捨てられないのは病気?溜め込む夫と仲良く暮らす6つの方法
私たちの身の回りにはさまざまな物があふれ、そのおかげで便利に快適に暮らすことができるのですが、形あるものはいつか壊れます。壊れてしまったものは捨ててから新しい物を買えば、家の中がスッキリ片付くのですが…。どうしたことか、こういった良い循環がうまくできない男性と、使えない物まで取っておく夫にイライラする妻は意外と多いもの。
そこで今回は、物を捨てられない男性の心理について分析しながら、病気の可能性や物を捨てられない夫と仲良く生活をしていくためのコツをご紹介していきます。責めると意固地になって余計に捨てなくなったり、怖がって帰宅恐怖症になったりする夫も増えています。夫の弱さも受け入れつつ、あなたがストレスを溜めないように上手に付き合っていきましょうね。
物を捨てられない夫の心理
なぜ物を捨てられないのか、なぜ不要な物を持っていたいのか。それには当然、理由があります。夫が物を捨てられない性格で、何とか改善したいと考えている場合には、まず物を捨てられない理由を理解していくことが大事です。
本人に聞いてみるのが一番いいのですが、心の中に踏み込むような質問は夫婦といえどもしにくいことがありますし、本人自身が意識できていない場合もあります。物を捨てられない人が抱えている心理をいくつかご紹介しますので、夫に当てはめて考えてみましょう。
1もったいないから
「もったいない」という言葉は仏教から派生した言葉ですが、私たち日本人はごく小さい頃から、もったいないという言葉とともに、物を大事にすることを教えられて育ってきていますよね。こういった小さい頃からの教えは、大人になっても心に残りますよね。
これまでの夫の人生経験や性格から、不要or必要、あるいは使えるor使えないといった判断力が鈍ってしまっている夫の場合、全てを「もったいない」と思い込んで、物を捨てることができないという心理が働くのです。
2思い出の品だから
冷静に見れば、壊れて使えない物や汚くて二度とつかえない物は、不用品、ゴミです。ただし、物の価値は人それぞれで違い、どんなに古い物でも壊れて使えない物でも、良い思い出として価値があるということは否定できません。物としての価値ではなく、思い出を捨てられないという心理ですので、これは頭から不要と判断して、夫の気持ちを否定しないように心掛けましょう。
3邪魔にならないから
大きくて場所をとるものは不用品として判断しやすくても、小さな生活雑貨や趣味の道具などは持っていても邪魔にならないので、不要・必要の判断力が鈍りがちです。同様に収納するスペースがあったり、とりあえず老いて置ける場所が多かったりすると、夫に「まだ置く場所あるよ!」という安心する心理も働くため、いろいろな物を溜め込んでしまいやすくなるのです。
4捨てることが面倒だから
「断捨離®」という言葉がありますが、愛着のあるものや、長年手元に置いていたものを思い切ることは、結構な気合いを必要とします。愛着のないものであっても、「必要or不要」を考えることが面倒で、「もういいや」という心理に夫がなってしまうと、誰かの助けや何かきっかけがない限り、物を捨てにくくなってしまうのです。
5いつか使うかもしれないから
女性でも空き瓶やサイズの合わなくなった服などは、「何かに使えるから」とか、「いつか役に立つかもしれないから」と必要以上にため込んでしまう人は多いものです。
冷静に考えると再利用もできないし、5年、10年経ってしまうと素材が劣化して活用できていないこともあるのに、それが無くなることで将来が不安になる心理が働くと、なかなか手放す決心がつかない夫もいます。
6貰い物だから
自分にとっては価値のないもの、使い道のない不要なものであっても、人からもらった物の場合は無下にはできません。いざ物を捨てようとしても、選んで送ってくれた人の顔を思い出すと罪悪感を持ってしまうため、物を捨てられずにため込んでしまう夫も少なくありません。
捨てられない6つの病気や障害
不要な物を捨てていくことはごく自然なことなのですが、夫があまりにも物を捨てられない様子をみていると、「もう、これは病気だ…」なんて思ってしまうこともありますよね。実際に、片づけられず物をためてしまうときには、次のよう病気や障害が考えられます。
1強迫性貯蔵症
物を手放したくないという強い強迫観念や強迫行為から、自分でも不合理だとわかっていながら、物が捨てられなくなってしまう病気です。「ゴミ屋敷」状態にしてしまうため、家族や隣人は大変困ってしまいますが、本人には病気という意識がないため、信頼関係を高めて対応することが大切です。
2うつ
ストレスなどのなんらかの原因で抑うつ状態になり、自分の周囲に対する関心が薄れて、不要なものやいらない物に囲まれることに抵抗感がなくなってしまいます。
3セルフネグレクト
自分が生きることの意欲や気力を失ってしまい、食事や医療を拒否するだけでなく、自分が不用品に囲まれた、不衛生で不便な生活をしていることを拒否できなくなり、最後は孤独になってこの世を去ってしまう人もいます。家族や周囲の温かい支援が必要です。
4統合失調症
統合失調症になると、妄想や幻想などのために正常な判断能力が低下してしまい、不要な物を溜め込むことが正常なことだと思い込んでしまうことがあります。およそ100~120人に1人と言われていますので、話がかみ合わない、ミスが増えた等の様子が現れたら気をつけましょう。
5認知症
認知症になると脳機能の老化や萎縮のために正常な思考力や判断能力が低下し、社会常識に対する理解が失われ、不要な物を溜め込むことが当然だと思い込んでしまうことがあります。高齢者の病気と思われがちですが、若年性認知症は18歳頃から発症することもあります。
6ADHD
病気ではなく脳の発達の障害ですが、集中力が持続せず、多動性などにより行動をコントロールしにくく、片付けができなかったり、周りが汚れていることに関心が持てなかったり、ミスや忘れものが多いといった様子が見られることがあります。
疲れていると誰でも片づけが手につかなくなることがあり、「物を捨てられない=精神疾患」というわけではありませんが、身の回りを整えることと住んでいる人の精神状態は密接な関連性があることは事実です。もしかしたら夫の捨てられない行為には、何らかの病気で苦しんでいるというSOSが隠されているのかもしれません。大事なメッセージを見逃さないよう、しっかり夫の行動を見守っていきましょうね。
捨てられない夫の性格は直すべき?
「物を捨てられない」ということは、決していけないことではありません。ですが、不要なものがいつまでもたまっていると、部屋の中が雑然として精神衛生的によくありませんし、物によっては臭いや雑菌の繁殖の場となってしまい、家庭生活を害してリスクがありますので、必要最低限の環境が維持できるよう、物を捨てるよう夫を促していく方がいいでしょう。
その際には、無理に進めることはあまりお勧めできません。夫は個性のある成人で、妻の「きれいに暮らしたい」という意見と同様に、夫の「捨てたくない」という意見も尊重されるべきものだからです。
怒鳴ったり、脅したり、喧嘩したりして、どうにか夫の欠点を改善させようとする妻もいますが、成人した大人が性格を変えるのは容易ではありませんし、無理にことを進めることで夫婦仲が悪化し、子供にも悪影響を与えるリスクがあります。どうすれば夫の行動が効果的に変わるか、穏やかに話し合い、自分たちなりの上手くいく方法を見つけることが大切です。
捨てられない夫と仲良く暮らそう!6つの方法
夫が物を捨てられない心理がわかったら、夫の心を解きほぐして不要なものへの執着をやめるよう、上手に促していきましょう。大切なのは夫の気持ちを尊重し、無理をしないことです。夫が自分から「持っていたい」と思っているものを手放せるように、手伝っていきましょうね。
1断捨離®講座を夫婦で受講
「夫が片付けられないせいで、家の中が雑然として困ってしまう…」実はそういった家庭は多いです。だからこそ今「断捨離®」に関する本や、収納に関するセミナーなどが盛んに開かれているわけですが、手をこまねいていたら、どんどん状況は悪くなってしまいます。
夫婦で断捨離®に関するセミナーを参考にして、物を捨てることの大切さを学び直しましょう。本などを参考にするのもおススメですよ。
2使わない物は保管箱に収納
不要な物や今は使わないで将来的に捨ててもいい物を選んで、一旦箱に入れておきましょう。時間をおき、執着心が断ち切れたら、捨てればいいのです。あらかじめ保管箱に収納する時に、「1年経って使うことがない場合は、不要なものとして処分をしようね」とルールを決めておくと、執着心を取り除きやすく、物を捨てやすくなりますよ。
3「捨てるルール」を作る
夫が物を捨てられず、家の中がものであふれかえってしまったら、夫婦で「捨てるルール」を作りましょう。
例えば、次の条件にあうものは不用品をして捨てるなど、共通のルールを作っておけば、夫も納得して物を捨てることを考えやすくなります。
夫が物を捨てやすくなるルールの例
- 壊れているもの・サイズの合わない物
- 壊れていなくても、使う予定の無いもの
- まだ使えるが、1年以上使っていない物
夫が不用品の選別をする場合には、妻も自分の持ち物を見直して、一緒に公平に物を捨てていくことをおススメします。
4客観的なアドバイスを与える
捨てる物を選ぶことも難しい夫の場合は、妻が「必要」か「必要でない」か、客観的なアドバイスをしてあげましょう。妻の意見を聞いて夫が捨てると決心した物は、すぐにゴミ箱に移してもう夫にはみせないようにし、そうでない物は元に戻し、次回の片付けの際に同様のジャッジを夫婦でして、一気に物を減らすのではなく、徐々に物を減らしていきましょう。
5物の収納場所を決める
余分な収納場所があると、どうしても油断して物を増やしてしまいがちです。夫婦で一度話し合って、「ここまでは物を増やしていいが、それ以上になったら捨てる」という家族のルールを作って、夫にも守ってもらいましょう。こまごまとした生活雑貨の収納場所を決めておくと、その場所に収まらない物は捨てようという意識を持たせやすくなりますよ。
6写真だけ残して本体を捨てる
思い出がある物や貰い物などの思い入れが強い物は、写真にとって思い出だけを保管し、本体を捨てられるかを夫と検討しましょう。子供が幼稚園や学校などで作った作品など、捨てにくい物も写真に撮っておけば罪悪感なく捨てることができます。写真に残して整理をしておくことで、後で思い出として振り返りやすくなるので、一石二鳥な方法ですね。
捨てられない夫と仲良く付き合いましょう
夫婦が一緒に住む家の中は、お互いが納得できるように意見を出し合って、整えておくことが家族円満のコツです。物を捨てられない夫に物を捨てて貰いたいのであれば、なぜ物を捨てて貰いたいのか、妻の気持ちを夫にきちんと伝え、わかってもらいましょう。
一緒に暮らす夫婦であっても物の価値観は大きく違い、妻から見て不要だと思えるものも、夫にしてみれば思い入れがあって、特別な価値があるかもしれません。物の片付けをするときには、そういったお互いの心情を尊重して、焦らずに夫婦で仲良くすすめていけるといいですね。