新生児の耳の検査内容と費用に関する記事

新生児の耳の検査~難聴?聴覚スクリーニングの内容や費用

新生児の耳の検査~難聴?聴覚スクリーニングの内容や費用

生まれたばかりなのに耳の検査が必要なの?と驚かれるかもしれませんが、新生児聴覚スクリーニング検査は赤ちゃんの耳の異常を早期発見につながることから、これから出産を迎えるママは検査について正しい知識を身に付けておきましょう。

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新生児の耳の検査~聴覚を調べる聴覚スクリーニングの内容や費用

新生児

生まれたばかりの新生児は音のする方を振り向くことも、語りかけに対して表情で反応を返すこともできません。また、私達が耳の検査を受ける際によく使われている、「ピー」という音が聞こえたらボタンを押す「オージオメータ」という検査機器のボタンを押すことも当然できません。

聞こえたかどうかを知らせることができない赤ちゃんの耳の検査は、一体どのようにして行うのでしょう?

今回は、新生児の聴力を調べる「新生児聴覚スクリーニング検査」の内容、耳の検査によってわかること費用再検査について分かり易く解説しますので、検査を行うかどうかの判断に役立てましょう。

なぜ新生児に耳の検査が必要なの?

楽器で遊ぶ2歳児

新生児に行う耳の検査は新生児聴覚スクリーニング検査と呼ばれ、一般的に出産直後の入院中に産院で実施されます。「スクリーニング(screening)」とは直訳すると「ふるいにかけること」という意味。つまり新生児聴力スクリーニング検査とは、異常があるのかどうかを調べるのではなく、新生児に聴力の精密検査を行う必要があるかどうかをふるいにかけるための耳の検査なのです。

赤ちゃんに先天性難聴がある場合、半分近くの赤ちゃんには何らかの異常が見られますが、残り半分の赤ちゃんは生まれた際に異常が見られません。そのため新生児期に耳の検査を受ける機会を逃してしまうと耳の異常の発見が遅れる可能性があり、言葉やコニュニケーションの発達にまで影響を及ぼす恐れがあるのです。

2歳になって言葉が出なかったり宇宙語が続いたり、コミュニケーションに異変が見られて耳の聞こえに不安を感じ、病院に行くケースも少なくありません。

新生児の耳の検査は全ての産婦人科や産院で実施している訳ではありませんが、原因となる要因に該当する場合は特に検査が重要になります。もし、出産する医療施設に検査設備が整っていない場合は、医療施設や地域の保健センターに確認し、検査ができる場所を紹介してもらうようにするといいでしょう。

新生児が先天性難聴になる主な原因

  • 遺伝
  • 風疹やトキソプラズマなどの胎内感染
  • 妊娠37週未満の早産
  • 胎内でのストレプトマイシンなどの薬の副作用

子供が難聴になる原因は1/3が遺伝、1/3が胎内や出生後の感染症、出産の状況や出生後の外傷、1/3が原因不明です。(注1)

アメリカでは国立衛生研究所がガイドラインを作成し、赤ちゃんが先天性難聴である場合は生後1ヶ月までに新生児聴覚スクリーニング検査を終了し、生後3ヶ月までに精密検査を開始し、生後6ヶ月までに早期支援を開始するというルールを定めています。(注2)

新生児聴覚スクリーニング検査によって早期支援が必要だとわかる赤ちゃんの割合は0.1~0.5%ですが、岡山で知的障害がなく早期支援を受けた6歳の就学前の子供の言語力を調べたところ、健聴児と同じくらいの言語力を身につけていることがわかりました。もし先天性難聴がある場合、早期支援が非常に大切なのです。

検査費用はどれくらい?

お金のことを考える女性イラスト

新生児聴覚スクリーニング検査は今のところ保護者が受けるかどうか判断する「任意検査」の市町村も多く、任意検査の場合は検査費用が全額自己負担となります。自由診療のため病院によって料金が異なっていますが、一般的な検査費用は5000円前後が相場となっています。

ただし「公費負担」とする自治体の場合、公費負担額は自治体によって異なり、全額負担の自治体もありますが今のところ一部負担の自治体の割合が高いです。けれど、公費負担の自治体は新生児聴覚スクリーニング実施率が高く、任意検査の自治体とは格差があります。(注3)

出産費用に検査の料金が含まれていて必ず検査を行う病院もあれば、希望者のみ別料金で検査を行う病院もあるため、病院選びの際にあらかじめ確認しておくといいですね。

新生児聴覚スクリーニング検査の内容

新生児の耳の検査では、眠っている赤ちゃんにささやき声くらいの大きさの音を聞かせて反応を確かめます。そのため、赤ちゃんに負担がかかるものではないので安心してくださいね。
検査には次の2つの方法があるので具体的にみていきましょう。

自動聴性脳幹反応(Automated ABR)

聴性脳幹反応(ABR)とは、音が聞こえた際の聴神経から脳幹への電気的反応のことを言います。
自動ABRでは赤ちゃんに音を聞かせ、音に対する赤ちゃんの反応の波形と聴力が正常な赤ちゃんの反応の波形とを比較し、反応が正常であるかをコンピュータで自動的に判定します。

自動聴性脳幹反応検査は、赤ちゃんが眠っている時に防音室にて行われます

35dBというささやき声程度の小さな音から検査を行えるため、軽度の先天性難聴の発見も可能となります。35dBで正常な反応がなければ、40dB、70dBと音を大きくしていき、70dBでも正常な反応が得られなければ精密検査の対象となります。

スクリーニング用耳音響放射(OAE)

耳から入った音が蝸牛(かぎゅう)というカタツムリのような形をした器官に到達した際、蝸牛のうずまきの中にある基底板という膜が振動して耳の外に伝わってくることを耳音響放射(OAE)と言います。

スクリーニングOAE検査では、イヤホンを使って赤ちゃんに音を聞かせ、音が返ってくるかどうかを自動的に判定します。検査の結果、音が返ってきた場合40dB以上の音が聞こえていると判断されます。

新生児聴覚スクリーニング検査でどちらの検査を導入しているかは病院の方針によって異なるので、気になる場合は事前に確認しておくようにするとよいでしょう

新生児聴覚スクリーニング検査で分かること

新生児聴覚スクリーニング検査はあくまでも精密検査が必要かどうかをふるいにかける検査ですので、新生児の聴覚に障害があるかを判定する耳の検査ではありません

検査結果は「反応あり(パス:pass)」または「要再検査(リファー:refer)」のどちらかですが、パスと判定された場合は検査した時点では耳の聞こえに問題はないということなので、ひとまず安心です。

また、リファーの判定でも必ずしも聴覚障害があるというわけではなく、耳に障害があるかどうかを精密検査で調べる必要があるという意味なので、あまり心配せず落ち着いて精密検査を受けさせましょう。

その日の状態で再検査になることも…

赤ちゃんの耳の中に羊水が残っていたり、耳垢が詰まっていたりといったその日の状況で、反応が悪くなってリファーになることもあります。このような場合を考慮して複数回検査を行ない、一度でもpassが出た場合には再検査は必要ないと判断されます。

新生児の耳の検査を受けた後の注意点

新生児の耳の検査は判定が出るまで病院によっては時間がかかる可能性もあり、その間赤ちゃんの聴覚に異常があるかもしれないという不安を抱えたまま過ごしてしまうとママにとって大きなストレスとなります。

新生児への検査のため健聴児でも数回リファーの判定となることがあり、検査後は結果が出るまで気にしてストレスを溜めないように注意して赤ちゃんと過ごす時間を楽しみ、産後の体の回復や赤ちゃんのお世話に慣れることに努めることが大切です。

耳の検査や聴力のことはあまり気にせず、赤ちゃんと一緒にクラッシックなどを聞いて親子でリラックするのもいいですね。

最終的にリファー(要再検査)と判定されたら

新生児聴覚スクリーニング検査で要再検査(リファー)と判定された場合、生まれたばかりの新生児では正確な結果が得にくいため生後3~4ヶ月になってから耳の再検査を受ける必要があります。

再検査は専門技師がいる設備が整った耳鼻科で、自動聴性脳幹反応(Automated ABR)よりも精度が高いABR検査(聴性脳幹反応)が行われます。また、さらに詳しく調べるために次のような検査をABR検査と組み合わせて行う場合もあります。

聴性行動反応検査(BOA)

タンバリン

赤ちゃんにタンバリンや鈴のような楽器の音や、スピーカーの音を聞かせて反応をみる検査です。

正常な反応では、生後3ヶ月までは原始反射が見られることが多く、それ以降では、「びっくりする」「目が覚める」「音が鳴った方向を見る」などの反応が見られます。

聴性定常反応検査(ASSR)

耳から入った音に対して脳が反応した際の脳波を記録して難聴かどうか、また難聴の場合はその程度を判定します。

赤ちゃんが寝ている時でなければ検査できないため、新生児期より起きている時間が長くなってくる生後3~4ヶ月の赤ちゃんの場合は睡眠導入剤を用いることがあります。

条件詮索反応検査(COR)

左右のスピーカーからの音と光による視覚刺激を組み合わせることで、音がする方向を見るかどうかを音の大きさや周波数を変えながら調べる方法です。

左右の耳で聞こえの良い方の耳の反応を調べるため、左右別々に聴力を判定することできません。(注4)

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