胎児の心拍数で何が分かる?に関する記事

胎児の心拍数から分かること~妊娠中の赤ちゃんの心音検査

胎児の心拍数から分かること~妊娠中の赤ちゃんの心音検査

胎児の心拍数を測定する検査では、実はただ心音を計っているだけでなく、赤ちゃんの心臓の働きや胎盤の機能まで分かるのです。お腹の赤ちゃんが元気かどうか、酸素がしっかり行き届いているかなど、心拍数はとっても大切な赤ちゃんからのサインなのです。

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胎児の心拍数から分かること…妊娠中に心拍数を確認する目的とは

妊娠が分かって初めて産婦人科に行き、超音波検査(エコー検査)で初めて赤ちゃんの心音を聞いたとき、ママはその喜びで胸がいっぱいになるでしょう。

生後数週間で力強く打つ心音を聞いたとたん、「赤ちゃんを守っていこう」「元気な赤ちゃんを産もう」と決意したママは多いのではないでしょうか。

赤ちゃんが成長してくると、ママは胎動を感じることはできますが、赤ちゃんが実際にどのくらい元気なのか、直接調べる方法はありません。

それを知るために、妊娠35週前後の妊婦健診から開始されるNST(ノンストレステスト)が行われます。赤ちゃんの心拍を測定することで、赤ちゃんが元気かな、問題ないかなということが分かるのです。

でも、せっかく赤ちゃんの心音が聞こえても、どんな心音なら赤ちゃんが元気なのか分かりませんよね。そこで、赤ちゃんの心拍数の確認方法と赤ちゃんの関係についてみていきましょう。

胎児の心音はいつから分かるの?

超音波検査を受ける妊婦さんのイラスト

妊娠5週くらいになると、超音波検査で赤ちゃんになる前の「胎芽」や「胎嚢」と呼ばれる袋を確認できるようになります。これが見られると、妊娠している可能性が高いということを意味します。

しかし、妊娠5週では袋を確認できても、袋の中の赤ちゃんの心拍を確認することはできません。赤ちゃんの心音を確認することができるのは、妊娠6週くらいです。

ところが、妊娠週数のもとになる最終生理日の記憶があいまいな場合、妊娠週数自体が確実というわけではありません。そのため、6週よりも少し早い場合もあれば遅い場合もあります。

なぜ胎児の心拍数を確認するの?

胎児心拍数陣痛図

妊婦健診では超音波検査によって子宮の赤ちゃんの様子を見ることができます。しかし、エコー画面だけでは、目に見える異常しか分かりません。

赤ちゃんはこれからお腹の中で大きく成長しなくてはならないし、過酷な出産に耐えなければならないため、赤ちゃんの心臓の働きを知ることが最も大切なのです。

また、心拍数で分かるのは赤ちゃんの心臓の働きだけではなく、胎盤を通してママから赤ちゃんにきちんと酸素が送られているかどうか分かるのです。臍帯や胎盤などの異常がないか、胎児の体が酸素不足の状態になっていないかを確認します。

赤ちゃんの心拍数を確認するためには、モニタリングによってCTG(胎児心拍数陣痛図)を記録します。

胎児の心拍数を確認する胎児well-being検査

お腹の赤ちゃんの心拍数を測定するためには、胎児well-being検査が行われます。胎児well-being検査とは、胎児が良好な状態(well-being)かどうかを確認する検査のことで、主に次の4つの方法があります。

1ノン・ストレステスト(NST)

ノン・ストレステストを受ける妊婦さん

通常妊婦健診の時に行われるのがノン・ストレステストです。妊娠後期のお産が近づく時期に、赤ちゃんに子宮収縮などのストレスが加わらない状態で心拍を測定し、赤ちゃんが元気かどうかを評価します。

この検査結果が、赤ちゃんの心拍の異常があるかどうかをチェックする最初の指標になり、結果を見ることによって、お産に耐えられるかどうかが分かるのです。検査時間は約20~40分ほどです。

ノン・ストレステストは、ママがリラックスをして横になっている状態で行います。分娩監視装置という機械のうち、赤ちゃんの心音を調べる部品と、ママの子宮の張りを調べる部品の2つをお腹に装着します。

2コントラクション・ストレステスト(CST)

妊婦のお母さんとお腹の赤ちゃんのイラスト

陣痛の時のような子宮収縮を人工的に起こし、赤ちゃんにストレスを与えた状態で心拍を計測するのがコントラクション・ストレステストです。

ノン・ストレステストで胎児の状態が確認できなかった場合に行い、胎児の異常を発見します。

乳頭刺激やオキシトシンの注射で人工的な子宮収縮を起こし、10分間に40秒以上の子宮収縮が3回測定できるまで検査を行います。

このテストを受けるときにはノン・ストレステストと同様に、ママはゆっくりと横になり分娩監視装置を装着します。

3胎児振動音刺激試験(VAST)

お腹の赤ちゃんは20~40分ごとに睡眠と覚醒を繰り返しているため、NSTを行った際に、タイミング悪く赤ちゃんが眠っている可能性があります。そんな時に行われるのが胎児振動音刺激試験です。

ママが分娩監視装置を装着した状態で、ブーブーという刺激音で胎児を目覚めさせてから心拍数を測定します。

4バイオフィジカル・プロフィール・スコアリング(BPS)

バイオフィジカル・プロフィール・スコアリングは、赤ちゃんの心音だけでなく、超音波検査で複数の項目を観察して、赤ちゃんが低酸素状態になっていないかどうかを総合的に判断するテストです。

その判断材料になるのは、次の5つの項目です。

  • 赤ちゃんの呼吸のような運動
  • 胎動
  • 筋緊張
  • 羊水量
  • NST

妊娠25~26週から検査が可能で、5つの項目を点数化した合計点で問題の有無を判断します。

胎児の心拍数の正常値はどれくらい?

点滴薬と看護婦のイラスト

CTGをもとに一過性の変動を除いた平均的な胎児の心拍数のことを、胎児心拍数基線(FHRベースライン)といいます。胎児の正常時のFHRベースラインは、120~160回/分が標準とされています。

胎児の心拍数は妊娠週数によって変化し、心音が分かる妊娠5週あたりは90~100回/分なのが、徐々に上がり続けて、妊娠9週には170~180回/分まで達します。

また、切迫早産などの治療に用いられる「ウテメリン」という張り止めの薬を投与された場合は、一時的にFHRベースラインが上がることもあります。

心拍数の一過性の変動とは

何らかの原因で、胎児の心拍数が一時的に変動することを「胎児心拍数一過性変動」といいます。この心拍数の変動の仕方から、お腹の赤ちゃんの様子が分かるのです。

一過性の変動には、ベースラインが一時的に標準よりも早くなる一過性頻脈(いっかせいひんみゃく)と、標準より遅くなる一過性除脈(いっかせいじょみゃく)の2種類があります。

それでは、それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。

一過性頻脈

笑顔の赤ちゃん

赤ちゃんの心拍が160回/分以上の場合、頻脈と判断されます。

通常は心拍が上がり始めると30秒以内に最大となり、その後15秒以上2分未満に元の状態に戻るのに対して、一過性頻脈は、心拍数が平均よりも15回/分以上増加し、15秒以上の一過性頻脈が2回あると良好な状態だと言われます。

頻脈は胎動が原因で起こることがほとんどですが、子宮の収縮や内診の刺激などによって一時的に心拍数が多くなることもあり、これにより赤ちゃんの生理的反応がきちんとあることが分かるのです。

一過性徐脈

子宮の収縮によって胎児の心拍数が一時的に減り、110回/分以下になると徐脈と判断されます。一過性徐脈は、心拍数が変化するタイミングによって次の4つの種類に分けられます。

1.早発一過性徐脈
胎児の心拍数データ図

子宮の収縮に伴い心拍数が減少することを早発一過性徐脈といいます。

子宮の収縮によって赤ちゃんの頭が圧迫されることで、迷走神経の反射により子宮収縮と同時に赤ちゃんの心拍数が減少し、収縮が終わると心拍数が元に戻ります。

早発一過性徐脈は、赤ちゃんによくみられる生理的な反応です。

2.遅発一過性徐脈

子宮の収縮より遅れて心拍数が減少することを遅発一過性徐脈といいます。

子宮の収縮から遅れて心拍が減少するということは、胎盤の機能が悪い、子宮内の血流が悪いなどストレスがかかっているということを意味しています。

陣痛が起こった際、赤ちゃんの予備能力にも大きな影響があると予測される徐脈の一つです。

3.変動一過性徐脈
生まれたばかりの新生児

子宮の収縮に関係なく、急激な心拍数の減少が起こることを変動一過性徐脈といいます。

変動一過性徐脈は、分娩中にもよくみられる徐脈の形で、へその緒が圧迫されているなどの原因が考えられます。

心拍数の波形を見ただけでは低酸素が起こっているかどうかは判断できませんが、変動一過性徐脈を何度も繰り返す場合は注意が必要です。

4.遷延一過性徐脈
帝王切開で生まれた赤ちゃん

一過性除脈が持続することを遷延一過性徐脈といいます。

心拍数が下降し始めて30秒未満で最下点に下がり、もとに戻るまで2分以上10分未満の場合、遷延一過性徐脈と判断されます。原因としては、強い陣痛や臍帯の圧迫のほか、臍帯脱出、胎盤早期剥離などがあります。

徐脈の時間が長くなると、赤ちゃんへの酸素不足が明らかで、低酸素血症を起こすこともあります。この場合は、緊急の帝王切開になることも少なくありません。

胎児の心拍数から分かるトラブル

赤ちゃんの心拍を測る検査は、赤ちゃんにもお母さんにも痛みなどの刺激を与えないので、手軽で便利なよい検査方法だといえます。その検査で得た結果からは、well-beingのほかに次のようなトラブルを知ることができます。

胎児機能不全(NRFS)

可愛い赤ちゃん

胎児機能不全とは、胎児bell-being検査の結果から、胎児に問題がある、または将来的に問題が発生することが予想される場合のことをいいます。

この検査から、具体的にどのような問題があるか分かりませんが、胎児機能不全が続く場合は、胎児が低酸素状態に陥る恐れがあるということを意味します。

胎児頻脈性不整脈

胎児の心拍数が180回/分以上の場合、胎児頻脈性不整脈が疑われます。胎児頻脈性不整脈は治療方法が確立されていない病気で、長く不整脈が続くと胸やお腹に水がたまる胎児水腫を発症する恐れがあります。

不整脈が改善されず、胎児水腫に進行が見られる場合は、帝王切開となる可能性が高くなります。

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