発達障害のある子供の子育てに関する記事

発達障害のある子供の子育て~親や周囲の捉え方や支援方法

発達障害のある子供の子育て~親や周囲の捉え方や支援方法

子供に発達障害があったり、発達障害の可能性を感じたりしているママとパパ、周囲の大人が知っておきたい発達障害の子供の子育てへの捉え方や支援の方法についてご紹介します。理解を深め、優しい環境で子育てしていきたいですね。

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発達障害のある子供の子育て~ストレスを軽減する捉え方や支援

親子

我が子に発達障害や発達障害のグレーゾーンの可能性がある親は子育ての負担が非常に大きく、その大変さは「1人の子育てが10人の子育てのよう」とも言われています。親のストレスや悩みはとても深刻なことが多く、家族に正しい理解がないことで家庭崩壊につながるケースもありますが、理解を深めて捉え方を変えることで葛藤や悩みが緩和され、人として大きく成長することもできます。

こちらでは、発達障害とは何か、発達障害の可能性がある子供の親に見られる特徴、発達障害児の子育てと親の悩み発達障害児の子育てへの捉え方、親のイライラやストレスを軽減する支援についてご紹介します。

発達障害とは?

発達障害とは先天的な脳の機能障害です。主だったものには次の3つがあります。

  • 自閉スペクトラム症(ASD)
  • 学習障害(LD)
  • 注意欠如・多動性障害(ADHD)

また、割合は低いのですがトゥレット症候群や吃音症といったものがあります。

自閉スペクトラム症(ASD)

脳と黒板

自閉スペクトラム症とは精神疾患医療の現場で使われているアメリカ精神医学会による病名の分類が、19年ぶりに「DSM-5」に改訂されたことを受けて、2014年に日本精神神経学会がまとめたガイドライン(注1)に記されている名称。「自閉症スペクトラム障害」とも呼ばれています

意味は従来の「アスペルガー症候群」「自閉症」がまとめられたものです。精神疾患の名称には「昔から使われている病名」「DSM(アメリカ精神医学会)」「ICD(WHO作成)」の3種類があり、厚生労働省はICDを使用しているので混乱してしまいやすいのですが、ICD分類の「広汎性発達障害」も自閉スペクトラム症と同じです。(注2)

自閉症スペクトラム障害の子供の困難

  1. 社会性の困難
  2. コニュニケーションの困難
  3. 想像力の困難
  4. 情報処理の困難
  5. 感覚過敏

スペクトラムとは「連続体」と言う意味です。つまり白黒はっきり境界線を引けない状態を表す言葉ですので、自閉スペクトラム症に「ここからは障害」という境界線はありません。「自閉症児に見られる特徴により解決が困難な問題が頻繁に起こっているのであれば、なんらかの生活しやすくなる支援をしましょう」という考え方です。

近年、子供の同級生や近所の子供に発達障害の特徴が見られると「グレーゾーン」と表現されたりもしますが、環境や周囲の理解が変わることで問題が起こらなければ「障害」ではなく個性と捉えることもできるでしょう。

先天的な脳の障害により自閉スペクトラム症の子供達は、上記の5つの困難を抱えています。一見わがままと思われてしまう行動をしてしまうこともありますが、もし健常者が生まれながらの脳の働きのために今当たり前に行っていることが困難になったら?現在と同じ振る舞いをすることは困難になります。まずはそうした困難への理解が、親や周囲の人には大切です。

学習障害(LD)

子供の算数障害の思考イメージ

DSM-5では複数の学習障害の全てを「限局性学習症(限局性学習障害)」とまとめて定義づけていますが、こちらでは認知度の高い学習障害で解説します。

子供は知的発達全般に遅れはないため一見健常児に見えるのですが、学校に入学し様々なことを学ぶ中で学習の習得や理解に困難が生じてきます。原因は今のところ脳の中枢神経系ではないかと考えられています。

学習障害の定義は複数ありますが、「算数障害(ディスカリキュア)」「読字障害(ディスレクシア)」なども学習障害の一種です。

学習障害の子供が抱える困難

  • 聞くのが困難
  • 話すのが困難
  • 読むのが困難
  • 書くのが困難
  • 計算するのが困難
  • 推論するのが困難

ただし、学習障害は学習への困難が視力や聴力などの他の障害、生活環境が直接の原因となっていない場合に考えられる要因です。

注意欠如・多動症(ADHD)

ADHDイメージ

医学博士である司馬理英子さんが命名した「のび太・ジャイアン症候群」の名により、日本国内で広く認知されるようになったADHD。DSM-5では「注意欠陥・多動症」「注意欠陥・多動性障害」と定義されています。

のび太のように不注意であったり、ジャイアンのように衝動的であったり、多動であるといった特徴により生活が困難になる障害です。

学習障害の子供が抱える困難

  • 注意が困難
  • 集中の継続が困難
  • 必要なことを覚えているのが困難
  • 待つのが困難
  • 考えてから行動するのが困難
  • 落ち着いて行動するのが困難

気づかない!認めない!発達障害児の親

「近年、発達障害のある人の割合が増えている」と言われる背景には、認知度が広がったことによる受診者の増加があると考えられています。ところが今なお発達障害児の親の中には「気づかない」「認めない」という人もたくさんいて、専門医を受診し適切な療育を受けさせてもらえない子供も少なくありません。

子供の発達には個人差があるため、親が過敏に発達障害を心配して子育てをすることはよくありません。ただし発達障害により本人が苦しんでいるのに親が認めない、あるいは気づかない場合は、注意したから直るわけではなく先天的な問題による行動のため、必要以上に子供の心を傷つけたり苦しませたりするのではなく適切な支援を行うことが必要です。

発達障害児行動イラスト

発達障害の子供の行動は氷山に例えられることが多いです。先天的な脳の障害ですので、親や周囲の目には見えません。また脳の機能障害により起こる不安や苦痛も見えません。そのため理解が得られずとても辛い状況になるのです

支援の遅れによるうつ病や二次障害に注意

子供の発達障害を親が認めなかったり、気づかなかったりすることで対応が遅れると、周囲とのトラブルが増えて親子で心身の苦痛が積み重なってしまい、親がうつ病になったり子供が二次障害を起こす恐れがあります。そうした苦痛が積み重なると、やがて家庭崩壊へとつながることも少なくないことを理解しておきましょう。

大変!発達障害児を子育て中の親の悩み

発達障害児の中でもコニュニケーションに問題を抱えている自閉スペクトラム症やADHDの子供の場合、対応が分からず親が困難な状況に陥りやすいです。次の4つは発達障害児の子育て中に親が特に抱えやすい悩み。あなたはどうですか?

病院受診が困難

受付で保険証を出す女の子

自閉スペクトラム症やADHDの子供には待つことが苦手な子供が多いです。これは先の見通しが立たずに不安になってしまうためです。また受診の際には体を医師に何をされるのかわからず恐怖を感じる、感覚過敏のため痛み等の不快感が強いといった理由から、暴れて拒絶するため、病院で受診を拒否されるなどの苦労もあります。

周囲への迷惑

自閉スペクトラム症やADHDの子供達は、順番が守れない、騒ぐ、暴れるなど障害の特徴により不安や恐怖などが元で周囲に迷惑をかける行動をとってしまうことが多々あります。周囲の理解が得られる状況であればいいのですが、現実的には保護者である親が子供と共に厳しく注意を受けるなど、理解が広がらないことで親子共に傷ついてしまうことが多いのです。

理解ある環境作りの難しさ

発達障害のある子供には障害に見合った支援が必要です。ところが学校、病院、近隣など社会のすべての人に正しく認知されていないため、特に子供が小さい頃は親が学校などに出向いて理解ある環境を作ることが必要になります。

そこで親は理解を広げようと事情を話して支援をお願いしてみるのですが、社会には様々な人、様々な考え方があり、目に見えない障害であるために「障害ではなく親の躾では?」「甘やかしでは?」といった言葉が返ってくることもあり、親は理解ある環境作りの難しさに苦しむことも少なくないのです。

自分自身や家族の理解の難しさ

理解が難しいのは周囲だけではありません。親自身や家族も理解して子供の障害を受け入れるまでには時間がかかります。発達障害の専門医の中には「子供を社会に合わせて変えようとするのではなく、子供自身が幸せと感じる生き方を支援することを親に理解してもらうことが、自分たちの一番の務め」と考えている医師もいます。

発達障害を持つ子供自身が幸せと感じる生き方は、親や周囲に理解が困難で、わがままと捉えられることが多いです。
例えば、キャッチボールもろくにしたことがない我が子がプロ野球の入団テストを受けに行こうとしたら、あなたはどうしますか?

「普通は…」と考えている親にとっては、受け入れ難い状況でしょう。こうした状況に適した対応をしないことで、子供がかんしゃくや二次障害を起こしてしまうこともあるのです。ちなみにこのケースの場合は、プロ野球の入団テストを受けに行ったそうです。

発達障害のある子供の子育てへの捉え方

発達障害のある子の子育てには一番身近な親の支援が必要です。ところが親が正しい理解をしていないことで穏やかな支援が困難となり、子供の不安をさらにあおって行動を悪化させてしまいかねません。わがままと誤解されやすい発達障害の子供の子育て。見方を変えることで理解しやすくなりますよ。

平等?公正?

平等と公正イラスト

発達障害児への子育てには、脳の機能障害を補うために定型発達の子供達と同じような対応以上の支援が必要になります。ところが発達障害児の外見は定型発達の子供達と同じため、「それでは不平等、不公平だ」ととられることが多く、親自身も「そんなに甘やかしては将来と自立できない」と考えてしまいがちになります。

ですが、改めて考え直してみてください。目に見えないだけで発達障害のある子供には脳に先天的な障害があるのです。目が見えない、足がないなど身体に障害のある人に支援をせず健常者と同じ行動を望むことが公正ではないのと同様に、発達障害のある子供の子育てでも適切な支援をしてこそ公正になるのではないでしょうか。

まずは親が発達障害児の子育ての捉え方を改め、自信を持って子供が生活しやすくなる環境を作ってあげましょう。

親のストレスやイライラの軽減に繋がる支援

発達障害の中でも特に自閉スペクトラム症やADHDは、周囲に迷惑がかかる行為をするなどの理由から親のストレスやイライラに繋がり易いです。ところがちょっとした工夫をすることで、そのストレスを軽減することができます。出来ることから取り入れてみましょう。

病院受診には事前準備で対応

待つことが苦手で不安を抱えやすい発達障害児の子育てでは、病院受診も一苦労です。ところが事前に病院に情報を提供したり、準備をしたりすることで子供の不安を取り除く支援を家族と病院が共に行うことで、スムーズに受診しやすくなります。

例えば、病院にお願いして静かな環境で待たせる、発達障害による子供の様子やお願いしたい支援を病院に伝えておく、診察の前に絵カードで診療の流れを説明する、終わったらご褒美をあげるといった支援です(注4)。不安を減らすことは感覚過敏を落ち着かせることにも役立ちます。

褒めノートを作る

褒めノートを作ってあげましょう

発達障害のある子供達は叱られたり注意されたりすることで自信を失い、困った行動が悪化しやすい傾向があります。
悪循環を感じたら指導することをやめて「褒めノート」を作ってみましょう。これは学校の先生にも知っておいて欲しい支援の方法です。

ノートを使ってダメな行動の指摘ではなく具体的な行動を褒めるようにします。そうすることで子供は何が望ましい行動かノートを見て何度も確認することができますし、認められたことを励みに前向きな行動ができるようにもなります。

作戦タイムを設ける

もし問題のある行動をしたら、怒ったり注意したりするのではなく「作戦タイム」を設けましょう。子供の気持ちを知り一緒に作戦を練ることで、どうすれば調子よく過ごせるか作戦を考えるのです。改善できたら作戦成功!思いっきり子供も自分も褒めて、子供にも親にも優しい子育てをしていきましょう。

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