子癇の危険性と発作予防に関する記事

子癇発作の症状とは?知っておきたい妊婦の高血圧の危険性

子癇発作の症状とは?知っておきたい妊婦の高血圧の危険性

子癇と妊娠高血圧症候群にはどんな関係があるの?原因を知ればもう怖くない!子癇について知っておくべき知識をご紹介します。

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子癇はなぜ危険なの?妊婦さんが知っておくべき子癇発作のリスク

めまいがして辛そうな妊婦さんのイラスト

血圧が高いと妊婦健診で指摘されて、いろいろ調べた結果、子癇(しかん)という言葉にたどり着き、不安を持っているママがいるかもしれません。通常妊娠中は、ホルモンの作用によって血管が拡張するので、血圧はあまり上昇しないといわれます。

しかし、晩婚化が進み、初産年齢が上がってきたので、血圧の高くなる妊娠高血圧症候群になるリスクは、増加傾向にあります。自分の年齢と出産を考えたら、ドキッとするママ、大丈夫なのか?と心配になるママもいるのではないでしょうか。

子癇は大変危険な症状のため、妊娠中の体重管理や、バランスのとれた栄養摂取などに気を付けなければなりません。定期的に妊婦健診を受け、高血圧の早期発見に努めることが大切です。そのために、まずは、正しい知識を身につけていきましょう。

子癇とは?

子癇は、妊娠高血圧症候群の一つで、妊娠20週以降に初めて意識障害を起こし、痙攣発作を繰り返す、とても重い症状が特徴です。反復性があるので、発作の予防や再発の予防が重要だとされています。

発症時期別の子癇の種類

子癇は、起こる時期によって、次の3つに分類されます。

妊娠子癇(にんしんしかん)

妊娠中に発生するものをいい、一番多くみられ、時期をまたいで発生することがあります。妊娠中に痙攣発作を起こして入院管理となっても、赤ちゃんへの影響が見られない場合は、経腟分娩も可能です。

しかし、痙攣発作を起こし、ママの意識が回復しない、脳出血などを併発して脳への影響が考えられる、痙攣の後、赤ちゃんの心拍が落ちてきたなど影響があれば、緊急の帝王切開を選択することがあります

分娩子癇(ぶんべんしかん)
病院の血圧器

分娩が開始になってから子癇を発症するものをいいます。子癇を発症する前には、高血圧も蛋白尿なども見られないけれど、陣痛に伴って高血圧が悪化して発作を起こすことがあり、急激に症状が悪化するのが特徴です。

その際には、分娩の負担を軽くするために帝王切開を選択することがあります

産褥子癇(さんじょくしかん)

妊娠高血圧症腎症の分娩後72時間以内に発症することが多いです。特に、分娩が緊急の帝王切開になった場合の産後は、痙攣発作の再発作予防が重要です。

子癇発作の症状

子癇発作の主な症状は、意識消失と痙攣発作です。子癇発作には前ぶれがあり、目がちらちらする、吐き気がする、頭痛、めまいなどの症状が見られ、4つの段階に分けられます。

第1期

第1期は、誘導期と呼ばれ、前ぶれ症状の後に顔面蒼白になり失神します。瞳孔が開いて、顔の筋肉が痙攣し、それが数十秒続きます。

第2期

第2期は、強直性痙攣期と呼ばれ、体が弓なりに反りかえり、全身が痙攣します。呼吸が止まり、顔面や唇が紫色になるチアノーゼと呼ばれる症状が出ます。

第3期

椅子の上で昏睡している女性

第3期は、間代性痙攣期と呼ばれ、ガクガクとした全身けいれんをします。痙攣が治まると呼吸は次第に回復しますが、いびきをかいて昏睡状態が続きます。

子癇発作の後は次第に意識を取り戻しますが、稀に痙攣が何度も起こる重積発作と呼ばれる状態になることがあります。その場合は、すぐに救急車を呼ぶなど緊急の対応が必要です。

子癇のリスクを高める7つの要因

子癇発作を起こす原因は、はっきりと分かっていませんが、いくつかのものが複雑に絡んでいます。

妊娠高血圧症候群

妊娠高血圧症候群とは、妊娠20週以降から分娩後12週のあいだに血圧が上昇、または、高血圧と蛋白尿を伴う状態をいいます。

高血圧の状態が起こると血管の調節がうまくいかず、血液の成分が脳の血管の外にしみだし、それが原因で脳のむくみが起こると考えられます。子癇の患者さんのMRIの検査所見では、脳の浮腫や梗塞が特徴的であり、この脳のむくみと子癇発作が関連しているといわれます。

妊娠高血圧症候群は、子癇の他に3つに分類することができます。

妊娠高血圧

妊娠高血圧は、妊娠20週以降に初めて高血圧になったが、分娩後12週までに正常になった場合を言います。

妊娠高血圧腎症

妊娠高血圧腎症は、妊娠20週以降に初めて高血圧になり、タンパク尿を伴うが、分娩後12週までに正常になった場合を言います。

加重型妊娠高血圧腎症

加重型妊娠高血圧腎症は、妊娠前または妊娠20週までに、高血圧の症状が見られた場合を言います。

妊娠蛋白尿

診察する医師と妊婦さんのイラスト

妊婦健診に行くと、尿検査をされますね。タンパクが出ていないかどうかをチェックしているのです。妊娠蛋白尿は、妊娠20週以降に初めて見られ、分娩後12週までに改善した場合のものをいいます。高血圧はなく、蛋白尿だけがあります。

蛋白尿があるということは、腎機能が低下しているということです。腎臓の働きが低下すると、今度は血圧が高くなり、妊娠高血圧症候群に移行してしまう場合も!進行すると子癇発作を起こすこともあるので、注意が必要です。

ヘルプ症候群

ヘルプ症候群とは、妊婦さんにみられる肝臓の病気です。次の症状の頭文字をとって「HELP症候群」と名づけられました。

  • 血液の赤血球が壊される溶血(Hemolysis)
  • 肝臓の機能が悪くなる肝酵素の上昇(Elevated liver enzyme)
  • 血小板減少(Low Platelets)

ヘルプ症候群は、血液の凝固や臓器の働きに大きな影響を及ぼし、上腹部痛の胃の痛み、みぞおちの痛みを訴えることが多いです。また、血圧が高くなり蛋白尿が見られ、妊娠高血圧症候群を合併していることがあります。それが子癇のリスクを高める要因につながるのですね。

過去に子癇の経験がある

以前に子癇があった妊婦さんは、次の妊娠時に妊娠高血圧症候群になる可能性が高く、子癇を再発する場合があります。

初産

初産婦は、経産婦に比べると、妊娠高血圧症候群の発症リスクが高くなります。また、初産年齢が高齢になるほどそのリスクは上がっていくので、子癇のリスクも高くなります。

双子などの多胎妊娠

双子の赤ちゃん

多胎妊娠は、単胎妊娠の場合と比べて、妊娠高血圧症候群のリスクが高くなります。そのため、子癇になりやすい傾向が見られます。

10代妊娠

10代の身体は、まだ発達段階で、他の世代に比べ栄養状態が乱れている傾向があります。このことが影響し、妊娠高血圧症候群になりやすいと言われています。

子癇の治療方法

子癇の発作が起こった時に一番大切なのは、母体と赤ちゃんの命を守ることです。母体に痙攣発作があると、胎児機能不全で、赤ちゃんの心拍異常、常位胎盤早期剥離などのリスクも高まるために、子癇発作の後は、赤ちゃんの心拍のモニタリングを行うなどの必要があります。

硫酸マグネシウムの予防投与

マグネシウムは、中枢神経系の抑制をし、胃や腸を動かす筋肉である平滑筋の緊張を緩める働きがあるので、痙攣に効果があります。痙攣が起こった時には、すぐに硫酸マグネシウムを投与するほか、発作が治まった後の再発予防のために、持続点滴が行われます。

気道確保と酸素投与

痙攣を起こした時に呼吸が一時止まってしまい、体内の環境が悪化すると、低酸素の状態になるので、赤ちゃんに影響があります。そのために、ママの気道確保や酸素吸入が必要になります。

薬物療法

色々な薬

まさに痙攣が起こっているという時には、即効性のある抗痙攣剤を投与します。抗痙攣剤により発作が治まったら、今度は、硫酸マグネシウムで発作予防の長期管理を行います。

抗痙攣剤を使用しても子癇発作が繰り返される場合には、筋弛緩薬を使用することがあります。また、血圧のコントロールのために降圧剤を使用したり、むくみを取るために利尿剤を使用することもあります

室内を暗くして静かに過ごす

光は交感神経を刺激します。交感神経が刺激されると、痙攣発作を起こしやすくなってしまうので、交感神経の刺激を避けるために部屋を暗くして、大きな物音などの刺激を避けるようにします。安静にすると、交感神経の緊張が緩和され、子宮や腎臓の血流量が増加し血圧が低下するので、ズキズキとした痛みが和らぎます。

日常的にできる子癇予防

子癇を起こすと、そのあとに脳出血や臓器不全などの合併症を起こすこともあるので、発作を繰り返さないように気をつけなくてはいけません。

塩分の摂取量を減らす

食卓塩のイラスト

妊娠高血圧症の発症をおさえるためには、妊娠中の体重管理が重要です。また、塩分の取りすぎも、むくみや体重増加の要因になります。しかし、最近では極端な塩分制限をされることはなくなり、正常な妊婦の基準値一日10g以下程度の摂取とし、すでに妊娠高血圧症候群である妊婦は、一日7~8gに抑える程度とされています。

血圧の管理

妊婦健診で医師や看護師に血圧を測ってもらう時に、ドキドキしてしまうというママもいると思います。緊張してしまうと血圧が上がってしまうために、正しい血圧を測定できません。

そのために、自分で測ることが大切なのです。出来れば、朝夕2回程度、自宅で血圧を測って記録しておくと、正しい血圧の動向を自分でも知ることが出来ます。

血流を促進する高ビタミン食を摂る

ビタミンCがたくさん含まれているレモン

ビタミンは、血管を丈夫にする働きがあります。ビタミンCは血液の流れをスムーズにし、ビタミンEは血管を拡張させて血流をよくします。さらにビタミンEは、子癇が起こる前に血液中によくみられるホモシステインという物質の濃度を下げる働きがあるので、子癇の予防に使用されます。

ビタミンCもEも抗酸化作用があるので、体の内側が酸化して、錆びて動脈硬化などを引き起こすのを予防してくれます。ビタミンBは血管の機能を高めるといわれていますので、積極的に摂取しましょう。

妊婦健診をきちんと受ける

子癇発作を起こさないために一番大切なのは、妊娠高血圧症の早期発見と、早期治療です。そのためには、妊婦健診を定期的に受けて、発症の予防や異常の早期発見に努めましょう。

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