クーファンはいつまで使える?新生児期に便利な活用法と安全な選び方
クーファンのような昔から長く使用されている育児用品には、広く愛される理由があります。
ただしクーファンが具体的にどんな点が優れているのか、あるいは上手な準備の仕方や活用法などを知らずに購入してしまうと、「あまり使わなかった」「損した」と思う方もいます。
出産準備品は他にも沢山あります。プレゼントにも人気のクーファンですが、そもそもご家庭に必要か否かをしっかり検討してから購入するなどし、無駄遣いを防ぎましょう。
クーファンとは?
クーファンとは、赤ちゃんを寝かせておくための持ち手がついたかご状の寝具のことです。フランス語でバスケットやかごの意味である「couffin」が語源となっており、「クーハン」と呼ばれることもあります。
クーファンは、ベビーシートやバウンサー、ベビーラックが登場するよりずっと前からある、赤ちゃんを寝かせられるベビー用品です。車に装着するベビーシートのようなキャリー機能や、ゆりかごのように揺れるロッキング機能は基本的にありません。
折り畳みができるクーファンもあり、ベビーベッドを用意できない場所での一時的なお昼寝スペースとして大変重宝します。
クーファンはいつからいつまで使える?
一般的なカゴ製のクーファンや変形できないクーファンを使える期間は、生まれてすぐの新生児の時期から、寝返りが始まる生後3〜4ヶ月頃までとされています。
赤ちゃんが寝返りをするようになると、うつ伏せになって窒息する可能性が高くなるほか、クーファンから転落する恐れがあるため、寝返りを始めるまでがクーファンの使用期限の目安とされています。
ただし最近では布製で多機能なお昼寝布団などに変形でき、お昼寝が不要になる3歳頃まで長く使えるクーファンも登場しています。こうしたタイプのクーファンであれば、プレイマットやお昼寝布団としても活用できますので、長く使いたい方にはおすすめです。
退院後、必要性を感じて準備する家庭も
多くの出産準備品のリストには「ベビーベッド」が記載されていますが、家庭によって必要性が異なるクーファンについては記載されていないことが多く、産後の生活を想像できずに準備しない人が多いです。
そのまま何の不自由も感じずに生活できればよいのですが、実際は育児の現実に直面したことでクーファンの必要性を肌で感じ、退院後に慌てて準備するご家庭も少なくありません。
産後の余裕のない生活の中で準備するのは大変です。ぜひ産後慌てないためにも、出産前にクーファンの種類や活用方法を確認してから、準備するか否かを検討しましょう。
クーファンの種類
クーファンには、ベビーラックのように高くできる足つきのものや、背負えるものなど色々な種類があり、クーファンを乗せる足代(スタンド)も販売されていますが、現在主流のクーファンは大きく分類すると次の2種類があります。
1バスケット(かご)タイプ
籐(ラタン)などで作られた大きめのかごは、昔からあるクーファンの定番です。布製に比べてインテリアにマッチしやすく、おしゃれ感を演出できます。そのため使い勝手の幅が広い布製でなく、あえてバスケットタイプのクーファンを選ぶママもいます。
バスケットタイプの場合、「ヨーラン」と呼ばれるゆりかごになる足代とセットになっているクーファンもあります。
ヨーランは造りがしっかりしていますが、その分本体が重くなる傾向がありますので、リビングなど日中のお昼寝場所になるセカンドベッドとして使うのがおすすめです。
2バッグタイプ
バッグタイプのクーファンは、布製で折りたたむとバッグ状になるので持ち運びしやすく、里帰り出産や旅行に便利です。昔ながらのレトロなかごのクーファンと違って、デザインも今風の物が多いのが特徴です。
組み替えることにより、プレイマットやおむつ替えシート、お昼寝布団として使える物もあります。
クーファンは手作りできる?
「赤ちゃんのためにクーファンを手作りしてあげたい」というママもいますが、クーファンは安全性が重要になるベビー用品です。手作りする際は、転落事故などが起こらないよう、構造や材料の安全性を十分確認し、細心の注意を払って使用しましょう。
育児にクーファンは必要?便利な5つの活用法
クーファンが必要かどうかはご家庭の事情や生活スタイルによって異なります。まずはメリットや便利な活用法を知り、普段の生活の中でどのように活用するのかを検討したうえで購入しましょう。
里帰り出産や外出先のベッド代わり
里帰り出産の場合、新生児をママと添い寝させたり、お昼寝布団に寝かせたりすることが多いです。しかし、添い寝やお昼寝布団では、ハウスダストやママの寝返りで潰してしまわないか心配になり、実母や姑ともめてしまうこともあります。
また、生後2~3ヶ月で旅行に行く際、ホテルに宿泊しても和室の場合はベビーベッドを用意してもらえないことがあります。そんな時にクーファンがあれば安心です。
布製の折り畳み式も種類豊富に販売されていますので、自宅での使用だけでなく、帰省や外食時の短時間のお昼寝スペース代わりに持って行くというご家庭もあります。
ママと一緒に家の中を移動できる
産後1ヶ月ほどすると、ママは赤ちゃんの育児と家事に追われる生活が始まります。生まれたばかりの赤ちゃんが息をしているか心配で、目が離せないと感じるママは少なくありません。その反面、赤ちゃんが寝ている時以外は家事をしにくいという現実もあります。
そこで便利なのがクーファンです。リビングなどベビーベッドがある部屋以外に置いておけば、ママの目が届く場所で赤ちゃんを寝かせて家事ができます。
またお昼寝布団と違って、上の子がうっかり踏んでしまう事故を防ぐこともできるので安心です。
【重要】赤ちゃんを寝かせたまま移動しないでください
クーファンは持ち手が付いていますが、赤ちゃんを寝かせたまま持ち手を持って移動することは転落事故の原因となり大変危険です。必ずクーファン本体を先に移動させてから、赤ちゃんを寝かせるようにしましょう。一時的に赤ちゃんを寝かせておくための仮ベッドとして使用してください。
一人でお風呂に入れる際の一時置き場
クーファンは洗面所や脱衣所のような狭いスペースにも置くことができるため、生後1ヶ月のお風呂デビュー以降、ママが一人で赤ちゃんをお風呂に入れる際、お風呂上がりにママの体を拭く時の一時置き場におすすめです。
脱衣所を暖めておくのが困難な場合も、あらかじめクーファンにタオルを敷いてお風呂上りの赤ちゃんをそのまま入れ、タオルで包んでママが急いで着替えてから、すぐに暖かいお部屋へ移動させることも容易にできます。
パジャマ入れやオムツ入れ
首が座って寝返りをするようになってからは、クーファンをパジャマ入れやオムツ入れにして、そのままベッドルームで使用するご家庭もあります。
オムツ入れは一時的に必要なものですので、わざわざ準備せずにクーファンで代用すれば、インテリア的にもおしゃれです。
赤ちゃんのおもちゃやぬいぐるみ入れ
籐のクーファンであれば、ベビーラックと違って赤ちゃんを寝かせる以外の用途に使っても何の違和感もありません。赤ちゃんが大きくなってクーファンとして使用しなくなったら、赤ちゃんのおもちゃやぬいぐるみなどを入れることもできます。
見た目がおしゃれなので、ナチュラルテイストのカントリー調のインテリアとしてもおすすめです。
クーファンのレンタルや中古はお得?
クーファンは必ずしも安いと言えるベビー用品ではありません。使うご家庭では大活躍する代物ですが、不安の強い赤ちゃんの場合「クーファンに寝かせても泣いてばかりで、結局あまり使わなかった」というご家庭もあります。
そこでおすすめなのが、レンタルのクーファンやヨーラン、メルカリやフリマアプリなどの中古のクーファンです。生後3~4ヶ月だけの使用であれば、購入のおよそ1/2~1/5、あるいはそれ以下のお値段で準備することができます。
初めは汚れが気になるかもしれませんが、クリーニングに出してタオルを敷いて使えば、便利なので思っていたほど気にならなかったというママが意外と多いです。
おすすめの人気クーファン5選
クーファンを購入するときは、ご自身の生活環境を考えて、実際に手に取ってバランスや使用感を確認することが大切です。いろいろ試してみれば、ママのお気に入りのクーファンがきっと見つかるはずです!
たまごマットおくるみDX×クーファンかご
FICELLE
クーファンとおくるみがセットになった人気の商品です。クーファンとおくるみのサイズがピッタリ合っているので、赤ちゃんをしっかりと包むことができます。おくるみの安定した心地よさは、安心の眠りを誘い、途中で起きてしまう回数が減ると好評です。洗濯がしやすいところもうれしいポイントです。
オーガニックコンフォート バックdeクーファン
フジキ
デリケートな赤ちゃんでも安心のオーガニックコットン素材のクーファンです。折りたたむとバッグになり持ち運びにも便利な他、お昼寝マットとして、プレイマットとして、おむつ替えマットとしてなど、クーファン以外の使い方が4通りもあります!
お昼ね布団にもなるクーファン しまうま
フジキ
新生児からお昼寝が必要な幼稚園入園前の幼児期まで長く愛用できる布製クーファンです。こちらもバック型に折り畳みができ、組み替えることによりお昼寝マット、プレイマット、おむつ替えマット、お昼寝布団、添い寝マットと6通りに活用できます。
クーファン【選べる4柄】
KATOJI
定番のかごタイプのクーファンです。お部屋の雰囲気を壊さないモノトーン色が4種類あるので、お好みの柄を選べます。かご以外の布団など布部分は取り外して手洗いできるのでいつも清潔に保てます。
ヨーラン 籐(ラタン)ゆりかご/ロッキングベビー用
今枝ラタン
昔ながらの籐のクーファンです。夏は風通しがよいため涼しく、造りもしっかりしている高級品です。ゆりかごになる足代部分から外せるので、お風呂場などの狭い場所へ移動することもできます。
クーファンを使用する際の注意点
クーファンは持ち運びが便利な一方で、転落・落下事故が起こる可能性があるため、安全な使用が重要です。国民生活センターからも、過去にクーファンからの転落事故が多発しているという注意喚起が出されていました。
特に生後4カ月未満の赤ちゃんが、クーファンからの転落により頭蓋骨骨折などの重度の怪我を負う事故が報告されていました。2000年以降も同様の事故は残念ながら起こっています。
転落事故につながる主なパターン
- クーファンの持ち手が肩や手から滑り落ちた
- 車からクーファンを運び出す際にバランスを崩した
- クーファンを持って移動している最中や、持ち手を替える際にクーファンが傾いた
- 不安定な場所(ソファ、車の後部座席など)にクーファンを置き、急ブレーキなどで転落した
今ではチャイルドシートの義務化が周知されていますが、帰省の際やタクシーなど他人の車に乗る時は注意が必要です。また、持ち手を持っての移動による落下事故は、今なお十分に起こる恐れがあります。
商品が一定の安全基準を満たしていることの証明として、一般財団法人製品安全協会が認定した「SGマーク」があります。このSGマークが付いていることが、安全なクーファンを選ぶ目安になりますが、SGマークが付いているからといって、乱暴な扱いをしても安全だというわけではありません。
取り扱い説明書や注意事項などをきちんと読んで守ることが、安全にクーファンを使うことにつながります。くれぐれも物を運ぶような気軽な気持ちでクーファンを扱わず、外出時はおくるみや新生児から使える抱っこ紐、ベビーシートのキャリー機能を使い、できるだけ抱っこで赤ちゃんの安心安全を確保してあげましょう。



