に関する記事

オリーブオイルの栄養成分:オレイン酸・ポリフェノール・カロリーと上手な使い分け

オリーブオイルの栄養成分:オレイン酸・ポリフェノール・カロリーと上手な使い分け

オレイン酸が主体のオリーブオイルは、料理での使い分けがポイント。100gあたりの脂肪酸バランスやカロリー、EVOOと精製オリーブオイルの選び方、トマトや緑黄色野菜との組み合わせ、発煙点や保存方法を、家庭で役立つ形で紹介します。

マーミーTOP  >  ライフスタイル  >  オリーブオイルの栄養成分:オレイン酸・ポリフェノール・カロリーと上手な使い分け

オリーブオイルは、地中海沿岸の料理を中心に世界中で使われている植物油です。植物油脂の中でも脂肪酸の構成に特徴があり、種類や製法によって多少の違いはあるものの、一価不飽和脂肪酸であるオレイン酸を主体とし、エクストラバージンタイプにはポリフェノールやビタミンEも含まれます。ここでは、文部科学省の食品成分表をもとに、オリーブオイルの栄養成分の目安、種類ごとの違い、料理での使い分けや保存のコツまでを整理します。

※記事中の栄養成分の数値は、文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」(オリーブ油、100gあたり)を参考にしています。

オリーブオイルに含まれる主要な栄養成分と特徴

オリーブオイルの成分のほとんどは脂質ですが、その脂質の構成が他の一般的な油脂とは異なります。ここでは主要な成分を見ていきます。

主成分「オレイン酸」の構成比と特徴

オリーブオイルの主成分は、一価不飽和脂肪酸であるオレイン酸で、脂肪酸全体の60〜80%ほどを占めます(種類や製法によって変動します)。オレイン酸は酸化されにくい性質があるため、油としては加熱に比較的安定しているのが特徴です。文部科学省の成分表では、オリーブ油100gあたりの一価不飽和脂肪酸は74.04gで、その大部分がオレイン酸です。この脂肪酸バランスが、オリーブオイルの風味や調理適性を特徴づけています。

ポリフェノールとビタミンE

オリーブオイルには、ビタミンEやポリフェノールが含まれます。特に、収穫直後のオリーブ果実を低温圧搾して抽出するエクストラバージンオリーブオイルには、ポリフェノールが多く残ります。

  • ポリフェノール:オレウロペインやヒドロキシチロソールなどが代表的で、オリーブ特有の苦味や辛味のもとになる成分です。油の酸化を抑える役割も担っています。
  • ビタミンE:オリーブ油100gあたり約7.4mg(α-トコフェロール)含まれる脂溶性のビタミンです。このほかビタミンKも100gあたり約42μg含まれます。

大さじ1杯・小さじ1杯あたりのカロリーと脂質の内訳

オリーブオイルの大さじ1杯(約12g)あたりのエネルギーは約107kcalで、そのほとんどが脂質由来です。油は1gあたり約9kcalとエネルギーが高いため、使う量は意識するとよいでしょう。

大さじ1杯あたりの脂質の内訳(八訂の値から換算した概算)は次の通りです。

  • 一価不飽和脂肪酸(オレイン酸主体):約8.9g
  • 飽和脂肪酸:約1.6g
  • 多価不飽和脂肪酸(リノール酸、α-リノレン酸など):約0.9g

小さじ1杯(約4g)あたりでは約36kcalと少なめですが、脂肪酸の構成比は大さじ1とほぼ同じです。炒め油の量を調節するときや、ドレッシングに使うときなど、小さじ単位の計量は便利です。

エクストラバージンオリーブオイルの特徴と使い方

オリーブオイルの中でも上位に分類されるエクストラバージンオリーブオイルは、製法上ポリフェノールやビタミンEが残りやすく、風味も豊かです。風味と成分を活かすには使い方がポイントになります。

エクストラバージンと精製オリーブオイルの違いと選び方

オリーブオイルは、主に次の基準で分類されます(分類は日本農林規格〈JAS〉や国際オリーブ理事会〈IOC〉の規格に基づきます)。

  • エクストラバージンオリーブオイル(EVOO):オリーブ果実を物理的な方法だけで搾り、化学処理や加熱処理を加えていないもの。酸度が低く、ポリフェノールやビタミンEが多く残り、風味も豊かです。
  • バージンオリーブオイル:EVOOと同様に物理的な方法で抽出しますが、酸度がやや高いものです。
  • ピュアオリーブオイル:精製オリーブオイルにバージンオリーブオイルを加えて風味を調整したもの。精製オリーブオイルは処理により不純物や風味成分が取り除かれ、ポリフェノールなどは少なくなります。

風味やポリフェノールを重視するならEVOOが向き、サラダや仕上げなどの生食に適しています。高温調理には精製度の高いピュアオリーブオイルが使いやすいです。

非加熱で風味を活かす使い方

エクストラバージンオリーブオイルは、熱に弱いポリフェノールやビタミンEを残したい場合、加熱せずに使うのが向いています。サラダのドレッシング、パンへのディップ、冷製スープの仕上げなどに使うと、オリーブ本来の香りとともに成分を活かしやすくなります。

加熱調理の注意点と発煙点

オリーブオイルは一価不飽和脂肪酸が主体で、加熱には比較的安定した油です。ただし、過度な高温や長時間の加熱では、ポリフェノールなどの成分が減っていきます。

エクストラバージンオリーブオイルの発煙点(煙が出始める温度)は種類によって異なりますが、一般に180〜200℃前後とされます。この温度を超えると煙が出て油の劣化が進みます。炒め物や軽いソテー程度なら扱いやすい一方、揚げ物のような高温・長時間の調理には、発煙点が高い精製オリーブオイルや他の安定した植物油と使い分けると扱いやすくなります。

オリーブオイルと他の食材の組み合わせ

オリーブオイルは、さまざまな食材と組み合わせることで料理の幅が広がります。特に野菜や香味野菜と合わせると、脂溶性の成分をとりやすく、風味のバランスもよくなります。

トマトのリコピンとの組み合わせ

トマトに含まれるリコピンは脂溶性のカロテノイド色素で、油と一緒にとると吸収されやすいとされています。トマトとオリーブオイルを使ったサラダや炒め物は、彩りがよく風味豊かな一品になります。チーズなどと合わせればたんぱく質も加わり、献立に組み合わせやすくなります。

脂溶性の成分が多い食材との組み合わせ

にんじんやかぼちゃに含まれるβ-カロテン、ブロッコリーに含まれるビタミンKなどの脂溶性成分は、油と一緒にとると吸収されやすくなります。これらの野菜をオリーブオイルで炒めたり、蒸し料理の仕上げにかけたりすると取り入れやすくなります。きのこ類やにんにくなど香りの立つ食材と合わせるのもおすすめです。

ごま油やバターとの違い

オリーブオイルとごま油は、脂肪酸の構成が異なります。ごま油はオメガ6系のリノール酸などの多価不飽和脂肪酸が多く、香ばしい香りが特徴です。一方、オリーブオイルはオレイン酸(一価不飽和脂肪酸)が主体です。調理適性も異なり、ごま油は中華や和風の加熱料理に、オリーブオイルは生食や地中海料理に向くなど、目的に合わせて使い分けるとよいでしょう。

バターは動物性の脂で、主に飽和脂肪酸で構成されます。バターの代わりにオリーブオイルを使うと、一価不飽和脂肪酸を主体とした脂質に置き換えられます。飽和脂肪酸はとりすぎに注意したい成分ですが、バターにはビタミンAやDが含まれるなど栄養素の種類が異なるため、全体の食事バランスの中で使い分けるのがポイントです。

種類別の分類と使い分け

オリーブオイルは、製造方法や精製度合いによって成分や風味が異なります。用途に合わせて選ぶと、風味や使い勝手を活かせます。

用途別の選び方と保存方法

  • 生食(サラダ、パン、仕上げ):風味やポリフェノールが豊富なエクストラバージンオリーブオイルが向きます。
  • 軽い加熱調理(ソテー、炒め物):EVOOも使えますが、加熱で風味が一部変わる点をふまえ、ピュアオリーブオイルも選択肢になります。
  • 高温調理(揚げ物、長時間加熱):発煙点が高く安定したピュアオリーブオイル(精製オリーブオイル主体)が扱いやすいです。

オリーブオイルは光・熱・酸素で酸化して風味が落ちるため、保存方法も大切です。直射日光や高温を避けた冷暗所で保管し、開封後はなるべく早めに使い切りましょう。

オリーブオイルとオリーブオイルを使った料理のカロリー

オリーブオイルはさまざまな料理に使われます。ここでは、オリーブオイルそのものに加え、オリーブオイルを使った料理のカロリーの目安を表にまとめました(数値はカロリーSlismを参照)。料理に取り入れる際の参考にしてください。

よくある質問:オリーブオイルの選び方・保存

オリーブオイルが白く固まったけれど大丈夫?

オリーブオイルは低温になると白く濁ったり固まったりすることがあります。これはオレイン酸などの性質によるもので、品質の問題ではありません。常温に戻すと元の状態に戻ります。冷蔵庫に入れると固まりやすいため、基本は冷暗所での常温保存が向いています。

開封後はどのくらいで使い切ればいい?

開封後は空気に触れて少しずつ酸化が進むため、風味を楽しむにはおおむね1〜2か月を目安に使い切るのがおすすめです。使う分に合った容量を選び、フタをしっかり閉めて冷暗所で保管すると風味が保ちやすくなります。

揚げ物にも使える?

使えますが、高温・長時間の加熱には発煙点の高いピュアオリーブオイルが向いています。エクストラバージンオリーブオイルは風味を活かす生食や軽い加熱に使い、揚げ物は精製タイプや他の植物油と使い分けると扱いやすくなります。

離乳食にオリーブオイルは使える?

離乳食が進んで油を使う時期になったら、風味づけに少量を使う方法もあります。まずはごく少量から、加熱して使うと取り入れやすいでしょう。初めての食材は平日の日中に、ひとさじずつ無理なく試すと安心です。

まとめ:オリーブオイルの栄養を知って上手に使い分けよう

オリーブオイルは、オレイン酸を主体とした脂肪酸バランスに特徴があり、エクストラバージンタイプにはポリフェノールやビタミンEも含まれます。大さじ1杯で約107kcalとエネルギーは高めなので、量を意識しながら取り入れるのがポイントです。

生食にはエクストラバージン、高温調理には精製度の高いピュアタイプというように、種類ごとの特徴を知って使い分けると、風味も使い勝手も活かせます。光・熱・酸素を避けた冷暗所で保存し、開封後は早めに使い切ることで、おいしさを保ちながら日々の料理に取り入れてみてください。

注1:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」/食品成分データベース(オリーブ油)

注2:カロリーSlism(各料理のカロリー目安)

注3:オリーブオイルの分類は日本農林規格(JAS)、国際オリーブ理事会(IOC)の規格を参考

この記事を書いたライター
木村さくら

木村さくら

自称「健康オタクで美容オタク」。最近自家栽培にハマってます。