てるてる坊主の作り方:由来・正しい飾り方から処分(捨て方)まで徹底解説
今回は、日本の晴れを願う風習であるてるてる坊主について、その由来、効果が期待できる正しい作り方や飾り方、そして処分の方法まで徹底的に詳しく解説していきます。
実は、てるてる坊主にはいくつかの注意点があり、作り方や飾り方を間違えると、雨を願う「ふれふれ坊主」になってしまい、かえって雨を呼んでしまうとも言われています。顔の描き方や吊るす向き、輪ゴムでの首の留め方、いつ吊るすのがベストかなど、「やってはいけないこと」を知っておくだけで、お願いの通じやすさがぐっと変わってきます。
遠足や運動会など、大切なイベントの前日が雨だと、簡単な作り方で子供と一緒に作るパパやママも多いのではないでしょうか。久しぶりに作る方のために、上手に作れて効果アップが期待できるコツから、願いが叶った後の正しい捨て方まで、まとめてご紹介します。
この記事では、先に「やってはいけないこと」を5つのポイントで押さえ、ティッシュ・布・ビニール袋の3種類の作り方を紹介します。そのあとで、年齢別の子どもとの作り方、晴れたとき・雨だったときの処分と声かけ、今どきの天気予報の見方までお伝えします。
子育て4コマ漫画:てるてる坊主の作り方って意外と難しい!?
てるてる坊主の由来と歴史~中国の「掃晴娘(さおちんにゃん)」
「てるてる坊主(照る照る坊主)」は、日本に古くから伝わる晴天を祈願する風習です。一般的には、白い布や紙などを使って丸い頭部のお坊さんのような人形を作り、窓辺などに吊るして雨が上がることを祈願します。
地方によっては「てれてれ坊主(照れ照れ坊主)」や「ひより坊主(日和坊主)」、「てるてる法師(照る照る法師)」など、さまざまな名前で呼ばれることがあります。
てるてる坊主のもともとの由来は、中国発祥の「掃晴娘(サオチンニャン)」という女性の切り紙人形が日本に伝わったものだと言われています。この掃晴娘は、雨を止ませて晴れをもたらすと言い伝えられていました。
日本でてるてる坊主の風習が文献で確認できるのは江戸時代が最初ですが、それよりもっと古い年代から風習として根付いていたとする説もあります。
掃晴娘にまつわる中国の言い伝えでは、長く続く大雨に困った町で、ひとりの娘が自分の身をささげて祈ったところ雨がやんだとされています。娘をしのんだ人々が、ほうきを持った娘の切り紙人形を軒先に吊るし、雨雲を掃いて晴れを呼んでもらうようになった、という内容です。
日本に伝わる過程で、人形が娘の姿から坊主頭の姿に変わった理由ははっきり分かっていません。かつて天気の回復を祈る役目を僧侶や修験者が担っていたことや、頭を丸く作った人形がお坊さんのように見えたことが、理由として挙げられています。
江戸時代の文献には、「照法師」「てりてり坊主」「てるてる法師」など、今とは少し違う呼び名で登場します。江戸後期の随筆『嬉遊笑覧』には、雨がやんだら人形に目を書き入れ、お神酒を供えて川に流す、という当時の習わしが書かれています。「晴れてから顔を描く」「お礼をして見送る」という流れは、江戸時代の作法を受け継いだものです。
今も口ずさまれる童謡『てるてる坊主』は、1921年(大正10年)に雑誌『少女の友』で発表された浅原鏡村(浅原六朗)の詞に、中山晋平が曲をつけて広まりました。歌詞の後半には少しドキッとする場面も出てくるため、小さなお子さんと歌うときは、「あした天気にしておくれ」と繰り返す部分だけでも、お願いの気持ちは十分伝わります。
てるてる坊主に効果はあるの?
てるてる坊主が実際の天気を変えるという科学的な裏づけはなく、昔から続く願掛け、おまじないの一つです。一方で、お子さんにとっては別の意味があります。楽しみな予定の前に「晴れるといいな」という気持ちを形にして、窓辺に吊るし、朝を待つ。この一連の流れは、期待や不安を自分の外に出して整理する体験になります。幼児期は、頭の中のドキドキをうまく言葉にできない時期なので、人形に願いを託すことで気持ちの置き場所ができます。
だからこそ、「そんなの作っても雨のときは雨だよ」と現実だけを突きつけるより、「晴れるといいね。もし雨でも、てるてる坊主を作った時間は楽しかったね」と、結果に関係なく価値がある時間として受け止めると、お子さんは安心して願掛けを楽しめます。雨だった場合の声かけは、後半の「晴れなかったときの子どもへの声かけ」で詳しく紹介します。
効果アップが期待できる!正しいてるてる坊主の作り方・飾り方の5つのポイント
「てるてる坊主、てる坊主、明日天気にしておくれ」という童謡にも歌われているように、てるてる坊主は昔から子供たちに親しまれてきましたが、願掛けの効果アップに繋がると言われている正しい作り方や飾り方には、いくつかの注意点があります。ここでは、その5つのポイントをご紹介します。
1色は白が基本!黒や濃い色は「ふれふれ坊主」になるかも
てるてる坊主はまっさらな白色で作ると、お願いが叶いやすいとされています。白い色は太陽や晴天を連想させ、清浄なイメージがあるためです。
逆に、嵐や雨を連想させる黒色や濃い色は、雨を呼ぶ「ふれふれ坊主」を作るときに使う色だと言われています。カラフルな布でおしゃれに作りたい場合は、パステル調の淡い色や、白い部分が多い柄物を選ぶことをおすすめします。
白にこだわる理由として、天気祈願をした僧や修験者の白装束の姿が重ねられた、という説もあります。ティッシュやキッチンペーパー、ハンカチなど、家にある白いものですぐ作れるので、材料集めで悩む必要はありません。
2〜3歳ごろになると、「自分で選びたい」「自分でやりたい」という気持ちが強く出てきます。「ピンクのてるてる坊主にしたい!」と言われたときは、「体は白で作って、リボンとほっぺだけピンクにしようか」と、白い部分を多く残す形で提案してみてください。お子さんの選びたい気持ちを守りながら、白という決まりも守れます。雨雲を連想させる黒や紺だけは避けて、それ以外は選ぶ楽しさを残してあげましょう。
2顔はのっぺらぼうで吊るす!左目は晴れたら書き足す
てるてる坊主は、願掛けをする前は顔をかかない「のっぺらぼう」の状態か、片目(一般的に向かって右側、または利き腕側)だけを入れるのが本来の習わしです。これは、縁起物の「ダルマ」と同じように、願いが叶ったら残りの目を書き入れるという風習に基づいています。
「目」と「願」の音が似ているため、先に両目を入れてしまうと願いが叶わない、または「もう願いが叶った」と見なされてしまう、などの諸説があります。「てるてる坊主に顔を書いたらダメ」と言われるのは、主にこの「両目を先に入れてしまうこと」を指しています。
もし、のっぺらぼうや片目のてるてる坊主を怖がる小さなお子様と作る場合は、願いが叶うように可愛らしい表情を描いてあげても良いでしょう。ただし、残りの片目は晴れた後に書き入れることをおすすめします。
先に顔を描かない理由には、墨で描いた顔が雨でにじむと泣き顔に見えてしまう、江戸時代には願いが叶ってから目を入れてお礼をする習わしだった、といった説もあります。理由は違っても、「お礼の顔は晴れてから」という点は共通しています。
3〜5歳ごろは、「あとで」を待つ力が少しずつ育ってくる時期ですが、目の前の「描きたい」を我慢するのはまだ難しい年齢です。ルールだけを伝えると反発しやすいので、理由と役割をセットで伝えるのがコツです。たとえば、止めるときは「描いちゃダメ!」ではなく、「右目だけ今描いて、左目は晴れた朝にお願いね。最後の目を描くのは○○ちゃんの係だよ」と言い換えます。順番が見えると、お子さんは「禁止された」ではなく「出番をもらった」と受け取れます。
つまずきやすいのは、目を離した隙にお子さんが両目を描いてしまうケースです。そのときは叱らずに、「今日はこの子が応援団長だね。もう1つ、のっぺらぼうの子も作ろうか」と2体目を作り、のっぺらぼうのほうを本番用にすると、気持ちよく仕切り直せます。
3頭の向きをチェック!頭が下だと雨乞いになるかも
てるてる坊主を吊るす際に非常に重要なのが、頭の向きです。晴れを願うてるてる坊主は、必ず頭が上になるように吊るしてください。
頭が下を向いている状態は、雨乞いをする「ふれふれ坊主」の姿になってしまうと言われています。農作物のために雨を願う場合以外は、頭が上向きになっているか注意して飾りましょう。
頭が下を向いてしまうのは、頭の詰め物が重く、首のひもを支点にひっくり返ってしまうことが主な原因です。吊るす前にひもの端を持ってぶら下げ、まっすぐ上を向くかを確かめておくと、あとで直す手間が省けます。直し方は、詰め物を軽くする、スカート部分を長くする、ひもを頭頂部に留める、の3つが基本です。具体的な手順は、このあとの作り方の項目で紹介します。
4吊るす場所に注意!太陽を望む南側の窓辺や軒下に飾る
てるてる坊主は一般的に窓辺に飾りますが、最も理想的なのは太陽の光がよく当たる南側です。太陽を望むことができない場所に飾ると、祈願が通じにくいと言われています。
正式には屋外の軒下に飾る風習ですが、雨ざらしになるのを避けたい場合や、集合住宅などで屋外に飾るのが難しい場合は、屋内の南側の窓辺やカーテンレールなどに、てるてる坊主の顔を外側に向けて吊るすようにしましょう。
南向きの窓がない住まいも少なくありません。その場合は、東向きや西向きの窓でも、空が見える位置なら十分です。大切にしたいのは、てるてる坊主の顔が空のほうを向いていることです。ベランダに出られるお宅は、雨が吹き込みにくい軒下を選びます。
吊るす高さは、お子さんが朝いちばんに見つけられる目線の高さの窓辺がおすすめです。「起きたら、まず窓を見てみようね」と前の晩に約束しておくと、翌朝、自分から空を確かめに行く習慣がつきます。カーテンレールに吊るす場合は、カーテンの開け閉めでひもが引っ張られて落ちやすいので、カーテンの外側(窓ガラス側)ではなく、レールの端にひもを二重に結ぶと安定します。
5吊るすタイミングはいつがベスト?基本は「前日の夜」
てるてる坊主は、晴れてほしい日の前日の夜、寝る前までに吊るすのが基本とされています。遠足や運動会など、大切な予定がある日の前夜に、天気予報を確認しながら飾るご家庭が多いようです。
当日の朝に慌てて吊るしても間に合わないわけではありませんが、「一晩お祈りする時間を作ってあげる」という気持ちを込めて、できるだけ前日のうちに準備しておくとよいでしょう。
前日の夜に慌てないよう、数日前からの流れを表にまとめました。ご家庭の予定に合わせて使ってみてください。
| いつ | すること | ポイント |
|---|---|---|
| 3日前〜2日前 | 週間天気予報で天気の見通しを確認する | 3日先以降の予報には、確かさを示す「信頼度」がA・B・Cで付いています |
| 前日の昼 | 親子でてるてる坊主を作る | 材料は家にあるもので足ります。顔は描かずに、お子さんの出番は目を入れる係に取っておきます |
| 前日の夜(寝る前) | 窓辺に吊るして、一緒にお願いする | 頭が上を向いているか、ひもがほどけないかを確認します |
| 当日の朝 | 天気予報と学校や園からの連絡を確認する | 晴れたら、お礼を伝えて左目を描き入れます |
吊るすときは、「あしたの運動会、晴れますように。てるてる坊主さん、お願いします」と声に出してお願いすると、お子さんにとって区切りのある儀式になります。寝る前のこの時間が、ワクワクと不安を落ち着かせるきっかけになり、すんなり布団に入れたという声も子育ての現場ではよく聞かれます。
てるてる坊主で「やってはいけないこと」まとめ
- 黒や紺など、雨雲を連想させる濃い色で作る
- 吊るす前から両目を描いてしまう(先に「開眼」させてしまう)
- 頭を下にして(逆さに)吊るす
- 日当たりの悪い北側や、日陰になる場所に吊るす
「やってはいけないこと」は、知っていても、作っている最中にうっかりやってしまいがちです。起こりやすい場面と直し方を対比で整理しました。
| やってしまいがちなこと | 起こりやすい場面 | 直し方 |
|---|---|---|
| 両目を先に描く | お子さんが目を離した隙に描き込む | 2体目を作り、のっぺらぼうのほうを本番用にする |
| 頭が下を向く | 頭の詰め物が重い、素材が軽すぎる | 詰め物を軽くする、スカートを長くする、ひもを頭頂部に留める |
| 濃い色の布を使う | 柄物やデニムなど手近な布を選ぶ | 白い布に替えるか、リボンなど小物だけに色を使う |
| 日陰の窓に吊るす | 南向きの窓が使えない | 空が見える窓を選び、顔を外に向ける |
キッチンペーパーやティッシュで手軽に作れる!基本のてるてる坊主の作り方
ここでは、家庭で手に入りやすいキッチンペーパーやティッシュを使った、基本のてるてる坊主の簡単な作り方をご紹介します。
特にお子様と作るときは、先走って顔を描いてしまわないように、パパやママが顔入れのタイミングを教えてあげてくださいね。
作る時間の目安は3〜5分です。「遠足の前の晩、夕食後に急に作ることになった」というご家庭でも、家にある材料だけで間に合います。お風呂に入る前の短い時間でも作れるので、前日の夜のルーティンに組み込みやすいのが、紙で作る基本形の強みです。
キッチンペーパー製てるてる坊主の材料
- キッチンペーパーまたはティッシュ(白)
- サランラップ(頭の詰め物用)
- 輪ゴム
- タコ糸(吊るし紐)
- 油性ペン(顔入れ用)
頭の部分に新聞紙やチラシを丸めて詰める方も多いのですが、重さで頭が下を向きやすくなるため注意が必要です。ラップを丸めたものは軽く、復元力もあるため、ふっくらと丸い頭部を作りやすく、頭が上を向きやすいのでおすすめです。
ラップがない場合は、コットンや丸めたレジ袋でも代用できます。いずれも「軽くて、つぶれても戻る」ことが選ぶ基準です。
キッチンペーパー製てるてる坊主の簡単な作り方
-
ラップを適量使い、クシャクシャと丸めて、てるてる坊主の頭の土台を作ります。 -
ラップで作った土台をキッチンペーパーで包み、シワが寄らないように整えます。輪ゴムで首元の部分を止め、この時一緒にタコ糸を首に結び付けます。輪ゴムは布や紙の厚みに合わせて締め付けを調整できるので、しっかり固定でき、吊るしている間にずり落ちるのを防げます。吊るすヒモは首につけるのが一般的な作り方です。これで基本ののっぺらぼうのてるてる坊主が完成です。 - スカート部分になるキッチンペーパーの端を軽く広げ、裾をそろえます。ひもの長さは、吊るす場所に合わせて、窓辺なら手のひら2つ分ほど、カーテンレールなら少し長めにしておくと、あとで調整しやすくなります。
お好みで片目(向かって右側など)だけを描き入れましょう。左目は晴れるまで入れないように注意してください。可愛らしくニッコリとした表情にすると、お願いを聞いてくれそうな気がしますね。
てるてる坊主の首元のゴムが気になる場合は、マスキングテープやリボンで隠すと、より可愛らしい仕上がりになります。
頭が重いと下を向きやすくなります。もし吊るした時に頭が下を向いてしまう場合は、頭の詰め物を軽くして頭部を小さく作り、スカート部分を大きく長くすることでバランスが取れ、頭が上を向きやすくなりますので試してみてください。
ティッシュのように特に軽い素材を使う場合、ラップを詰めても上を向かないことがあります。その場合は、吊るしヒモを首から通し、頭頂部にマスキングテープなどで固定することで、頭が下がるのを防げます。
作っている途中でつまずきやすいポイントと直し方を、あわせて覚えておくと安心です。
- 首の輪ゴムがゆるんで頭が抜けそうなとき:輪ゴムを二重に巻いてから、マスキングテープで上から押さえます
- キッチンペーパーが破れてしまうとき:2枚重ねにするか、輪ゴムを巻く位置の紙を少し折り返して厚みを出します
- 頭がぺしゃんこになるとき:ラップの量を増やして、手のひらで包むように丸め直します
- ひもが短くて吊るせないとき:ひもを結び足すより、輪にしたひもを首に通して、長さを調整するほうが外れにくくなります
可愛いくアレンジできる!布製てるてる坊主の作り方
ティッシュやキッチンペーパーで作る基本のてるてる坊主に対し、布を使うと刺繍や装飾など、さまざまなアレンジが楽しめます。
目鼻などのパーツを刺繍で縫い付ける場合は、丸く形作ってから位置がずれないように縫い付けると、しっかりとした仕上がりになります。
ここでは、小さなお子様でも簡単に目入れや飾り付けができるように、フェルトを使った布製てるてる坊主の作り方をご紹介していきます。
作る時間の目安は10〜15分です。紙のものより少し手間がかかるぶん、「じっくり工作を楽しみたい」「毎年の行事で使う飾りとして、ちょっと特別なものを作りたい」というときに向いています。雨の日の午後、きょうだいで取り組む工作としてもぴったりです。
布製てるてる坊主の材料
- 白い布(布巾やハンカチなど)
- サランラップ(頭の詰め物用)
- 輪ゴム
- タコ糸(吊るし紐)
- フェルト(飾り付け用)
- コットンレースやリボン(首飾り用)
- 両面テープまたは手芸用ボンド
手軽に作りたい場合は、100円ショップで手に入るシールフェルトや目玉シール、リボンなどを活用すると簡単にアレンジできます。特に、つけまつげや動眼タイプの目玉シールを使えば、パッチリおめめやキョロキョロおめめの愛嬌あるてるてる坊主が作れます。
布製てるてる坊主の作り方
布製のてるてる坊主の作り方は、キッチンペーパー製の基本の作り方と同じ手順です。布を準備し、ラップの土台を包み、首を輪ゴムと糸で結びます。
その後、フェルトで目などのパーツを作り、レースやリボンと一緒に両面テープや手芸用ボンドで飾りつければ、写真のような王様やお姫様風の可愛いてるてる坊主が簡単に作れます。この方法なら、刺繍が難しい小さなお子様でも楽しく作れるのでおすすめです。
顔のパーツは、晴れを願う間は片目だけをつけ、願掛けが叶った後に残りの片目を子供につけさせてあげましょう。
布で作るとスカート部分に程よい重みが出るため、頭がきれいに上を向きやすくなります。もし下を向いてしまう場合は、吊るしヒモを首ではなく、頭頂部にしっかりと縫い付けると安定します。
パーツ選びと貼り付けで、つまずきやすい点も押さえておきましょう。フェルトの目や口は、小さいほど貼る位置がずれやすく、位置が決まらないまま貼ってしまうと、表情が思わぬ方向になることがあります。貼る前に、パーツをのせて「この顔でいい?」と仮置きして、お子さんに確認してもらってから貼ると、完成後の「思ってたのとちがう」を防げます。仮置きの作業は、ほとんどのお子さんが真剣な顔で取り組む、工作のいちばん盛り上がる場面です。
布が滑って輪ゴムが外れやすいときは、輪ゴムを二重にして、さらにその上からリボンを結ぶと外れにくくなります。リボンは蝶結びにするとかわいく仕上がり、首元の補強も兼ねられます。
イベントに最適!ビニール製巨大てるてる坊主の作り方
「どうしても明日は晴れて欲しい!」という切実な願いを込めるなら、窓辺にたくさん吊るすか、巨大なてるてる坊主を手作りするのも良い方法です。
写真のような超巨大てるてる坊主を屋外に飾る場合は、風を受けやすいため、ひもを二重に結んで、軒下の丈夫な場所にしっかり固定しましょう。天候や風の様子を見て、風が強い日は屋内の窓際に移すなど、飾る場所を柔軟に変えるのがおすすめです。
手軽に巨大サイズのてるてる坊主を作りたい場合は、スーパーなどで手に入るレジ袋(ビニール袋)を使うのがおすすめです。紙や布よりも比較的簡単に大きな作品が作れますし、ビニール製なので雨にも強いため、軒下に吊るすのに適しています。
巨大てるてる坊主の材料
- レジ袋またはゴミ袋(白色で絵柄が少ないもの)数枚
- 輪ゴム
- タコ糸(吊るし紐)
- サインペン
使用する袋は、できるだけ絵柄や店名が入っていない、真っ白なビニール袋を選ぶと、てるてる坊主の白いイメージに近くなります。
頭に詰めるものも、ビニール製のレジ袋を丸めて使うと軽くて扱いやすいです。また、新聞紙やシュレッダーごみなども利用できますが、軽いビニール袋を詰め物にするのは、廃材のリサイクルにもなって一石二鳥です。
巨大てるてる坊主の作り方
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ビニール製のレジ袋やゴミ袋は、そのまま使うと持ち手の部分が耳のようになってしまいます。一度裏にひっくり返し、両角を三角に折ってセロハンテープで止めておくと丸い形に近くなります。 -
袋を元に戻し、頭に詰めるためのレジ袋などをクシャクシャと丸めて、角を折った底の部分(頭になる側)に入れます。持ち手のある側がスカートになるので、袋の中ほどを輪ゴムで留めて首を作り、スカート部分の持ち手はハサミで切り落として裾をそろえます。 - 首元の輪ゴムにタコ糸を結びつけます。大きいぶん重さもあるので、ひもは二重にして、ゆるまないようにしっかり結んでください。
- サインペンで顔を描き入れます。ここでも、描くのは片目だけにして、左目は晴れた後にお楽しみとして取っておきましょう。
ビニール袋は表面がつるつるして、ペンのインクが乗りにくいことがあります。油性のペンを使うか、袋の上からマスキングテープで顔の位置にテープを貼って、そこに描くとくっきり仕上がります。
巨大サイズは、作業の役割分担がしやすいのも魅力です。袋を丸めて詰め物を作る係、顔を描く係、ひもを結んで吊るす係と分けると、きょうだいやパパも自然に参加できます。ハサミを使う作業と高い場所に吊るす作業は、パパやママが担当すると、お子さんは「いちばん大事な顔の担当」を任された気持ちになり、誇らしそうに取り組んでくれます。
素材別の選び方:ティッシュ・布・ビニール袋はどれが向く?
3種類のてるてる坊主は、作る時間も、向いている場面も違います。家庭の状況に合わせて選べるよう、目安を表にしました。
| 素材 | 作る時間の目安 | 向いている場面 | 子どもの関わり方 | 雨に対して |
|---|---|---|---|---|
| キッチンペーパー・ティッシュ | 3〜5分 | 前日の夜に急いで作るとき、複数個を作るとき | 丸める・包む・顔を描く | 濡れると破れやすいので室内向き |
| 布(フェルトなどの装飾付き) | 10〜15分 | じっくり工作したいとき、毎年の行事用の飾りにしたいとき | パーツ選び・貼り付け・目入れ | 紙より丈夫で、軒下でも使いやすい |
| ビニール袋(巨大サイズ) | 15〜20分 | 運動会や発表会など、どうしても晴れてほしい日。きょうだいや家族みんなで作るとき | 詰め物を丸める・顔を描く・吊るす | 雨に強く、軒下に向く |
迷ったときは、まずティッシュやキッチンペーパーで1体作り、そのあとで時間があれば布や巨大サイズにも挑戦する、という進め方がおすすめです。材料も時間も軽く済むので、「作らなきゃ」というプレッシャーが少なく、お子さんのやる気が出たときにだけ次に進めます。
子どもと作るときの年齢別ポイント
てるてる坊主づくりは、年齢によって「できること」も「楽しいところ」も違います。指先の使い方や気持ちの育ち方には個人差があるため、以下は目安として、お子さんの様子に合わせて調整してください。
2〜3歳:丸める・ちぎる・「おねがい」を言う
この時期は、紙をくしゃくしゃと丸めたり、ちぎったりする動きが楽しい年齢です。ラップを丸める工程は、お子さんの出番にぴったりです。一方で、輪ゴムを首に巻くのは指先の力の調整が難しいので、パパやママが担当します。願掛けの意味はまだ十分に分からなくても、「てるてる坊主さん、おねがいします」と一緒に手を合わせるだけで、行事の前の特別な空気を感じ取ります。
声かけは、「じょうずに丸められたね。ふわふわの頭ができたよ」と、作業の結果を言葉にしてあげると、お子さんの達成感につながります。
4〜5歳:顔の担当と「晴れたら」の約束
ごっこ遊びが盛んになり、人形に気持ちを重ねられる時期です。「てるてる坊主さんが応援してくれるんだね」という声かけが、よく響きます。顔を描く役目を任せつつ、「左目は晴れたら描こうね」の約束をするのに向いた年齢で、「約束を守る」練習にもなります。
つまずきやすいのは、輪ゴムの扱いと、吊るす向きを自分で確かめることです。「頭が上かな? ひもを持って見てみよう」と一緒にぶら下げて確認すると、「どうして上を向かないのかな」と、重さのバランスを考えるきっかけにもなります。
小学生:材料選びから吊るすところまで任せる
小学生になると、手順を読んで自分で作れるようになります。ビニール袋の巨大版や、布を使った装飾にも挑戦できます。材料選びから吊るす場所の相談まで任せ、パパやママは「どこに吊るすと空が見えるかな」と、考えるヒントを出す役に回ります。
低学年のきょうだいがいる場合は、年上の子に「作り方の先生」を任せると、年下の子の工作を見守る頼もしい役割になり、年上の子の自信にもつながります。
晴れたら?雨だったら?てるてる坊主の処分(捨て方)
てるてる坊主は、吊るして終わりではありません。役目を終えたあとの見送り方まで含めて、昔から続く習わしです。ここでは、晴れた場合と雨だった場合の処分の流れと、現代のごみの出し方を整理します。
願いが叶って晴れたとき
晴れたら、まず左目を描き入れて顔を完成させ、「ありがとう」とお礼を伝えます。ここで、お子さんの出番です。最後の目を描く瞬間は、工作のクライマックスとして盛り上がります。江戸時代の習わしでは、お神酒を供えて川に流していましたが、今はこの形はとりません。
お礼のあとは、てるてる坊主を外して、ごみとして出します。口に出してお礼を言う、手を合わせる、写真を1枚撮るなど、ご家庭なりの区切りをつけてから処分すると、お子さんも「ありがとうの気持ちで見送る」ことが自然と身につきます。
晴れなかったとき
雨だった場合は、顔を描き足さず、のっぺらぼうのまま(片目のままで)処分します。てるてる坊主は人間のように結果の責任を負う存在ではなく、あくまで願掛けです。「ごめんね、今日は雨だったね」「応援してくれてありがとう」と声をかけて、ていねいに片づけましょう。乱暴に捨てたり、「効かなかったね」と責める言葉を投げたりしないことが、お子さんへのいちばんの見本になります。
処分の流れと分別のコツ
- 吊るしていた場所から外し、ひもや輪ゴムを取ります。
- お礼の言葉を伝えます。晴れたときは顔を完成させます。
- 素材ごとに分けます。紙や布は可燃ごみ、ビニール袋やラップ、輪ゴムなどは、お住まいの自治体のごみ分別ルールに従います。
- 袋に入れて、ごみの日に出します。
ごみの分別は自治体によって異なります。たとえば、ビニール袋やラップが「プラスチック製容器包装」に分類される地域と、可燃ごみになる地域があります。迷ったときは、自治体の分別一覧を確認してください。川に流す昔の方法は、現代では水辺にごみが残ってしまうため避け、ごみとして処分します。
吊るしっぱなしにしない・保管したいとき
役目を終えたてるてる坊主を、いつまでも吊るしておくのはおすすめしません。日に当たって色あせたり、ほこりをかぶったりして、見た目が悪くなるからです。何より、お子さんにとって「晴れた、ありがとう」という気持ちの区切りがつかなくなります。
お子さんが一生懸命作った布製のものなど、どうしても手放しにくい場合は、写真に残してから処分する方法もあります。写真なら、「去年のてるてる坊主、覚えてる?」と思い出話のきっかけにもなります。
晴れなかったときの子どもへの声かけと、先輩ママの工夫
楽しみにしていた日が雨になると、お子さんの落ち込みは大人が思う以上に大きいものです。期待が大きいほど、結果とのギャップが大きくなるからです。幼児期は、気持ちを切り替える力がまだ育ちきっていないため、「泣く」「怒る」「黙る」といった形で気持ちが出ることがあります。それは、わがままではなく、がっかりしているサインです。
声かけの例を比べてみます。「雨なんだから仕方ないでしょ」と気持ちを遮るより、「楽しみにしてたのに、残念だったね」と、まず気持ちを言葉にして受け止めるほうが、お子さんは落ち着きやすくなります。そのあとで、「じゃあ、お家でできる運動会ごっこをしようか」と、次の楽しみに目を向けるのが、うまくいきやすい順番です。
子育ての現場でよく聞かれる対処は、大きく3つのパターンに分けられます。
- 代わりの楽しみを用意するタイプ:遠足が雨で延期になった日に、リビングにレジャーシートを広げて、お弁当を食べる「おうち遠足」を開く。向いているのは、お子さんが「やりたいことがはっきりしている」ご家庭です。
- 気持ちを言葉にして受け止めるタイプ:「雨でがっかりしたね」と先に気持ちを聞き、泣きたいだけ泣かせてから、次の予定の話をする。向いているのは、気持ちの波が大きいお子さんや、感情を言葉にするのが苦手なお子さんのご家庭です。
- 次の晴れに託すタイプ:のっぺらぼうのままのてるてる坊主を取っておき、延期になった日にもう一度吊るす。向いているのは、行事が延期や順延になって、もう一度チャンスがあるケースです。
どのパターンにも共通するのは、「結果ではなく、準備した時間をほめる」ことです。「てるてる坊主、一生懸命作ったね」「前の晩にお願いしたの、すてきだったよ」と声をかけると、お子さんは、願いが叶わなくても、頑張ったことは認められると感じられます。
前もって、「もし雨だったら、どうする?」を家族で話しておくのも効果的です。「雨なら、おうちで〇〇しよう」と先に決めておくと、当日の落ち込みを小さくできます。てるてる坊主を吊るすときに、「晴れたらいいね。雨でも、こんなことをして楽しもうね」と、プランBを一緒に伝えておくのがおすすめです。
最新情報:天気予報の見方と、運動会・遠足の今どきの事情
てるてる坊主に願いをかけたあとは、天気予報で当日の判断材料をそろえます。ここでは、以前の前提と現在の状況、家庭での対応の変化を整理します。
以前の前提:前日の夜にお願いして、朝の空を見て判断
以前は、前日の夜にてるてる坊主を吊るして、当日の朝の空を見て、運動会や遠足の実施を判断する、という流れが一般的でした。運動会は秋に一日がかりで行うものというイメージも強く、お弁当を家族で囲む時間も定番でした。
現在の状況:予報の情報が細かくなり、行事の形も多様に
現在の気象庁の案内では、府県天気予報は毎日5時、11時、17時に発表されます。降水確率は6時間ごとに10%刻みで示され、「予報区内で1ミリ以上の雨または雪が降る確率」と定義されています。降水確率30%は、同じ予報が100回出たとき、およそ30回は1ミリ以上の降水がある、という意味で、雨の量や強さを表すものではありません。雨雲の動きは、降水ナウキャストで5分ごとに更新され、1時間先まで確認できます。
| 項目 | 現行の内容 | 対象 | いつから |
|---|---|---|---|
| 降水確率 | 予報区内で、一定時間に1ミリ以上の雨または雪が降る確率。10%刻み | 府県天気予報 | 毎日5時・11時・17時に発表 |
| 週間天気予報の信頼度 | 3日先から7日先の降水の有無について、予報の当たりやすさ・変わりにくさをA・B・Cで表示。Aは明日の予報と同程度の精度 | 週間天気予報 | 毎日11時ごろと17時ごろに発表 |
| 降水ナウキャスト | 雨の強さの分布を、1キロ四方ごとに、1時間先まで予報 | 当日の雨雲の動き | 5分ごとに発表 |
学校や園の行事も、以前とは変わってきています。民間の調査(2025年)では、運動会の開催時期は秋が52.1%、春が27.1%で、春開催も約3割に増えています。開催形式は、午前のみ・午後のみの短縮開催が75.5%と、終日開催は約1割にとどまりました。自治体でも、暑さを考慮して開催時期の目安を定めるところがあり、愛媛県松山市は令和2年度から10月開催を基本とする指針を学校に示し、令和7年度に内容を見直しています。
家庭での対応の変化:確認のタイミングと連絡手段を決めておく
行事の形が多様になった今、家庭で準備しておきたいことは3つです。1つ目は、学校や園から届く連絡メールやアプリを、前日の夜と当日の朝の2回確認すること。2つ目は、延期の場合の予備日と、お弁当の有無を、プリントで先に確認しておくこと。3つ目は、前日昼の天気予報(11時発表)と夕方の予報(17時発表)を見比べて、予報の変化を把握することです。てるてる坊主を吊るしたあとも、天気予報を確認して、お子さんに「あしたは降水確率がこれくらいだから、てるてる坊主さんにもうひと頑張りしてもらおうね」と伝えると、天気への関心も育ちます。
よくある質問
Q1 先に両目を描いてしまいました。どうすればよいですか?
描いてしまったものは、そのまま「応援団長」として飾って大丈夫です。気になる場合は、のっぺらぼうのてるてる坊主をもう1体作り、そちらを本番用にしましょう。お子さんを責めずに、「もう1つ作ろう」と誘うと、気持ちよく仕切り直せます。
Q2 南向きの窓がないときは、どこに吊るせばよいですか?
東向きや西向きの窓でも、空が見える位置なら十分です。てるてる坊主の顔を外に向けて、空のほうを見せましょう。ベランダや軒下が使えるお宅は、雨が吹き込みにくい場所を選んでください。窓のそばに吊るす場所がないときは、カーテンレールの端にひもを二重に結ぶと、顔を窓側に向けたまま安定します。
Q3 いくつ作ってもいいのですか?
数に決まりはありません。「どうしても晴れてほしい」日は、家族の人数分を作ったり、大きいものを1つ作ったりするご家庭もあります。お子さんが作りたがるぶんだけ作れば十分です。ただし、数が増えるほど処分の手間も増えるので、作った数だけ「ありがとう」を伝えて片づける、という約束を先にしておくと安心です。
Q4 晴れなかったとき、お子さんにどう説明すればいいでしょうか?
「てるてる坊主さんのせいじゃないよ」と伝え、まず「がっかりしたね」と気持ちを受け止めてから、次の予定の話をします。「準備した時間が楽しかったね」と、結果以外にも価値があることを言葉にして伝えると、お子さんも落ち着きます。
Q5 処分のとき、お酒をかけたほうがいいですか?
昔の習わしでは、お神酒を供えるのが一般的でしたが、今はお酒を用意する必要はありません。「ありがとう」と声に出してお礼を伝え、ごみとして処分するだけで、気持ちは十分伝わります。お子さんがいるご家庭では、「ありがとうの言葉」と「最後の目を描く」ことを、お礼の形にするとわかりやすくなります。
てるてる坊主づくりを、親子の思い出に
てるてる坊主は、天気を変える道具というより、楽しみな予定を待つ時間を、親子で特別なものにしてくれる風習です。作って、吊るして、お願いして、晴れたら顔を描いてお礼を言う。この一連の流れの中に、「待つ」「約束を守る」「ありがとうを伝える」といった、お子さんの心を育てる場面がいくつも詰まっています。
次に雨が心配な行事の前日は、お子さんと一緒に白い紙を用意して、ひとつ作ってみてください。のっぺらぼうの顔を、お子さんがどんな表情で見つめるか、その瞬間こそが、行事の前の大切な思い出になります。



