【絵本嫌い克服】3歳児が夢中になる絵本の選び方と興味を惹きつける読み聞かせのコツ
せっかく「絵本を読もうか」と声をかけても、すぐに逃げ出したり、途中で遊び始めてしまったりして、「うちの子は本が嫌いなのかもしれない」と悩むパパ・ママは少なくありません。しかし、多くの場合、子どもが絵本を嫌がるのは、単にその時の興味や発達段階に合っていないだけかもしれません。
特に3歳頃は、自我が芽生え、好奇心と集中力に個人差が出始める時期です。この時期の特性を理解し、子どもの興味を惹きつける絵本を選ぶことが、絵本嫌いを克服し、子どもを本好きに変える第一歩となります。ここでは、3歳児の心を掴み、夢中にさせる厳選10作品と、読み聞かせのコツをご紹介します。シリーズ作品も多いので、一冊気に入れば、次々と読むようになり、いつの間にか本好きに変わっていくでしょう。

3歳児に読み聞かせて欲しい!子供が聞き入るおすすめ絵本10選
すばらしい絵本は、言葉の響きや旋律が絶妙で、子どもが夢中になること間違いなし。それに3歳という、言葉を話し周りの人と関わろうとする時期だからこそ、良い絵本を読み聞かせてあげて欲しいと思います。そんな三歳児におすすめの絵本を10冊紹介します。

絵本嫌いを夢中にさせる!子供が魅了される読み聞かせのコツ5つ
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3歳児が絵本嫌いになる原因と興味を引き出すポイント
3歳から4歳のお子さまが絵本に興味を示さない主な原因と、その対策となる絵本選びのポイントを解説します。
絵本嫌いになる主な原因
- 集中力の持続時間: 3歳児の集中力は短く、長い話や文字の多い絵本だと途中で飽きてしまいます。
- 強制されている感覚: 読み聞かせを「勉強」や「義務」のように感じると、反発して遠ざかってしまいます。
- 内容のミスマッチ: 興味のないテーマや、登場人物に共感できない物語だと、絵本の世界に入り込めません。
3歳児の興味を引き出す絵本選びのポイント
- 身近なものへの共感: 自分たちが使っている道具や、日常の出来事を題材にした絵本に強く興味を示します。
- ユーモアとリズム: 笑える展開や、リズミカルな言葉、擬音語が多い絵本は、飽きさせずに引きつけます。
- 視覚的な発見: 細かい絵や、縦・横・仕掛けなど、普段の絵本とは違うユニークな形式に興味が湧きます。
- 主人公への感情移入: 主人公の感情や行動がシンプルで理解しやすい物語が、共感の第一歩となります。
3歳から4歳の子供が興味を示すおすすめの絵本10選
1くれよんのくろくん
作・絵 なかや みわ
童心社
価格:1,200 円 + 税
子どもたちが最初に手にする文房具の一つである「くれよん」に命が吹き込まれた、非常に身近な題材のシリーズ作品です。自分が普段使っている道具が物語の主人公になっているという設定に、3歳児はすぐに興味を示し、話の内容を知りたがります。
特に、くろくんがみんなと協力して大きな絵を描く展開は、協調性や創意工夫の楽しさを伝えることができます。身近な題材から絵本の世界への導入として最適です。
214ひきのひっこし
作 いわむら かずお
童心社
価格:1,200 円 + 税
絵本嫌いのお子さまは、文字が多いと読む意欲が湧きにくい傾向があります。しかしこの絵本は、見開き全面に、14ひきのねずみの大家族が過ごす日常が隅々まで細かく描かれていることが特徴です。3歳児は、大人が気づかないような小さな部分を発見することに喜びを感じ、絵の世界を深く楽しめます。
大家族が協力し合い、和やかに生活する様子は、子どもに安心感を与え、自然と絵本の世界へと惹き込まれていくでしょう。観察力や集中力を育む上でも優れている作品です。
3ぶたのたね
作・絵 佐々木 マキ
絵本館
価格:1,200 円 + 税
「ぶたが木になる」という、常識を覆すナンセンスな発想の絵本です。読み聞かせをしているパパやママが思わず吹き出してしまうほどのユーモアが詰まっており、子どもも「なになに?」「面白い!」と興味津々になります。
予測不能で楽しいストーリー展開は、3歳児の豊かな想像力を刺激します。また、この絵本は高学年の子どもでも楽しめるため、兄弟で一緒に読み聞かせを楽しむことができる点も魅力の一つです。
4100かいだてのいえ
作・絵 いわい としお
偕成社
価格:1,200 円 + 税
多くの絵本が横開きであるのに対し、この絵本はページを縦に開くことで、100階建ての家の階層をうまく表現しているユニークな形式が特徴です。この珍しさに、大人でも思わず「あれっ」と興味が湧いてきます。
見開きいっぱいに描かれた緻密な絵は、各階に住む様々な動物たちの生活を細かく描き出しており、子どもたちは絵だけで創造を広げることができます。数や生き物の多様性を楽しく学べる知育要素も人気の理由です。
5そらまめくんのベット
作・絵 なかや みわ
福音館書店
価格:743 円 + 税
そらまめくんという非常に愛らしいキャラクターが主人公の、優しい物語です。話の内容がそらまめくんのふかふかのベットを中心に展開するため、3歳児にはストーリーが理解しやすいという利点があります。
子どもたちは、そらまめくんのベットを想像し、作品内で羨ましがる「えだまめくん」や「グリーンピースのきょうだいたち」と同じように、ふかふかのベッドに寝てみたいという共感の思いを抱きます。この感情移入が、絵本に魅了されていくきっかけとなる作品です。
6ピッツァぼうや
作 ウィリアム・スタイグ
らんか社
価格:1,500 円 + 税
外が雨で不機嫌な息子ピートくんを笑顔にするために、お父さんがピートくんを生地に見立ててピッツァを作るという、遊び心に溢れたお話です。日常の中の楽しい発想が、子どもたちを惹きつけます。
このお父さんのユニークなピザ作り遊びの発想に、絵本を読み終わった子どもから「やってやって!」とせがまれること間違いなしです。親子のスキンシップと遊びのアイデアが広がる、楽しい一冊です。
7ねずみくんのチョッキ
作 なかえ よしを 絵 上野 紀子
ポプラ社
価格:1,000 円 + 税
ねずみくんを主人公としたシリーズ絵本の代表作で、パパママの中にも子どもの頃に読み聞かせてもらった人がいるロングセラー作品です。主人公のねずみくんの豊かな表情と、リズミカルな文章が見どころです。
ねずみくんが大切なお母さんお手製のチョッキを、動物の仲間達に貸すたびにどんどんのびてしまうという、ちょっとドキドキする楽しいストーリーです。「えー、かわいそう」という子どもの感情が、最後のクスッと笑える結末で笑顔に変わるでしょう。優しさとユーモアを伝える作品です。
8うんこ!
作 サトシン 絵 西村 敏雄
文渓堂
価格:1,300 円 + 税
子どもたちにとって「うんこ」は最強のキーワードであり、笑いを誘う言葉です。そんな「うんこ」が主人公のお話は、「下品ではないか?」と心配するパパママも、子どもと一緒に心から楽しめるユーモア絵本です。
みんなに「くさい」と言われて逃げられるけれど、くやしがったり、めげたりしないでダジャレまで言ってしまう主人公の「うんこ」。その前向きな姿勢と、動物たちがくさがるコミカルな絵は、見ているだけで子どもを魅了し、大きな笑いを引き出す楽しい作品です。
9からすのパンやさん
作・絵 かこ さとし
偕成社
価格:1,000 円 + 税
この絵本のおすすめポイントは、子どもたちが見たこともないような色々な形をしたパンが豊富に登場するところです。親からすが、たくさんのからすの子どもたちの意見を取り入れて、創造的なパンを次々と作っていく展開に、読者は夢中になります。
家族全員で作ったパンが街のみんなに喜んでもらえるという、夢のある物語です。3歳のお子さまは、カラフルでユニークなパンの形に特に興味をそそられるでしょう。また、からすの子どもの色が黒ではないところも、子どもが面白がる魅力の一つです。
10てぶくろ
作(ウクライナ民話) 絵 エウゲーニー・M・ラチョフ
福音館書店
価格:1,000 円 + 税
優しさや共存の心を伝えるのに、大変おすすめの絵本です。寒い冬、おじいさんが落とした片方の手袋に、様々な動物たちが暖かさを求めて次々と入っていくという、ウクライナの民話です。一つの手袋にみんなが入ったらどうなるのかというドキドキ感が、子どもを物語に引き込みます。
動物たちが「入れて」「どうぞ」を繰り返し、暖かさを共有していく姿を通して、思いやりと助け合いの心を伝えます。最後に体が大きなくまさんが来た時も、一度は断ったものの、「はじっこなら」と入れてあげる結末は、とてもほっこりすると多くの親子に愛されています。
絵本嫌いを克服!3歳児を惹きつける読み聞かせのコツ
絵本が苦手なお子さまには、まずは「絵を楽しむ」ことからスタートしましょう。完璧に文章を読もうとせず、以下の工夫を取り入れてみてください。
1.アドリブと質問で対話を楽しむ
- アドリブを入れる: 初めのうちは、絵本の内容に沿ってパパ・ママのアドリブを入れたり、擬音語を強調したりして、お話を聞くことよりも、絵本に触れること自体を楽しい遊びに変えていきましょう。
- 質問を投げかける: 「この動物は何をしているのかな?」「この色はなんていう色?」などと、絵を見てわかることを質問し、子どもの発言を引き出しましょう。一方的な読み聞かせではなく、対話を楽しむことで、絵本への興味が増します。
2.子どもの「好き」を最優先する
- 同じ本を何度も読む: 子どもは繰り返しを好みます。たとえ同じ本を何十回とせがまれても、飽きずに付き合うことが、本を好きになるための大切なステップです。
- 読む時間帯を工夫する: 眠る前の時間だけでなく、子どもがリラックスしている時や集中しやすい時間帯を選んで誘ってみましょう。
- 完璧に読まない: 途中で遊び始めても、無理に引き戻そうとせず、「また今度読もうね」とあっさり切り上げることが、絵本へのポジティブな印象を保つ秘訣です。
子どもたちが惹きつけられる絵本には、カラフルな色づかい、ドキドキするストーリー、びっくりする仕掛けやお話など、大人が改めて読んでも惹きつけられる魅力が満載です。これらの魅力をご家庭で最大限に引き出し、お子さまが自ら絵本を手に取る喜びを伝えていきましょう。


