頭ジラミに関する記事

頭ジラミ(アタマジラミ)の原因と症状/卵の駆除と予防法

頭ジラミ(アタマジラミ)の原因と症状/卵の駆除と予防法

頭ジラミを子供の頭に見つけてしまったら!?自宅でできる駆除方法と、繁殖を防いで予防するための対策をご紹介します。

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頭ジラミとは?症状/発症・感染ルート/対処法

保育園や幼稚園、小学校に通う子供を持つ親にとって何より怖いのは、子供の間で広がってしまうインフルエンザなどの感染症ですが、病気ではないものの集団で広がってしまう厄介ごとの一つに、頭ジラミがあるってご存知ですか?
症例名としては頭ジラミ症と呼ぶのが正しいのですが、寄生虫の一種であるアタマジラミが子供の頭にとりつくと、爆発的に広がる感染症の一種です。

世界一清潔好きといわれる日本の社会ではありますが、実は、ここ数年発生が増加傾向にあると、国立感染症研究所感染症情報センターの調査で確認されております。(注1)

今回は子供を育てている家庭では無視できない頭ジラミの症状や駆除・対処方法感染ルートについて詳しく説明をしながら、拡大を防ぐ予防方法などについてご紹介します。

アタマジラミってどんな虫?症状は?

シラミは昆虫綱咀顎目シラミ亜目に属する昆虫の総称で、生き物の血液や体液を吸って繁殖する寄生虫です。
世界で約1000種が発見され、まだまだ多くの未知種があると考えられているシラミのうち、私たちの人間の身体に寄生するのは次の3種です。

  • 頭髪に寄生するアタマジラミ
  • 陰毛部に寄生するケジラミ
  • 肌着に潜んで吸血するコロモジラミ

この中でも特に発生率が高いのが、今回ご紹介するアタマジラミです。

原因となるアタマジラミってどんな虫?

アタマジラミは不完全変態で卵から幼虫、幼虫から成虫へ変態する寄生虫で、一生を宿主となる人間の頭髪にしがみついて過ごします。
頭ジラミの大きさは、

  • 卵  0.5mm前後
  • 幼虫 1mm前後
  • 成虫 2~3㎜

と比較的大きく、注意してみれば頭髪の中にしがみついている姿を十分に目視することができます。

毛にしがみつく頭ジラミ

頭ジラミの体色は透けた灰白色ですが、吸血をして血液が消化管内にある間は茶色から黒っぽい色に変わりますので、見つけやすくなります。
血を吸う口器は吸血しやすい構造になっていて、孵化後の幼虫から生涯を通じて頑強な爪のある3対の脚で頭髪にしがみつき、一度人の頭に宿れば常に吸血を繰り返します

頭ジラミは産卵されてから約1週間で孵化し、3回の脱皮を繰り返して約2週間で成虫になります。
頭ジラミの寿命は孵化から1~2ヶ月と短いものですが、成虫になって交尾をすると雌は一日当たり3~4個、1ヶ月で100個もの卵を産卵して繁殖をしていきますので、放っておくと頭ジラミはどんどん増えてしまいます。

生き物の身体に寄生してシラミのように吸血する寄生虫としては、ノミがいますが、頭シラミはノミのように飛んだり跳ねたりして移動をすることはなく、頭皮から離れて吸血できなくなると2~3日で死んでしまいます。
頭ジラミは特定の宿主にしか宿らないという寄生特異性が非常に強く、人の頭髪についた頭シラミは人間だけに寄生して、ノミのように犬や猫のシラミが人間に移ることはありません。

移動しない、頭髪から離れれば自然に死んでしまうことから、頭ジラミはノミのように爆発的に増えて健康被害を起こすことはあまりないのですが、頭髪同士が接触しやすい集団で生活をする子供達を中心に、コンスタントに被害を広げています。

頭ジラミの発生状況

私たち人間と頭ジラミの関係は古く、日本では古事記の記述の中にも頭ジラミが登場するほど、頭ジラミは文字通り古来から人間に密着して共存をしてきました。
頭ジラミは世界中で確認されていて、日本同様世界的にも子供を中心に発生しています。

頭シラミの寄生率は人種による差はないのですが、一般的に頭髪が長く頭皮が確認しにくい女子の方が見逃されやすいので、日本でも世界でも女子の発生率の方が高い傾向にあります。

日本では1980年代にピレスロイド系殺虫剤を使った、パウダー状のスミスリンが発売されて発生数は激減しましたが、1990年代から再び増加を始め、以降増減を繰り返しながら現在も増加傾向にあります。
国立感染症研究所による調査では、日本で頭ジラミにかかる人の約9割が0~11歳の児童であることがわかっていて、年間に5.000~6.000人が頭ジラミの被害に悩んでいます。

頭ジラミが引き起こす症状

頭を掻く女の子

頭ジラミの身体は私たちと比較してとても小さく、吸血量もわずかなものですので、頭皮に一定量の頭シラミが発生しても貧血などの健康被害が出ることはありません
頭シラミは引き起こす症状で困るのは、なんといっても吸血にともなう頭皮の痒みです。

頭シラミによる痒みは、吸血時に頭皮に注入される微量な唾液に対して生産されたIgE抗体によるアレルギー反応によるもので、局所的にひどい痒みを引き起こします。
私たちは痛みよりも痒みの方が我慢することができないので、常に痒みのストレスにさらされることによって、子供でも常にイライラとして情緒不安定になったり、不眠などのメンタル的な症状が起きることもあります。

何より耐え難い痒みで頭皮をかきむしって頭皮に傷を作ってしまい、そこから雑菌に感染して湿疹やとびひなどの皮膚疾患が起きたり、感染による発熱や疼痛、リンパ節の腫れや悪臭を引き起こすケースも多く、そうなると医療機関での治療も必要になってきますので、親としても子供の様子をよく注意して見守っていく必要があります。

頭ジラミが頭髪について数が多くないうちは、それほど痒みがひどくなく、まったく痒みを感じないケースもあるのですが、頭ジラミの生活サイクルは早く、1ヶ月もすれば大量の頭ジラミが吸血を始めてしまいます。
頭ジラミは効率よく吸血するために太い血管のある耳の上あたりや、後頭部まわりに集中してしがみつきますので、それらの部分に頭ジラミや卵がないか、定期的にチェックする習慣をつけておくといいでしょう。

頭ジラミが発生しやすい時期は?

学校のプール

幼稚園や小学校なのではプールを使用する前に頭ジラミに対する注意喚起がはじまりますし、プールが始まる6~7月に見つかることが多いようです。
こういったことからも、頭ジラミは夏に発生するというイメージを持つママは多いのではないでしょうか。

ところが、実は頭ジラミは季節変動にあまり影響されない寄生虫で、一年をとおして子供を中心に発生が報告されています。
「冬だから大丈夫」といった誤った考え方を払拭して、一年中頭ジラミへの警戒をすることを心掛けましょう。

清潔にしていてもシラミ症は発症します!

日本では戦後の貧しく衛生状態が悪い時期に頭シラミ症が蔓延したことから、経済状態の悪い家庭の子供や、洗髪をしない不潔な家庭の子供がかかりやすいというイメージがありますが、これは間違った考え方です。
実際の研究データからは、経済状態や頭髪を洗う頻度と頭ジラミの発生率に関連性はなく、毎日シャンプーをして清潔にしていても感染することが立証されています。

頭ジラミは自分自身で人から人へ移動することはなく、次の2つの感染するルートで拡大していきます。

  • 他人の髪の毛や頭との接触(直接的に頭が接触する遊びや、1つのゲームや本を皆で集まって頭を寄せて見ている時など)して感染する
  • 髪の毛が接触する物(ヘアブラシ、くし、髪ゴム、ソファー、脱衣所のカゴなど)を共用して感染する

頭ジラミは水中を泳いで移動することもありませんので、プールで頭ジラミがうつるわけではなく、水をふき取るタオルを共有したことで、物を介在して移っているのです。

頭ジラミを介在するものとしては、髪の毛が直接接触する帽子やタオルなどが代表的ですが、衛生意識の高い大人はこういったものを共用しないものの、子供は学校などで共用することが良くあります。
また、幼稚園や学校など集団で生活をする子供は、友達と密着することで髪の毛同士が積極することも多いので、頭ジラミの拡大リスクが大人よりも高くなってしまうのです。

直接接触の感染例

・子供がゲームの画面を頭を寄せ合って見ることで、髪の毛が接触する
・プールや体育などの着替えを狭い更衣室でする際に、頭と頭がぶつかり合って髪の毛が接触する
・幼稚園や保育園、家庭などで子供同士が隣り合って眠ることで、髪の毛同士が接触する など

頭ジラミ症による出席停止はある?

子供の間で頭ジラミが広がる主な場所は、幼稚園や保育園、学校などの集団生活を送る施設で、同じように子供の間で広がる病気として、麻疹や水疱瘡などの伝染病があります。
麻疹などにかかった場合は学校を休み、感染の心配がなくなるまで自宅療養をすることを学校保健法で定めていますが、頭ジラミはこういった制限を受けません。

頭ジラミは学校保健安全法施行規則第18条に規定されている「その他の感染症」に該当しますので、通常は出席停止の措置は必要ないと考えられています。
ですが、病状や流行の状況によっては校長先生が出席停止の措置をとることもできるので、もし自分の子供が頭ジラミにかかってしまった時には学校にも報告して、周りへの感染を防いでいきましょう。

子供の頭ジラミ症の予防策/駆除方法

子供に多い頭ジラミの感染ですが、頭ジラミがもたらす痒みはとても強いので、家庭でできる方法で予防をしていきましょう。
適切に処理をすれば、頭ジラミは医者にかかることなく、2週間ほどで完全に駆除することができます。

頭ジラミの見た目は悪いので、初めて子供の頭に見つけてしまったママはビックリしてしまうかもしれませんが、必要以上に怖がらずに、しっかり対処していきましょう。

頭ジラミの確認方法

櫛で髪をとかす

頭ジラミを見つける一番手っ取り早い方法は、駆除用の目の細かいコーム(くし)を使って子供の髪の毛を根元から梳かしてみて、成虫や卵の殻の有無を確認することです。
コームがない場合には、子供の耳の上や後頭部の太い血管の近くの髪をかき分けて、髪の毛の根元に白い卵の殻がないかを確認します。

頭ジラミはセメント様の強力な粘着物で髪の毛の根元に卵を産み付け、孵化した後も卵の殻は髪の毛からとれることはありませんし、大きさも十分目視できるサイズなので、繁殖しやすい場所を重点的に調べることで簡単に卵の殻を見つけることができます。

頭ジラミの卵はフケなど混同しやすいのですが、フケは手で払えば簡単にとれますが、頭ジラミの卵は爪で強くしごいてもなかなか取り除くことはできません。
卵の殻とフケの違いをよく理解して、頭ジラミを見つけて駆除していきましょう。

頭ジラミとフケの違い

・シラミの卵は厚みのある丸い卵型をしていて、フケの大きさはさまざまで厚みがない
・シラミの卵は髪の毛を取り巻くように付着していて、フケは髪の毛に乗るように付着している
・シラミの卵は爪でしごいても取れず、フケは手で払えば簡単に落ちる
・シラミの卵は髪の毛の根元に付着し、フケは地肌近くに多い など

髪の毛に付いたシラミの卵

頭ジラミの駆除方法

自覚症状が出ているのであれば頭ジラミは数100匹発生している可能性がありますので、一つ一つ取り除いていくことはできませんし、一匹でも残っていたら、駆除しても簡単に再発生してしまいます。
頭ジラミを完全に駆除するためには、市販されている頭ジラミ専用の駆除剤を使って成虫を死滅させていきましょう。

スミスリンなどの頭ジラミ用駆除剤は、専用のコームとセットになって薬局やドラッグストアで購入ができます。
市販されている駆除剤にはパウダー状とシャンプーがありますが、家庭で駆除するのであればシャンプーの方が簡単に使えます。

薬剤は取扱説明書に従って、用法・用量を守って使うことが基本ですが、成虫を死滅させる効果しかありません。
既に産み付けられて孵化を待つ卵を死滅させることはできないので、シャンプーは一度だけするのではなく、卵が孵化サイクルにあわせて7~10日を目安に、何度か使用を続けることで駆除しましょう。

以前は頭ジラミが発生したら髪の毛を全部刈って丸坊主にするなんて乱暴なことをしていましたが、成虫の駆除さえ完全にできれば、髪の毛を短くする必要はありません
成虫の駆除が完全に済んだら専用コームで念入りに髪を解きすいて、卵の殻を取り除いてあげましょう。

家庭の子供が1人頭ジラミにかかった場合には、同居するパパやママ、他の姉弟にも映っている可能性がありますので、念のため家族全員で駆除剤を使うことをオススメします。
シーツや枕などの寝具には頭ジラミが落ちますので、感染中はこまめに洗濯とお部屋の掃除を心掛けましょう
頭ジラミの成虫・卵は、熱で死滅させることもできますので、髪の毛が接触する寝具のカバーやタオルは55℃以上の温水に10分以上つけて完全に駆除していきましょう。

頭ジラミにかかったら病院へは行くべき?

子供の頭に頭ジラミを見つけてしまった場合、慌てて病院へ行く必要はありません
頭ジラミの駆除剤は医師の処方箋などが無くても誰でも購入できますし、そもそもシラミ用の駆除剤は医師が処方する薬には該当しないので、病院では頭髪を検査して頭シラミ症の診断をするだけで、後は自分で市販の駆除剤を購入して、自宅で駆除するよう指導されるだけだからです。

ただし、子供が頭皮を掻き壊してしまっていて、雑菌などの二次感染によって湿疹などの肌トラブルが起きている場合は話が別です。
頭皮がジュクジュクしている場合や悪臭がある場合は早めに皮膚科を受診して、適切な治療を受けて治していきましょう。

頭ジラミの予防/感染防止対策

頭ジラミは一度発生すると一度駆除しても再発しやすく、周りに拡大しやすいので、予防と感染の拡大防止をセットで考えていきましょう。
スミスリンはとても効果的な駆除剤ですが、頭ジラミを予防する効果はありませんから、頭ジラミの予防には感染ルートを絶つことが第一です。

髪の毛の直接接触を絶つことは子供が生活するうえで難しいので、こちらはこまめに頭髪を検査して、頭ジラミを見つけたら速やかに駆除することで拡大を防いでいくしかありません。
予防としては物を介在して感染することを防ぐことがメインになりますので、帽子やタオルなどの髪の毛が直接接触する物を共用することをやめて、頭ジラミを予防していきましょう。

感染予防のため共用を避けたい物

・帽子
・ヘアブラシ、くし
・タオル
・枕やシーツ、ベットなどの寝具
・スカーフやマフラー  など

薬剤耐性のある頭ジラミがいるって本当?

頭シラミ

頭ジラミの駆除にはスミスリンが安全で有効なのですが、一方で問題になっているのが、スミスリンなどの駆除剤に薬剤耐性をもつ頭ジラミの台頭です。
薬剤耐性をもつ頭ジラミは、欧米を中心に発生し、特にアメリカ本土では被害の約90%が薬剤耐性を持つ頭ジラミであることが大きくクローズアップされています。

2012年に国立感染症研究所が発表した調査結果では日本でも薬剤耐性をもつ頭ジラミの発生例が報告されていますので、この問題は決して他人事と考えることはできません。 (注2)

事実、今では沖縄で発生する頭シラミの大部分は薬剤耐性を持っているといわれ、今後は本州でも増えていくことが確実視されています。

薬剤耐性を持つ頭シラミがなぜ生まれてしまったのかというと、スミスリンの適切でない使い方に原因があります。
一般的な頭シラミの駆除にはスミスリンシャンプーが使われますが、洗い残しなどの原因で少量の薬剤の下で生き延びた頭ジラミがいて場合、シラミの体内にスミスリンに対する免疫が出来る可能性があります。

免疫ができてしまえば二度とスミスリンが利かなくなりますし、薬剤免疫はその頭ジラミが生んだ卵にも受け継がれ、スミスリンで従来の頭ジラミが減少していく中で耐性のある頭ジラミが主流になってしまうのです。
かといってスミスリンで完全に頭ジラミを駆除するためには、洗い残しができないように大量の薬剤を使えばいいのかというと、スミスリンは用法容量を守らないと皮膚が荒れる危険性が高いので、これは難しい問題です。

スミスリンで駆除できない頭ジラミを、酵素を使って駆除する新しいタイプのシャンプーや、スプレータイプの薬剤も最近発売されていますが、生き物の免疫と薬剤の開発はイタチごっこの面もあります。
頭ジラミの駆除を考えていく場合は薬剤だけに頼り切らず、昔ながらのコームを使って取り除く方法や、日頃の感染予防に重点を置いて対策をたてていく必要があるでしょう。

頭ジラミに感染した子供への対応は?

一般的に日本の社会は清潔であることが重要視されていて、頭シラミを間近に見る機会はめったにありませんし、正直に言えば良いイメージを持つことは難しいですね。
でも、頭ジラミは不潔であることが原因で発生するものではありませんし、衛生状態にかかわらず人間と共生してきた生き物であることを正しく理解しておきましょう。

頭ジラミのリスクが高いのは子供達ですが、頭ジラミの発生で一番問題なのは、頭ジラミに苦しんだ子供が「不潔・だらしない・汚い」といった間違った中傷の二次被害を受けてしまうことです。
頭ジラミは適切に対処をすれば速やかに駆除できますが、心の傷はすぐには治すことはできず、一緒のトラウマになってしまう危険性すらあります。

自分の身近で頭シラミが発生した場合には、むやみに過剰な反応をしてかかった子供や親御さんを傷つけることが無いように大人な対応を心掛けましょう。
お子さんにもぜひ小さいうちから、頭ジラミに関する正しい知識を教えてあげて下さいね。

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