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『カツオの栄養は刺身と缶詰でどう違う?食品成分表で見る部位・加工別の特徴』

刺身や缶詰など様々な形で食べられるカツオは、部位や調理法によって栄養成分が異なります。高たんぱく質で低脂肪のため、筋肉づくりや健康的な体作りに最適です。さらにナイアシンやビタミンB群、鉄分や亜鉛などのミネラルも豊富で、疲労回復や免疫機能の維持に貢献します。加工品ごとの栄養特性を食品成分表を用いて詳細に紹介しています。

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カツオに含まれる主な栄養素

たんぱく質の豊富さとその特性

カツオは高たんぱく・低脂肪な魚として知られており、100gあたり約25g前後のたんぱく質を含んでいます(日本食品標準成分表2020年版〈八訂〉より、生の赤身)。これは鶏ささみなどの肉類にも匹敵するほどの量であり、日々のたんぱく質補給に非常に適した食材です。たんぱく質は筋肉や皮膚、内臓の構成要素であるため、健康維持や体力づくりに欠かせません。カツオのたんぱく質は消化吸収もしやすく、特に刺身の状態で食べると熱による変性が少なく、より効率的に摂取できます。筆者もトレーニング後の栄養補給として、カツオの刺身を頻繁に食べていますが、食感や味わいがよく、満足感も高いことから続けやすいのが魅力です。また、低脂肪であるため体重管理をしながらたんぱく質を増やしたい方にもおすすめです。

ビタミンB群とナイアシンの含有量

カツオはビタミンB群が豊富で、特にナイアシン(ビタミンB3)の含有量が高い点が特徴です。100gあたりのナイアシンは約20mgと、成人男性の推奨摂取量である15mgを上回るため、効率的に摂取できます。ナイアシンはエネルギー代謝を助ける働きがあり、疲労回復や肌の健康維持に役立つとされています。加えてビタミンB6やB12も含まれており、これらは赤血球の生成や神経の正常な働きに関わります。筆者は栄養学を学んだ際に、魚介類に含まれるビタミンB群は熱によって流出しやすいことを知り、生食や短時間の加熱調理を推奨されています。実際、カツオの刺身やたたきを食べることで、効率的にこれらのビタミンを補給できるため、健康維持のための食事に取り入れやすい食材といえます。

EPA・DHAといった魚由来の脂質成分

カツオは赤身魚の中では脂質が少ない魚に分類されますが、秋に脂がのる「戻りガツオ」ではEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)が豊富に含まれています。戻りガツオの100gあたりのEPAは約0.9g、DHAは約1.2gとされ、これらは心血管の健康維持や脳の機能サポートに関連する良質な脂質として知られています。脂肪酸は熱に弱いため、刺身やたたきなど生や軽く火を通す料理が適しており、加熱時間を短縮することで栄養素の損失を抑えられます。筆者自身も秋の戻りガツオを調理するときには脂の風味を重視し、刺身や炙りで楽しむことが多いです。魚の脂質成分としてのEPA・DHAは、食生活の中で意識的に摂取したい重要な栄養素の一つです。

ミネラル(鉄・亜鉛など)も見逃せないポイント

カツオはミネラル類も豊富で、特に鉄分と亜鉛が含まれています。鉄分は100gあたり約1.9mgで、ヘム鉄の形態で存在するため吸収率が高いのが特徴です。ヘム鉄は植物由来の非ヘム鉄と比べて体内への取り込み効率が良いです。亜鉛も約0.8mg含まれており、免疫機能や味覚の正常化、細胞の修復に関与する重要なミネラルです。筆者の経験では、日常的に動物性食品から鉄や亜鉛を摂取することが不足しやすいため、カツオを取り入れることで栄養バランスが整いやすくなりました。また、魚のミネラルは調理法によっては流失しにくいため、刺身や缶詰でも手軽に摂取可能です。こうした点から、ミネラル補給の観点でもカツオは優れた食材と言えます。

カツオとカツオを使った料理の栄養

カツオは刺身やたたき、なまり節や缶詰など、さまざまな形態で食卓に登場します。それぞれの調理方法や加工形態によって栄養成分は微妙に異なります。以下の表では、代表的なカツオ料理の100gあたりの主要な栄養素をまとめています。栄養バランスを理解し、目的に合わせて選ぶ参考にしてください。

料理名 重量 エネルギー
かつお節の栄養 1本 300g 996kcal
かつおフレークの栄養 1缶 150g 209kcal
かつおだしの栄養 1カップ 200g 4kcal
かつお昆布だしの栄養 1カップ 200g 4kcal
かつおのたたきの栄養 1人前6切れ程度 106g 111kcal
かつおの刺身の栄養 3切れ程度 60g 90kcal
かつお節卵かけご飯の栄養 1膳 229.5g 342kcal
かつおの角煮の栄養 1人前 167g 202kcal
赤玉ねぎのかつお節サラダの栄養 中皿1 113.2g 162kcal
かつお丼の栄養 丼1杯・1人前 373.5g 560kcal
おかかおにぎりの栄養 1個 116.5g 182kcal
カツオステーキの栄養 1人前 139.6g 201kcal
カツオハンバーグの栄養 1人前 177.2g 323kcal
豆苗のおひたしの栄養 1皿 128g 31kcal
あさつきのおひたしの栄養 1皿 128g 35kcal
キャベツのおひたしの栄養 1皿 128g 28kcal
きゅうりのおひたしの栄養 1皿 128g 22kcal
いんげんのおかか和えの栄養 中皿1皿 84.9g 25kcal
きゅうりのおかか和えの栄養 小皿1皿 55.25g 16kcal
初鰹の栄養 切り身 200g 216kcal
戻り鰹の栄養 切り身 200g 300kcal
ソウダガツオの栄養 切り身 200g 252kcal
削り節の栄養 小1袋 3g 10kcal
マナガツオの栄養 1尾500gの可食部 300g 483kcal

調理法や加工形態による栄養価の違い

生のカツオ(刺身)の栄養成分

生のカツオ、特に刺身として食べる場合は、熱を加えないためにビタミン類や魚油成分の損失が最小限に抑えられます。ビタミンB群やナイアシン、EPA・DHAなどの不飽和脂肪酸が豊富に残っているため、栄養価の面で非常に優れています。たんぱく質も熱変性がないため、消化吸収が良く、魚本来の風味や食感を楽しみながら効率よく栄養補給が可能です。刺身で食べることにより、ミネラルも逃げにくく、カツオの栄養素をまるごと摂取しやすいのが大きなメリットです。

かつおのたたきに含まれる栄養とその特徴

かつおのたたきは表面を軽く炙る調理法であり、中心部は生の状態を保っています。このため刺身に近い栄養素を多く含みつつ、炙ることで香ばしさや風味が加わります。炙りにより若干のビタミンB群の損失はありますが、熱が短時間で表面だけにとどまるため、EPA・DHAなどの脂質成分も比較的よく保持されます。たたきは味や食感のアクセントが加わるため、食欲を刺激しやすく、栄養摂取を続けやすい調理法として人気があります。脂ののった戻りガツオのたたきは特に栄養価が高いです。

なまり節・水煮・フレークなど加工品との比較

なまり節や水煮、フレーク状の加工品は保存性が高く調理も簡便ですが、加工の過程で熱処理や水分除去が行われるため、一部の水溶性ビタミンや脂質成分が減少します。たんぱく質やミネラルは比較的安定して残りますが、EPA・DHAの含有量は刺身やたたきに比べると低くなる傾向があります。加えて、加工過程で塩分が添加される場合もあり、塩分摂取に注意が必要です。とはいえ、忙しい時の栄養補給や長期保存に適した食品として便利に利用できます。

缶詰のかつおとまぐろの栄養の違い

かつおの缶詰とまぐろの缶詰は、どちらもたんぱく質が豊富でミネラルも含まれていますが、脂質の含有量には違いがあります。かつおの缶詰は比較的脂肪が少なくあっさりしているのに対し、まぐろの缶詰は種類によっては脂肪分がやや高めで、EPA・DHAも多く含む傾向があります。缶詰加工により一部の熱に弱い栄養素は減りますが、鉄や亜鉛などのミネラルはほぼそのまま残ります。また、保存期間が長いので非常食やストック食品として重宝されます。料理の用途や好みに応じて使い分けると良いでしょう。

他の魚介類との栄養比較

マグロとのたんぱく質・脂質バランスの違い

カツオとマグロはともに高たんぱくで低脂肪な魚として知られていますが、その脂質の質と量には違いがあります。カツオは比較的脂肪分が少なく、あっさりとした味わいが特徴です。一方、マグロは種類によって脂肪の含有量にばらつきがあり、特にトロと呼ばれる部分は脂質が多く、カツオよりもリッチな味わいがあります。たんぱく質の含有量はほぼ同等ですが、脂質が少ないカツオはヘルシー志向の方に人気があります。どちらも良質なたんぱく質源として筋肉の維持や体の修復に役立ちます。

サバやイワシと比較したEPA・DHAの量

サバやイワシは脂質が豊富な青魚であり、EPAやDHAといったオメガ3脂肪酸が多く含まれていることで知られています。カツオもこれらの脂質を含んでいますが、脂質の総量はサバやイワシに比べるとやや少なめです。ただし、カツオのEPA・DHAは良質で吸収されやすい形態で含まれているため、健康維持に寄与する効果は十分に期待できます。脂質を多く摂りたい場合はサバやイワシが適していますが、脂質を控えめにしつつ魚由来の必須脂肪酸を取り入れたい方にはカツオが適していると言えます。

カツオを日常的に取り入れるためのヒント

栄養を活かす調理の工夫と食べ方

カツオの豊富なたんぱく質やEPA・DHAなどの栄養素を最大限に活かすためには、調理方法にも工夫が必要です。刺身やたたきのように生で食べると、熱による栄養素の損失が少なく、ビタミンやミネラルもそのまま摂取できます。一方、加熱調理では過剰な加熱を避けることで、タンパク質の質を保ちながら脂質の酸化を防ぐことができます。また、カツオは脂肪が少ないため、加熱しても硬くなりにくく、さまざまな調理法に適しています。さっぱりとした味わいを活かすために、薬味や柑橘類を合わせるのもおすすめです。

旬の時期と味・栄養の関係性

カツオは春から初夏にかけての「春がつお」と秋の「戻りがつお」が代表的な旬の時期です。春がつおは脂肪が少なくさっぱりした味わいで、たんぱく質の割合が高いのが特徴です。秋の戻りがつおは脂がのっており、EPAやDHAといった脂質成分が増加します。旬の時期によって栄養価や味わいが異なるため、好みや目的に合わせて選ぶと良いでしょう。どちらの時期も新鮮なものを選ぶことで、栄養を効率的に摂取できます。

シンプルな献立例と食べ合わせのコツ

カツオを日常的に取り入れるには、簡単な献立に加えることがポイントです。例えば、刺身に大根おろしとポン酢を添えたり、たたきをサラダ仕立てにするだけで手軽に栄養バランスの良い一品が完成します。また、ビタミンCを多く含む野菜や果物と一緒に食べると、鉄分の吸収が促進されるためおすすめです。味付けはシンプルにして、カツオ本来の旨味を楽しむことで、毎日の食卓に取り入れやすくなります。

この記事を書いたライター

木村さくら

自称「健康オタクで美容オタク」。最近自家栽培にハマってます。