不思議の国のアリス症候群とはに関する記事

不思議の国のアリス症候群~子供に多いミステリアスな病気

不思議の国のアリス症候群~子供に多いミステリアスな病気

不思議の国のアリスのお話は知っていても、不思議の国のアリス症候群という病名は知らないという人は少なくありません。あまり知られていない病気だからこそ子供の側にいるママが基礎知識を持ち、異変に気づいてあげましょう。

マーミーTOP  >  子育て  >  不思議の国のアリス症候群~子供に多いミステリアスな病気

不思議の国のアリス症候群とは?まるで主人公のようになる病気

不思議の国のアリスイラスト

映画化されるなどして世界中で親しまれている「不思議の国のアリス」。イギリスの数学者チャールズ・ラトウィッジ・ドジスンが「ルイス・キャロル」というペンネームで書いた児童文学で、トランプや卵の形をしたキャラクターなどが登場する独特の世界観に、子供の頃夢中になったママもいるでしょう。

主人公アリスがお話の中で体験した現実離れした感覚。実はこの感覚が子供達の身に実際に起こることがあり、医療の現場で「不思議の国のアリス症候群」という病名で呼ばれています。具体的な症状があまり知られていないマイナーな病気こそ見逃してしまう恐れがあるため、ママは子供の異変にいち早く気づけるように知識を持っておきましょう。

不思議の国のアリス症候群とは?

「不思議の国のアリス」のお話の中では、主人公のアリスが「Drink me」と書かれた小瓶の薬を飲んだ途端に体が小さくなったり、「Eat me」と書かれたケーキを食べて体が大きくなったりします。実はこのような体が大きくなったり小さくなったりする不思議な感覚を体験する子供達が実際にいるのです。

このような感覚の異常が見られる症状はアリスのエピソードに似ていることが由来となって「不思議の国のアリス症候群(AIWS:Alice In Wonderland Syndrome)」と呼ばれ、1955年にイギリスの精神科医ジョン・トッド氏が名付けたことで知られています。

不思議の国のアリス症候群の主な症状

不思議の国のアリス症候群という名前からも現実にはありえないことのように思えて、子供がそれらしき症状を訴えても聞き流してしまいそうですが、不思議の国のアリス症候群は子供に多い病気とも言われていて、自分の子に起こらないとは限らない病気。

いざという時に見逃さないようにするために、不思議の国のアリス症候群の主な症状を事前に知っておきましょう。

体の大きさが変わった感じがする

小さくなった少女とカップ

不思議の国のアリス症候群になると、お話の中で主人公アリスが小さくなったり大きくなったりするように、自分の体が大きくなった小さくなったりする症状を訴えることがあります。このような大きさの違いだけでなく、自分の体が自分のものではないような感覚に襲われることもあります。

フワフワと浮いているような感覚

不思議の国のアリス症候群の子供達の中には、身体がふわふわと浮遊しているような感覚や空中を飛んでいるような感じを体験する子供もいます。周囲が歪んだり、ぼやけたりして見えるほか、遠近感が分からなくなるような感覚に陥ることもあります。子供の頃、熱を出した時にこのような感覚を体験したママも多いのではないでしょうか。

時間が早く進んだり遅くなったりする

 ティーポット

見えるものの感覚だけでなく時間の感覚が奇妙に感じられるのも、不思議の国のアリス症候群によくみられる症状です。時間が進む感覚が狂ってしまったように、気がつくとあっという間に時間が過ぎていることがあるのです。逆に時間の進みが遅く感じられる他、まるで場面がスローモーションに見えるという患者もいます。

ものが大きく見えたり小さく見えたりする

迷路

目には異常がないのに、物の見え方が普通と違って見えることもあります。自分よりも体が大きい大人が小さく見えたり、小さな虫が異常に大きく見えたりするのです。中には小さな物が巨大化して見えることで、怖がる子や泣き出す子もいるので、何が怖いのかよく聞いてあげることが、症状の早期発見につながります。(注1)

不思議の国のアリス症候群の好発年齢

不思議の国のアリス症候群の好発年齢イメージ

不思議の国のアリス症候群は、主に幼児期から12~13歳くらいまでの間に多く見られると言われています。子供の頃に発症した場合はそのほとんどが一過性の症状で終わりますが、大人になってから発症した場合は症状が繰り返し起こることが多くなっています。

さらに、てんかんや片頭痛などの病的な要因がないのに不思議の国のアリス症候群の症状がみられる場合は、「離人症」が疑われます。

離人症ってどんな病気?

離人症とは自分の意識が自分の体から離れているような感覚が特徴の精神障害の一つです。「現実感がない」「心と体の一体感がない」などの症状が主に見られます。10代後半から20代に発症することが多く、大学生の5割に軽度の離人症の症状を経験したことがあるという調査結果がでている程なので、決して少なくはありません。

発症しやすい年齢などから、思春期や入学・卒業などの環境の変化が精神面に及ぼす影響が一因とも考えられています。健康な人でも睡眠不足などによる疲労やストレスが原因となったり、不安障害や気分障害によって起こったりすることもあり、症状もさまざまで一過性のものと長期にわたって継続するものとがあります。(注2)

不思議の国のアリス症候群の原因は?

不思議の国のアリス症候群が起こる原因は明確になっていませんが、次の3つが主な原因として考えられています。その他にも、脳腫瘍や統合失調症、薬物の影響、マイコプラズマなどのウイルス感染なども原因と考えられているので、これらが当てはまる場合には不思議の国のアリス症候群の症状に気をつけ、子供をしっかりと観察して早期発見につなげましょう。

EBウイルス感染症

子供の不思議の国のアリス症候群は、ほとんどのケースでEBウイルス感染症が原因であると考えられています。EBウイルスとは「エプスタイン・バーウィルス」の略で、ヘルペスウイルスの一種です。あまり聞き慣れないウイルスですが、3歳までに8割の子供が感染するウイルスで、決して珍しいものではありません。

EBウイルスは唾液や鼻水などの飛沫感染によってうつるので比較的感染しやすいのですが、感染しても症状が現れなかったり軽い風邪程度の症状だったりします。しかし、稀に症状が重くなる慢性活動性EBウイルス感染症になることもあり、発熱や発疹、リンパ節の腫れのほか、不思議の国のアリス症候群でみられるような神経症状が起こることもあるのです。(注1)

てんかん

てんかんとは脳の神経細胞が過剰に興奮して起こる病気のことです。正常な脳波はさざ波のようであるのに対し、てんかん発作が起こった時の脳波は「棘波(きょくは)」と呼ばれる棘のような先の尖ったものになります。てんかんの発作は、何回も繰り返し起こることが特徴で、その症状もさまざまです。(注3)

不思議の国のアリス症候群の原因がてんかんであると考えられている理由は、てんかん発作で脳の神経細胞が興奮する部位によっては、視覚や聴覚、自律神経に異常が生じることがあるからです。

特に空間処理を行う頭頂葉、視覚を認知する後頭葉が関係していて、不思議の国のアリス症候群の症状が現れた時にてんかん剤を使用しても効果がなければ、外科的な治療が必要になるとも言われています。(注4)

片頭痛

片頭痛とは頭部の血管の拡張によって頭の片側で起こる頭痛のことで、片頭痛の発作が起こる前に不思議の国のアリス症候群の症状が現れることが分かっています。拍動性の強い頭の痛みの他に、吐き気や光・音に敏感になるという特徴があって、これが不思議の国のアリス症候群に起こる感覚の異常に関係しているのではないかと考えられているのです。

片頭痛はストレスや気圧の変化、首や肩の筋肉の緊張などが原因で起こり、脳の血管が拡張して三叉神経が圧迫される刺激が大脳に痛みとして伝わる仕組みになっています。「不思議の国のアリス」の作者ルイス・キャロルも片頭痛持ちだったことが知られているので、実際にアリスのような世界が見えていたのかもしれません!

何科を受診すべき?治療や対策は?

病院の待合室のイスにクマのぬいぐるみ

不思議の国のアリス症候群になると目に見えるものと実際の姿が違うため、目の異常と勘違いして眼科を受診する人が多いです。ところが不思議の国のアリス症候群の顕著な症状である「ものが大きくなったり小さくなったりする症状」は、目の外傷や異常ではなく感覚的な異常であるため、神経内科や脳神経外科を受診することが望ましいです。

また、気になる場合にはまずかかりつけの小児科医に症状を伝えてから、専門医を紹介してもらうのもよいでしょう。

異常な感覚は不快ですが、不思議の国のアリス症候群の治療や対策は、原因と考えられるEBウイルスやてんかん、片頭痛の対症療法が中心となります。日常生活では疲れやストレスを溜めないように睡眠や食事などの生活リズムを見直し、規則正しい生活を送ることが大切です。

不思議の国のアリス症候群を早期発見!

子供は自分の体で起こっている異変をうまく言葉で伝えられないため、親は子供が不思議の国のアリス症候群になっているとなかなか気づいてあげられないかもしれません。症状に早く気づいて病気を早期発見するためには、まず不思議の国のアリス症候群について事前に知っておくことが大切です。

さらに具体的な症状が不思議の国のアリス症候群の診断の手掛かりとなるので、子供が「体が大きくなった」「お母さんが小さく見える」など、通常なら理解に苦しむような夢でも見ているかのような言葉を発したら、一蹴せずにきちんと耳を傾け、子供の言う事をメモなどに書き留めてかかりつけ医に相談するようにしましょう。

スポンサーリンク

おすすめコンテンツ