新生児マススクリーニングに関する記事

新生児マススクリーニングで分かる先天性代謝異常は6つ!

『新生児マススクリーニングで分かる先天性代謝異常は6つ!』

新生児マススクリーニングは、赤ちゃんの隠れた先天性の病気を発見できます。先天性代謝異常の症状や治療などをご紹介します。

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新生児マススクリーニングで赤ちゃんの先天性の病気を早期発見!

赤ちゃんが生まれたら、「元気に育ってほしい」と誰もが願います。でも、もしかしたら、生まれつきの病気を抱えているかもしれません。赤ちゃんの体の中に生まれつきの問題があっても、気が付かないという場合もありますよ。新生児マススクリーニング検査を受けると、先天性代謝異常が早く見つかり、症状が出る前に対処または症状を軽減することができます。ここで新生児マススクリーニング検査を正しく知り、先天性の病気から赤ちゃんを守ってあげましょう。

新生児マススクリーニングとは

パソコンと聴診器

新生児マススクリーニングは、先天性代謝異常等検査とも呼ばれ、生まれたばかりの赤ちゃんの血液を検査して、特定の先天性の病気を持った赤ちゃんを、発病する前に見つけ出す検査です。この検査は、世界各国で行われていますが、日本では1977年から始まりました。検査の対象となる病気は全部で6つです。

また、2014年から、タンデムマス・スクリーニング法と呼ばれる新しい検査方法が導入され、新たに検査対象疾患が増えたことにより、16~22種類の病気を検査することができるようになりました。しかし、検査の運用と、どの病気を調べるのかは、各自治体に任せられているので、自分が住んでいる地域の自治体に確認することが必要です。

次に、新生児マススクリーニングの概要をご紹介します。

新生児マススクリーニングの目的

新生児マススクリーニングの主な目的は、病気の早期発見と病気を予防することです。もしも、生まれつき代謝異常があったとしても、早く見つけて治療することにより、障害を軽減することが出来ます。治療をして症状が出るのをおさえることが出来たら、ほかの子供と変わらないような日常生活を送ることが出来るようになり、赤ちゃんの成長や発達を促すことが出来るのです。

検査を受ける時期

検査を受ける時期は、一般的に赤ちゃんが生まれてから4~7日後と言われています。あまり早い段階で採血をすると、赤ちゃんの哺乳量が少なくアミノ酸の濃度などが安定していないので、異常の見逃しの危険性があり、正しい結果が得られない可能性があります。反対に、検査が遅すぎると症状があらわれてしまいます。出産後のママと赤ちゃんは、だいたい産後1週間で退院することから、入院中のこの時期に検査を受けるようになりました。

検査内容

赤ちゃんの足

赤ちゃんのかかとから少しの血液を採り、採取した血液を検査用のろ紙に吸収させ、この紙を都道府県にある検査センターに郵送します。検査センターでは、ろ紙の中に含まれる微量の成分を測って、病気の可能性を調べます。検査の結果は、通常、生後1ヶ月健診の際に医師から教えてもらえます。もしも、再検査、要精密検査の結果となった場合は、1ヶ月健診前に病院から連絡があります。

検査にかかる費用

新生児マススクリーニングの検査料は、自治体が負担するので無料です。しかし、採血料は自己負担となります。採血料は、検査を行った病院によって異なり、一般的に数千円程度と言われています。

絶対に受けなければならないの?

この検査は、必ず受けなければいけないというわけではありません。しかし、病気の早期発見が出来る、もしも治療が必要なら症状が出る前に早期治療を開始し、将来的に障害を残す可能性を減らせるというメリットから、病院は出産後に検査することを推奨しています。

お産で入院した時に、入院同意書などとともに、この先天性代謝異常等検査同意書兼申込書を一緒に手渡されるはずです。その際に看護師から検査の重要性、必要性の説明を受けるので、ほとんどの人が検査を希望します。

新生児マススクリーニングで分かる病気

新生児マススクリーニング検査の対象となる病気は、全部で6つあります。ここでは、それぞれの病気の原因と症状、治療法をご紹介します。

アミノ酸の代謝異常でおこる病気

食材

私たちは、食事から摂取したタンパク質を体の中で分解し、アミノ酸に変化させています。アミノ酸は、私たちが生きていくために必要なものですが、病気により、このアミノ酸が代謝できず体に蓄積すると障害を起こします。アミノ酸の代謝異常でおこる病気は、次にご紹介する3つです。

フェニールケトン(フェニルケトン)尿症

原因と症状

フェニールケトン尿症は、タンパク質の元となるアミノ酸の一つであるフェニルアラニンというアミノ酸が、体の中で消化されず体内にたまり、たまったフェニルアラニンが尿に混じる、生まれつきの病気です。これは、アミノ酸を代謝する時に必要な酵素の働きが十分でないためにおこり、生まれた赤ちゃんの8万人に1人の割合で発症すると言われています。

フェニルアラニンが体にたまると、脳への障害が知能障害を引き起こし、脳波の異常、けいれん、髪の毛や皮膚の色が薄くなるなどの症状が現れます。

フェニールケトン(フェニルケトン)尿症の治療

治療は、フェニルアラニンの摂取を制限する食事法を中心に行いますが、症状の緩和が期待できる場合は、合わせて投薬治療も行います。フェニルアラニンはタンパク質に含まれています。タンパク質を多く含む肉、魚、大豆、卵などを食べることはできないので、低たんぱく食品を使います。また、赤ちゃんの場合は、フェニルアラニンを含まないミルクを与えて治療を行います。これらの治療は、生涯にわたって必要となります。

ホモシスチン尿症

原因と症状

ホモシスチン尿症は、アミノ酸を代謝する時に必要な酵素の働きが、生まれつき欠けているためにおこる病気です。生まれた時に症状は見られませんが、治療をしないと、視力低下、緑内障、骨粗しょう症、脊椎が湾曲するなどの症状が現れます。また、1歳を過ぎたころから、知能障害、精神障害が見られ、てんかんを引き起こすこともあります。

ホモシスチン尿症の治療

治療は、食事療法を中心に行います。アミノ酸の一つであるメチオニンと呼ばれるものを除去した特殊ミルクや、タンパク質を制限した食事をとってコントロールします。またビタミンを取ることも効果的だと言われています。

メープルシロップ尿症(楓糖尿病)

原因と症状

沢山黒い人の中に赤い人が一人

メープルシロップ尿症は、楓糖尿病(かえでとうにょうびょう)とも呼ばれ、赤ちゃんの尿や汗からメープルシロップのような特有のにおいがすることから、この名前が付きました。アミノ酸を代謝する時に必要な酵素が欠損しているために、正常な代謝活動ができない遺伝性の病気で、約60万人に一人の割合で発症します。哺乳が始まってから数日後、元気がない、哺乳力が悪い、不機嫌、嘔吐などの症状が現れます。進行すると、意識障害、けいれん、呼吸困難がおこる可能性もあるので、早期治療が重要です。

メープルシロップ尿症の治療

治療は、病気の原因となるアミノ酸を制限したミルク、食事を摂ることで行われ、生涯必要となります。

糖質の代謝異常でおこる病気

糖質の代謝異常でおこる病気は、次の1つです。

ガラクトース血症

原因と症状

ガラクトース血症は、糖の成分であるガラクトースが代謝される経路に生まれつき障害があるため、ガラクトースが代謝されず、体内にたまっていく病気です。現れる症状は、哺乳力が低下する、嘔吐、下痢など。さらに症状が進むと、白内障、敗血症、髄膜炎を引き起こします。

ガラクトース血症の治療

治療は、食べ物からガラクトースを除く食事療法で行われます。赤ちゃんには、乳糖の入っていない無乳糖乳や豆乳を与えます。この治療は、生涯必要です。

内分泌異常でおこる病気

内分泌異常でおこる病気は、次の2つです。

先天性甲状腺機能低下症

原因と症状

地球儀を持っている赤ちゃん

先天性甲状腺機能低下症(せんてんせいこうじょうせんきのうていかしょう)は、クレチン症とも呼ばれ、甲状腺の臓器もしくはホルモンを合成する酵素の異常が原因で、生まれつき甲状腺ホルモンが少ない病気です。

症状は、赤ちゃんが舌を出す黄疸(おうだん)が長引く、哺乳不良、活気がない、手足が冷たい、便秘、体重が増えないなどがあります。子供の成長が進むと、知能の低下や発育の障害が問題となります。まれに、新生児マススクリーニングで発見できないことがあるので、赤ちゃんに気になる症状があれば、早めにかかりつけ医に相談しましょう。

先天性甲状腺機能低下症の治療

甲状腺機能は、知能の発達に重要なかかわりがあります。そのため、チラージンSという甲状腺ホルモンを1日1回摂取します。

先天性副腎過形成症

原因と症状

先天性副腎過形成症(せんてんせいふくじんかけいせいしょう)は、副腎皮質ホルモンをつくる副腎の機能が生まれつき低下している状態をいいます。哺乳が弱い、体重が増えない、元気がないなどの症状が見られますが、早い段階で治療を行うと、体調が改善します。

先天性副腎過形成症の治療

治療は、1日2~3回薬を服用します。また、1歳になるまでは、足りない塩分を補うため、塩分の高いミルクを与えます。

新生児マススクリーニングのメリットとデメリット

ランドセルを背負って走っている小学生

新生児マススクリーニング検査は、メリットだけではなく、デメリットも存在します。しかしながら、デメリットに比べてメリットが大きいことから、新生児マススクリーニングを受ける意味は大きいと言えます。

検査を受けるメリット

新生児マススクリーニング検査は、一度の検査で、6つ先天的な病気の可能性をチェックすることができます。早めに検査を受けることで、赤ちゃんの異常を早期に発見し、将来起こる障害を予防できる可能性が高くなりますね。

赤ちゃんは生まれてから、自分で栄養を摂取し、それを代謝しなくてはいけません。日齢4~6日はまだ不安定な時期なので、検査結果で再検査になることもあります。しかしそこで精密検査をすると正常となる赤ちゃんも多くいるのです。それだけスクリーニングの審査が厳しく行われているということなので、安心して受けることが出来ますね。

検査を受けるデメリット

新生児マススクリーニング検査を受けるデメリットは、ほんの少し採血をするので、赤ちゃんに痛みが伴う点です。

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