発達性協調運動障害の特徴に関する記事

発達性協調運動障害~不器用や運動音痴の原因は発達障害?

『発達性協調運動障害~不器用や運動音痴の原因は発達障害?』

発達性協調運動障害は早期発見・早期治療が重要です。特徴や症状を知っておくと早めに気づくことができるはず。

マーミーTOP  >  子育て  >  発達性協調運動障害~不器用や運動音痴の原因は発達障害?

発達性協調運動障害とは?不器用な子や運動が苦手な子は要注意

発達性協調運動障害は、一見普通に見えるうえに、自閉症やアスペルガー症候群のように広く知られていないことから、周囲の理解を得にくい障害だといえます。中には、単に「不器用な子」「おっちょこちょい」と思い込んで、障害に気づかないまま放置してしまうお母さんもいるようです。

小さいうちはママがそばに見守ってあげることができますが、保育園や学校に通うようになると、集団生活の中で不器用さがさまざまな問題につながることに…。みんなと同じようなことが上手にできなかったり、うまく遊べなかったりすることで周囲の友達との間に距離ができ、心を痛める子も少なくありません。

発達性協調運動障害は、早期の対応によって改善が見込まれます。具体的にどのような症状があるのか、また治療方法についての知識を身につけておくことで、子供の不器用さを見逃すことなく早期発見につながります。

発達性協調運動障害とは

フラフープの練習をする女の子

発達性協調運動障害(DCD:Developmental Coordination Disorder)とは、「右手を上げる」「手で鼻を触る」などのような単純な動作はできるのに、別々の動きを統一して行う「協調運動」ができない発達障害の1つで、運動能力障害に分類されます。知的発達の遅れや脳、視覚、聴覚、筋肉、神経、言語能力に問題がないのが特徴で、単なる不器用なのではなく、日常生活に支障をきたすほどの不器用な行動によって、QOL(生活の質)の低下にもつながります。

発達性協調運動障害に見られる2つの行動

発達性協調運動障害の頻度は5%以上と意外と高く、1クラスに1人はいるという決して珍しい障害ではありません。「不器用さ」が際立つ発達性協調運動障害では、具体的には次のような2つの特徴的な行動が見られます。

1.失行(しっこう)
ジャンプをする女の子

身体的には運動が可能で、知能的に必要な動作を理解できるにもかかわらず、目的に合った動作をきちんとできないことを失行といいます。例えば、「ジャンプをする」と「縄を回す」という2つの動作を個別にすることはできるのに、両者を連動させた「縄跳び」という動作ができない場合が当てはまります。

2.失認(しつにん)

視覚・聴覚・触覚などの知覚機能には異常がないにもかかわらず、空間や状況をうまく認識することができないことを失認といいます。例えば、ボールが飛んでくることを認識したり、ボールを投げることはできるのに、飛んできたボールを認知することができないため、うまくキャッチすることができない場合が当てはまります。

あの人も発達性協調運動障害だった

イギリスの作家J・K・ローリング原作の映画「ハリー・ポッター」シリーズで、主役のハリー役を演じたダニエル・ラドクリフさんは、インタビューの中で自分が発達性協調運動障害であること、靴ひもが結べないということを明かしています。映画の中で魔法の杖を上手に操る姿を見ると、そのような障害があるとは微塵も感じませんよね。

学校生活では苦手なことばかりだったため、俳優という職業にやりがいを見出したのだそうです。発達性協調運動障害だからといって悲観的にならずに、自分にできることを見つけて自信を持つということが、その子の人生においてとても大切なのだということを、障害を隠さずに公表することでラドクリフさんが身をもって示しているのだといえます。

スポンサーリンク

発達性協調運動障害の原因

保育器の中の赤ちゃん

発達性協調運動障害の原因は明確になっていないものの、いくつかの要因が重なって症状が起こっていると考えられています。要因は、出産前後の赤ちゃんの状態や他の障害の合併症など、人によってさまざま。具体的に、次のような要因が挙げられます。

発達性協調運動障害につながる原因

・出生時の体重が2500g未満の低出生体重児
・出産が正期産(妊娠37週0日~妊娠41週6日)以前の早産だった
・出産時に低酸素状態になった
・妊娠中期から出産数日後の周産期に低栄養状態だった
・注意欠陥多動性障害(ADHD)
学習障害(LD)

発達性協調運動障害の主な症状

発達性協調運動障害の症状は、自閉症やアスペルガーや含む広汎性発達障害ともよく似ているのですが、これらの障害にあてはまらない場合や、次のような特徴が見られる場合には、発達性協調運動障害である可能性が高いと言えます。気づくことが治療への第一歩なので、ママはその症状を見逃さないようにしたいですね。

乳児期の特徴的な症状

腹ばいする赤ちゃん

発達性協調運動障害は先天的な障害なので、乳幼児期から現れる症状があります。軽度の場合は「ちょっと他の子より成長が遅いだけ」と思われがちですが、早期発見・早期治療を行うためにも、ママやパパが普段から赤ちゃんの次のような特徴を心に留めておくことが大切です。

・母乳やミルクの飲みが悪い
・離乳食を食べてくれない
・ハイハイが上手にできない
・健診などで発達が遅いと言われた
・8ヶ月をすぎてもパラシュート反射がみられない

幼児期の特徴的な症状

椅子に座りながら泣く幼児

幼児期になると、発達性協調運動障害の特徴も顕著になります。ただし、いくら強調運動が苦手であっても、ママに発達性協調運動障害についての知識がないと、「不器用さ」への気づきにつながらないために見逃されがちです。次のような動作がどうしてもできないという場合は、まずは発達性協調運動障害を疑ってみましょう。

・洋服のボタンがかけられない
・靴を履くとき、左右をよく間違える
・自転車に乗ることができない
・トイレで上手にお尻が拭けない
・箸やフォークを上手に使えない
・長時間きちんと座っていることができない
平坦な場所でもよく転ぶ
・滑舌が悪く、言葉が聞き取りにくい
・リズム感がなく、楽器の演奏が下手

スポンサーリンク

発達性協調運動障害の治療

発達性協調運動障害の症状が気になるという場合は、一度かかりつけ医や地域の児童相談所、保健センターで相談してみましょう。小児神経専門医や作業療法士を紹介してもらうこともできます。リハビリや治療で症状が改善できることもあるので、ママ一人で悩まずに、まずは専門家などに相談することが大切です。それでは、ここからは発達性協調運動障害が疑われる場合、実際にどのような治療が行われるのかをみていきましょう。

どんな治療やリハビリを行うの?

発達性協調運動障害には症状に個人差があることから、治療やリハビリを始める前に行動観察が行われ、苦手な部分や不器用な部分を見極めて、それらを上達させるためのプログラムが組まれます。リハビリのメニューは、本人や保護者と話し合って決められます。

発達性協調運動障害の訓練では、本人の「不器用さ」をしっかりと見極めて細かな指導を行うことから、日常生活に支障をきたしていた行動を十分に改善することができるのです。ほかの子に比べて不器用だな、発育が遅いかなと感じたら、まずは検査を受けるだけでも損はありませんよね。

発達性協調運動障害は大人になっても治らないの?

発達性協調運動障害の場合、最も重要なのが問題への気づきです。家庭の中だけでなく、保育士や先生の協力を得て保育園や学校での様子を注意深く観察し、しっかりと訓練や治療を行うことで発達性協調運動障害の症状は目立たなくなります。

逆に、大人になってから気づく場合は、軽度であれば問題はありませんが、重度の場合は車の運転やお化粧のような複雑な行動が困難になることも…。周囲からの理解を得られず、学校や職場でトラブルを起こしたり、ストレスによって体調を崩すなどの二次的な問題を引き起こす恐れがあるため、できるだけ早めの対処が必要だといえます。

発達性協調運動障害の子を持つママの体験談

発達性協調運動障害の子を持つママは、子供のどのような症状に気づき、成長するうえでどのように対処していったのでしょうか。当初は気持ちが沈んだママが実際にどうやって乗り越えることができたのか、2つの体験談をみていきましょう。

りなっちのママ
35歳

A運動音痴なわけじゃなかった!

もうすぐ5歳になる息子がいるのですが、同じ年頃の子と比べ運動音痴なのが気になっていました。でも「生まれつき運動が苦手で不器用なんだ」と、あまり深刻に考えることもなく、逆に不器用な仕草を愛おしくさえ思っていたのです。

DCDに気づいたきっかけは、別の病気で診察に訪れた時です。運動音痴のことを先生に相談したところ、「運動音痴であることが将来、劣等感に繋がるといけないので、早めに対処するためにも検査してみましょう」と言われ、DCDであることが判明。

少しショックを受けましたが、運動音痴の原因が障害だということが分かって、逆にホッしました。「運動面での発達のスピードは遅くても、リハビリによって将来的に周囲の子に追いつきます」と言われ、今は前向きな気持ちでリハビリに取り組んでいます。

とことこママ
30代後半

Aマラソン大会も最後まで走ります!

小学校3年生の娘が発達性協調運動障害で、治療を続けています。この障害について普段から心がけていることは、「この子にできることを自分のペースで精一杯させてあげよう」ということです。毎年開催される小学校のマラソン大会でも、タイムは上位の子の倍以上かかりますが、それでもあきらめずに最後まで走りました。周りの子が「頑張れ!」とあたたかく応援してくれる環境があることも、娘が頑張れる理由の一つなのかもしれません。

発達性協調運動障害では、何をするにも普通の子の倍の時間かかってしまいます。でも、そのことに対して周囲の理解があると、親としても嬉しいし、子供も卑屈にならずにできることをやろうという気持ちになってくれるので、最近はかなり気持ちが楽になりました。

スポンサーリンク

スポンサーリンク