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『海老の栄養を徹底解説|種類別の成分比較とおいしく食べる工夫』

海老の豊富な栄養素を種類別に比較し、その特徴や低脂質・高たんぱくな健康効果、さらにおいしく食べる工夫まで詳しく解説しています。

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海老の栄養は本当に豊富?基本成分とその特徴

海老は寿司や天ぷら、パスタやアヒージョなど、和洋中を問わず幅広い料理に使われる人気の食材です。見た目の華やかさや風味の良さが魅力ですが、それだけでなく、栄養面でも非常に優れた特徴を持っています。特に、高たんぱくで低脂質というバランスの取れた成分構成は、健康志向の食生活を送る人たちの間で注目されています。筆者自身も、日々の献立に海老を取り入れることが多く、栄養面と調理のしやすさの両方から重宝しています。本節では、海老に含まれる基本的な栄養素とその働き、特性について詳しく解説していきます。

高たんぱく・低脂質で注目される理由

海老の栄養価の中で特に注目されているのが、たんぱく質の豊富さです。100gあたりおよそ19~24gもの良質なたんぱく質を含んでおり、これは鶏むね肉や白身魚とほぼ同等、あるいはそれ以上の値です。筋肉の合成をサポートする成分であるため、運動を日常的に行っている方や、健康的な体づくりを目指す方にとって、非常に有用な食材といえるでしょう。また、海老は脂質が少なく、100gあたりわずか0.7~1.5g程度です。このため、エネルギー摂取を控えたい方や、脂質制限を意識している方にも適しています。

筆者は栄養指導の現場で、肉類を控えたいという要望を持つ高齢者やダイエット中の方に、海老をおすすめすることがよくあります。魚介類の中でも、クセが少なく調理の幅も広いため、継続的に取り入れやすいのが利点です。実際に海老を取り入れることで、無理のない食生活の改善につながったという声も多く、食材としての汎用性の高さも栄養面での魅力を支えています。

主要なビタミン・ミネラルの内容と働き

海老には、たんぱく質の他にも多くのビタミンやミネラルが含まれており、そのバランスの良さが特徴です。特に注目したいのはビタミンB群の豊富さで、ビタミンB12、ナイアシン、ビタミンB6などを中心に、エネルギー代謝に関わる成分が含まれています。また、抗酸化作用で知られるビタミンEも含まれており、加熱調理しても一定量が残る点も実用的です。

ミネラルでは、亜鉛、銅、セレン、リン、そして鉄分も比較的多く含まれており、特に貝類に近い栄養構成を持っています。筆者が携わった高齢者施設の献立作成では、鉄分補給が必要な方の副菜として海老の煮物やスープを取り入れることが多くありました。これにより、魚の生臭さが苦手な方でも、ミネラルを無理なく摂取できるメニューが完成します。種類によって栄養価に差はあるものの、どの海老にも基本的な栄養素は概ね含まれており、日常の食事で不足しがちな微量栄養素を補う役割が期待できます。

海老のカロリーや脂質の実態

海老は全体的にカロリーが低めで、100gあたり約90~100kcal程度にとどまります。たとえば、ブラックタイガーやバナメイエビといった一般的な種類であれば、生の状態でこの範囲内に収まります。調理方法によってはカロリーが増えることもありますが、茹でる・蒸すといった加熱調理であれば油をほとんど使わず、ヘルシーな一品に仕上がります。これは筆者自身が家庭でよく行っている方法でもあり、特に野菜と組み合わせた炒め物やスープは、ボリューム感もありながら低カロリーなメニューとして重宝しています。

脂質については、100g中に1g未満のものが多く、他の動物性たんぱく源と比べても非常に低い水準です。ただし、海老にはコレステロールがやや多く含まれており、100gあたり約150~200mg前後という数値になる場合があります。この点を気にする方もいますが、近年の栄養学では、食事から摂取するコレステロールが直接的に血中コレステロール値を大きく左右するわけではないとされています。むしろ、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸の摂取に注意を払うべきであり、海老のように脂質が少ない食材は、全体のバランスを見たときに有用であると考えられています。

海老と海老を使った料理の栄養

ここでは、代表的な海老の種類や、海老を使った加工料理の栄養成分を一覧表で紹介します。海老そのものが持つ栄養価と、調理法によってどのように変化するのかを比較することで、日々の献立作りに役立つヒントが得られるはずです。たとえば、茹で海老と海老フライでは脂質やエネルギー量に大きな違いがあり、料理によって摂取する栄養のバランスも大きく変わります。栄養面を意識して海老を取り入れたい方は、ぜひ参考にしてください。

料理名 分量 可食部 (g) エネルギー (kcal)
伊勢海老の栄養 1尾200gの可食部(60g) 60 52
車海老の栄養 1尾30gの可食部(14g) 14 13
大正海老の栄養 1尾(可食部)(14g) 14 12
芝海老の栄養 有頭1尾8gの可食部(4g) 4 3
海老天丼の栄養 丼1杯(394g) 394 603
海老ワンタンスープの栄養 マグカップ一杯(177.1g) 177.1 128
海老ニラ餃子の栄養 1個(29.6g) 29.6 53
伊勢海老のマヨネーズ焼きの栄養 1尾(116.5g) 116.5 352
伊勢海老グラタンの栄養 1人前(384g) 384 515
伊勢海老の味噌汁の栄養 1杯(210g) 210 65
伊勢海老の刺身の栄養 1人前(60g) 60 52
冬瓜と海老の煮物の栄養 中鉢1杯(418g) 418 142
海老のペペロンチーノの栄養 1人前(333g) 333 513
桜えびの栄養 大さじ1(5g) 5 14
ブラックタイガーの栄養 1尾30gの可食部(26g) 26 20
エビピラフの栄養 一人前(313.5g) 313.5 480

海老の種類別に見る栄養価の違い

海老と一口にいっても、その種類は多岐にわたり、それぞれに特有の風味や食感、そして栄養価の違いがあります。代表的な種類には車海老、芝海老、桜海老といった国内で親しまれているものから、オマール海老や伊勢海老といった高級食材、さらには白海老や川海老といった地域色の強い種類まで存在します。筆者は調理師として現場に立っていた経験があり、海老の種類に応じて献立を組み立てることの重要性を何度も実感してきました。ここでは、特に食卓でよく登場する代表的な海老を栄養の観点から比較し、それぞれの個性と魅力に迫ります。

車海老・芝海老・桜海老の栄養比較

まず、日本料理でもおなじみの車海老は、身が大きくプリッとした食感が特徴です。たんぱく質は100gあたり約21gと高く、脂質は約0.7g程度と少なめで、非常にバランスの良い栄養成分を持っています。特に亜鉛やビタミンB12が豊富で、代謝の維持やエネルギー生産に役立ちます。筆者は和食の現場で車海老の塩焼きを提供する機会が多く、味・見た目・栄養の三拍子が揃っており、幅広い年代に好まれる印象を受けました。

芝海老はサイズが小さく、かき揚げや炒め物などで丸ごと使われることが多いため、殻や尻尾に含まれるカルシウムやキチン質も摂取できるという利点があります。たんぱく質はやや少なめの約18g前後ですが、その分ミネラルの含有量が高く、特にカルシウムやマグネシウムを効率よく摂れる点が評価されます。家庭でも調理が簡単で、筆者も家庭料理でよく使用しています。

桜海老は独特の香りと鮮やかな赤色が特徴で、乾燥品としても流通しています。乾燥桜海老は水分が少ないぶん栄養が凝縮されており、たんぱく質は30g近くになることもあります。また、カルシウムや鉄、ビタミンEも豊富で、抗酸化や骨の形成に関わる栄養素が多く含まれています。特に桜海老のふりかけや味噌汁に加えると、手軽に栄養価をアップさせることができ、筆者も小さなお子さんのいる家庭におすすめしています。

オマール海老や伊勢海老の成分の特徴

オマール海老は欧米の料理で使われることが多い大型の海老で、ロブスターとも呼ばれます。肉質がしっかりしていて濃厚な味わいがあり、100gあたり約20g前後のたんぱく質を含みます。また、ビタミンB12やセレンの含有量が高く、抗酸化や免疫機能を支える栄養素が豊富です。筆者がフランス料理のレストランで勤務していた際には、オマール海老のビスク(スープ)やグリルにして提供していましたが、料理の主役として映える存在感と栄養価の高さにいつも驚かされました。

伊勢海老は日本では祝いの席やおせち料理に使われる高級食材として知られています。栄養面ではたんぱく質が100gあたり21gほどで、脂質は非常に低く、1g未満となる場合が多いです。さらに、カリウムやリン、ナイアシンなどのミネラルが豊富で、特に煮出して出汁にすると、成分がよく抽出されます。筆者の経験では、伊勢海老の味噌汁にすると香りも栄養も引き立ち、寒い季節の贅沢な一杯として非常に好評でした。

白海老・赤海老・川海老の個性

白海老は富山湾の特産品として知られ、透き通るような白い身と上品な甘みが特徴です。たんぱく質は約19g前後で、脂質も少なく、ミネラルではカルシウムやマグネシウム、亜鉛などが比較的多く含まれます。白海老は生食でも人気があり、刺身で味わうとその繊細な風味と栄養価をダイレクトに楽しめます。筆者が富山を訪れた際に白海老のかき揚げをいただいたことがありますが、素材の甘みが引き立っていて、栄養と味の両方で印象に残りました。

赤海老は輸入品が多く、身が大きく濃厚な旨味があります。たんぱく質は約20g程度で、脂質はやや多めの1.5g前後となることもあります。赤海老は焼き物やフライによく使われ、筆者も自宅でガーリック炒めにすることがありますが、しっかりした味わいがありメインディッシュに向いています。また、ビタミンEや亜鉛、リンなどの成分も比較的多く含まれています。

川海老は小型で、淡水域に生息するためやや独特の風味がありますが、カルシウムや鉄分が豊富です。特に殻ごと食べることが前提となるため、キチン質やミネラルを効率よく摂取できるのが利点です。筆者の地元では川海老の唐揚げが郷土料理として定番で、子どもの頃から慣れ親しんできました。栄養面では小さな体に多くの要素が詰まっており、見た目以上に高機能な食材だといえます。

海老の部位別栄養成分|殻や尻尾にも注目

海老はその身の美味しさだけでなく、殻や尻尾にも多くの栄養が含まれており、部位ごとに注目すべき成分があります。通常は身だけを食べることが多いですが、調理法や食文化によっては殻ごと食べたり、出汁に利用されたりすることもあります。筆者は調理の現場でさまざまな海老料理を扱ってきましたが、食材を無駄にせず、部位ごとに適切な使い方をすることで、栄養の取りこぼしを防ぐ工夫が重要だと感じています。以下では、海老の部位ごとの成分やその特徴、可食部と非可食部の栄養差について詳しく見ていきます。

海老の殻と尻尾に含まれる成分とその可能性

海老の殻や尻尾には、キチン質(キチン)という多糖類が含まれており、これは動物性の繊維質として注目されています。キチンはそのままでは消化されにくいものの、微粉末に加工されたり加熱調理されることで吸収効率が改善される可能性があるとされています。また、キチンを加工して得られるキトサンは、一部では食品添加物や健康素材としても用いられています。さらに、殻や尻尾にはカルシウムやマグネシウムといったミネラル成分が比較的多く含まれています。筆者は家庭料理の中で、海老の殻を乾煎りしてから粉末にし、ふりかけや味噌汁の具として使う提案をすることがあります。捨てられがちな部位に目を向けることで、栄養価の幅が大きく広がります。

また、尻尾の先端部分は硬いことから敬遠されがちですが、調理法によっては問題なく食べられます。例えば、唐揚げや天ぷらにすればサクッとした食感になり、丸ごと食べても違和感は少ないです。筆者が惣菜開発に関わっていた時期には、殻付き海老の唐揚げを商品化したことがありましたが、その際にはカルシウム量が増えるという栄養的な利点も加味して企画を進めていました。殻や尻尾は味にも深みを加え、さらに栄養の追加要素として活用できることが現場でも確認されています。

可食部と非可食部の栄養差をどう見るか

一般的に可食部とされるのは海老の筋肉部分、すなわち身の部分ですが、ここには高品質なたんぱく質やビタミンB群、カリウムなどが豊富に含まれています。100gあたりで見ても、可食部は高たんぱく・低脂質の代表格として知られており、筋肉の材料となる成分を多く含んでいます。一方、非可食部とされる殻や尻尾、頭部などは、食べにくさはあるものの、先述のようにキチンやカルシウム、マグネシウムといった異なる栄養素が中心です。つまり、部位ごとに役割が異なっているという見方が適切です。

特に海老の頭部には味噌と呼ばれる内臓部分があり、脂質やビタミンE、亜鉛などの栄養素が集まっています。筆者は和食のコース料理で、海老の頭を焼いて味噌ごと提供した経験がありますが、お客様からは濃厚な味わいとともに、「こういう部位にこそ栄養があるんですね」という声をよくいただきました。ただし、内臓部分はややコレステロールも高くなる傾向があるため、摂取量には注意が必要です。

また、殻や尻尾を使って出汁を取ることで、うま味成分と一緒にミネラル分を抽出することもできます。筆者は調理現場で、海老の殻をじっくり煮出して作ったスープをベースにすることで、栄養的にも味的にも豊かな一皿を提供してきました。こうした調理の工夫によって、可食部と非可食部の栄養をバランスよく取り入れることが可能になります。

加工や調理によって変わる栄養成分

海老は生の状態と加工された状態とでは、栄養成分が大きく変化することがあります。調理法や加工の過程で加えられる衣や調味料、加熱温度によって、摂取できるたんぱく質や脂質、ミネラルの量に差が生じます。筆者はこれまでに家庭向けの調理指導や外食メニューの栄養分析に携わってきた経験から、調理方法ごとの栄養的な特徴や注意点を実感してきました。ここでは、代表的な加工食品や加熱調理との比較を通じて、海老の栄養の変化について具体的に解説します。

海老天・海老カツ・海老焼売に見る栄養変化

海老天ぷらや海老カツ、海老焼売といった加工食品は、いずれも加熱と油、または練り物や衣が加わることにより、元の海老とは異なる栄養成分になります。まず海老天は、衣に小麦粉と卵を使い、油で揚げることでエネルギー量が大きく増加します。衣が油を吸うため、脂質の含有量が高くなり、100gあたりのカロリーは生の海老に比べておよそ1.5~2倍近くになることもあります。筆者が実際に献立の栄養設計に関わった際にも、天ぷらの油量の調整で栄養バランスに大きな影響が出ることを体験しました。

一方、海老カツは衣の量がさらに多く、つなぎにマヨネーズやパン粉、時にはポテトなどが加わるため、たんぱく質以外の栄養素が増え、脂質や炭水化物の量も高くなります。また、市販品や冷凍食品として流通している場合は、保存性を高めるための調味料や添加物が使われていることもあります。筆者が食品表示のチェックをした際にも、海老よりもつなぎや衣の割合が高く、海老そのものの栄養が希薄になっている例も見られました。

海老焼売は、海老と豚肉の合挽きに近い食材構成で、海老単体の特徴がやや薄まります。ただし蒸し料理であるため油分の追加は少なく、調理法による栄養変化は控えめです。むしろ、加熱により海老のたんぱく質が凝縮され、ビタミンB群などの水溶性成分が蒸気中に流出しない点が評価されます。調理による栄養損失を抑えつつ、他の食材とのバランスを取りやすいメニューといえるでしょう。

刺身や茹でた海老との成分比較

刺身として生で食べる海老と、茹でた海老とでは、栄養面にも微細な違いがあります。生の海老は水分が多く、たんぱく質やミネラルもそのまま保たれていますが、加熱処理を行うことで水分が蒸発し、相対的にたんぱく質濃度が高くなる傾向があります。筆者は調理現場で何度も生と加熱後の栄養比較を行いましたが、茹でた海老の方がたんぱく質の数値はやや高く出るものの、ビタミンB1やB12の一部が湯に溶け出すという欠点も確認されています。

また、刺身の場合は醤油やわさびなどの調味料と一緒に食べるため、塩分の摂取量にも注意が必要です。茹でた海老は調味の幅が広く、サラダやスープなどに使うことで、全体の栄養バランスを整えやすくなります。筆者が家庭向けの料理講座を開催した際には、茹で海老の利用が最も汎用性が高く、栄養を保ちやすいという点で好評でした。調理法を工夫することで、海老の栄養を損なわずに美味しく食べることができるのです。

海老を食べ過ぎるとどうなる?適量と食べ方のポイント

海老は栄養豊富でヘルシーなイメージがありますが、どんなに優れた食材でも過剰摂取は避けるべきです。とくに、健康志向の高まりにより、魚介類を中心に献立を組む方も増えてきましたが、実際のところ「海老ばかり」を食べ続けることで栄養バランスが偏る可能性があります。筆者自身も栄養指導を行う中で、ある特定の食材に頼りすぎるリスクについて相談されることがあり、海老に関しても適量の意識が大切だと感じています。

食べ過ぎによる懸念とその背景

海老は高たんぱく・低脂質な食材として評価されていますが、100gあたりコレステロール値が比較的高めです。これは必ずしも悪いことではなく、近年では食事由来のコレステロールが血中に与える影響は個人差が大きいとされています。ただし、もともとコレステロールを制限する必要がある方や、脂質代謝に不安のある方が長期間にわたって多量に摂取することは、専門家の指導を仰いだ方が安心です。筆者が過去に対応したケースでも、海老を好んで頻繁に摂取していた高齢者の方が、医師と連携しながら摂取量の調整を行っていた例がありました。

また、加工された海老食品を中心に摂取していると、塩分や脂質の摂りすぎにつながることもあります。海老天や海老カツは味が濃く、油分も多く含まれるため、「海老=ヘルシー」と信じて食べ過ぎてしまうと、思わぬ落とし穴になりかねません。調理法の選び方や他の食材との組み合わせを意識することが、海老を健康的に楽しむための鍵となります。

おいしく健康的に食べるための工夫

海老の栄養価を生かしながら過剰摂取を避けるためには、量と調理法のバランスを意識することが重要です。たとえば、一度に大量に食べるよりも、週に数回程度の頻度で、他のたんぱく源と組み合わせて取り入れるのが望ましいとされています。また、茹で海老や蒸し海老など、油を使わずに調理する方法を選べば、脂質の摂取を抑えつつたんぱく質をしっかり補給できます。

筆者はこれまでの経験を通じて、海老は主菜の主役としてだけでなく、副菜や汁物にも活用できることを実感してきました。たとえば、わかめや豆腐と合わせた海老入り味噌汁、またはキャベツや春雨と炒め合わせた簡単な中華風おかずなどは、海老の量が控えめでも満足感があり、バランスの良い一品になります。大切なのは、「海老だけ」ではなく、「海老も」という位置づけでメニューに取り入れる工夫です。

筆者の体験談|栄養を意識した海老料理との付き合い方

ここでは、筆者自身が日々の食事や業務の中でどのように海老と向き合ってきたかを紹介します。海老はクセがなく、冷凍品の使い勝手も良いため、家庭でも現場でも重宝してきました。管理栄養士としてさまざまな食生活の相談を受ける中で、海老を活用した栄養バランスの取り方には多くの工夫と発見がありました。

管理栄養士として海老を取り入れてきた実例

筆者が勤務していた施設では、高齢者向けの献立に頻繁に海老を使用していました。たとえば、刻み食が必要な方には、海老のすり身を使った蒸し団子や、炒り豆腐に細かく刻んだ海老を加えることで、たんぱく質の補給と見た目の彩りを両立させる工夫を行っていました。また、イベント食として提供する際には、彩りの良い桜海老の炊き込みご飯や、芝海老を使った和風パスタなども好評でした。

さらに、家庭での栄養指導においては、冷凍むき海老を活用した手軽な一品を提案することも多くありました。特に、育ち盛りの子どもがいる家庭では、エビチリやエビマヨを健康的にアレンジする工夫が求められました。筆者は、マヨネーズの量を抑えてヨーグルトを加える方法や、チリソースを手作りして塩分を調整する提案を行い、「同じ料理でも健康的に楽しめる」ことを伝えてきました。

家庭でよく作るおすすめの海老料理

筆者の家庭でも、海老は定番食材の一つです。中でもよく作るのが「海老とブロッコリーの塩炒め」。下茹でした海老とブロッコリーを、にんにくとごま油でさっと炒め、塩とこしょうで味を調えるだけのシンプルな一皿ですが、彩りもよく、子どもにも人気です。ほかにも、「海老とれんこんのはさみ焼き」や「海老入り卵焼き」など、日々の食卓に変化を持たせつつ、無理なく栄養を取り入れる工夫をしています。

これらの経験を通じて感じるのは、海老は多様な料理に応用できる食材であるということです。特別な日だけでなく、日常の献立にも無理なく取り入れられる点が魅力です。健康的に海老を楽しむためには、量だけでなく調理法や組み合わせを見直すことが、栄養面でも満足度の高い食事につながります。

この記事を書いたライター

木村さくら

自称「健康オタクで美容オタク」。最近自家栽培にハマってます。