電気代を節約する方法:買い替えずに家電の使い方で減らす5つのコツ
毎月の電気代は、工夫しだいで無理なく減らせる支出です。特別なことをしなくても、家電の使い方を少し見直すだけで効果が表れます。
家庭で電気を多く使うのは、エアコン・冷蔵庫・照明・テレビといった家電です。使用量の大きい家電を中心に見直すと、効率よく節約できます。
省エネ家電も増えていますが、電気代を抑えるうえで大切なのは家電の上手な使い方です。無理に買い替えなくても、今ある家電を賢く使うことで十分に節約できます。
近年は燃料費の変動や再生可能エネルギー発電促進賦課金の影響で、電気の使用量が変わらなくても請求額だけが上がったと感じる家庭が増えています。「なんとなく高くなった気がする」で済ませず、家電ごとの使い方を具体的に見直すことが、家計を立て直す近道になります。子どもがいる家庭では在宅時間が長く、エアコンや照明、テレビをつけっぱなしにしがちな場面も多いため、家族みんなで取り組める工夫も合わせて紹介します。
まずは電気代の把握から。節約の第一歩
節約の第一歩は、毎月の電気料金と使用量を把握することです。増減の傾向がわかれば、効果的な対策が立てられます。
また、努力の結果が数字に表れると、節約を続けるモチベーションにもつながります。検針票や明細を保管して見比べるだけでよいので、まずは現状の把握から始めましょう。
具体的には、検針票や電力会社のウェブサイト・アプリで「今月の使用量(kWh)」と「前年同月の使用量」を並べて確認する方法がおすすめです。使用量そのものが減っているのに請求額が上がっている場合は、燃料費調整額や再エネ賦課金など、使い方を工夫しても下げられない部分が影響している可能性があります。逆に使用量自体が増えているなら、どの家電の稼働時間が延びたかを家族で振り返ってみると、次に紹介する節約術の効果を実感しやすくなります。
つまずきやすいのは、検針票を見ても「先月より高い・安い」だけで終えてしまい、具体的な行動に結びつかないケースです。「先月よりエアコンの使用時間が長かったね」「今月は在宅ワークの日が多かったからかな」など、家族で理由を言葉にしてみると、どの家電から手をつければよいかが見えてきます。
買い替えずに電気代を節約する5つの方法
最新家電への買い替えも節約策のひとつですが、その前に、今ある家電でできる工夫を取り入れているか確認しましょう。ここでは5つの節約術を紹介します。
1エアコンの節約術
夏の冷房、冬の暖房と一年中活躍するエアコンは、電気使用量の大きい家電の代表格です。冬は設定温度を上げすぎないことが節約のポイントで、環境省は暖房時の室温の目安として20℃を挙げています。これは「ウォームビズ」と呼ばれる取り組みで、例年11月ごろから3月ごろまでの期間、過度な暖房を控えて快適に過ごす工夫として呼びかけられているものです。夏の冷房については、同じく環境省が「クールビズ」として室温28℃を目安に挙げています。冷房・暖房のどちらも、設定温度ではなく実際の室温を目安にする点がポイントです。
設定温度を抑えても、湿度50%を目安に加湿すると体感温度が上がり、暖かく感じられます。温度そのものを上げなくても、湿度の調整で快適さを保ちながら節約できます。夏も同様に、除湿機能を併用して湿度を下げると、設定温度を無理に下げなくても涼しく感じやすくなります。
風量設定にも見落としがちなポイントがあります。「弱」運転は一見省エネに思えますが、部屋が設定温度に達するまで時間がかかり、かえって運転時間が延びて消費電力が増えることがあります。多くの場合は「自動」運転のほうが、部屋の状態に合わせて風量を調整してくれるため、結果的に無駄が少なくなります。また、短時間の外出のたびにオン・オフを繰り返すと、運転開始直後に多くの電力を使うぶん、かえって非効率になることがあります。日中30分程度の外出であれば、つけたままにしておくほうが節約につながるケースが多いとされています。外出時間が長くなる場合はオフにする、というように、外出時間の目安で使い分けると判断しやすくなります。
フィルターの汚れも消費電力に影響します。フィルターにほこりがたまると風量が落ち、設定温度に達するまでの時間が延びて電力を余計に使ってしまいます。2週間に1回程度を目安に掃除機でほこりを吸い取ると、冷暖房効率を保ちやすくなります。室外機の吹き出し口の前に物を置かない、直射日光が当たる場合は日よけを設置するといった工夫も、効率を保つうえで役立ちます。
子どもがいる家庭では、「暑い」「寒い」と言われるたびに設定温度を上げ下げしてしまい、気づけば電気代がかさんでいた、という声もよく聞かれます。そんなときは、設定温度そのものを変える前に「靴下をはいてみようか」「風向きを下にしてみよう」と声をかけ、着る物や風向きの調整から試す習慣をつけると、設定温度を安定させやすくなります。反対に「暑いなら設定温度下げようね」とすぐに温度操作で応じてしまう対応を続けると、子ども自身が温度調整以外の工夫を学ぶ機会を逃してしまいます。小さな声かけの積み重ねが、無理のない節約習慣につながります。
暖かさを保ちながらエアコンの電気消費を抑えるコツ
- 風向きを下向きにして、暖かい空気を循環させる
- 一枚多く着て、設定温度は20〜22℃、冷房時は28℃を目安にする
- 風量設定は「弱」より「自動」を選ぶ
- 日中30分程度の外出なら、こまめに消さずつけたままにする
- 室外機の周りやフィルターを2週間に1回程度掃除して効率を上げる
- サーキュレーターを併用して空気をかくはんする
- 加湿器や部屋干しで湿度50%を保つ
2冷蔵庫の節約術
食材の鮮度を保つため一日中動き続ける冷蔵庫も、消費電力の大きい家電です。買ったときの設定のままにしている人が多いのですが、設定温度を見直すだけでも節約になります。「強」と「弱」では消費電力に差が出るとも言われています。
外気温が低い冬は「弱」、食材が傷みやすい夏は「強」と、季節に合わせて調節しましょう。100円ショップなどで手に入る冷蔵庫用カーテンも、冷気を逃がしにくくする工夫のひとつです。庫内をこまめに整理して、上手に消費電力を抑えましょう。
冷蔵庫は扉を開けるたびに庫内の冷気が逃げ、再び冷やすために電力を消費します。開閉の回数と時間を減らすことが、地味ながら効果の大きい節約になります。帰宅後や夕食の準備時間帯は開閉が集中しやすいので、使う食材を先にまとめてメモしておき、一度にまとめて取り出すようにすると開閉回数を減らせます。共働きの家庭では、週末に作り置きをしてひとまとめにしておくと、平日の開閉時間を短縮しやすくなります。
子どもは冷蔵庫の中身を眺めるのが好きで、扉を開けたまま考え込んでしまうことがよくあります。「何が食べたいか先に決めてから開けようね」「開けたら3秒で閉めるゲームにしよう」のように、遊び感覚のルールにすると、叱らずに自然と開閉時間を短くできます。「早く閉めなさい」と繰り返し注意するだけでは効果が続きにくいので、具体的な行動に置き換えた声かけのほうが定着しやすい傾向があります。
また、調理したばかりの温かい料理をそのまま冷蔵庫に入れると、庫内の温度が上がり、他の食材を冷やすためによけいな電力がかかります。粗熱を取ってから入れる習慣をつけると、庫内温度の変動を抑えられます。
食材のおいしさを保ちながら冷蔵庫の消費電力を抑えるコツ
- 背面10cm・側面2cmほど空けて設置し、上に物を置かない
- 季節に合わせて庫内の設定温度をこまめに調節する
- よく使う物はドア近くに置き、開閉を少なくする
- 冷蔵室は詰めすぎず、冷凍室はすき間なく詰める
- 熱いものは冷ましてから入れ、庫内の温度を上げない
- 取り出す物を先に決めてから扉を開ける習慣をつける
3照明器具の節約術
毎日使う照明は、工夫の効果が見えやすい部分です。使わない照明はこまめに消すことから始めましょう。
見落としがちなのがリモコンの落とし穴です。リモコンで消しても主電源は入ったままで、1W前後の待機電力がかかります。小さな節電でも、積み重ねれば大きな節約につながります。
照明器具はこまめに掃除すると、同じ明るさでも光がよく届きます。気持ちよく過ごせて節約にもなる、一石二鳥の工夫です。
子ども部屋やリビングでは、遊びに夢中になって電気をつけたまま別の部屋へ移動してしまうことがよくあります。「お部屋を出るときは、最後に出た人が電気を消す係」というように、誰が消すかを家庭内のルールとして決めておくと、注意する回数自体を減らせます。年齢に応じて「今日は〇〇ちゃんが電気係ね」と役割にしてしまうと、子ども自身が進んで取り組みやすくなります。
人感センサーや明暗センサー付きの照明器具を使うと、人がいなくなれば自動で消灯するため、消し忘れ対策として有効です。新たに設備を導入しなくても、よく消し忘れる場所だけ意識して声をかけ合う仕組みを作るだけでも効果があります。
明るさを保ちながら照明の電気消費を抑えるコツ
- 照明はこまめにオン・オフするのが基本
- スイッチは壁のスイッチで主電源から切る
- 器具を掃除して、わずかな光でも明るさアップ
- 間接照明を取り入れ、壁の反射で明るさを補う
- 「最後に出た人が消す」など家庭内の役割を決めておく
4テレビの節約術
生活に欠かせないテレビですが、見ていないのにつけっぱなしにするのは避けたいところです。使わないときは、主電源からこまめに切る習慣をつけましょう。
音量を下げると消費電力もわずかに下がります。一人で見るときなどに意識してみるとよいでしょう。
動画配信サービスの利用が広がり、テレビをつけっぱなしにする時間が以前より長くなった家庭も少なくありません。見たい番組が終わったのに惰性でつけたままにしていないか、家族で振り返ってみるとよいでしょう。待機電力自体は1台あたりでは大きな金額ではありませんが、テレビに限らずエアコンや給湯器など複数の家電の待機電力を合計すると、家庭全体では無視できない量になる傾向があります。長期の旅行や帰省で数日家を空けるときは、コンセントごと抜いておくと安心です。
子どもがアニメや動画に夢中になって部屋を離れてもつけっぱなしにしてしまう場合は、「このアニメが終わったら一緒に消そうね」と区切りを先に約束しておくと、消し忘れを防ぎやすくなります。「もう見ないなら消しなさい」と結果だけを注意するより、見る前に終わりのタイミングを決めておくほうが、子どもも納得しやすいようです。
楽しみながらテレビの電気消費を抑えるコツ
- こまめにオン・オフするのが基本
- スイッチは本体側で主電源から切る
- 音量を下げて消費電力をおさえる
- 長期の外出時はコンセントを抜く
- 見る前に「ここまで見たら消す」を決めておく
5あったか環境づくりのインテリアで節約
家電の使い方だけでなく、部屋づくりでも節電できます。暖房で暖めた熱を逃がしてしまう部屋では、電力をムダに使ってしまいます。
カーテンやカーペットは夏用と冬用の使い分けがおすすめです。夏は外の熱をカットする遮熱カーテン、冬は熱を逃がしにくい保温カーテンが役立ちます。季節でインテリアの色を変える楽しみも生まれます。
窓は部屋の熱の出入りが特に大きい場所です。カーテンを床に届く長さにして裾からの隙間風を防ぐ、レースカーテンと厚手カーテンを重ねる、窓際に隙間テープを貼るといった工夫を足すと、同じ暖房設定でも体感温度が上がりやすくなります。床に直接座ることが多い家庭では、ラグやカーペットを敷くだけでも底冷えが和らぎ、暖房の設定温度を上げずに済みます。
季節に合ったカラーは色の効果も意識して
色には見た目の印象を左右する効果があります。夏は涼しげに感じる色、冬は暖かみのある色を取り入れる方法もあります。
| 系統 | 色の例 |
|---|---|
| 暖色系カラー | オレンジ・赤・黄色 など |
| 寒色系カラー | 青・白・グレー など |
部屋づくりの工夫でできること
- カーテンを白系にすると部屋が明るくなり、照明の節約に
- 冬は暖色、夏は寒色を取り入れて、冷暖房の効率アップに
- カーテンの丈を床まで届かせ、隙間風を防ぐ
- ラグやカーペットで底冷えを防ぎ、暖房設定を上げすぎない
旬の食材で食費も電気代も節約
旬の食材は手に入りやすく、価格も手ごろです。季節の野菜を上手に取り入れると、食費の節約になるうえ、旬に合った調理で食卓も豊かになります。夏はさっぱりした料理、冬は温かい煮込み料理など、季節に合わせた食事づくりも、心地よく過ごすための工夫のひとつです。
冬は鍋料理を活用すると、一つの調理器具で加熱と保温を兼ねられるため、コンロやレンジを何度も使うより効率的です。食卓を囲みながら部屋全体も温まりやすく、暖房の設定温度を上げすぎずに済む効果も期待できます。夏は火を使う時間を短くできる麺類や和え物を取り入れると、キッチンの温度上昇を抑えられ、冷房の効率を保ちやすくなります。
節電効果の高いLED照明にも意外な落とし穴
LED照明の消費電力は白熱球や蛍光灯より大幅に低く、節電に向いた照明です。寿命が長く、すぐに点灯するのも魅力です。
一方で、光の色が寒々しく感じられることがあり、熱に弱い、価格が高めといった面もあります。
リビングなど頻繁に使う部屋にはLEDが最適ですが、トイレやお風呂など短時間しか使わない場所では、電球が安い白熱球や蛍光灯でこまめに消したほうが、導入コストの面でお得な場合もあります。使う場所や時間に合わせて選びましょう。
LED照明は本体価格が白熱球より高いぶん、購入時の負担は大きく感じられますが、使用時間が長い部屋ほど電気代の差で元を取りやすくなります。リビングや玄関、廊下など毎日長時間点灯する場所から優先的に切り替えると、投資に対する効果を実感しやすいでしょう。反対に、季節行事で数日しか使わない照明や、来客時しか使わない部屋の照明まで無理に切り替える必要はありません。
LED照明の主なデメリット
- 熱に弱く、換気が不十分で高温になる場所では寿命が縮みやすい
- 光の指向性が高く、種類によっては寒々しく感じることがある
- 電子回路を内蔵するため価格が高く、導入コストがかかる
家電の使い方の次に効果が見込める、電力会社・料金プランの見直し
ここまで紹介した使い方の工夫は、どの家庭でも今日から試せる手軽さが利点です。そのうえでもう一段の節約を考えるなら、契約している電力会社や料金プランそのものを見直す方法もあります。電力の小売全面自由化によって、家庭でも電力会社や料金プランを比較・選択できるようになっており、使用量や生活時間帯に合ったプランに切り替えることで、使い方を変えなくても年間の電気代が変わることがあります。
見直しの際は、まず直近1年分の「月ごとの使用量(kWh)」と「契約アンペア数・契約容量」を検針票や電力会社のマイページで確認しておくと、プラン同士を比較しやすくなります。在宅勤務で日中の使用量が多い家庭、夜間に洗濯や食洗機をまとめて使う家庭など、生活時間帯によって有利なプランは異なります。一度に大きく切り替えるのが不安な場合は、まず検針票を1年分そろえて自分の家庭の使用パターンを把握するところから始めても構いません。
契約内容を変えるだけなので、家電の買い替えや工事を伴わない点も始めやすい理由です。ただし、プラン変更には一定期間の契約縛りや違約金が設定されている場合もあるため、申し込み前に契約条件を確認しておくと安心です。
2026年時点、電気・ガス料金に関する国の支援策はどうなっている?
以前は、電気・ガス料金が大きく上昇した時期に合わせて、国による家庭向けの料金支援(電気・ガス料金の値引き)が継続的に実施されていた時期がありました。使用量に応じて一定額が自動的に差し引かれる仕組みで、家庭が個別に申請する必要はないものでした。
2026年時点では、こうした支援は実施期間が区切られた形に変わっており、夏場など一部の使用月に限定して値引きが行われ、対象期間の終了後は支援が一時的に終了する運用になっています。制度の有無や対象期間は国の予算編成や物価動向によって見直されるため、今後再び実施される可能性はあるものの、常に続く前提で家計を組むのは避けたほうが安心です。
家庭での対応としては、支援の有無にかかわらず使える「使い方の工夫」を基本に据えたうえで、支援が実施される時期には家計の助けとして受け止める、という考え方が現実的です。経済産業省・資源エネルギー庁が発表する支援策の実施状況は時期によって変わるため、電気料金の明細に記載されている項目や、電力会社からのお知らせで最新の適用状況を確認する習慣をつけておくと、変更があったときにも慌てずに済みます。
電気代の節約でよくある質問
Q. 電気代の節約で優先すべき家電は?
A. 使用量の大きいエアコンと冷蔵庫から見直すのが効果的です。次いで、照明やテレビの使い方も工夫しましょう。
Q. 冬のエアコンの設定温度の目安は?
A. 環境省は暖房時の室温の目安を20℃としています。湿度50%を目安に加湿すると、設定温度が低くても暖かく感じられます。
Q. 夏のエアコンの設定温度の目安は?
A. 環境省のクールビズでは、冷房時の室温の目安を28℃としています。除湿機能やサーキュレーターを併用すると、設定温度を下げすぎなくても涼しく感じやすくなります。
Q. LED照明は家じゅう替えたほうがお得?
A. 長時間使う部屋はLEDが有利ですが、短時間しか使わない場所は導入コストを考えて選ぶとよいでしょう。
Q. 電力会社やプランの見直しはどれくらい効果がある?
A. 家庭の使用量や契約内容によって差は変わりますが、生活パターンに合ったプランに切り替えると、年間の電気代が変わることがあります。契約条件を確認したうえで、検針票をもとに比較検討してみましょう。
まとめ
電気代は、家電の使い方や部屋づくりの工夫で無理なく減らせます。まずは明細で現状を把握し、使用量の大きいエアコンと冷蔵庫を中心に、照明・テレビ・インテリアも見直してみましょう。
設定温度や風量といった基本の使い方に加えて、子どもがいる家庭ならではのつけっぱなし対策、電力会社やプランの見直しまで視野に入れると、節約の選択肢はさらに広がります。買い替えは本当に必要なときに検討すれば十分です。今日からできる小さな工夫を家族で続けることが、確実な節約につながります。



