に関する記事

『うなぎの栄養成分を徹底解説!ビタミンA・DHA・EPAの働きと蒲焼・肝の注意点』

うなぎの脂質やたんぱく質を中心に、ビタミンやミネラルの豊富さを解説。蒲焼と生うなぎの栄養差や肝の栄養価、栄養バランスを整える食べ方も詳しく紹介しています。

マーミーTOP  >  ライフスタイル  >  うなぎの栄養成分を徹底解説!ビタミンA・DHA・EPAの働きと蒲焼・肝の注意点

うなぎの栄養成分を徹底解説!ビタミンA・DHA・EPAの働きと注意点

うなぎは、古くから日本で親しまれてきた高級食材であり、その独特の旨みだけでなく、非常に高い栄養価を持つことでも知られています。特にビタミンA、DHA・EPAといった良質な脂質、そしてタンパク質が豊富に含まれており、日々の食事からこれらの栄養素を効率よく補給できる優れた食品です。この記事では、うなぎに含まれる主要な栄養成分の働きや、調理法による栄養の変化、そしてうなぎの肝を食べる際の注意点について、科学的な知見に基づき詳しく解説します。

※記事中の栄養成分の数値は、文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」(うなぎ、かば焼き、可食部100gあたり)を参考にしています。

うなぎに含まれる主要な栄養素の働き

うなぎは、高エネルギーでありながら、栄養バランスに優れた食品です。100gあたりのカロリーや、豊富に含まれるタンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルの特徴を見ていきましょう。

100gあたりのカロリーと三大栄養素のバランス

うなぎの蒲焼(100gあたり)は約227kcalを含み、比較的高エネルギーな食材です。このカロリーは主に脂質とタンパク質から供給されています。うなぎ100gあたりのタンパク質は約23.0g、脂質は約14.5gで、エネルギー補給に非常に効率的です。また、うなぎの身自体に含まれる糖質は少なく、タレを使用しない白焼きであれば、糖質摂取を抑えたい方にも適しています。ただし、蒲焼のタレには砂糖やみりんが含まれるため、糖質量が増加することに留意が必要です。

良質なタンパク質と必須アミノ酸

うなぎには100gあたり約23.0gものタンパク質が含まれており、これは魚介類の中でもトップクラスの含有量です。タンパク質は筋肉、皮膚、臓器などの体の組織をつくるもととなる重要な栄養素であり、うなぎに含まれるタンパク質は必須アミノ酸をバランスよく含んでいます。また、うなぎのタンパク質は消化吸収が良いという特徴も持っているため、効率よく体に取り込むことが可能です。

注目すべき脂質:DHA・EPAなどのオメガ-3脂肪酸

うなぎの脂質(約14.5g/100g)は、その多くが不飽和脂肪酸で構成されており、特にDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)などのオメガ-3脂肪酸が豊富に含まれています。オメガ-3脂肪酸は、体内で合成できない必須脂肪酸であり、食事から摂取する必要があります。これらの脂肪酸は、細胞膜の構成成分として重要であり、体内の正常な機能をサポートする役割を担っています。

ビタミンAの圧倒的な含有量と役割

うなぎが「ビタミンの宝庫」と呼ばれる所以は、そのビタミンAの含有量にあります。うなぎの蒲焼100gあたりには、約1,500μgものビタミンA(レチノール活性当量)が含まれています。これは、成人の1日の推奨摂取量を大きく上回る量です。ビタミンAは、視力(特に暗所での視覚)の維持や、皮膚・粘膜の健康を保つために欠かせない脂溶性ビタミンです。また、ビタミンA以外にも、エネルギー代謝をサポートするビタミンB群(B1、B2、B12など)や、カルシウムの吸収を助けるビタミンDも豊富に含まれています。

蒲焼・白焼き・肝など調理法や部位による栄養の違い

うなぎは、調理法や部位によって栄養成分やカロリーが異なります。特に蒲焼のタレに含まれる成分や、肝に含まれる栄養素には注意が必要です。

蒲焼のタレが栄養とカロリーに与える影響

うなぎの蒲焼は、甘辛いたれを使って調理されるため、生うなぎや白焼きと比べて、糖質と塩分が多くなります。タレには砂糖やみりんが使われているため、カロリーも若干増加します。白焼き(タレなし)は、うなぎ本来の栄養価をそのまま摂取できる調理法であり、糖質や塩分を控えたい方におすすめです。蒲焼を食べる際は、ご飯にかけて食べるタレの量を調整するなど、糖質や塩分の摂り過ぎに注意することが大切です。

うなぎの肝の栄養価と過剰摂取の注意点

うなぎの肝は、身の部分よりもさらに栄養が凝縮されています。特に、ビタミンA、鉄分、亜鉛などのミネラルが非常に豊富です。例えば、うなぎの肝には身よりもはるかに多いビタミンAが含まれています。

しかし、ビタミンAは脂溶性ビタミンであるため、体内に蓄積されやすく、過剰摂取には注意が必要です。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」では、ビタミンAの耐容上限量が設定されています。特に頻繁に肝を摂取する場合や、他の食品でビタミンAを多く摂っている場合は、過剰摂取とならないよう、摂取量に留意することが重要です。

うなぎの栄養で不足しがちな成分と補い方

うなぎは豊富な栄養素を含んでいますが、すべての栄養素を完璧に満たしているわけではありません。日々の栄養バランスを整えるためには、うなぎに不足している栄養素を他の食材で補うことが重要です。

うなぎだけでは足りない栄養素とは?

うなぎには、食物繊維とビタミンCがほとんど含まれていません。食物繊維は腸内環境を整えるために、ビタミンCは水溶性ビタミンとして体の重要な機能をサポートするために不可欠な栄養素です。また、カルシウムも十分とは言えないため、これらの栄養素はうなぎを食べる際に意識して他の食品から補う必要があります。

他の食材との組み合わせで栄養バランスを整える

うなぎの栄養を最大限に活かすには、不足しがちなビタミンCが豊富な野菜や、食物繊維を含む海藻、根菜類と組み合わせることがおすすめです。具体的な例としては、以下のような組み合わせが挙げられます。

  • うざく(うなぎときゅうりの酢の物):きゅうり(微量ながらビタミンCを含む)や酢と組み合わせることで、さっぱりと食べられ、食欲増進にもつながります。
  • 肝吸い:海藻(わかめなど)を加えることで、不足しがちな食物繊維やミネラルを補えます。
  • 付け合わせ:うな重や蒲焼に、ネギ、大根おろし、または旬の野菜の和え物を添えることで、食物繊維やビタミンCを補完できます。

こうした組み合わせは、うなぎの脂質の吸収を助け、食事全体の栄養バランスを整える一助となります。

うなぎとうなぎを使った料理の栄養成分比較

うなぎそのものと、うなぎを使った代表的な料理の栄養成分(カロリー)を、カロリーSlismのデータを基に表にまとめます。調理方法や使用する調味料によって栄養バランスが変わるため、それぞれの特徴を理解して食事に役立ててください。

                                                                                                                                                                                                                                                                                                       
料理名内容量可食部(g)エネルギー(kcal)
うなぎの栄養1尾300gの可食部225513
うなぎの白焼きの栄養1切れ(150g)150450
うなぎの蒲焼きの栄養1切れ(150g)150428
うなぎの卵焼きの栄養卵2個分(199g)199492
ヤツメウナギの栄養1尾300gの可食部135331
うざくの栄養小皿一皿(113.4g)113.4129
うな重の栄養一人前(433g)433879
うまきの栄養卵1個分(93.5g)93.5194

うなぎを美味しく、健康的に楽しむためのヒント

うなぎは栄養価が高く、食欲が落ちやすい時期にも食べやすい優れた食材ですが、高カロリー、高脂質、そして蒲焼の場合は高糖質・高塩分になりがちです。ここでは、うなぎを健康的に楽しむためのポイントをご紹介します。

食べ過ぎに注意し適量を守る

うなぎの蒲焼は、白焼きと比較してカロリー、脂質、そしてタレによる糖質が高くなります。特にうな重やひつまぶしとして食べる場合は、ご飯の量とタレの量を合わせると、一食あたりのエネルギーが非常に高くなるため、適量を意識することが大切です。頻繁に食べる場合や一度に大量に食べる場合は、他の食事とのバランスを考慮し、食べ過ぎには十分注意しましょう。

調理法を工夫して栄養バランスを整える

タレを控えたい場合は、タレを使わない白焼きを選び、塩やわさび醤油などで食べるのがおすすめです。また、ご飯の量を控えめにしたり、うなぎの身を細かく刻んで野菜と和える「うざく」のように、野菜の摂取量を増やす工夫をすることも栄養バランスを整えるのに役立ちます。良質なタンパク質やDHA・EPAを効率よく摂るために、調理法を工夫して日々の食生活に取り入れてください。

この記事を書いたライター

木村さくら

自称「健康オタクで美容オタク」。最近自家栽培にハマってます。