子供を薄着にするメリットに関する記事

『子供は薄着でOK!着せすぎママが覚えたい体温調節のコツ』

子供を薄着で活動させるメリットとは?子供の体温は大人より高く、私たち大人が感じるよりも子供は「寒くない」んですよ!薄着には体温調節機能を向上させる効果も期待できます。つい厚着にさせがちなママへ、子供を薄着にさせるコツをご紹介します。

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子供は薄着にさせるべき?薄着がおすすめされる理由と目安

「子どもには薄着が良い」とよく言われますが、「薄着」がどの程度のものなのか、目安がわからず悩むこともあるのではないでしょうか。特に赤ちゃんや2~3歳の幼児は「暑い・寒い」を上手に表現できないため、薄着にしすぎて風邪をひいてしまうのではないかと心配になるかもしれません。

ここでは、薄着が推奨される理由や具体的なメリット、そして薄着の目安などをご紹介します。ぜひ、お子さんの健康的な成長にお役立てください。

薄着がおすすめされる2つの理由

薄着がおすすめされる主な理由を2つご紹介します。薄着を心がけることは、病気になりにくい丈夫な体づくりにつながります。

1.体温調節機能を育てられる

人間の体には、外部の環境が変化しても体温を一定に保とうとする機能が備わっています。これを「恒常性(ホメオスタシス)」と呼び、主に自律神経ホルモン系が連携して調節しています。

体温調節の司令塔である脳の視床下部は、暑さを感じると自律神経を通じて汗腺に命令を出し、発汗を促して熱を逃がします。寒さを感じると熱の放散を防ぐために血管を収縮させたり、筋肉を震わせて熱を作り出したりします。

薄着で過ごすことは、この体温調節のサイクルを活発にすることにつながります。特に汗をかいて体温を調節する温熱性発汗機能や自律神経の働きを鍛えることになり、結果的に暑さ・寒さに迅速に適応できる能力が発達していくのです。

2.動きやすいので運動量が増える

大人でも厚手の服や重ね着をしていると、体を動かしにくいと感じますよね。それは子どもも同じです。寒さを心配して厚着をさせてしまうと、子どもの活動を制限してしまいかねません。

薄着にしておくことで、子どもは十分に体を動かすことができるようになります。筋肉は伸縮することで熱を発生させますので、動くことで体も結果的に温まります。これにより、運動量が増え、筋肉や骨の成長が促され、体力もついてきます。こうした良いサイクルを作ることが、子どもの健やかな成長には大切です。

風邪をひくのでは?とつい厚着にしてしまうママに知っておいてほしいこと

「子どもは薄着が良い」と理解できても、やはり心配になるのが親心です。特に冬になると、ついつい着せすぎてしまうかもしれません。

体温が下がった状態では、免疫機能の働きが低下し、感染症にかかりやすくなる傾向があるのも事実です。そのため、冬も薄着を続けるべきなのか悩む方もいるでしょう。ここでは、子どもの体の特徴や薄着のコツについてお伝えします。

子供の体温は大人より高い

乳幼児の体温は、大人に比べると0.5度~約1度ほど高くなっています。子どもの体温が高いのは、成人に比べて代謝が活発であることに加え、体表面積が体重に比して大きいため、皮膚からの放熱量が多いことが関係しています。

大人が感じているほど、子どもは寒くはないものです。厚着をさせてしまうと、皮膚からの放熱が上手くいかず、体に必要以上に熱がこもり、かえって体温調節がうまくできなくなってしまうことも考えられます。

子供は運動量も多い

子どもは体を動かすことが大好きで、活動量が非常に多いです。寒い日でも外で遊ぶのが楽しく、常に動き回っているため、体温が上昇しやすく、しっかり熱を作り出せています。先ほど述べた通り、筋肉を動かすこと自体が熱を生み出すため、活動的な子どもは自ら体を温めていると考えて良いでしょう。

薄着への移行は少しずつ慣らせばOK

薄着が良いとわかっていても、今まで厚着をさせていた場合、いきなり薄着にさせるのは避けましょう。子どもの体温調節機能はまだ未熟ですから、急な環境変化には適応しきれない可能性があります。

厚着から薄着への移行は、時間をかけて少しずつ行いましょう。特に秋から冬へ変わる季節は、お子さんの様子を見ながら無理のない範囲で慣らしてください。徐々に薄着にすることで、体温調節機能や自律神経も発達していきます。

脱がせればOKじゃない!正しい薄着のポイント

子どもの発達にとって薄着が望ましいことはご理解いただけたことでしょう。では、具体的にどの程度の服装が「薄着」の目安となるのでしょうか。

大切なのは3つの首の保温

人間の体温調節で重要とされているのが「3つの首」です。これは首・手首・足首のことをいいます。これらの部分の皮膚は特に薄く、太い血管が皮膚の近くを通っているため、ここを冷やさないことで、体の隅々まで温かい血液を循環させることができます。

薄着を心がける際は、服自体は動きを妨げないものを選びつつ、以下のアイテムを利用して3つの首を冷やさないように工夫してみましょう。これは子どもだけでなく、冷えに悩む大人にも有効な方法です。

《3つの首を寒さから守るアイテム例》

首:マフラー、タートルネック、ネックウォーマーなど
手首:袖口がリブ編みになっている服、手袋、リストバンドなど
足首:長めの靴下、レッグウォーマー、ハイカットの靴など

重ね着は子供自身が脱ぎ着しやすいものを選択

屋外での活発な遊びや、室内での静かな遊びなど、子どもの活動は非常に多彩です。室内外での温度差にも上手に対応するために、重ね着を工夫してみましょう。特に冬場は汗をそのままにしておくと体が冷えてしまうため、体を動かして体温が上昇したら、すぐに衣服で調節してあげることが大切です。

体温調整がしやすい服装の基本形としては、薄手のシャツの上にパーカーやカーディガンなどの羽織り物を重ねることです。上着の着脱で細かく温度差に対応できるようにしてあげてください。

子どもの発達状況にあわせて、自身で脱ぎ着がしやすいデザインを選ぶことが最も重要です。これは着替えの練習にもなり、生活習慣を身に着けていくことにもつながります。

体温はお腹や背中で確かめる

子どもの体温を確かめる目安として、発汗状態や指先の温かさ、顔色などがありますが、体が冷えているかの確認に重要なのは体幹(胴体部分)の温度です。

体幹には多くの臓器があり、血流や活動も活発です。胴体の表面が温かければ、手足などの末梢が少しくらい冷たくても心配いりません。体温は適切に保たれていると言えます。

ですが、お腹や背中を触って冷たいと感じた場合は、体の内側から冷えていることを意味しています。内臓の冷えは体の様々な機能の働きを阻害してしまうため、健康上好ましくありません。その際は上着を着せたり、室温を調整したり、温かいものを飲ませたりして保温してあげてください。

発熱時の服装の切り替えの目安

薄着が子どもの発達上望ましいとはいえ、それは体が健康状態にある場合に限った話です。風邪などで発熱している際は、無理に薄着をさせる必要はありません。まずは子どもの現状を第一優先にしてあげてください。

風邪などで発熱している際に適した服装は、熱のどの段階にあるかで異なります。熱の出始めと、熱が上がりきった後で対応を変えましょう。

熱の出始め:寒がっている、手足などの末梢が冷たいとき

熱の出始めは、体温を上げるために寒さを感じることがほとんどです。お子様自身の訴えも聞きつつ、基本は保温に努めましょう。熱が上がりきると発汗が始まりますから、脱ぎ着が楽にできること、体を締め付けないことがポイントです。

熱が上がりきった後:汗をかいている、手足などの末梢まで温かいとき

熱が上がりきると発汗するようになります。この時点では、熱を外に逃がすために薄着にしましょう。掛物などもタオルケットや薄い毛布などで十分です。特に注意してほしい点は、汗をかいたらこまめに体を拭いたり着替えること。また、脱水を起こしやすいため、水分を少量ずつ頻繁に与えてください

薄着は子供の健康増進・成長発達に効果あり!

薄着のメリットやその目安などをご紹介してきました。子どものためと思って行っていた厚着は、実は成長を妨げる弊害もあるのですね。

服装には体を守ったり、体温調節をする効果もありますが、「この服を着るとうれしい」という子どもの情緒面での発達にも大きな影響があります。お子さんの意見を聞きながら、動きやすさや着心地、脱ぎ着のしやすさ、色やデザインなど、機能面と両立できる服を選んでください。

お気に入りの服があることは「自分で着る」という自立感にもつながります。決して無理強いすることなく、楽しく服装選びを行ってください。お子さんの意思を尊重しながら、焦らずゆっくり薄着に慣れさせていってあげてくださいね。

この記事を書いたライター

木下みずき

ウォーキング始めました!運動と食事で5kg減を目指すダイエッターです!