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卵の栄養成分を徹底解説!タンパク質、ゆで卵の吸収率、コレステロールの疑問を解消

卵の栄養成分を徹底解説!タンパク質、ゆで卵の吸収率、コレステロールの疑問を解消

卵1個に含まれるタンパク質やビタミン、ミネラルなど多彩な栄養素の特徴と、白身・黄身の違いを詳しく解説。加熱による栄養変化や効果的な食べ方も紹介しています。

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卵の栄養成分を徹底解説!タンパク質、ビタミン、ミネラルの働きと吸収率

卵は私たちの食生活において、手軽に高品質な栄養を摂取できる非常に優れた食品です。鶏卵1個(約50g)には、体に必要なさまざまな栄養素がバランス良く含まれており、特に良質なタンパク質が豊富です。卵のタンパク質は必須アミノ酸を全てバランス良く含んでいるため、「完全タンパク質」とも呼ばれています。また、ビタミン類やミネラルも多彩に含まれており、日々の栄養補給に欠かせない食品です。毎日の食事に取り入れやすく、調理方法も豊富なため、栄養源として幅広く活用されています。

※記事中の栄養成分の数値は、文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」(鶏卵、全卵、生、可食部100gあたり)を参考にしています。

卵の基本的な栄養成分と五大栄養素の分類

卵は、人間の体に不可欠な五大栄養素(タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラル)をバランス良く含むことが大きな特徴です。特に、その高いタンパク質の質と、多彩なビタミン・ミネラルに注目が集まっています。

卵1個あたりの主要栄養成分

一般的なMサイズの鶏卵(全卵、生、可食部約50g)に含まれる栄養成分は、おおよそタンパク質が約6.2g脂質が約5.4g、炭水化物は約0.15gと微量です。エネルギーは約76kcalです。さらに、卵にはビタミンA、ビタミンD、ビタミンEといった脂溶性ビタミンや、ビタミンB群(B1、B2、B6、B12、葉酸、ビオチンなど)が豊富に含まれています。ビタミンAは視覚や皮膚の健康維持に、ビタミンDはカルシウムの吸収を助ける役割があります。

ミネラルでは、鉄分、亜鉛、リンなどが含まれ、これらは血液や骨の健康維持に貢献しています。こうした多様な栄養素が少ないカロリーで摂れるのが卵の魅力であり、日常的な栄養補給に適した食品です。

卵の五大栄養素分類と特徴

卵に含まれる五大栄養素は、主に以下のような役割を果たしています。

  • タンパク質:主に卵白に豊富で、筋肉や細胞の生成・修復に欠かせない良質な成分です。
  • 脂質:主に卵黄に含まれ、エネルギー源となるほか、脂溶性ビタミン(A、D、E、K)の吸収を助けます。
  • 炭水化物:ごく微量(全卵100gあたり0.3g)ですが、わずかに含まれています。
  • ビタミン:特にビタミンB2は多く、代謝に関わる重要な役割を果たします。
  • ミネラル:鉄やリンなどが、骨や血液の健康維持に貢献しています。

これらの栄養素が卵の中でバランス良く存在しているため、単体でも栄養バランスに優れた食品として評価されています。

卵の栄養素を白身(卵白)と黄身(卵黄)で比較する

卵は大きく分けて白身(卵白)と黄身(卵黄)に分かれており、それぞれに含まれる栄養素の種類や働きが異なります。それぞれの特徴を理解することで、卵の栄養をより効果的に活用できます。

卵白の栄養成分と働き:タンパク質と低カロリー

卵白は約90%が水分で、残りの主成分は高品質なタンパク質です。全卵のタンパク質の約半分は卵白に含まれており、特にアルブミンというタンパク質が豊富です。脂質がほとんど含まれていないため、低カロリーでありながら満腹感を得やすく、カロリーを抑えたい方にも適しています。ただし、生の卵白にはアビジンという成分が含まれており、これがビタミンB群の一種であるビオチンの吸収を妨げることが知られています。このアビジンは加熱によって失活するため、ビオチンの吸収を気にする場合は加熱調理が推奨されます。

卵黄の栄養成分と特徴的な成分

卵黄には全卵の脂質のほとんどが含まれ、ビタミンA、D、E、Kなどの脂溶性ビタミンが豊富です。また、リン脂質の一種であるレシチンや、コリンといった、体の重要な機能をサポートする成分も多く含まれています。ミネラルも豊富で、特に鉄分やリン、亜鉛などが多く含まれています。卵黄はエネルギー源としても優れており、特に成長期のお子様や栄養補給を必要とする方に適しています。卵全体の栄養価の多くを卵黄が担っています。

白身と黄身を混ぜることで得られる栄養バランス

卵白と卵黄を一緒に食べることで、卵の栄養素をバランスよく摂取できます。タンパク質を多く含む卵白と、脂質やビタミン、ミネラルを豊富に含む卵黄が組み合わさることで、五大栄養素を満遍なく補えます。また、黄身に含まれる脂質が、白身のタンパク質が持つ脂溶性ビタミンの吸収を助ける働きもあり、栄養価の相乗効果が期待できます。そのため、卵は卵白だけや卵黄だけで食べるよりも、全卵として摂取することが、栄養バランスの面で理想的です。

卵の栄養吸収率を高める調理法と工夫

卵の栄養を効率よく吸収するためには、調理方法や食べ方を工夫することが重要です。生卵のままだと一部の栄養素の吸収が妨げられたり、消化吸収率が低下したりするため、適切な加熱を行うことが推奨されます。

生卵と加熱卵の消化吸収率の違い

生の卵は、加熱したものに比べてタンパク質の消化吸収率が低い傾向があります。一般的に、卵のタンパク質の消化吸収率は、生卵で約50%前後、加熱卵で約90%以上と言われています。これは、加熱することでタンパク質が変性し、消化酵素がアクセスしやすくなるためです。

また、前述したように、生の卵白に含まれるアビジンはビオチンの吸収を阻害しますが、加熱することでこの作用はなくなります。そのため、タンパク質やビオチンの吸収効率を重視する場合は、加熱調理が適しています。一方で、熱に弱い一部のビタミンを最大限に摂取したい場合は、生で摂取するのも一つの方法ですが、食中毒のリスクも考慮する必要があります。

ゆで卵・温泉卵など調理方法別の栄養比較

調理方法によって、栄養素の吸収率や消化のしやすさが異なります。

  • ゆで卵(固ゆで):完全に加熱されているため、タンパク質の消化吸収率が非常に高く、食中毒のリスクも低い安全な調理法です。ただし、熱に弱いビタミンは多少減少します。
  • 温泉卵・半熟卵:半熟であるため、熱に弱いビタミンの一部は残りやすいと考えられます。タンパク質の消化吸収率は生卵より高いですが、固ゆで卵に比べるとやや劣る場合があります。
  • スクランブルエッグ・目玉焼き:油を使って調理するため、卵黄の脂溶性ビタミンの吸収率が高まります。ただし、油の過剰摂取には注意が必要です。

適切な加熱方法を選ぶことで、栄養損失を最小限に抑えつつ、安全かつ効率よく栄養を取り入れられます。

卵の栄養価に関するよくある疑問:コレステロールと摂取量

卵の摂取に関して、最もよく聞かれる疑問の一つが「コレステロール」の問題です。かつては「卵を食べ過ぎるとコレステロール値が上がる」とされていましたが、現在の栄養学ではその認識が大きく変わってきています。ここでは、卵の摂取に関する最新の知見と適切な目安量について解説します。

卵とコレステロール値の最新の知見

卵はコレステロールを多く含む食品ですが、食事から摂取するコレステロールが、血中のコレステロール値に与える影響は、人によって異なりますが、一般的に限定的であることが近年の研究で示されています。体内にあるコレステロールの多くは肝臓で合成されており、食事からの摂取量が増えると、体内で合成される量が調整される仕組みがあるためです。このため、日本の食事摂取基準(2020年版)では、健康な成人において、食事からのコレステロール摂取量の上限は設定されていません。

ただし、体質や基礎疾患(糖尿病など)によっては影響を受けやすい方もいます。そのため、摂取量については医師や管理栄養士と相談することが推奨されます。健康な方であれば、極端な制限をする必要はなく、適量を守って楽しむことが大切です。

適切な卵の摂取量とは?「食べ過ぎ」の目安

健康な成人における卵の摂取量について、現在の栄養学では明確な上限は設けられていませんが、多様な食品からバランスよく栄養を摂取するという観点から、1日1個程度を目安とするのが一般的です。しかし、研究によっては、それ以上の量を摂取しても血中コレステロール値に大きな影響がないという報告もあります。

「食べ過ぎ」の基準は、卵の栄養素自体の問題よりも、他の食品とのバランスの問題として考えるべきです。卵を多く食べることで、肉類や魚類、野菜などの摂取量が減ってしまい、ビタミンCや食物繊維といった不足しがちな栄養素が十分に摂れなくなることが問題となります。多様な食材と組み合わせて栄養バランスを整えることが、最も重要なポイントです。

卵の栄養で不足しがちな成分とバランスの良い活用法

卵は栄養価が高い食品ですが、全ての栄養素をまかなえるわけではありません。特に、ビタミンCや食物繊維などは卵にほとんど含まれていないため、これらの成分は別の食品から補う必要があります。卵を中心とした食生活でも、他の食材と組み合わせて栄養バランスを整えることが健康維持には欠かせません。

卵だけでは足りない栄養素とは?

卵には豊富なタンパク質や脂質、ビタミンA、B群、D、E、ミネラル類が含まれますが、ビタミンCはほぼ含まれていません。また、食物繊維も含まれていないため、腸内環境を整えるには野菜や果物、穀物の摂取が必要です。カルシウムも十分とは言えないため、乳製品や小魚を加えることが望ましいです。これらの不足しがちな栄養素を意識して補うことで、卵の栄養をより効果的に活用できます。

栄養バランスを考えた卵の活用法

卵を使った食事に、野菜や豆類、穀物を組み合わせることで、卵に不足しがちなビタミンCや食物繊維、カルシウムを補えます。例えば、卵かけご飯に青菜やトマトを添えたり、スクランブルエッグにきのこやブロッコリーを加えるといった工夫が効果的です。また、ゆで卵をサラダに加えたり、オムレツに彩り豊かな野菜を使ったりすることで、手軽に栄養バランスを整えることができます。毎日の食事で卵の摂取量を適度に保ちつつ、多様な食材から栄養を摂ることが健康的な食生活のポイントとなります。

卵と卵料理の栄養成分比較

卵はそのまま食べるだけでなく、さまざまな料理に使われる食材です。ここでは代表的な卵料理とその栄養成分(カロリー)を、カロリーSlismのデータを基に表にまとめ、栄養の特徴や違いを分かりやすくご紹介します。

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                       
料理名内容量可食部(g)カロリー
卵(殻付き1個)の栄養60g52g74kcal
烏骨鶏卵(殻付き1個)の栄養40g35g54kcal
うずらの卵(殻付き1個)の栄養11g10g16kcal
ゆで卵(殻付き1個)の栄養60g53g71kcal
卵黄(L1個)の栄養17g17g57kcal
卵白(L1個)の栄養38g38g17kcal
だし巻き卵(卵1個分)の栄養70g70g86kcal
マヨネーズ卵黄型(大匙1)の栄養12g12g80kcal
卵サラダ(卵1個分)の栄養67.2g67.2g170kcal
卵スープ(一杯)の栄養176g176g49kcal
卵かけご飯(茶碗一膳分)の栄養227g227g336kcal
炒り卵(卵1個分)の栄養59.9g59.9g91kcal
卵焼き(卵1個分)の栄養122g122g283kcal
五目卵焼き(卵1個分)の栄養98.6g98.6g118kcal
揚げ卵(卵1個分)の栄養58g58g127kcal
半熟卵(卵1個分)の栄養52g52g74kcal
温泉卵(卵1個分)の栄養52g52g74kcal
巣ごもり卵(一人前)の栄養138g138g149kcal
卵サンド(1個)の栄養58.5g58.5g165kcal
煮卵(1個)の栄養71g71g84kcal
この記事を書いたライター
木村さくら

木村さくら

自称「健康オタクで美容オタク」。最近自家栽培にハマってます。