常位胎盤早期剥離とはに関する記事

常位胎盤早期剥離~早産を引き起こす胎盤剥離の症状とは?

常位胎盤早期剥離~早産を引き起こす胎盤剥離の症状とは?

常位胎盤早期剥離はお腹の赤ちゃんに影響を与えることから、早期発見が重要です。胎盤が剥離してしまったときに起こる症状を知っておくと、すぐに対処できることから、常位胎盤早期剥離について正しい知識を身につけておくことが大切です。

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常位胎盤早期剥離とは?知っておくべき剥離の兆候

「常位胎盤早期剥離」と聞いても、一体どんな病気なのかピンとこない人もいるでしょう。

通常、胎盤はお産によって赤ちゃんが出てきた後で、子宮から自然に剥がれてお産が無事完了するのですが、常位胎盤早期剥離とは、妊娠中に胎盤が子宮内膜から剥がれてしまうことを言います。

胎盤は、ママから赤ちゃんへ栄養や酸素を送るのに重要な役割を果たしているため、お産の前に胎盤が剥がれてしまうとさまざまなトラブルを引き起こすのです。

そこで、今回は常位胎盤早期剥離について、その症状や起こりやすい人の特徴、赤ちゃんへの影響などについて詳しくみていきましょう。

常位胎盤早期剥離の症状

お腹を押さえる妊婦さん

妊娠中に胎盤がはがれてしまった場合、ママは気づくことができるのでしょうか?妊娠中は少しの身体の変化にも敏感になるものですが、軽度の場合は自覚症状がないことが多いため注意が必要です。

そこで、次のような症状を心に留めておき、常位胎盤早期剥離を早期に発見できるようにしましょう。

少量の不正出血

胎盤が剥がれることで少量の不正出血が起こりますが、量が少なすぎると気がつかないこともあります。

ただし、出血量が少量でも、実際は子宮内で大量に出血している場合があるので、突然、子宮に溜まっていたその血の塊が出たり、大量に出血したりすることもあるので注意しましょう。

激しい下腹痛

激しい下腹痛の妊婦さんのイラスト

症状が進行すると、剥離した部分でお腹の張りや腹痛が起こります。時期的によっては、陣痛と区別がつきにくいので厄介です。

赤ちゃんを外に押し出すための子宮収縮によって起こる陣痛が一定間隔で起こるのに対して、常位胎盤早期剥離の場合は、持続的な子宮の収縮による急激な痛みが特徴です。

お腹がカチカチに硬くなる

常位胎盤早期剥離によって子宮内の出血が増えると、子宮が硬直してお腹が硬くなる腹壁板状硬(ふくへきばんじょうこう)という状態になります。妊婦検診でお腹を触診することがありますよね。

自分でもお腹を触ってみて、「お腹が石みたい」「下腹部が固くなっている」など、いつもと違う状態だと感じたら、かかりつけの産科医への早めの相談が必要です。

播種性血管内凝固症候群(DIC)

安静にしている妊婦さん

胎盤が剥がれる際に、子宮壁から出血した血が固まる「胎盤後血腫」ができることで、血液の凝固が広がります。

それによって、播種性血管内凝固症候群(はしゅせいけっかんないぎょうこしょうこうぐん)という血管内に小さな血栓ができやすくなる状態に陥ります。

DICが起こると、血液を固めるのに必要な成分が大量に使われるため、血液の凝固が間に合わなくなり、大量出血が起こったり、肝機能や腎機能に障害をもたらしたりもします。

出血が止まらない場合は、母体の安全を考え、子宮摘出の措置がとられることもあることから、早期に発見し治療することが大切なのです。

常位胎盤早期剥離が起こる原因は?

常位胎盤早期剥離はお産全体の0.5~1.3%の割合で起こるので、あまり頻繁に起こることではありませんが、胎盤が剥がれてしまう直接の原因は分かっていないため、誰にでも起こりうることだといえるのです。

しかし、次のような人は常位胎盤早期剥離になるリスクが、特に高くなるので注意が必要です。

妊娠高血圧症候群と診断された

血圧を測る妊婦さん

妊娠前から高血圧の人や妊娠高血圧症候群の人は、胎盤の血管がうまく作られないことが分かっています。胎盤に酸素が供給されないことで、胎盤が剥がれやすくなるため、常位胎盤早期剥離を引き起こすリスクを高めてしまうのです。

妊娠高血圧症候群になるのを回避するためには、塩分控えめの規則正しい食生活を心がける必要があります。

タバコを吸う

たばこを吸っている妊婦さん

タバコの血管を収縮させる作用によって、血流が悪くなってしまうと胎盤がはがれやすくなります。喫煙者は、タバコを吸わない人に比べると、喫煙者が常位胎盤早期剥離になる確率は高くなっているのです。

妊娠中の喫煙は他にも、赤ちゃんや母体にさまざまな悪影響を及ぼすので、タバコがやめられないとう妊婦さんは、禁煙の方法について工夫してみましょう。

胎児発育遅延(FGR)

胎盤に異常がある場合、常位胎盤早期剥離が起こりやすいと言われています。さらに、お腹の赤ちゃんに酸素や栄養が十分に行き渡らないため、胎児発育遅延が起こりやすくなります。

エコー検査などで胎児が十分に成長できていないと診断された場合は、それらの胎盤の異常に注意しましょう。

子宮内感染や絨毛膜羊膜炎

妊婦さんのお腹の赤ちゃんのイラスト

子宮内の細菌感染や、感染が絨毛膜や羊膜に広がった絨毛膜羊膜炎も、常位胎盤早期剥離の危険因子となります。

お腹の赤ちゃんが入っている羊膜・絨毛膜・脱落膜の3層から成る卵膜のうち、内側の羊膜と絨毛膜で炎症が起こることを絨毛膜羊膜炎と言います。

炎症によって起こる、子宮頚管が柔らかくなる子宮頚管熟化や子宮の収縮によって、早産や破水が起こりやすくなるのです。妊娠が早まってしまうことで、胎盤が剥がれやすくなります。

お腹をぶつけた

エコー検査をしている妊婦さんのイラスト

妊娠中には一つ一つの行動にも慎重になるものですが、やむをえずお腹をぶつけて子宮にダメージを負わせてしまうと、胎盤が剥がれてしまうこともあります。

ぶつけたときにすぐに剥がれなくても、時間が経ってから剥がれることもあるので、お腹をぶつけた場合には、すぐにかかりつけの産科でエコー検査をしてもらって、経過の観察が必要です。

過去に常位胎盤早期剥離の経験がある

過去に常位胎盤早期剥離の経験があると、5~15%の割合で再発することがあります。これは、経験がない妊婦さんに比べると確率が高いというだけで、経験があるからといって不安になる数字ではありません。

ただし、普通よりも再発の可能性が高いと知っていることで、少しの兆候にも気づくことができ早期に対処することができます。

常位胎盤早期剥離の赤ちゃんへの影響

胎児心拍数モニタリングをしている妊婦さん

赤ちゃんがお腹の中にいるうちは、母体から酸素や栄養を受け取るために、胎盤が重要な役割をしています。

そのため、お産の前に常位胎盤早期剥離に起こり、胎盤が剥がれて胎盤機能不全に陥ると、十分な酸素や栄養が赤ちゃんに行き届かなくなってしまうため、胎児発育不全や低酸素症の可能性が高くなります。

さらに胎盤の機能が低下することで、お腹の赤ちゃんの心拍が遅くなったり、心拍数が下がることも。

妊婦健診で行われる胎児心拍数モニタリングで、胎児の心拍数を診断することによって、これらの異常について確認することができます。

常位胎盤早期剥離の診断方法

常位胎盤早期剥離は、胎盤が剥がれた位置や剥がれた部分の面積、発症からの経過時間などによって、その重篤性や治療方針も変わってくるため、容易には診断できず、さまざまな検査が行われます。

常位胎盤早期剥離は、どのような検査によって診断が行われるのか具体的にご紹介します。

腹部の触診

妊婦さんに腹部の触診をしている医者

常位胎盤早期剥離を発症すると子宮の硬直が起こるため、触診で腹壁板状硬が起きているかどうかを調べます。

さらに、お腹を触診することで、胎盤が剥離した部分の痛みがないか、出血によって子宮底長(子宮の長さ)が伸びていないかなどの確認を行います。

血液検査

血液検査では、赤血球数やヘモグロビン濃度(Hb)、ヘマトクリット値(Ht)を測定することで、大量出血によって貧血が起こっていないかを確認することができます。

血小板や血清FDPの値によって、DICの発症を確認することもでき、緊急を要するケースなのかどうかを判断します。

超音波検査

超音波検査のエコー画像で、子宮壁と胎盤の間に、DICの原因となる胎盤後血腫ができていないかを確認します。

胎盤後血腫は、胎盤の厚みによって判断されますが、超音波検査だけで常位胎盤早期剥離と診断することは難しいため、触診や血液検査の結果と合わせて判断されます。

胎児心拍陣痛図(CTG)

胎児心拍陣痛図

常位胎盤早期剥離の場合、胎児の心拍数に異常が見られたり、低酸素状態になったりするため、これらを確認できる胎児心拍陣痛図(CTG)による診断が重要になってきます。

さらに、CTGによって、胎盤後血腫によって子宮内圧が高くなったり、子宮の不規則な収縮波が起こったりしていないか確認することができます。

常位胎盤早期剥離の治療の方法

常位胎盤早期剥離が起こったら、吸引分娩や鉗子分娩、帝王切開などにより、赤ちゃんに危険が及ぶ前にできるだけ早く出産を終わらせる必要があります。

さらに胎盤が剥がれることで大量出血することもあるので、輸血による凝固因子や血小板、赤血球の補充のほか、輸液などの抗ショック療法などにより、母体の回復を促します。

常位胎盤早期剥離が疑われるときは

常位胎盤早期剥離は、母子ともに危険な状態に陥る可能性があることから、腹痛や不正出血などの細かい症状を見逃さないことが大切です。

早期に発見することで、ママと赤ちゃんを守ることができるので、気になる症状が起こった場合は、できるだけ早めにかかりつけ医を受診したほうがいいでしょう。

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