妊娠糖尿病の症状と対策に関する記事

妊娠糖尿病の症状と知っておきたい妊娠中の食事の注意点

妊娠糖尿病の症状と知っておきたい妊娠中の食事の注意点

妊娠糖尿病は分かりやすい自覚症状がありません!ただの体調不良だと思っていたら、妊娠高血圧症候群などの合併症を見逃すかも!

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妊娠糖尿病の症状・原因と出産リスク

これまで、糖尿病なんて他人事のように思っていた人でも、妊娠すると妊娠糖尿病になりやすいことから注意しましょう。一度、妊娠糖尿病を発症すると、食事のほかに生活習慣の見直しなどの自己管理を徹底しなければならないことから、妊娠糖尿病について正しく理解する必要があります。

症状が悪化すると、ママの体だけでなくお腹の赤ちゃんにもさまざまな悪影響を与えます。妊娠糖尿病の症状や原因、妊娠糖尿病が引き起こす出産のリスクの知識を身につけて、妊娠糖尿病にならないように心がけましょう。妊娠中は小さな体調不良にも注意が必要なため、妊娠中になりやすい病気について事前に知っておくと、早めに対処できて安心ですよ。

妊娠糖尿病の症状

お腹周りを測る妊婦

妊娠中に体調が悪くなると、妊娠による身体の変化や体調不良だと思いがち。ところが、妊娠糖尿病には自覚症状がないため、気づいたときには悪化していることが多いことから、ちょっとした体調の変化も見逃さないことが大切です。妊娠糖尿病の症状には、次のようなものがあります。

妊娠糖尿病の主な症状

・体重が急激に増える
・はげしい疲労感
・おしっこの回数が増える
・血糖値が高い
・尿に糖が出る

一般的な糖尿病と妊娠糖尿病の違い

一般的な糖尿病と妊娠糖尿病の違いは分かりにくいのですが、基本的には、妊娠前から糖尿病である場合や、妊娠中に明らかに糖尿病と診断された場合は、妊娠糖尿病に含まれません。1型糖尿病や2型糖尿病などの、一般的な糖尿病ほど血糖値が高くないので、妊娠中に起こる糖尿病予備軍だと考えると分かりやすいといえます。

妊婦が糖尿病になりやすい原因

妊娠糖尿病は、血糖値の上昇などの妊娠後の糖代謝異常が起こります。妊娠前に比べて、妊娠中はさまざまなホルモンの分泌量が増えたり減ったりするのですが、その中でも血糖値に大きく関わるインスリンというホルモンが上手く機能しなくなることで、妊娠糖尿病になりやすいのです。

妊娠中はプロゲステロンというインスリンの働きを抑えるホルモンや、インスリンを分解する酵素が胎盤から分泌されます。さらに、妊娠後期になるとたくさんのインスリンが必要になるので、インスリンの生産が間に合わず、高血糖の状態が続くため糖尿病になりやすいのです。

妊娠糖尿病になりやすい人の特徴

体重計に載る女性

妊娠糖尿病は、妊婦さんなら誰でも発症する可能性は高いのですが、特に、通常よりも妊娠糖尿病のリスクが高い人がいます。具体的に、どのような人が妊娠糖尿病になりやすいのでしょう。次のような特徴を持つ人は、特に注意するようにしましょう。

・家族に糖尿病の人がいる
・妊娠前から肥満体質である
・妊娠してから急に体重が増加した
・胎児の推定体重が重い
・高齢出産である

妊娠糖尿病が引き起こす出産のリスク

ママが妊娠糖尿病になると、ママとへその緒で繋がっている赤ちゃんも高血糖になるため、その結果、さまざまな合併症が起こって出産のリスクが高まります。特に、妊娠糖尿病になると母体にも悪影響を及ぼすため、帝王切開での出産になる可能性が高くなります。それでは、高血糖が及ぼす母体と赤ちゃんへの悪影響についてみていきましょう。

母体に与える影響

妊娠高血圧症候群の発症
血圧を測定する

妊娠中は赤ちゃんに血液を送るために、ただでさえ血圧が高くなる傾向にあるのですが、さらに肥満などの要因が重なると妊娠高血圧症候群を発症しやすくなります。

妊娠高血圧症候群は、妊娠32週より前に発症すると重症化しやすく、高血圧によるけいれんや意識喪失、視野障害をなどの重篤な症状を引き起こす子癇(しかん)のほか、脳出血、肝臓や腎臓の機能障害が起こりやすくなるのです。さらに、赤ちゃんの発育にも影響を与えるほか、胎児機能不全や命の危険に及ぶこともあるので十分に注意しましょう。

羊水過多

羊水過多とは、その名のとおり子宮内の羊水量が多くなることをいいます。赤ちゃんは羊水に浮かんでいるので、羊水量に異常が起こると胎位や胎勢に異常が起こることで、命の危険に晒されることがあります。自然分娩では合併症を起こす可能性が高いので、ほとんどの場合は帝王切開での出産となります。

胎盤早期剥離

胎盤は通常、赤ちゃんが出てきた直後に後産で自然に排出されるのですが、赤ちゃんがまだ子宮内にいるのにもかかわらず、先に子宮壁から胎盤が剥がれてしまうことを「胎盤早期剥離」といいます。子宮内の赤ちゃんにとって胎盤は、必要不可欠なもの。胎盤早期剥離になってしまうと、早急に帝王切開で赤ちゃんを外に出してあげることが必要です。

胎児に与える影響

巨大児になりやすい

巨大児とは、出産時の体重が4000gほどの大きな赤ちゃんのことで、ママの妊娠糖尿病によって赤ちゃんが高血糖になると、胎児インスリンという成長を促すホルモンが分泌されるため巨大児になりやすいのです。体が大きいために肩甲難産や産道裂傷など出産リスクにつながるほか、糖尿病の影響によって低血糖や低カルシウム血症を発症しやすくなります。

出産後の低血糖

ママが妊娠糖尿病だと、子宮内にいる赤ちゃんも高血糖の環境に慣れてしまいます。そのため、生まれてから上手く血糖値をコントロールできないため、糖をつくらないように身体が作用して逆に低血糖になりやすいのです。早期に治療すれば治ることもあるのですが、長期化すると脳の発育に悪影響を及ぼす恐れがあります。

発育不全

ママが妊娠糖尿病の場合、胎盤の機能が低下することで、胎盤を通じて赤ちゃんに充分な栄養や酸素が送られずに発育不全になることもあります。身体が小さいだけでなく、生まれてからさまざまな問題が起こる可能性があるため、長期にわたる経過観察が必要になるケースもあります。

妊娠糖尿病の検査方法

注射器で血液採取

妊娠中に血糖値が高く妊娠糖尿病が疑われる場合は、ブドウ糖を飲んだ後に血糖値がどのように変化するかを調べる「ブドウ糖負荷試験(GTT)」を行い、妊娠糖尿病かどうかの診断が下されます。ただし、妊娠糖尿病は妊娠後期になるにつれてリスクが高まることから、定期的に血糖値を測定することが最も重要だといえます。

妊娠糖尿病と診断された場合の注意点

妊娠糖尿病と診断されたら、「食事制限が必要?!」「痩せなくちゃ!」と思い込む妊婦さんも多いようですが、基本的に妊婦さんには過度なダイエットによる体重管理はおすすめできません。くれぐれも医師の指導のもとでの、食生活の見直しや適度な運動の実践が大切です。

妊娠糖尿病になってしまった場合、食生活の見直しが最も重要ですが、妊娠糖尿病を気にしすぎて食事の量を減らしてしまうようなことをしては、お腹の中の赤ちゃんにもよくありません。まずは、妊娠糖尿病によい食材と悪い食材を正しく理解しておくことが、妊娠糖尿病の改善につながるのです。

妊娠糖尿病にいい食材

妊娠糖尿病になったときに積極的に食べた方が良いのは、血糖値の急激な上昇を抑える働きがある食物繊維を多く含む食材です。食事の際は、次のような食物繊維の豊富な食材を積極的に食べることで、血糖値を低く抑えましょう。

・エンドウ豆やインゲン豆などの豆類
・ひじきやワカメなどの海藻類
・きくらげやしいたけなどのキノコ類

豆類を調理する際は、砂糖を加えて煮込む「煮豆」は避け、スープやサラダなどのメニューにすることで糖分の摂取を減らすことが大切です。

妊娠糖尿病に良くない食材

妊娠糖尿病になってしまったときに控えたい食材として、一番にあげられるのが血糖値を下げにくくする脂質を多く含む食材です。肉の脂身やソーセージ、ベーコンのほか、生クリームやバター、チョコレートには脂質が多く含まれるので洋菓子はNGです。洋食よりは和食の方が塩分や脂質、糖質が少なくなるので調理法も大切だといえます。

また、食事以外でも血糖値を上げないように注意しましょう。果物、ジュース類、スポーツドリンクなどは想像以上に糖分が多く含まれるので、食べ過ぎ・飲みすぎには注意が必要です。

妊娠糖尿病の3つの治療法

妊娠糖尿病の治療法には、糖質の摂取量を抑える食事療法や適度に体を動かする運動療法、さらに、これらの対症療法によって効果が見られない時には、内服薬や注射によるインスリン療法が行なわれます。次に、それぞれの治療法について詳しくみていきましょう。

1食事療法

食品と計算機

毎日の食事からで大切な三大栄養素といえば「炭水化物」「タンパク質」「脂質」ですが、このうち炭水化物には糖質が含まれているので摂りすぎに注意しましょう。同じ炭水化物でも、全粒粉のパン・スパゲッティ、玄米に比べて、ご飯やお餅、食パンは糖質が高いので特に注意が必要です。

一日の摂取カロリーを守りましょう

妊娠中はお腹の赤ちゃんのために必要なエネルギー量を摂取する必要があるため、闇雲にカロリー制限を行うことはNGです。1日に必要な摂取カロリーを算出して、正しいエネルギー量を摂取しましょう。妊娠中の1日の摂取カロリーを求めるためには、次のような計算によって肥満度を表すBMIと標準体重を算出します。

1日に必要な摂取カロリーの計算方法


1.BMIを次の計算式によって求めます。
→BMI(体格指数) = 妊娠前の体重(kg) ÷ 身長(m) ÷ 身長(m)

肥満度の評価は次の通りです。
・BMIが20未満:痩せすぎ
・BMIが20以上24未満:普通
・BMIが24以上25未満:やや肥満
・BMIが25以上:肥満

2.標準体重から1日の摂取カロリーを求めます。
→標準体重(kg) = 身長(m) × 身長(m) × 22
→1日の摂取カロリー(kcal) = 標準体重(kg) × 30kcal

3.BMIが25未満の場合は、妊娠期ごとに以下の値を加算します。
・妊娠初期:50kcal
・妊娠中期:250kcal
・妊娠後期:450kcal

例えば、身長158cm、妊娠前の体重が50kgの人の場合、妊娠初期の摂取カロリーは次のように計算します

・BMI = 50kg × 1.58 × 1.58 ≒ 20
・標準体重 = 1.58 × 1.58 × 22 ≒ 55kg
・1日の摂取カロリー = 55kg × 30kcal = 1650kcal

25未満の非肥満なので、妊娠初期の数値50kcalをプラスします。
1650kcal + 50kcal = 1700kcal

2運動療法

ネコポーズをとる妊婦

食事療法と共に行われるのが運動療法です。ただし、妊娠中は激しい運動は厳禁なので、妊娠中でもできる

などがおすすめです。妊娠中の適度な運動は良いストレス解消にもなるので、妊娠糖尿病ではない妊婦さんもぜひ実践してみてください。

3インスリン治療

食事療法や運動療法を実践しても症状に改善が見られない場合、インスリンを使った治療を行います。経口糖尿病薬は胎盤を通して赤ちゃんに悪影響を及ぼすため、お腹の赤ちゃんに影響がないインスリン注射を行います。妊娠時期によってはインスリンが効きにくいので、時期に合わせてインスリン量を調整します。

出産後に気をつけるべきこと

妊娠糖尿病から糖尿病に移行することも多いため、出産後も十分に注意が必要です。妊娠糖尿病は、妊娠中のホルモンバランスが深く関係しているため、症状が軽い場合は出産後に改善される可能性がありますが、妊娠糖尿病を経験していない人に比べて糖尿病のリスクは高いため、出産後には次のようなことに気をつけましょう。

定期検診の受診

妊娠中に妊娠糖尿病だったママは、産後6~12週の間にブドウ糖負荷試験を受けて、妊娠糖尿病が治っているかどうかを診断します。また、出産したとはいえ糖尿病の発症リスクが高い状態が継続するので、長期的に検査を受けて血糖値などをチェックする必要があります。

規則正しい生活習慣

妊娠糖尿病になると、将来的に糖尿病だけでなくメタボリック症候群発症のリスクも高くなります。そのため、出産後はバランスのとれた食生活や適度な運動など、妊娠中と同じように自己管理を行って規則正しい生活習慣を心がけるようにしましょう。

母乳育児

妊娠糖尿病になったママの赤ちゃんは、将来的に糖尿病になるリスクが高くなります。さらに、妊娠糖尿病のママから産まれた赤ちゃんは、ミルクよりも母乳で育てることで糖尿病になりにくい傾向にあることから、1歳くらいまではできるだけ母乳を飲ませるよう心がけましょう。

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