両親学級の内容とメリットに関する記事

両親学級に行こう!母親学級との違いや学ぶ内容、夫婦で参加するメリット

両親学級に行こう!母親学級との違いや学ぶ内容、夫婦で参加するメリット

パパを両親学級に誘いたい方へ。母親学級との違い、参加する時期、実習の内容、参加後の夫婦の話し合い方を、声かけ例と体験談つきで紹介します。2026年10月時点の制度の動きも整理しました。

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両親学級に行こう!母親学級とは違うパパママ教室で学ぶ意味

妊娠中のことや、出産後の育児について学べる場として、両親学級(パパママ教室)があります。ママだけが母親学級に参加していればいいように思われがちですが、両親学級ならではのメリットもたくさんあるので、機会があればぜひ参加してみてください。ここでは、両親学級について、行われる場所や参加時期、学習内容やメリットなどについてまとめました。

あわせて、母親学級との違い、参加前の準備、参加できなかったときの学び方、学んだあとの夫婦の話し合い方、2026年10月時点の公的な制度の動きも整理しています。「パパを誘いたいけれど、どう声をかけよう」と迷っている方も、順番に読み進めてみてください。

両親学級(パパママ教室)とは?

兄弟児を連れて両親教室に行く妊婦さん

両親学級とは、妊娠中や産後の育児などについて、パパとママが一緒に学ぶことのできる場です。各市町村の保健所や健康センターのほか、産婦人科・産院などで行われています。パパのお仕事に合わせて、平日の夜や土日に開催されることが多いです。

両親学級という名称ですが、たいていはママだけでの参加も可能となっています。ただし、子供は同伴できない場合が多いので、兄弟児を連れて行きたい場合には事前の確認が必要です。

母親学級と両親学級の違い

母親学級は、主にママが妊娠中の過ごし方やお産の流れ、産後の育児を学ぶ場として開かれています。名前も内容も自治体や産院によってさまざまで、母親学級のうちの1回だけがパパも参加できる回になっているところもあれば、最初から両親学級として開かれているところもあります。次の表は、一般的な傾向をまとめたものです。実際の内容は、お住まいの自治体や通う産院の案内で確認してください。

項目母親学級両親学級(パパママ教室)
主な参加者ママ(妊婦さん)が中心パパとママが一緒に参加するのが前提
学びの中心妊娠中の過ごし方、お産の流れ、産後の育児お産の流れや育児の基本に加えて、パパができるサポートの方法
実習の内容呼吸法や沐浴など、ママが体験する内容が中心妊婦体験、沐浴、抱っこなど、パパが体験する内容も多い
開催の時間帯平日の日中に開かれることも多いパパの仕事に合わせて平日の夜や土日が多い
参加のしかたママが1人で参加する夫婦で参加する。ママだけで参加できる場合も多い

違いを一言でいえば、母親学級は「ママが知るための場」、両親学級は「夫婦が同じ情報を持つための場」です。どちらが上ということはなく、両方に参加して、ママは学びを深め、パパは同じ話を聞く、という組み合わせもよく選ばれています。

パパにも学びの場が必要になる理由

妊娠中のママは、健診で赤ちゃんの様子を知り、体の変化を毎日感じながら、少しずつ親になる気持ちを育てていきます。一方でパパは、エコー写真を見せられたり話を聞いたりしても、実感が持ちにくいのが自然です。この「実感の差」は、どちらかの努力不足ではなく、妊娠という体験の違いから生まれます。差をそのままにして出産を迎えると、産後に「どうして分かってくれないの」「何をすればいいのか分からない」とすれ違いやすくなります。両親学級は、同じ場所で、同じ説明を、同時に聞く機会をつくることで、この差を縮める役割を持っています。

厚生労働省が作成したパパ向けの資料でも、両親学級への参加が呼びかけられています。あわせて、妊娠・出産・育児の相談は市区町村の窓口でできることも案内されています。パパ自身が「行ってよいのだ」と思える後押しになる情報です。

パパを誘うときの声かけ

誘い方ひとつで、パパの受け取り方は大きく変わります。次のような違いを意識してみてください。

NGの例:「パパもたまには行ってよ。私ばっかり勉強してるんだから」

OKの例:「お産のときにどう動けばいいか、一緒に聞いておきたいな。顔を出すだけでもいいから、1回だけ付き合ってもらえない?」

NGの例:「みんな夫婦で来ているみたいだよ。行かないと恥ずかしいよ」

OKの例:「いろいろな年代のパパも来るみたい。分からないのは私も同じだから、一緒に聞いて、帰りにごはんでも食べて帰ろう」

NGの例は、責められたり、周りと比べられたりしたように聞こえやすく、パパが身構えてしまいます。OKの例は、「頼みごと」としてお願いし、参加のハードルを下げる一言を添えているのが違いです。

たとえば、日曜日の朝にカレンダーを開いて「この日、空いてる?」と切り出す場面を思い浮かべてみてください。当日、会場の受付で名前を書き、席について説明を聞くだけでも、パパの意識は「見学者」から少しずつ「当事者」に変わっていきます。

パパがあまり乗り気でないときは、無理に説得するより、まず「1回だけ」「見るだけ」と期間と役割を小さく区切るのがコツです。参加した夫婦の体験談でも、「顔出すだけでもいいから」と誘ったのがきっかけになった例があります。

両親学級への参加時期

両親学級への参加時期は、基本的には、自治体や病院によって異なります。妊娠していればいつでも受けられる場合もあれば、妊娠○ヶ月以降などの妊娠時期を指定される場合もあります。一般的には、安定期に入った妊娠中期から後期にかけて開催されることが多いです。予約が必要な場合もあるため、事前に確認するとよいでしょう。

申し込みから当日までの流れ

自治体の両親学級は、無料で受けられ、予約制で実施されているところが多く見られます。開催日時や定員、申込方法は、自治体の広報や公式サイト、母子健康手帳を受け取るときにもらう案内資料などで確認できます。産院で開かれる場合は、通っている産院の掲示や配布資料、健診のときのスタッフへの質問が確実です。

人気のある日程は早めに埋まることもあるため、「妊娠中期に入ったら申込方法を調べる」くらいの余裕を持っておくと安心です。最近は、会場での開催に加えて、オンラインで受けられる自治体も出てきています。

日程を相談するときの声かけ

パパの仕事の都合があるときは、日程をどう切り出すかも大切です。

NGの例:「この日しか空いてないから、仕事を休んでね」

OKの例:「候補が3つあるから、パパの仕事に合う日を一緒に選びたいな。夜と土曜と、どれがいちばん行きやすい?」

NGの例:「どうせ忙しいんでしょ。私だけで行ってくるね」

OKの例:「今回は難しそうなら、次の回や、オンラインで受けられる日がないか一緒に探してみようか」

決めつけて一方的に伝えるより、選択肢を並べて相談する形にすると、パパも「自分の予定を考えてよいのだ」と感じて動きやすくなります。

つまずきやすいのは、気づいたときにはすでに募集が終わっていたり、パパの休みと合わなかったりする場合です。そのときは、自治体の別の会場や別の日、通っている産院の両親学級など、複数の窓口を並べて探してみてください。

両親学級の主な学習内容

両親学級では、どのようなことを勉強するか気になりますよね。主な学習内容は次の通りです。病院によって多少違いはありますが、いずれにせよママとパパにとって役立つことばかりです。

妊娠中の過ごし方

両親学級では、妊娠中の過ごし方について学習します。妊娠中の食生活やお口のケアなど、妊婦の健康管理についての講義を受けます。妊娠中の健康について、夫婦で考えるよい機会となるでしょう。

この講義の価値は、細かい知識を覚えることよりも、「ママが毎日どんなことに気をつけて暮らしているか」をパパが知る点にあります。たとえば、食事の準備や買い物、家の中での動きなど、ママが気を配っている場面を知っていれば、パパは「手伝おうか?」と聞く前に自分から動けるようになります。具体的な内容や注意点は、通っている産院や自治体の指導、母子健康手帳の記載に沿って進めてください。個別の心配ごとは、妊婦健診のときに医師や助産師に確認するのが基本です。

NGの例:「体のことは全部ママが決めることでしょ」

OKの例:「今日の講義で聞いたことを、今夜一緒に振り返ろう。家で自分が引き受けられそうなことを、いくつか教えてほしいな」

パパの妊婦体験

両親教室に行くパパとママのイラスト

両親学級で行われる妊婦体験は、パパに妊婦の大変さを知ってもらう良い機会となります。妊婦の生活や行動が体験できる、妊婦体験ジャケットを装着して、パパが妊婦体験をします。

妊婦はお腹が大きくなると、体が重くなったり、つま先が見えなかったりと大変ですよね。妊娠しない男性には、妊婦の辛さをなかなか分かってもらえないこともあるでしょう。疑似体験を通して、パパに妊婦の大変さを理解してもらうことで、妊娠中のママの生活をサポートしてもらう狙いがあるのです。

妊婦体験では、ジャケットをつけたまま立つ、座る、床の物を拾う、靴を履くといった日常の動作を試す内容が多いようです。ふだん何気なく行っている動作でも、お腹の重さと張り出し方が変わるだけで、動きが一つずつ遅くなり、時間もかかることを体で知ります。「頭では分かっていたつもり」が「体で分かった」に変わる瞬間です。

体験の直後は「大変だね」と感じていても、数日たつと元の生活に戻ってしまうことがあります。そうならないために、体験のあとで、家庭で実際にできる行動を決めておくと効果が続きます。

NGの例:「やっと分かった?ずっと大変だって言っていたのに」

OKの例:「重さを分かってくれてうれしい。これからは、床の物を拾うのと、重い荷物を持つのをお願いしてもいい?」

体験談の中でも、重さにびっくりした夫が、帰り道にお腹を気遣ってくれたという声が寄せられています。体験のあとの一言が、その後の行動を後押しします。

出産に向けての心構え

呼吸法を学んでいる妊婦さんのイラスト

両親学級で出産までの流れを夫婦で学ぶことにより、慌てず対処することができます。主に、陣痛や破水等の出産の流れ、立ち合い出産でのサポート方法や、呼吸法などを学びます。

出産について自分で調べているママは多いでしょうが、パパが勉強する機会というのはなかなかないものです。両親学級で学んでおけば、突然陣痛や破水が起こったときでもパパのサポートが得られるので、出産までスムーズに進むというメリットがあるのです。

立ち合い出産に両親学級参加が必須の病院も

病院によっては、パパが立ち合い出産を希望する場合、両親学級への参加が必須の場合があります。立ち合い出産のルールや、注意点などについて確認しますので、立ち合いを希望するなら必ず出席しましょう。

出産の流れを学ぶ意味は、「そのとき慌てない」だけではありません。ママにとって、お産は初めての体験であることが多く、不安を抱えやすい時期です。隣にいるパパが全体の流れを知っていれば、「今はこの段階だね」と声をかけられ、ママの安心感が違ってきます。呼吸法も、ママ1人で覚えるより、パパが一緒にリズムを取る練習をしておくほうが、本番で自然に支え合えます。

陣痛や破水かもしれないと思ったときの連絡の目安や手順は、産院ごとに決められています。両親学級で説明を聞いたあとは、母子健康手帳や産院からもらった案内にある連絡先と手順を、パパも一緒に読んで確かめておきましょう。入院先までの移動手段や、夜間の連絡先、上の子がいる場合の預け先を決めておくと、当日の判断が楽になります。立ち合いの可否や人数、条件も施設ごとに違い、変わることもあるため、希望がある場合は早めに産院へ確認してください。

NGの例:「そのときになったら、なんとかなるでしょ」

OKの例:「夜中でも落ち着いて動けるように、連絡先と行き方を紙に書いて、玄関に貼っておこうか」

NGの例:陣痛のさなかに「頑張って!もっとしっかり息をして!」と指示だけを繰り返す

OKの例:「ゆっくり吐こう、一緒に数えるよ」と、練習したリズムでそっと寄り添う

赤ちゃんの沐浴実習

赤ちゃんに沐浴をしているお母さん

両親学級では、赤ちゃんの沐浴実習があります。新生児サイズの人形を使って、お風呂に入れる手順や体の洗い方などを教わりながら練習します。

赤ちゃんの沐浴は、ただお風呂に入れるだけではなく、お湯の温度確認や衣服の準備、着せ方など、多くの手順があります。知識で分かっていても、実際にやってみると意外と手間がかかることが分かるでしょう。

あらかじめ両親学級で沐浴練習をしておけば、パパも沐浴の大変さを理解してくれて、生まれたあとに手伝ってくれるはずです。ママの負担もかなり減りますよ。

実習では、人形を相手に、準備から片づけまでの一連の流れを通して体験します。おすすめは、「洗う係」と「受け取って着せる係」を夫婦で交代してみることです。どちらの役割も経験しておくと、産後にどちらか一方が疲れている日でも、もう一方が代わりに動けます。お湯の温度や湯船の準備の目安は、実習で教わる内容や産院からの指導に沿って確認してください。

体験談でも、肌着を着せるのが意外と難しくて、夫婦でてこずったという声がありました。練習の段階で手間取っておけば、本番で慌てずに済みます。うまくできなかったときは、「できなくて当然。練習だから失敗してよかった」と笑い合えると、次の挑戦につながります。

NGの例:「なんでそんなに不器用なの?貸して、私がやるから」

OKの例:「ここは私も難しいと思った。次は一緒に、手順を声に出しながらやってみよう」

新生児のお世話の仕方

生まれたばかりの赤ちゃん

赤ちゃんの育児は、生まれた日から始まるので、あらかじめ両親学級でお世話の仕方を学んでおくとスムーズです。赤ちゃんの育児について、次のような講義を受けます。

  • 赤ちゃんの抱っこの仕方と安全な扱い方
  • 着替えやオムツ交換のタイミング・方法
  • 授乳のスケジュール、粉ミルクの調乳の方法

人形を使って抱っこの練習をしたり、実際に粉ミルクを作って温度を確認したりする場合もあります。どれも実際の育児に役立つことばかりなので、ぜひパパに体験してもらい、夫婦で育児に取り組む準備を進めましょう。

新生児期のお世話は、数時間おきに授乳やオムツ替えが続き、夜も休めない日が多くなります。だからこそ、「ママしかできないこと」を減らしておくことが、夫婦の余裕につながります。授乳はママが担う場面が多くても、オムツ替え、げっぷ、寝かしつけ、調乳の準備などは、パパが担える仕事です。両親学級で一度でも手を動かしておくと、産後に「やり方が分からないから手を出せない」という状況を避けられます。

夜中の場面を想像してみてください。ママが授乳をしている間に、パパが新しいオムツと着替えを枕元に用意しておく。授乳が終わったらパパが抱っこを交代し、ママは先に休む。こうした流れを、学級で聞いた手順と一緒に夫婦で話しておくと、産後の混乱が少なくなります。

つまずきやすいのは、練習と本番のギャップです。人形は動きませんが、赤ちゃんは泣いたり動いたりします。うまくいかなくても、それが普通です。産院によっては入院中に育児の指導の時間が設けられているため、そこで改めて確認する機会があるか、事前に尋ねておくと安心です。

NGの例:「夜は私がやるから、パパは寝ていていいよ」と最初から全部1人で抱え込む

OKの例:「最初の週は、オムツ替えはパパの担当にしよう。やり方は学級で習ったとおりでいこうね」

両親学級に参加するメリット

パパとママが一緒に両親学級に参加することは、どのようなメリットがあるのでしょうか。両親学級に参加することで得られるメリットをまとめました。

出産について具体的なイメージが持てるようになる

赤ちゃんのお世話をするお父さんのイラスト

出産についての講義を聴くことで、具体的なイメージが持ちやすくなります。お腹に赤ちゃんがいるママに比べると、パパは親になる実感が少ないものです。両親学級に参加してお産について学ぶことで、お産の具体的な流れが分かるので、パパになる実感を持つきっかけとなるのです。

実感が湧かないのは、気持ちの問題というより、情報の問題であることが少なくありません。「何が、どの順番で起こるのか」が分かるだけで、漠然とした不安は具体的な「準備すること」に変わります。お産の流れの図や映像を一緒に見ながら、「ここで自分は何をする役割なのか」を確かめておくと、パパの心構えも定まりやすくなります。

講義のあとの帰り道や夕食の場で、「どこが印象に残った?」「自分に何ができそう?」と感想を交わしてみてください。会場で聞いただけで終わらせず、言葉にして共有することで、学びが家庭の準備に変わっていきます。

ママ友やパパ友と知り合うきっかけになる

ママ友のイラスト

両親学級に参加することで、同時期に出産を迎える夫婦と知り合うことができます。自治体主催の両親学級の場合、同じ地域に住んでいる人が対象なので、同じ時期に出産する知り合いができやすいというメリットがあります。幼稚園や保育園で同級生となる可能性も高いので、顔を合わせているうちに家族ぐるみのお付き合いに発展する場合も。気の合いそうな方がいたら、ぜひ話しかけてみてはいかがでしょうか。

産後は、赤ちゃんとの生活に追われて、外に出る機会が減りがちです。同じ時期に出産する夫婦が近くにいると、「うちもそうだった」「夜はどうしている?」と気軽に話せる相手になります。特にパパ同士のつながりは、同じ立場で悩みを話せる場が少ないぶん、貴重だと感じる方もいます。

話しかけるのが苦手な場合は、グループワークや実習の時間が最も声をかけやすいタイミングです。「予定日はいつ頃ですか」「実習、難しいですね」など、気軽な一言から始めてみてください。連絡先の交換は、相手の様子を見て、無理のない範囲で十分です。

もしもの時に冷静に対応できる

パパが出産についての流れを学習していると、大変心強いです。急な陣痛や破水でママが動けなくても、パパがどのように対処すればよいか知っていると、病院への連絡などがスムーズに運びます。両親学級をきっかけに、出産準備やお産の時の連絡先などを夫婦で話し合っておくといいですね。

「もしもの時」に必要なのは、特別な知識よりも、事前に決めた段取りです。連絡先、移動手段、持ち物の置き場所、上の子の預け先を夫婦で共有しておけば、パパが慌てても、決めたとおりに動けます。連絡の目安や手順そのものは、産院の案内にしたがって確認しましょう。

NGの例:「そのときは、私が自分で電話するから大丈夫」

OKの例:「私が話せないときは、パパが産院に電話して、状況を伝えてほしい。連絡先をスマホと紙の両方に入れておこう」

夫婦の絆が強くなる

仲がいい妊婦さん夫婦のイラスト

両親学級に夫婦で参加することにより、2人の絆がさらに深まります。妊娠中や出産後に、パパが手伝ってくれず不満を持つママは多いものです。パパが妊婦体験をすることによって、ママへの理解が深まるほか、赤ちゃんのお世話の実習を一緒に受けることで、出産・育児という同じ目標に向かって夫婦で育児に取り組むことができます。赤ちゃんを大事にする気持ちから、夫婦の仲はさらによくなるでしょう。

産後の不満の多くは、「やってくれない」ことそのものより、「何をしてほしいのかが伝わっていない」「頼み方が分からない」ことから生まれます。同じ講義を聞いたあとなら、「あの沐浴、お願いしてもいい?」と、共通の経験を土台に頼めるようになります。

NGの例:「普通は言わなくても分かるでしょ」

OKの例:「学級で習った、オムツ替えと沐浴をお願いしたいな。やってくれたら本当に助かる」

NGの例:「手伝ってね」

OKの例:「手伝う」ではなく、「夜のオムツ替えは担当してね」と、役割として頼む

「手伝う」という言葉には「本来はママの仕事」という含みがあり、パパの当事者意識を弱めてしまうことがあります。「担当」と言い換えるだけで、育児が2人の仕事になります。

両親学級に参加する前に準備しておきたいこと

参加が決まったら、当日あわてないように、次の点を確認しておくと安心です。

  • 開催日時、会場、所要時間、定員と申込方法の確認
  • 案内に書かれた持ち物(自治体の例では、母子健康手帳、参加決定の通知、筆記用具など)
  • 実習がある場合は、動きやすい服装かどうか
  • 兄弟児を連れて行けるか、預け先が必要かどうかの確認
  • パパの仕事の調整(上司や職場への早めの共有)
  • 講師に聞きたいことのメモ(連絡先、立ち合いのルール、入院の準備など)

持ち物は、自治体や産院によって異なります。案内文に書かれたものを優先し、不明な点は事前に問い合わせておきましょう。会場では、同じ話を聞いても、パパとママで気になる点が違うことがあります。メモを取る係を決めておくと、帰宅後に「何を聞いたか」を一緒に振り返れます。

当日の朝に、「今日は聞くだけでいいからね」「分からないことは帰りに話そう」と声をかけておくと、パパも緊張せずに参加できます。恥ずかしそうにしていたパパが、周りに同じ立場の人が多いと知って安心したという体験談もあります。

両親学級に参加できないときの代わりの学び方

仕事の都合や日程の問題で、どうしても参加できないこともあります。「参加できなかったから、もう間に合わない」と考える必要はありません。次の方法で、学びを補うことができます。

  • 別の日程や、別の会場(自治体の別の会場、通っている産院の両親学級)を探す
  • オンラインで受けられる回があるか確認する
  • ママが母親学級や健診で聞いた内容を、パパに共有する
  • 母子健康手帳や自治体・産院から配られた資料を、夫婦で一緒に読む
  • 自治体の窓口で、妊娠・出産・育児について相談する

この中で、特に今日から始めやすいのが「ママの聞いた話をパパに共有する」ことです。ただし、ママが一方的に教える形になると、疲れの原因になりかねません。そこで、パパが資料を読んで「ここがよく分からなかった」と質問する形にすると、パパが当事者として学べます。

NGの例:「ちゃんと資料を読んでおいてね」と渡すだけにする

OKの例:「今夜、10分だけ一緒に読もう。分からない所に付箋をつけてね。次の健診のときに私が聞いてくるね」

分からない点を放置せず、次の健診や市区町村の窓口で質問しておけば、不安を残さずに出産の準備を進められます。

両親学級のあとに夫婦で決めておきたいこと

両親学級の学びを、その場かぎりにしないために、帰宅後に夫婦で話し合う時間をつくりましょう。次の表のとおり、項目を決めて順番に話すと、感情的にならずに進められます。

話し合う項目決めておくこと決める目安の時期
お産のときの連絡産院の連絡先、連絡する人、夜間の移動手段両親学級の直後
立ち合いの希望立ち合いの希望の有無、産院のルールの確認妊娠後期に入る前
上の子の預け先お産のときに預かってくれる人、連絡方法妊娠後期に入る前
産後の家事と育児の分担夜のオムツ替え、沐浴、食事の準備、洗濯など担当の割り振り出産前(見直しは産後も)
パパの休みの取り方育児休業を取る時期や期間、職場への伝え方早めに、職場の制度も確認しながら

特に差が出やすいのが、産後の分担です。産後の生活は予想外のことが続くため、最初に決めた分担がそのままうまくいくとは限りません。「まず1週間やってみて、見直そう」と決めておくと、柔軟に調整できます。体験談でも、両親学級のあとに子育ての分担について話し合う時間が増えたという声があります。

NGの例:「分担は産まれてから考えよう」

OKの例:「完璧に決めなくていいから、最初の1週間だけの担当を今決めよう。やってみて、合わなければ変えよう」

両親学級に参加して良かったと感じたママの体験談4つ

実際に両親学級に参加してみて、とてもよかったと感じるママが多いようです。どのような点が良かったのか、体験談をまとめてみました。

あきこ

20代前半

妊婦の大変さを理解してくれました

赤ちゃんのエコー写真を見せても「ふーん」としか言わなかった夫。自治体で両親学級があることを知り、「顔出すだけでもいいから」と試しに誘ってみました。

はじめは恥ずかしそうだった夫も、さまざまな年代のパパが参加していたので、安心したようでした。妊婦体験では重さにびっくりしたみたいで、帰りに私のお腹を気遣ってくれたのがうれしかったです。

男の人って、実際に体験してみないと分からないみたいですね。うちは、両親学級に参加してよかったです。

ひかりママ

20代後半

パパになる自覚が芽生えたようです

話をしている看護婦のイラスト

初めての出産で不安だったので、パパにもお産について知って欲しくて、病院での両親学級に申込みました。

看護師さんからお産についての詳しい話を聞き、沐浴の練習へ。肌着を着せるのが意外と難しくて、夫婦でてこずりました。

立ち合い出産は嫌だと言っていた夫ですが、両親学級に参加したことがきっかけで、出産に立ち会いたいと言ってくれるようになりました。

みどりん

30代前半

出産について2人で考えるきっかけに

私だけ母親学級に参加していたのですが、最後の1回が両親学級も兼ねていたので、夫を誘いました。お産を多く扱っている総合病院で行われた両親学級だったので、夫婦で参加している人も多かったですね。

映像を使った説明で、お産までの流れや注意点が分かりやすかったです。出産に無関心だった夫もネットで調べたり、職場の先輩パパに色々と聞いたりしているみたい。頼れるパパになりそうです。

こーちゃん

30代後半

共通の話題が増えました

沐浴をしている赤ちゃん

子供ができるのが遅く、高齢出産への不安もあり、夫と一緒に両親学級に参加しました。若い夫婦が多いのかと思いきや、意外と同年代の夫婦が多かったのが印象的でした。

沐浴練習で、夫の手つきがかなりあやしかったのですが、本当に一生懸命やってくれて。体験して自信がついたのか、生まれたらお風呂に入れると張り切っていました。

そのあと、子育ての分担などについて話し合う時間が増えたので、両親学級に参加して良かったと思いました。

両親学級まわりの制度と環境の最新事情(2026年10月時点)

両親学級そのものの内容は大きく変わっていませんが、学んだあとの夫婦の準備に関わる公的な制度や、受けやすさの環境は、ここ数年で動いています。以前の状況、現在の状況、家庭での対応の順に整理します。基準時点は2026年10月です。制度の詳細や手続きは、お住まいの市区町村や勤務先、厚生労働省・こども家庭庁の案内で最新の内容を確認してください。

妊娠期の経済的支援と相談の仕組み

以前は、妊娠の届出時と出生の届出時を合わせた10万円相当の経済的支援と相談支援を一体で行う「出産・子育て応援交付金」が、予算事業として実施されていました。現在は、2025年4月から、これが法律に基づく制度になり、経済的支援は「妊婦のための支援給付」、相談支援は「妊婦等包括相談支援事業」と呼ばれています。給付は、妊娠の届出後の申請で1回目として5万円、出産予定日の8週間前以降などに行う胎児の数の届出後に、2回目として妊娠している子どもの数に5万円をかけた額が支給される流れです。申請先や手続き、受け取りの時期や方法は、お住まいの市区町村によって異なります。

家庭での対応としては、母子健康手帳をもらう際や、給付の手続きで市区町村とやりとりする機会に、両親学級の開催情報をあわせて聞いておくと、申込の手間が減らせます。パパも同席できる面談があれば、一緒に参加すると、制度と学級の両方の情報を共有できます。

パパの育休と給付の広がり

以前は、男性の育児休業取得率が伸び悩んでいました。厚生労働省の雇用均等基本調査では、令和6年度の男性の取得者割合は40.5%でした。現在は、令和7年度の調査(2026年7月公表)で、男性の取得者割合が50.9%と、半数を超えています。この数字は、調査時点までに育児休業(産後パパ育休を含む)を開始した人と、申出をしている人を含む割合です。

制度面でも、2022年10月に始まった産後パパ育休(出生時育児休業)で、子の出生後8週間以内に合計4週間(28日)まで、2回に分けて休業を取れるようになりました。さらに、2025年4月からは、夫婦ともに14日以上の育児休業を取得すると、最大28日間、休業前の賃金の13%にあたる「出生後休業支援給付金」が支給され、通常の育児休業給付(67%)と合わせて80%の給付率、手取りで10割相当となります。ただし、支給額には上限があります。

家庭での対応としては、両親学級のあとの話し合いの中に、「いつ、どのくらい休むか」を加えておきましょう。手続きは原則として勤務先を通じて行うため、早めに職場の担当者へ相談しておくとスムーズです。

両親学級の受けやすさ

以前は、コロナ禍で開催の中止や縮小、オンライン化が広がり、予定どおり参加できなかった方も少なくありませんでした。現在は、会場での開催に加えて、対面とオンラインのどちらかを選べる自治体もあります。立ち合い出産の可否や人数、条件は、現在も施設ごとに決められています。

家庭での対応としては、「去年はこうだった」「友人のときはこうだった」という情報に頼らず、今の開催方法と立ち合いのルールを、自治体や産院の最新の案内で確認することです。

ここまでの内容を、次の表に整理しました。

項目現行の内容対象いつから
妊婦のための支援給付妊娠の届出後に5万円、胎児の数の届出後に妊娠している子どもの数×5万円妊婦(申請は住んでいる市区町村)2025年4月から法律に基づく制度
妊婦等包括相談支援事業妊娠期から出産後まで、市区町村が面談などで相談に応じる妊婦等2025年4月から法律に基づく事業
産後パパ育休(出生時育児休業)子の出生後8週間以内に合計4週間(28日)まで、2回に分けて取得できる出生直後に休業を取る労働者2022年10月から
出生後休業支援給付金夫婦ともに14日以上の育児休業を取ると最大28日間、休業前賃金の13%を支給(育児休業給付と合わせて80%、上限あり)夫婦ともに育児休業を取る雇用保険の被保険者(原則)2025年4月から

両親学級についてよくある質問

最後に、参加を考えるときに出てきやすい疑問をまとめました。

Q. ママだけで参加しても意味はありますか

意味はあります。たいていはママだけでも参加でき、お産の流れや育児の基本を学べるからです。ただし、パパが実習を体験する機会は得られないため、学んだ内容をあとでパパに共有するか、パパが参加できる別の回を探すのがおすすめです。参加できる回やルールは自治体や産院で異なるため、事前に確認してください。

Q. 母親学級に出ていれば、両親学級は必要ありませんか

必ずしも必要というわけではありませんが、両親学級にはパパが同じ話を聞ける大きな利点があります。母親学級で学んだことをママが説明するより、パパ自身が体験したほうが実感が伴います。母親学級の1回がパパも参加できる回になっている場合もあるので、案内を確認してみてください。

Q. 上の子を連れて参加できますか

子供は同伴できない場合が多いため、必ず事前に確認が必要です。同伴できない場合は、祖父母や知人に預ける、パパだけが先に参加する、別の日程を選ぶなどの方法があります。託児が用意されているかどうかは自治体や産院によって異なります。

Q. 立ち合い出産をしない予定でも参加する価値はありますか

あります。立ち合いをしなくても、産後の沐浴や抱っこ、授乳まわりのお世話の練習は、産後の生活で役立ちます。また、お産の流れを知ることで、ママを病院へ送り出すときの連絡や段取りにも自信が持てます。体験談でも、学級への参加がきっかけで、気持ちが変わったという声がありました。

Q. パパがどうしても参加できないときはどうすればよいですか

別の日程やオンラインの回を探すほか、ママが聞いた内容を共有し、母子健康手帳や配布資料を一緒に読む方法があります。分からない点は、次の健診や市区町村の窓口で質問できます。参加できなかったことを責めるより、今からできる準備を一緒に進める姿勢が大切です。

両親学級を、夫婦の最初の共同作業に

両親学級は、出産や育児の知識を得る場であると同時に、夫婦が同じ方向を向いて話し始めるきっかけになる場です。母親学級との違いは、パパが当事者として体験できること、そして夫婦が同じ情報を同じ場所で聞けることにあります。

参加のポイントは、無理のない形から始めることです。まず「1回だけ」とパパを誘い、日程の相談は選択肢を並べて行い、参加後は連絡先や産後の分担を一緒に決めておく。その流れの中で、妊婦体験や沐浴の実習が、家庭での具体的な行動へとつながっていきます。

制度や開催方法は変わっていくため、2026年10月時点の情報を目安にしながら、お住まいの市区町村や産院の最新の案内で確認してください。夫婦で一歩ずつ準備を進めて、赤ちゃんを迎える日を、2人で楽しみに待てるといいですね。

この記事を書いたライター
小森ひなた

小森ひなた

子育てと仕事に頑張る共働き主婦です!ルンバ貯金始めました♪

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