胃軸捻転の症状・診断・対処に関する記事

胃軸捻転とは?ゲップが出ない/母乳を吐く赤ちゃんの対処法

胃軸捻転とは?ゲップが出ない/母乳を吐く赤ちゃんの対処法

胃軸捻転とはどのような病気なのか?胃がねじれることで、母乳やミルクを吐く赤ちゃんは要注意です。普段からぐずることが多い、食欲がなく母乳やミルクの飲みが悪いなど、代表的な症状のほか、赤ちゃんのゲップをスムーズに出すための対処法をご紹介。

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母乳を吐くのは胃軸捻転のせい?ゲップが出ない赤ちゃんは要注意!

赤ちゃんにゲップをさせようとしている母親

赤ちゃんの胃は、大人の胃のような湾曲した形ではなく、とっくりのような縦長の形をしています。また、胃の周りの筋肉が未発達で、特に入口が緩いため母乳やミルクを吐きやすいのです。

しかし、成長とともに胃の入口のしまりも強くなり、大きさや形が大人のものに近づきます。ゲップを出すのも上手になっていくので、母乳を吐くことが少なくなっていきます。

ところが、成長の過程にある新生児から乳児期の赤ちゃんは、胃軸捻転という病気になりやすいため要注意。胃軸捻転は予防ができないため、正しい知識を身につけておくことで、早く症状に気づいてあげることが大事です。

胃軸捻転とは?

胃のイラスト

胃軸捻転とは、何らかの原因で胃がねじれてしまう病気です。胃がねじれることで胃が正常に働かなくなってしまうことで、様々な症状が発生します。

胃は通常、小網や大網などの腹膜によってと固定されていますが、赤ちゃんは胃を固定する力が弱いためねじれやすいのです。また、臓器が生まれつきずれている遊走脾(ゆうそうひ)の場合も、胃軸捻転になりやすいといわれます。

胃軸捻転には、ねじれの位置によって次のような2つの種類があります。

長軸捻転

長軸捻転は、胃の入口の噴門(ふんもん)と、胃の出口の幽門(ゆうもん)を結んだ線を軸としたねじれのことで、臓器軸性捻転(ぞうきじくせいねんてん)とも呼ばれています。

短軸捻転

短軸捻転は、胃が弓形に曲がっている小穹(しょうわん)、と大穹(だいわん)を結んだ線を軸としたねじれのことで、腸間膜軸性捻転(ちょうかんまくじくせいねんてん)とも呼ばれ、

胃軸捻転の症状

胃軸捻転の症状イラスト

胃軸捻転は、急性か慢性かによって症状が異なります。

突然胃拡張が起こる急性の場合は、激しい腹痛や嘔吐のほか、重症になると胃のねじれにより血流が途絶えてしまうために、胃に穴があく穿孔や壊死が起こることもあります。

慢性の場合は、腹痛や吐き気、嘔吐を繰り返すのが特徴です。しかし、新生児や乳幼児に多い慢性では、吐き気や嘔吐などの症状がみられる場合もありますが、症状が起こらないこともあるので注意する必要があります。

新生児や乳幼児が胃軸捻転を発症した場合は、次のような症状がみられるので知っておくと、おかしいなと思った時に病院に行くべきかどうかの目安になります。

1母乳・ミルクをよく吐く

哺乳瓶のミルクを飲む赤ちゃん

胃軸捻転の場合、授乳後に飲んだ母乳やミルクを吐くのが代表的な症状です。特に、月齢の低い赤ちゃんは母乳やミルクを吐きやすいとはいえ、授乳のたびに頻繁に吐くようなことがあれば、胃軸捻転が疑われます。

母乳やミルクをよく吐くという症状は、肥厚性幽門狭窄症(ひこうせいゆうもんきょうさくしょう)にも見られますが、肥厚性幽門狭窄症の場合、噴水のように吐き出すのが特徴のため、吐き方を注意深く観察することで違いが分かります。

2ゲップを上手にできない

胃がねじれていると、胃から口に向かって空気の通り道がなくなるので、哺乳の後にはゲップが出にくい状態になります。さらに、無理にゲップを出そうとすると、飲んだ母乳やミルクを吐いてしまうことも。

通常の場合、哺乳の後に前傾の姿勢にしたり、背中をさすったりすることでゲップが出ますが、胃軸捻転の赤ちゃんは、出口がふさがっているため、ゲップを促してもなかなかゲップが出すことができません。

3お腹が張っている

横になったお腹が張っている赤ちゃん

胃がねじれていることで、胃にたまった空気を口からゲップと出すことができないため、行先を失った空気が腸内に溜まってしまい、お腹の張りにつながるのです。

赤ちゃんのお腹がパンパンに張っていて、食欲がない・つらそうにしているという場合は、胃軸捻転が疑われるため、一度かかりつけ医に相談してみましょう。

4よくおならをする

赤ちゃんの後ろ姿

ゲップとして胃から出なかった空気は、腸に流れていき、それがガス、おならという形で出ていきます。通常の赤ちゃんと同じくらい哺乳の時に空気を飲むのに、ゲップが出なかったらおならが増えるのは当然ですね。

胃軸捻転の赤ちゃんは、腸の蠕動運動には問題はないため、お腹の中に溜まったほとんどの空気が、腸が動くことでガスとして排泄されるため、頻繁におならをしていることがあります。

5寝かせると不機嫌になる

不機嫌になった赤ちゃん

胃軸捻転の場合、仰向けにすると胃のねじれがひどくなることから、哺乳後に寝かせるとぐずる傾向があります。抱っこの状態では胃のねじれが軽減することから、抱っこしないと泣き止まない場合は注意が必要です。

置くと泣く赤ちゃんといえば、背中スイッチの発動も考えられますが、げっぷが出ない・お腹の張るなどの症状が見られる場合は、胃軸捻転の可能性が高くなります。

症状が似ているヒルシュスプルング病に注意!

胃軸捻転は、症状が似ているヒルシュスプルング病と間違えやすいため注意が必要です。

ヒルシュスプルング病とは、生まれつき腸の動きをコントロールする神経節細胞がない病気で、5000人に1人と発症頻度が低く、難病指定されています。

ヒルシュスプルング病の場合、腸の正しい蠕動運動ができないので、胃軸捻転とは違って「便秘」や「おならが出ない」などの症状が見られます。

胃軸捻転の診断方法

レントゲン写真

胃軸捻転が疑われると、通常のレントゲン写真によって診断されるほか、CTやX線造影検査が行われます。腸の中にガスがたくさんたまった特徴的な結果があれば、今度は確定診断のために消化管造影検査を行います。

赤ちゃんが消化管造影検査を受ける際は、大人と同じようにバリウムを飲むことができないため、薄めた造影剤が使われます。造影剤は哺乳瓶で飲むほか、鼻から胃に通したチューブに造影剤を注入して検査を行う方法があります。

手術は必要?胃軸捻転の対処法

手術の手

慢性的な胃軸捻転の場合、胃が発達して、起きている時間が長くなる1歳を過ぎたあたりに自然治癒します。1歳を過ぎて歩き始めると、立つ姿勢が多くなるため重力によって胃のねじれが元に戻るのです。

しかし、1歳を過ぎても改善がみられない場合は、ねじれが起きないように胃を腹膜に固定する手術を行う場合もあります。胃軸捻転と診断されても、すぐには手術適応にはなりません。

基本的に乳児期の胃軸捻転は、次のような方法で症状を改善する保存療法を行いながら、様子を見ていきます。

浣腸でうんちやガスを出す

おむつ替え前に横になった赤ちゃん

哺乳の後に胃の中に空気がたまっていると、胃の中はパンパンの状態。ゲップとして出されなかった空気は、腸内に流れていき、お腹全体が張っている状態が続きます。

この状態のままでは、なかなか胃がねじれている状態を改善することができないため、浣腸を使って強制的にガスを出してあげる必要があります。

浣腸をすることは、赤ちゃんにとって苦痛ではないかとママは思うかもしれませんが、腸のうんちやガスが排泄されるために、赤ちゃんはすっきりして機嫌もよくなるはずです。

縦抱きで背中トントン

赤ちゃんのゲップの出し方はいろいろありますが、胃軸捻転の赤ちゃんは、縦抱きで背中をトントンする動作がおすすめです。肩に担いだ状態で赤ちゃんの体勢に傾斜をつけ、視線が下を向くような状態にするのがポイント。

赤ちゃんの体勢に傾斜がつくと、胃全体はお腹側に向かうので、背中側に向かっている胃の入口や食道の圧迫がなくなって、ゲップが出やすくなるのです。

せっかく飲んでもすぐ吐いてしまったら、飲んだミルク量が減ってしまい体重が増加しないこともあります。飲んだものが胃から腸に流れる哺乳後の約30分間は、このようにして過ごすことが重要です。

吐き戻し防止枕に寝かせる

寝る赤ちゃんの頭

そうしてもゲップが出ない場合には、吐き戻し防止枕を使用するといいでしょう。授乳後すぐに寝かせると、吐き戻しによって気道が塞がれてしまう恐れがあるため、窒息などの危険性が高い状態です。

頭から背中にかけて傾斜のついた吐き戻し予防枕に寝かせておくと、空気が胃の上部にたまって、いきんだ際に空気だけが出てくるので、吐き戻しを予防することが出来ます。

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