後産とは?かかる時間と処置に関する記事

後産とは?後陣痛との違いと気をつけたい産後のトラブル

後産とは?後陣痛との違いと気をつけたい産後のトラブル

後産とは何か?痛みや処置について知っておけば、安心して出産を迎えられます。後産によるトラブルや処置についても要チェック!

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後産は痛い?後産陣痛が起こるタイミングと後陣痛との違い

初めての出産を控えているママにとって赤ちゃんはどのような過程で産まれてくるのか気になりますよね。実は、出産は赤ちゃんが出てきて終わりではありません。出産後の後産も重要だってご存知でしたか?後産について「知っているけど詳しく知らない」「後陣痛とは違うの?」というママに読んで欲しい!

ここでは、後産と間違えられやすい後陣痛との違いのほか、後産の経過やかかる時間、後産の処置についてご紹介。後産は出産においてとても大切な過程なので、後産のトラブルなどについての正しい知識を出産前に身につけて、無事出産を終えましょう。

後産(あとざん)とは

妊婦の問診をする助産師

自然分娩の過程は、分娩第1期から第4期までに分類され、各過程が順調に進行していくことが大切なのですが、後産とは、分娩経過の分娩第3期(後産期)に起こる現象のこといいます。後産では具体的にどのようなことが起こるのか、分娩の4つの経過と共にみていきましょう。

分娩経過の4つの分類

分娩第1期(開口期)

分娩第1期は、分娩開始から子宮口全開までの過程をいいます。分娩は陣痛のはじまりによって開始とされ、強い痛みの間隔が長くなるにつれて、子宮口が開き始めます。子宮口は、1時間あたり初産では2~3㎝、経産婦は5~6㎝ほどに開大します。

分娩第2期(娩出期)

分娩第2期は、子宮口の全開から胎児が出てくるまでの過程です。子宮開口が10cmほどに開大すると、赤ちゃんを包んでいた卵膜が破れて破水して、赤ちゃんは陣痛によって産道を回旋しながら前頭部から外に出ようとします。その後、肩・胸・胴体・腰・脚の順番に娩出されます。

分娩第3期(後産期)

分娩第3期とは、赤ちゃんが取り上げられてから後産までの過程で、後産期ともいいます。ママの子宮では、赤ちゃんが外に出た直後に再び子宮を収縮させて、「胎児付属物」と呼ばれる胎盤・卵膜・臍帯などの不要物を排出します。この胎児付属物の娩出を後産と呼ぶのです。また、後産の際の子宮の収縮によって起こる陣痛を「後産陣痛(後産期陣痛)」といいます。

分娩第4期

出産が終わってから2時間ほどの間を分娩第4期といいます。産後のママの身体は、まだまだ予断を許さない状態なので、この間にママの身体に異常がないかを観察して、問題がなければ無事に出産が完了します。

後産と後陣痛との違い

出産後に胎盤や臍帯を排出する後産と似た言葉に、後陣痛(こうじんつう)があります。後陣痛とは、妊娠によって大きく広がった子宮が元の状態に戻る途中で、急激に子宮が収縮する際に起こる痛みのことで、後腹(あとばら)とも呼ばれています。赤ちゃんが産まれた直後に起こる後産に対し、後陣痛は産後3~4日は痛みが続くのが特徴です。
2つの言葉や妊婦さんでも混同しやすいことから、しっかりと違いを理解しておきましょう。

帝王切開に後産がない理由

基本的に後産は、自然分娩で出産した時におこる現象です。帝王切開の場合、赤ちゃんを取り上げた後で、子宮を縫合する前に、子宮の中に残っている胎盤などの付属物をきれいに取り出すため、帝王切開には後産や後産陣痛がないのです。
ただし、自然分娩でも帝王切開でも出産後に子宮は収縮するため、どちらの場合にも後陣痛は起こるのでご注意ください。

後産の流れと注意点

出産した新生児を見る母親

分娩開始から赤ちゃんが出てくるまでつらい陣痛に耐えて、やっと赤ちゃんが出てきてホッとするのも束の間、出産はそれで終わりではありません。後産を無事に終えなければ、出産が済んだとは言えないのです。後産にどれくらいの時間がかかるのか、また、どのようなことが起こるのかを詳しくみていきましょう。

後産にかかる時間

赤ちゃんが産まれてから後産までにかかる時間は、初産のママの場合は15~30分、経産婦さんの場合は10~20分ほどかかります。30分以内であれば正常の範囲内であるといわれ、この後産期の間に妊娠で不要になったものがママの身体から排出されます。

後産期の経過

分娩第3期の後産期は、どのような過程を経て進行していくのでしょう。ここでは、後産期の経過についてご紹介します。

1後産陣痛が起こる

赤ちゃんが出てきて5分から15分後に、一度治まっていた陣痛が再び起こります。お腹の中の残っているものを外に排出するために子宮がギューッと収縮して、後産陣痛が起こるのです。一般的に、産みの苦しみの方がつらくて、後産陣痛の痛みをあまり覚えていないというママが多いようです。

2胎盤が剥がれる

後産陣痛が起こることで、収縮した子宮壁と子宮の内壁に張り付いていた胎盤の間にズレが生じることで、胎盤の脱落膜海面層という部分から剥がれ落ちます。この際に起こった出血が子宮の中に残ると、産後の悪露となって体の外に流れ出ることがあります。

3胎盤など不要物が排出される

胎盤が子宮壁から剥がれると、卵膜や臍帯などの不要物と一緒に子宮の下まで降りてきます。その後、子宮の収縮や腹圧などにより体の外の排出されるのですが、場合によっては医師や助産師さんがお腹を押して排出を促すことも。胎盤が剥がれたことによる後産期出血が、第4期までに500mlを超えると異常出血と診断される場合があります。

後産期におこなわれる処置

麻酔の設定をするスタッフ

出産後の後産期には、順調に後産が進行するための処置が行われます。これらの処置を知らないと、「出産よりも痛い!」とびっくりすることもあるので、前もってどのような処置を行うのか詳しく知っておくと安心ですよ。

子宮収縮剤の投与

胎盤が剥がれる際の子宮の収縮が不充分な場合、出血が止まらなくなることがあるので、出血を減らし、子宮の回復を早めるため、産院によっては子宮の収縮を促進する薬を投与することがあります。子宮収縮剤の投与には賛否が分かれることから、気になる場合は、出産前にかかりつけのお医者さんに使用の有無を確認しておくとよいでしょう。

会陰の縫合

胎盤や臍帯などの娩出が終わったら、次に、出産のために会陰切開した部分や自然裂傷してしまった部分を縫合します。その際は局所麻酔を行いますが、分娩の痛みのため麻酔をされていることにすら気づかなかったというママもいれば、ホッと一息ついている時にいきなり麻酔をされてびっくりしたというママもいるようです。

後産が原因で起こるトラブル

医師と看護師が処置する

無事赤ちゃんが出てきて安心した後でも、後産が正常に進行しなければ無事に出産が終ったとはいえません。出産ではいつ、どのようなトラブルが起こるか分からないので、後産に関連するトラブルのほか、それに伴うリスクや処置法について知っておくと安心ですよね。

胎盤の剥離や排出の異常

後産で子宮収縮が起こっても胎盤が上手く剥がれなかったり、剥がれても外に排出されなかったりすることもあります。赤ちゃんが出てきてから30分程度なら胎盤が出てこなくても問題ありませんが、これを過ぎると、医師が直接手を入れて胎盤の排出を促す「胎盤用手剥離」という処置が行われます。

ほとんどのケースでは、胎盤用手剥離によって胎盤が排出されるのですが、それでも排出されないという場合は、胎盤が子宮の筋層に食い込んでいる「癒着胎盤」という状態になってしまっている可能性が考えられます。この場合、胎盤を無理に剥がすと大量出血を引き起こすことになりかねないため、最悪の場合は子宮全摘手術にいたる恐れがあります。

弛緩出血(しかんしゅっけつ)

通常は、胎盤が剥がれた部分の出血は子宮の収縮によって止血されますが、うまく血が止まらないと「弛緩出血」と呼ばれる大量出血を引き起こす恐れがあります。分娩第4期の観察中に500ml以上の異常出血がある場合は、ほとんどが原因として弛緩出血が考えられます。

初期の処置としては、両手で押さえて血を止める「双手圧迫法」という方法で止血を行いますが、それでも出血がおさまらなければ、子宮収縮剤の静脈注射や筋肉注射を行うこともあります。

胎盤遺残(たいばんいざん)

何らかの理由により胎盤が完全に排出されずに子宮内に残ってしまうことを胎盤遺残といいます。胎盤遺残には、剥がれた胎盤が残ってしまうケースと、胎盤が上手く剥がれずに残ってしまうケースの2種類があります。

また、ママにお腹の中の胎盤を押し出す力がない場合や、子宮が正常に収縮しないため胎盤の排出が妨げられることが胎盤遺残の原因になります。胎盤遺残の処置では、薬物投与や子宮輪状マッサージをするほか、子宮壁を傷つけずに胎盤を排出することが難しい場合は開腹手術を行うこともあります。

卵膜遺残(らんまくいざん)

卵膜遺残とは、胎盤が排出される際に、赤ちゃんを包んでいた卵膜が裂けて子宮の中に残ってしまうことをいいます。ほとんどのケースでは産後の産褥期に悪露として自然に排出されるのですが、まれに、大量の出血を伴う場合は処置が必要になります。

卵膜遺残を処置する際、通常は出血を抑えるための子宮収縮剤や、子宮内の感染症が疑われる場合は抗生剤が投与されるほか、遺残の状況によっては、子宮内の卵膜を除去するために子宮内掻爬術をすることもあります。卵膜遺残は退院後に発覚することもあるため、産後の悪露の状態には注意が必要です。

子宮復古不全(しきゅうふっこふぜん)

出産後、妊娠によって大きく広がった子宮が徐々に元の状態に戻る「子宮復古」が順調に行われないことを子宮復古不全といいます。胎盤や卵膜のかけらが子宮内に残ることのほか、子宮内の細菌感染や子宮筋腫が原因で、産褥晩期出血や感染症の悪化につながるため、早期に処置することが大切です。

子宮復古不全は、積極的な授乳や乳頭に刺激を与えることにより子宮の回復を促進したり、子宮頚管を広げて悪露の排出を促す方法などにより改善します。また、場合によっては子宮収縮剤や、感染症を防止するための抗生剤の投与を行うこともあります。

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