面に目を向けて褒め、子供に自信を持たせながら能力を伸ばしていってあげましょう。

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この記事を書いたライター
はたこ

はたこ

第一子から15年間保育園に通い続け、まだまだ記録更新中です!