陣痛促進剤のリスクと効用に関する記事

陣痛促進剤のリスク・母体への作用と赤ちゃんへの後遺症

陣痛促進剤のリスク・母体への作用と赤ちゃんへの後遺症

陣痛促進剤にはリスクがありますが、正しく使用すれば怖い物ではありません。陣痛促進剤のメリットとデメリットとは。

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陣痛促進剤にはリスクがある事を知ろう!メリットもある事も

出産はとても感動的なものですが、そのためには長い陣痛を乗り越えなくてはなりません。陣痛のリズムが早まり1分間隔になり、いよいよ出産となるまでに要する時間は、初産ですと約12時間かかると言われています。すんなりとお産が進めば良いのですが、みんながそうではなく、中には陣痛が途中で止まってしまったり進まなくなってしまう事があったりします。そのような時には、医師の判断で使用されるのが陣痛促進剤です。

ちなみに私も一人目の時は陣痛促進剤を使用しました。もともと我慢強いタイプでしたので、かなり痛くなるまで我慢してから促進剤を使ったので、効果があらわれやすくかったのか、初産なのに4時間以内で出産というスピード出産になりました。

「陣痛が一旦止まってしまった」「緩やかになってしまった」といった場合に、陣痛を促す効果のある陣痛促進剤ですが、それなりにリスクがあることも事実です。それらのリスクの種類や、陣痛促進剤はどんな目的でどういったケースで妊婦さんに投与されるのか、またニュースなどで悪く報道されることがありますが、メリットデメリットを両面から見てどうなのか、医師の判断だけで妊婦さんが知らないうちに投与されてしまうのか、などの疑問についても紹介していきます。

陣痛促進剤ってそもそも何?

病室

陣痛促進剤には、飲み薬や点滴などで陣痛促進剤の成分を投与して、陣痛を誘発させる目的があります。妊娠予定日を過ぎていても、出産の兆候が見られないケースや、陣痛があるけれど出産につながるほどもでもない時などのケースで、自然分娩による出産が難しいと医師が判断した場合に用いられます。先に破水をしてしまって、このままお腹に赤ちゃんがいると感染の恐れがある場合なども、陣痛を起こすために使います。

陣痛促進剤の種類について

陣痛促進剤には、2種類あって飲み薬タイプのものと点滴タイプのものがあります。よく使われるのは点滴のものですが、それらの違いについて紹介しますね。

点滴タイプ

点滴

通常は子宮収縮作用のある2つのホルモン剤を使って、点滴を使用して陣痛を促進していきます。ホルモン剤と聞いて不安に思う方もいるかもしれませんが、このホルモン剤の成分の多くは、陣痛剤を使わない出産の時にも脳から分泌される化学成分です。

なぜ点滴が主流かというと、すぐに投与を中止出来るからです。一度身体に入った促進剤は身体から取り去る事は出来ませんので、少しずつ慎重に投与しなくてはなりません。微調節のできる点滴は、陣痛促進剤を投与するのに最適な方法と言えます。

飲み薬タイプ

飲み薬も1錠ずつ慎重に追加していきます。飲み薬は点滴による投与と比べもともと緩やかに利くので、自然分娩と同じような陣痛の経過になる事が多いようです。ただ、リスクを減らすために配慮された利き方のため、なかなか陣痛が始まらないという方もおります。

陣痛促進剤のリスク ~ 投与がうまくいかない事もあったりします

陣痛促進剤は慎重に分娩経過を見ながら使用すれば、メリットの方が大きく報道されてもよい化学薬品です。投与された全てのケースでうまくいった訳ではなくて、中には耳を塞ぎたくなるような悲惨なケースもあったりします。

陣痛が始まった妊婦さんのイラスト

陣痛促進剤の投与によって意図的に「陣痛」を誘発させようとしますが、医学的に見て正しく失敗するはずもないという場合でも、人間の体は想像以上に複雑であり、促進剤の投与によって意図していなかった事が女性の体に起こってしまうリスクが存在します。それだけ分娩というものは、身体にとっての一大行事であり、女性が命をかけてやり遂げるものなのです。

ここからは、陣痛促進剤の投与によるリスクをいくつか紹介していきます。でもこれは非常に稀なケースであり、ほとんどの妊婦さんは促進剤を使う事で円滑に出産されていることを忘れないでくださいね。不安に思ったり恐怖心があると、陣痛の経過や痛みの感じ方が悪い方に変化してしまいます。

子宮が破裂してしまう

陣痛促進剤を投与しても、赤ちゃんがまだ十分に下りてきていなかったり、出産の準備が身体の中で充分に出来ていないと強い陣痛だけが起こり、赤ちゃんは生まれないという「過強陣痛」になります。これは「子宮破裂」という恐ろしい事態に陥る危険性もありますので、促進剤の追加投与は医師の判断のもとで、非常に慎重に行われます。

頸管が裂けたり、傷ついてしまう

座っている妊婦さん

陣痛促進剤により急激にお産が進んだ場合には、子宮頸管が伸びるのとタイミングが間に合わずに、無理な力が加わってしまうことで裂けてしまったり、傷ついてしまいます。これも促進剤の過剰な投与によって起こります。傷ついてしまうと出産後に子宮頸管を縫うことになります。

赤ちゃんを出産した後にホッとしたのも束の間、再び膣を広げられて傷口を縫われるのはとても苦痛であり恐怖ですね。でも縫わないと出血や感染症の原因にもなってしまいます。

ショック状態になってしまう

頸管裂傷が酷くなると出血多量となり、そのためにショック状態に陥ります。ショック状態は生命に関わる非常に深刻な状況です。人間がショック状態までに陥るには様々な要因がありますが、そのほとんどは出血性のショックです。もしも、出血性のショック状態に陥ってしまったら、緊急の輸液、抗ショック療法を行い、同時に縫合手術を行います。

産まれてきた赤ちゃんに脳性まひなどの後遺症

生まれたばかりの赤ちゃん

促進剤の過剰な使用であまりにも強い陣痛が起きると、妊婦さんは充分な呼吸ができずお腹の赤ちゃんに酸素を送りにくくなってしまいます。その結果赤ちゃんが酸欠状態になり、脳に障害が出てしまい後遺症が残ってしまう事があります。

脈拍のリズムがくるってしまう

陣痛促進剤の副作用に不整脈があります。不整脈が元々ある方は、より慎重に使用時の状態を観察していきますので、過剰な心配をする必要はありませんので、安心してください。

電解質のバランスが乱れてしまう

医師のイラスト

陣痛促進剤として使われる子宮収縮ホルモンの副作用として、おしっこが出にくくなることがあります。おしっこが出にくくなると、体内の電解質のバランスが狂ってしまい、水中毒という症状を引き起こす事があります。しかし、医師やナースはインアウトという体内に入る水分と出る水分のバランスもきちんと見ていますのでほとんど心配ないものです。

自然分娩よりも痛みを強く感じてしまう

その他にも陣痛促進剤を使うと、急に本格的な陣痛が来てしまう事があり、緩やかに経過していく自然分娩と違って痛みに慣れる時間もなかったというお話も聞きます。初産で使用していると更にその恐怖心が強くなり、2回目の出産での使用を不安に思う方も少なくないようです。

陣痛促進剤のメリット

一時期、陣痛促進剤の過剰投与で、子宮破裂を起こした医療事故が世間で騒がれましたね。それ以来、陣痛促進剤のイメージはとても悪いものになってしまいました。報道されたニュース以外には、多くの妊婦さんが安全に配慮された環境にて、陣痛促進剤を使用し陣痛を誘発し、無事に出産できたケースが山ほどあるのに、1つの事件でその使用自体が危ぶまれるほどの事態になってしまいました。

分娩監視装置

陣痛促進剤は、子宮収縮作用があるために使用する時は特に慎重に投与されます。分娩監視装置を巻き、お腹の赤ちゃんの心音やお腹の張りを確認するのはもちろん、助産師さんが始終付き添って状態を観察します。少しでも過強陣痛の兆候であれば直ちに使用を中止しますし、通常は危険な状態に陥る事はほとんどありません。私がNICUにいた数年でも過強陣痛になった妊婦さんは一人もいませんでした。

そのようにリスクは通常は少ないものですので、なかなか起こらない陣痛を誘発出来たり、進まないお産を進ませられたりする促進剤は、メリットの方が多くて、医療現場では使用されるケースは多々あります。

私の勤めていた総合病院では、ハイリスクな妊婦さんが多く入院しており、出産する日を決めて陣痛促進剤を使い、陣痛を起こして分娩する妊婦さんも少なくありませんでした。ママのお腹の中で胎児が以上大きくなるリスクがあるため、母体に基礎疾患がある場合には分娩自体が危険と判断され、急きょ帝王切開に移行する可能性もあります。そのような出産する際のリスクの高い妊婦さんが、医療スタッフの人数が少ない夜勤帯に、自然に陣痛が来てしまったら大変な事になりますよね。陣痛のタイミングをコントロールできるという点においても、陣痛促進剤はとても有用性があります。

陣痛促進剤をうけた時の費用ってどのくらい?

では費用の面で、陣痛促進剤はお財布にリスキーなのでしょうか?陣痛促進剤の投与は、現在の段階で保険適用外の実費での負担となっています。各産科医院などによって費用はまちまちで異なっているため、あらかじめ病院に聞いて確認しておくと良いでしょう。大体の相場は1~5万円くらいであることが多いようです。使用される量でも費用は変わってきますので、促進剤に反応しやすい人は少なく済みますし、効きにくい人は少しお値段がかかってしまいます。

また、保険適用になるケースもあります。それは医師が陣痛促進剤の使用が必要な「微弱陣痛」だと判断した場合です。この時だけは保険が利きます。

陣痛促進剤は医師の判断だけで投与されてしまうのかな?

医療ミスや医療事故が大きな問題となって以来、病院側はリスクの伴う処置や検査にはとても慎重になっており、その都度ご本人や家族に医師から説明と同意を得る機会をもうけています。陣痛促進剤もその例外でなく、医師の判断だけではなく、投与される妊婦さん本人やそのご家族への説明や同意書へのサインが必ずあります。(緊急時などでご本人の意識が無い場合でもご家族に同意を得ます。)決して知らないうちに投与されていたという事はありませんので安心してくださいね。

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