2歳児の成長と言葉の発達を促す:親子で楽しむおすすめ絵本9選と選び方
2歳頃になると、お子様は「イヤイヤ期」を迎え、自己主張が強くなる一方で、言葉が爆発的に増え、知的好奇心も旺盛になる大切な時期を迎えます。毎日、お子様との関わりで悩んだり、イライラしたりすることもあるかもしれません。
そんな毎日だからこそ、絵本は、親子でゆったりと心を通わせる大切なスキンシップの時間を与えてくれます。2歳という時期に合わせた絵本を選ぶことで、言葉の習得や感情の理解といったお子様の成長を温かくサポートできるでしょう。ここでは、お子様だけでなく、読んであげるママやパパまでも癒される絵本を、テーマ別に紹介します。選び方のポイントや、読み聞かせでつまずきやすい場面の対処法もあわせて解説します。
2歳児の絵本選びのポイントと成長の特徴
2歳児は、自我が芽生え始めると同時に、身近な生活や乗り物、動物など、具体的に目に見えるものへの関心が強くなります。歩く・走るといった運動面の発達により外遊びが活発になる一方で、観察力や想像力もぐんと伸び、単純な繰り返しだけでなく、簡単なストーリーのある絵本も少しずつ楽しめるようになってくる時期でもあります。
言葉の面では、「まんま」「ブーブー」といった一語文から、「これ、ちょうだい」のような二語文、「えほんよんで」のような三語文へと進んでいく時期にあたります。ただし、言葉が出てくるペースには個人差が大きく、同じ月齢でも話す量はお子様ごとに違います。絵本はその個人差を埋めるための練習道具ではなく、言葉を「楽しいもの」として感じてもらうためのきっかけと考えると、親子ともに肩の力を抜いて向き合えます。この時期の絵本を選ぶ際は、以下のポイントを意識すると、よりお子様の興味を引き出しやすくなります。
- 短い文章とリズミカルな音:擬音語や繰り返しが多く、テンポの良い文章は、言葉の楽しさを伝え、飽きさせません。
- 生活習慣や感情がテーマ:トイレ、食事、お片付けなどの習慣や、喜怒哀楽といった感情がテーマになっているものは、共感や学習を促します。
- シンプルな色使いと太い線:複雑な絵よりも、はっきりとした色使いと形が、物の認識を助けます。
実際の選び方では、書店で表紙だけを見て決めるより、最初の2〜3ページを親が声に出して読んでみる方法が失敗しにくくなります。読んでみて舌が転びにくく、自然にリズムが出る絵本は、お子様にとっても聞き取りやすい絵本です。図書館で借りて試し読みしてから購入すると、お気に入りの1冊をムダなく見つけられます。
たとえば、お風呂の絵本を読んだ後に、浴室でお湯をかけて遊ぶ姿が見られることがあります。絵本の内容が日常の行動に広がると、言葉と体験がつながっていきます。読んだ場面を生活の中で再現できるかどうかも、選ぶ際の一つの視点になります。
2歳前半と2歳後半で絵本の選び方は変わる?
ひとくちに「2歳児」といっても、2歳前半(〜2歳6カ月頃)と2歳後半(2歳7カ月頃〜)とでは、興味の持ち方や言葉の理解度に少しずつ違いが出てきます。ただし、月齢による区切りはあくまで目安です。絵本を選ぶときは、月齢によって次のような視点を加えてみてください。
- 2歳前半(〜2歳6カ月頃):オノマトペや繰り返し表現の多い、リズムの良い絵本がおすすめです。音のリズムや単語の反復が、ことばの習得をぐっと後押ししてくれます。
- 2歳後半(2歳7カ月頃〜):少しユーモアやストーリー性のある絵本が楽しめるようになってきます。想像力や会話力を伸ばすうえで効果的で、「次はどうなるかな」という親子のやり取りが自然に生まれやすくなります。
「うちの子はまだ言葉が少ないから難しいかな」と感じる場合も、無理に月齢通りに進める必要はありません。お子様の反応を見ながら、少し易しめの絵本に戻ってみたり、逆に興味が強ければ月齢の目安より少し先の絵本に挑戦してみたりと、柔軟に選んであげてください。指さしで「ぶーぶー」と乗り物を確かめるだけでも、立派な読み聞かせの時間になります。
きょうだいがいるご家庭では、上の子向けの絵本と2歳児向けの絵本の難しさが違います。上の子の本を読む時間と、2歳の子の本を読む時間を、寝る前に1冊ずつ分けておくと、取り合いになりにくくなります。
ロングセラー・しかけ絵本もチェックしよう
絵本選びに迷ったときは、世代を超えて読み継がれている「ロングセラー」の絵本を目安にするのも一つの方法です。「はらぺこあおむし」「きんぎょがにげた」「だるまさんシリーズ」などは、多くの家庭で長年親しまれてきた定番作品です。長く読まれ続けている絵本には、それだけ多くの親子に「読んでよかった」と感じさせる普遍的な魅力が詰まっているといえるでしょう。
また、指でめくったりスライドさせたりする「しかけ絵本」は、2歳児の「イヤイヤ」で絵本に集中しづらい時期にこそおすすめです。ページをめくるたびに新しい発見があるしかけは、好奇心を刺激し、絵本への興味を引き出すきっかけになります。単純なストーリーを楽しめる、予測や期待を持てる展開のしかけ絵本は、集中力がまだ続きにくい2歳児にも取り入れやすいジャンルです。今回ご紹介する9冊とあわせて、お子様の好みに合わせて取り入れてみてください。
しかけ絵本を読むときは、ページをめくる前に「何が出てくるかな?」と一呼吸おくのがコツです。2歳児は「次に何が来るか」を予想する力が育ってくる時期なので、待つ時間そのものが楽しい体験になります。ただし、しかけが壊れやすいものは、お子様ひとりでめくらせるより、最初は大人が手を添えると長持ちします。
テーマ別:2歳児におすすめの絵本9選
【テーマ1】命や心の成長を感じる絵本
1おへそのあな
メーカー・出版社:BL出版
作:長谷川義史
おなかの中の赤ちゃんが、外の世界を「おへその穴」から覗いているというユニークな設定の作品です。外の世界では、パパやきょうだいが新しい家族の誕生を心待ちにしています。命の始まりの不思議さや、家族の愛情の深さを感じられる1冊です。もし、弟さんや妹さんが生まれるタイミングで読んであげると、より深く心に響くでしょう。逆さまに描かれた景色を絵本ごとひっくり返して眺めたり、「これは誰の足かな?」と親子で絵の細部を探したりする楽しみ方もできる、繰り返し読みたくなる作品です。
2歳児は、目の前にいない人や、まだ見ぬ存在を想像する力が少しずつ育つ時期です。ただ、「赤ちゃんが来る」と言葉で聞かされても、実感はなかなか持てません。絵本で「赤ちゃんの目線」を体験すると、おなかの中の存在をイメージしやすくなり、「お兄ちゃん・お姉ちゃんになる」という変化を自分ごととして受け止める準備になります。ママのおなかに耳を当てながら読む場面は、2歳の子にとっても楽しい時間です。
読み聞かせでは、「赤ちゃん、おなかの中で何してるのかな?」と問いかけてみてください。「ねんね」「げんき」など短い言葉でも返ってきたら、「そうだね、ねんねしてるね」と言葉を重ねるだけで十分です。うまく答えが返ってこない日は、無理に会話を引き出さず、ページを見せながら読み進めましょう。
2あなたがとってもかわいい
メーカー・出版社:金の星社
作:みやにしたつや
子供のどんな顔も、赤ちゃんだった頃からずっと可愛くて仕方なかったという、親の無償の愛情がストレートに伝わる絵本です。イヤイヤ期の真っ只中で、ついカッとなってしまうような時こそ、この絵本を読み聞かせることで、お子様への愛情を再確認できます。読んでいるうちに、日中のイライラした気持ちがふっと和らぐ、親のための絵本という一面も持っています。親子の信頼関係を育む素敵な時間となるでしょう。
イヤイヤ期の子どもは、「自分でやりたい」という気持ちと「できない」という現実の間で揺れています。大人にとっては困った行動でも、子どもにとっては成長の途中で起こる自然な葛藤です。そして、叱られたあとの子どもは、「それでも自分は大切にされているのか」を確かめたい気持ちになりやすいものです。そんなときに、愛情を言葉と声で受け取れる絵本は、親子の仲直りのきっかけになります。
夕方に思いきり泣いて、ごはんも進まなかった日は、お風呂のあとにお子様を膝にのせて読んでみてください。読み終えたら、「今日はたくさん泣いたね。でも大好きだよ」と一言添えます。「どうして泣くの」と原因を問い詰めるより、気持ちを受け止める言葉のほうが、2歳の子には届きやすくなります。親のほうが疲れ切っている日は、読むページを数ページに絞って構いません。
3ちょっとだけ
メーカー・出版社:福音館書店
作:瀧村有子
なっちゃんという女の子が、弟か妹の誕生を機に、「ちょっとだけ」お姉ちゃんになろうと頑張る姿を描いた愛情あふれる作品です。牛乳をこぼしながらも自分で注いだり、ボタンをとめられる分だけとめたりと、ひとりでできることを少しずつ増やしていくなっちゃんの姿に、多くの親が胸を打たれます。きょうだいが生まれることによる寂しさや、それを受け入れて成長していく子供の心の変化が丁寧に描かれています。第2子の誕生を控えているご家庭での、上の子への心のケアにも最適な1冊です。
下の子が生まれると、上の子は「ママを取られた」という寂しさと、「お姉ちゃん・お兄ちゃんにならなきゃ」というプレッシャーの両方を抱えます。2歳の子はまだ自分の気持ちを言葉にできないため、わざと困らせる行動や、赤ちゃん返りのような形で表に出ることがあります。この絵本は、そうした揺れを「がんばりたいけれど、甘えたい」という自然な気持ちとして描いているため、親にとっても上の子の心を理解する手がかりになります。
赤ちゃんのお世話でバタバタした夕方には、「お姉ちゃんだから我慢してね」ではなく、「なっちゃんみたいに、ちょっとだけ手伝ってくれたら助かるよ」と声をかけると、前向きに受け取ってもらいやすくなります。うまくいかないときは、赤ちゃんが寝ている10分だけでも、上の子と絵本を読む「ふたりだけの時間」を作ってみてください。パパにお願いして、上の子を連れ出してもらう方法もあります。
【テーマ2】生活習慣や社会性を学ぶ絵本
4もったいないばあさん
メーカー・出版社:講談社
作:真珠まりこ
食事を残したり、物を粗末にしたりすると、「もったいないばあさん」がやってくるという、楽しくも強烈なインパクトのある絵本です。「もったいない」という日本の大切な概念を、子供にわかりやすく伝えてくれます。短くなった鉛筆やみかんの皮も工夫次第でまだまだ活用できるという発想は、物を大切にする心を育むきっかけにもなります。食べ残しが多い時や、物を大切にしない行動が見られた時などに読んであげることで、生活習慣を考えるきっかけとなるでしょう。
2歳児は、食べ物で遊んだり、おもちゃを投げたりする姿が見られる時期です。これは「いけない行動」というより、物の性質を確かめる探索行動の一つです。だからこそ、叱って止めさせるより、物を大切にする気持ちを物語として伝える絵本が効果的です。ばあさんの独特な登場の仕方や言葉の響きは、2歳の子の興味を引きつけやすく、「もったいない」という言葉も自然に覚えます。
食べ残しが多いときは、「ばあさんが見てるよ」と脅すのではなく、絵を一緒にたどりながら「ばあさんは何を見ているのかな?」と問いかけ、食べ終えたときに「全部食べられたね」と声をかけると、食事の時間が前向きになります。叱る道具として使うと怖さだけが残ることがあるため、楽しく読むことを大切にしてください。
5おうちへかえろ
メーカー・出版社:童心社
作:三浦太郎
うさぎさん、ねずみさん、ぞうさんなど、登場する動物たちがそれぞれ遊びを終えて、自分のおうちへ帰っていく様子が描かれています。みんなと別れるのは少し寂しいけれど、「パパとママがいる私の家に帰る」という安心感や、帰る場所があることの喜びを伝えてくれる作品です。保育園や幼稚園からの帰宅時など、「おうちへ帰る」という習慣をポジティブなものとして教えてくれます。シンプルな絵とやさしい言葉遣いなので、1日の終わりの絵本タイムにもぴったりです。
2歳児にとって、公園や児童館から「帰る」ことは、楽しい時間の終わりを意味します。そのため、「まだ遊ぶ!」と帰りたがらず、地面に座り込む場面は珍しくありません。これは、「楽しい」と「終わり」を同時に処理する力がまだ育っていないために起こります。絵本の中で動物たちが気持ちよく帰っていく流れを知っておくと、帰りの切り替えがスムーズになることがあります。
公園の帰り際に「おうちへかえろ、だね。うさぎさんも帰ったね」と絵本の場面を重ねてみてください。「あと1回すべったら帰ろうね」と最後の1回を決めておくと、さらに納得しやすくなります。うまくいかない日は、「バイバイ」を言う相手(すべり台、ブランコ)を一緒に決めるのも一つの方法です。
6ショコラちゃんシリーズ
メーカー・出版社:講談社
作:中川ひろたか
ショコラちゃんという可愛らしい女の子が主人公のシリーズです。毎回、お出かけしたり、レストランに行ったり、身近な生活の様々な場面に挑戦する様子が描かれています。絵が可愛らしく、文章も読みやすいため、子供に人気が高く、「次はどうなるの?」と興味を引きつけます。言葉を学んだり、社会のルールに触れるきっかけにもなるでしょう。シリーズものなので、1冊お気に入りが見つかると、次はどの巻を読もうかと親子で選ぶ楽しみも広がります。
ショコラちゃんのレストラン/ショコラちゃんのパジャマ/ショコラちゃんのドライブ/ショコラちゃんのあいうえおなど多数出版されています。
2歳児は、大人のまねをしたがる「模倣」が活発になる時期です。主人公が自分と同じくらいの年頃の女の子であることで、「自分もやってみたい」という気持ちが湧きやすくなります。レストランでの振る舞いや、お出かけの準備といった場面は、これから体験する社会のルールを、安心できる絵本の中で先に知っておく機会になります。
外出前に、読んだ場面をなぞる「ごっこ遊び」を取り入れてみましょう。「お店に入ったら、何て言うかな?」と聞いて、「こんにちは」「いただきます」を一緒に練習します。「ちゃんとしなさい」と注意するより、「ショコラちゃんみたいにできるかな?」と誘うほうが、2歳の子は動きやすくなります。当日できなくても、練習した事実は積み重なっていきます。
【テーマ3】乗り物・言葉の発達を促す絵本(男の子にも人気)
7むしむしでんしゃ
メーカー・出版社:童心社
作:内田麟太郎
イモムシでんしゃが発車するというユーモラスな設定の作品です。「ののたん、ののたん」というリズミカルな擬音に、お子様も夢中になり、一緒に口ずさんでしまうかもしれません。独特の繰り返しや擬音は、言葉の習得やリズム感を育むのに最適です。どの駅でどんな乗客が乗り降りするのかを探す「絵探し」の面白さもあり、何度読んでも新しい発見があります。親子で笑いながら楽しめる、楽しい電車の旅へいざなってくれる1冊です。
2歳前後の子どもは、意味が分かる前から、音の響きやリズムを口でまねして楽しみます。オノマトペ(擬音語・擬態語)は、意味より音そのものが耳に残りやすく、声に出す練習にもなります。繰り返しの多い絵本は、次に来る言葉を予測できるため、「知っている」という安心感が、声を出す勇気につながります。
読むときは、「ののたん、ののたん」の部分で声のテンポを少しゆっくりにし、お子様が真似するのを待ってみてください。大人が先に全部言ってしまうと、子どもが声を出す余地がなくなります。うまく真似できない日は、体を揺らしながら読むだけでも十分です。「次はどの駅かな?」と一呼吸おいて問いかけると、自分の言葉で答える機会が生まれます。
8のりものこれなあに
メーカー・出版社:ひかりのくに
作:小賀野実
消防車、パトカー、電車など、子供が大好きな様々な乗り物の写真が多数掲載されている図鑑タイプの絵本です。指さしをしながら、親子の対話を通じて「これなあに?」と乗り物の名前を教えることで、言葉の発達を促します。写真ならではのリアルな質感は、絵とはまた違った興味の引き出し方をしてくれるのも魅力です。好奇心を刺激し、知識を広げるきっかけにもなるでしょう。特に乗り物好きの男の子には、繰り返し手に取りたくなる1冊です。
2歳児は「これなあに?」と、身の回りのものの名前をたずねる時期です。名前を知ることで、世界が整理されていく感覚を楽しんでいます。写真の図鑑は、街で実際に見かける乗り物と結びつけやすく、「絵本で見たのと同じだ」という発見が、言葉への意欲を高めます。
読み手が「これなあに?」と聞いたら、子どもが答えるまで少し待ってみてください。「ぶーぶー」と答えたら、「そうだね、ぶーぶーだね。消防車だよ」と正しい名前を返します。間違っていても否定せず、「そうだね、あれは○○だよ」と言葉を足していくと、やり取りが続きやすくなります。散歩中に救急車や電車を見かけたら、「絵本にいたね」と声をかけて、体験と言葉をつなげましょう。
9バスがきました
メーカー・出版社:童心社
作:三浦太郎
バス停が動物の形になっていて、次にどの動物がバスに乗りに来るのかを想像しながら読み進められる、遊び心のある作品です。絵がシンプルで可愛らしく、文章も短いため、飽きやすい2歳児でも最後まで集中して楽しめます。「しっぽの形のバス停には誰が来るかな?」と問いかけながら読むと、親子の会話も自然に弾みます。乗り物の仕組みや、順番を待つという社会性にも自然に触れることができるでしょう。
この絵本の魅力は、「次に誰が来るか」を予想できる点にあります。2歳児は、「これから起こること」を頭の中で思い描く力が育ち始める時期です。予想が当たると嬉しく、外れても驚きが楽しいため、予測する体験そのものが想像力の土台になります。順番に乗るという流れは、日常の「待つ」場面の練習にもなります。
夕方の家事の合間に、短い時間で読み切れるのも助かる点です。子どもが「次は?」と先を急ぐときは、「ちょっと待ってね、誰かな?」と一拍おいて、わくわくする時間を一緒に楽しみましょう。途中で飽きたら、お気に入りのページに戻って読み直しても構いません。
2歳児の絵本は何冊・何分くらいが目安?よくある疑問
絵本選びに慣れてくると、「何冊くらい用意すればいいの?」「読み聞かせは何分くらいが適当?」といった疑問も出てくるものです。目安として参考にしてみてください。
- 絵本の冊数の目安:決まった冊数はありません。無理にたくさん揃える必要はなく、お気に入りの数冊を繰り返し読むだけでも十分な効果が期待できます。お出かけ用、自宅用、寝る前用など、場面に応じて選べるバリエーションがあると、シーンに合わせて活用しやすくなります。図書館で借りて入れ替えるのも一つの方法です。
- 読み聞かせの時間の目安:東京都立図書館は、2〜3歳の子どもには、1日に10分や15分でも、家事をひと休みして絵本を読んであげてほしいと紹介しています。短い時間でも、子どもにとっては大人と向き合える貴重な時間になります。お子様が途中で飽きてしまっても、無理に最後まで読み切ろうとせず、「今日はここまで読めたね」とポジティブに受け止めてあげましょう。
- 同じ絵本を繰り返し読んでもいい?:2歳児にとって、同じ絵本を何度もリクエストすることは、内容を覚えて安心して楽しむための自然な行動です。東京都立図書館も、この年頃の子どもは面白い絵本を「もう一回」とねだり、繰り返しの中で興味が広がっていくと説明しています。飽きずに何度でも読んであげることで、言葉が定着し、物語への理解が深まっていきます。
読み聞かせでつまずきやすいポイントと対処
読み始めても、すぐにページから離れてしまうことは珍しくありません。たとえば、途中で積み木を持ってきたり、絵本を閉じてしまったりする場合は、無理に続けず、「次はこのページを読もうか」と子どもの選んだ場面から再開すると、興味が戻りやすくなります。東京都立図書館も、最後まで聞けないときは叱らず、気に入ったページだけを繰り返し読んであげるとよいと紹介しています。
「読んで、読んで」と言うのに、すぐ別の絵本を持ってくる場合は、絵本の内容よりも、大人と過ごす時間そのものを求めていることがあります。そのときは「今はあなたと過ごす時間だよ」という気持ちで、ゆったり向き合ってみてください。
また、きょうだいが同じ絵本を取り合ってしまうこともあります。その場合は、年齢に合わせて「今はお兄ちゃんが読んでもらう番」「次はあなたの番ね」と順番を決めると、読み聞かせの時間を穏やかに保てます。
最新情報:絵本の読み聞かせと子どもの発達に関する研究
以前は、読み聞かせの効果といえば「言葉の発達に役立つ」という点が中心に語られてきました。東北大学の研究グループは、2026年1月に、環境省の「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」のデータを使った研究成果を発表しました。約3万7千組の母子のデータを解析した結果、読み聞かせの頻度が高い家庭ほど、3歳時点の発達スコアが、コミュニケーション、粗大運動、微細運動、問題解決、個人と社会性の5つの領域すべてで高い傾向が確認されました。この関連は、親の学歴や収入、遊びの頻度、メディアへの接触時間などを考慮しても残ったとされています。また、読み聞かせの頻度が高い家庭では、子どもや親の画面を見る時間が短い傾向もあわせて報告されています。
この研究は、読み聞かせと発達の関連を示したもので、読み聞かせだけで発達が決まるという意味ではありません。家庭でできることとしては、寝る前の10分間を、スマートフォンやテレビを置いた絵本の時間にするなど、無理のない形で習慣化することが現実的です。毎日でなくても、できる日に続けることが大切です。
2歳児の読み聞かせの効果を高めるコツ
2歳という時期に絵本を親子で楽しむことは、情緒の安定や親子の絆を深めるだけでなく、言葉の獲得や集中力といった能力の成長をサポートします。読み聞かせの効果をさらに高めるために、以下の点を意識してみてください。
- 大げさに、楽しく:登場人物のセリフや擬音語を、身振り手振りを加えながら読むことで、お子様の興味を引きつけ、言葉のイメージを伝えられます。声色の演じ分けは、無理に頑張りすぎなくて大丈夫です。ページごとに一言ずつ楽しく読むくらいでも、十分に伝わります。
- 「読んであげる」より「一緒に楽しむ」意識:2歳児は絵本を最後まで聞くよりも、途中で指さしをしたり、質問をしたりすることが多いものです。お子様の指さしに合わせて一緒に絵を眺めたり、「わんわんだね」と声をかけたり、お子様のペースに合わせて寄り添うことを大切にしてください。
- 寝る前の習慣に:読み聞かせを寝る前の日課にすることで、親子の安心感を育む大切な時間となります。
- 何度でも応える:お子様が同じ絵本を何度もリクエストしても、根気強く読んであげましょう。繰り返し聞くことで、言葉が定着し、物語や知識への理解が深まっていきます。
- 読んだ後にほめる:最後まで聞けたときや、静かに絵本を見ていられたときは、「よく聞いていたね」「一緒に読めて嬉しかったよ」とひとことほめてあげましょう。認められた経験の積み重ねが、絵本そのものを好きになるきっかけになります。
2歳児の絵本選びと読み聞かせのよくある質問
Q. 読み聞かせの途中で絵本を閉じたり、ページをめくったりしてしまいます。やめさせたほうがいいですか?
やめさせなくて大丈夫です。2歳児にとって、ページをめくることは絵本を「自分のもの」にする行動です。めくる役を子どもに任せ、大人は読む役に回ると、読み聞かせが遊びとして続きやすくなります。破れやすい絵本は、厚紙のボードブックを選ぶと安心です。
Q. 言葉があまり出ていなくても、絵本を読む意味はありますか?
あります。言葉が出る前の時期でも、声のリズムや抑揚、親の表情を通じて、子どもは言葉の世界に親しんでいます。指さしや表情で反応しているなら、聞いて理解している証拠です。「話させること」ではなく「一緒に楽しむこと」を目的にしてください。
Q. 同じ絵本ばかり選んで、他の絵本を読んでくれません。
お気に入りの1冊が見つかった時期は、同じ絵本を繰り返すのが自然です。気になるときは、同じ作者の別作品や、同じ題材(乗り物など)の絵本を1冊だけ横に置いてみてください。拒否されても無理強いはせず、また別の日に試すくらいがちょうどよい距離感です。
Q. 電子絵本や動画の絵本でも同じ効果はありますか?
紙の絵本は、ページをめくる、指さす、顔を見合わせるといった親子のやり取りが生まれやすい点が魅力です。電子絵本を使う場合も、子どもだけに見せるのではなく、大人がそばで声をかけながら一緒に楽しむ形が向いています。家庭の状況に合わせて使い分けて構いません。
Q. 図書館で借りた絵本でも十分ですか?
十分です。図書館では、書店にない古い名作や、さまざまな種類の絵本を気軽に試せます。気に入った絵本が見つかったら購入する、という使い方も、ムダが少なくおすすめです。
2歳という成長著しい時期に合った絵本を、ぜひ親子でゆっくりと楽しんでください。




