赤ちゃんの泣き声の種類を聞き分け、その思いをくみ取ってあげましょう!
会話ができない赤ちゃんは、「泣く」という方法で、身近な人に自分の気持ちを訴えかけてきます。ママは赤ちゃんの泣いている意味がわかりますか?二人目、三人目のお子さんを育児中のママにとっては、もうお手の物という感じで、泣いているわが子の欲求にしっかりと応えている姿が見られますよね。しかし、初めてお子さんを出産したばかりの新米ママにとっては、それが憧れの光景の一つかもしれません。
海外の研究によると、赤ちゃんの泣き声には、種類があることがわかっています。もしかしたら、ベテランママは、子育ての経験が積み重なる中で、このような泣き声の違いを無意識に聞き分けているのかもしれませんね。
育児が初めての新人ママさんの場合、経験値が不足しているため、一生懸命頑張っているのに、お互いの思いが一致せず、なかなか赤ちゃんが泣き止んでくれないこともあるでしょう。今回は、そんな赤ちゃんの泣き声の種類について、詳しく解説します。
赤ちゃんの泣き声について関心を持ち、意識を集中させていけば、赤ちゃんもママもストレスなく穏やかに過ごすことができるかもしれませんよ!
赤ちゃんの泣き声が時々違うように聞こえるのはなぜ?その時のメッセージとは?
赤ちゃんが泣くのには、一つ一つ理由があります。そのような感覚を、なんとなく肌で感じ取っているママもいるかもしれませんが、赤ちゃんの泣き声や泣き方は少しずつ微妙に違っているのです。
オーストラリアの研究者であるPriscilla Dunstan(プリシラ・ダンスタン)氏は、赤ちゃんの泣き声には、5種類あって、音の響きだけではなく、口の形や舌の位置などの組み合わせによって、泣く時の意味合いも変わってくるという研究報告をし、話題を呼びました。
ネット上では、この分類が「合っているのか?」「あやふやである」といった議論もされていますが、
泣き声を聞き分けることによって、赤ちゃんの要求が手に取るようにわかると、赤ちゃん自身も嬉しいでしょうし、ママの方も、あれこれ迷ったり焦ったりすることなく、赤ちゃんにうまく接することができるようになりますよね。
1 Neh(ねぇ~):お腹が空いた時に知らせる泣き声
泣いている声が「ねぇ〜」と聞こえたら、それはお腹が空いたというメッセージかもしれません。これにはきちんと根拠があります。赤ちゃんはお腹が空くと口元を動かし始めます。おっぱいを飲む時のように口に舌をくっつけるような仕草に泣き声が加わることで、この「ねぇ〜」という泣き声が発声されるのです。ですから泣き声にNの音が混ざって聞こえ始めた時には、まずおっぱいをあげてみると良いでしょう。
2 Heh(へぇ~):不快感を訴える泣き声
オムツが汚れたり、暑かったり寒かったりといった外的なことが原因で不快感を覚えている時には、赤ちゃんは「へぇ〜」と泣きます。なんとも決まりが悪そうな、頼りないフニャッとした泣き方をしますよ。泣き声の中にHの音が聞こえたら、授乳よりも先に、オムツの様子や室温などを確認してみましょう。
新生児は授乳回数が多く、排便や排尿の回数も多いため、オムツは平均して1日10回程度取り替えます。月齢が浅いほど、このフニャッとした泣き方を何回も聞くことができるでしょう。
3 OWH(おおー):眠たいけど寝られなくて泣いている
赤ちゃんは、まだ自分の意思で眠りにつくことができません。眠くて眠くて仕方なくて、気持ち良く眠りたいのに眠れない…そんな時には、「おおー」や「あぉ〜」という泣き声を出します。ママ寝かせてほしいよ〜と泣いているのですね。そんな時には大きな口を開けて泣きます。幼いながらも睡眠の欲求を満たそうとする必死な叫びなのかもしれませんね!
眠気がある時の他の特徴としては、顔をママの洋服や毛布などにスリスリしている様子が見受けられます。小さなお手てで一生懸命に顔をこする動作もするようです。わんわん泣くというよりは、ぐずぐずと長く泣くことが多いです。
4 EH(えっへ):ゲップがしたいけど出なくて泣いている
おっぱいやミルクを飲む時、飲みなれていない赤ちゃんは少なからず空気を一緒に飲んでしまいます。首が据わる前の赤ちゃんには、毎回丁寧にゲップをさせてあげますよね。
でも、ゲップが出ないまま仰向けになると、お腹がパンパンで苦しいと訴えかけてきます。自分でゲップをするかのような「えっへ」という短い音が聞こえるようなら、その可能性が高いです。ゲップをうまく出させるには、枕を高くしてあげたり、しばらく縦抱きにしてあげたりして、苦しさをやわらげてあげましょう。日本人には「え¨っ」という音の方が近いように感じるかもしれません。
5 EIAR(えぁ~):お腹の状態が悪かったり、おならが出なくて泣いている
「えぁ〜」と、泣くというよりも唸るような声を出す時には、お腹が不快だという合図です。ちょうど、子どもが一生懸命にふんばりをきかせて、うんちを出そうとしていて頑張っている時のような声を出します。うんちやガスを出したい時によく聞かれる泣き方です。まだ腹筋が弱いので、寝たままきばるのが難しいのです。足を上げたり、手足を縮こめたりするような格好をして、うんちを出そうとする赤ちゃんも中にはいます。
そんな時には、赤ちゃんの排便を少し手助けしてあげましょう。赤ちゃんにもよりますが、しばらく縦抱きにするだけでスッとうんちやガスが出る子もいますよ。また、お腹を「の」の字に優しくマッサージしてあげるのも効果的です。
何日も便が出ずに、「えぁ〜」と長時間ぐずるようなら、綿棒浣腸をしてあげることも検討しましょう。
海外の研究だが、日本の赤ちゃんにも当てはまる?
赤ちゃんの5種類の泣き方の違いは分かったけれど、これはあくまで海外の研究であり、日本の赤ちゃんとは言語が違うのではないか、と思われたママさんもいらっしゃるかもしれませんね。
しかし、ご安心ください。生後3ヶ月頃までの産まれて間もない赤ちゃんは、まだ言語中枢が未発達です。いくら毎日母国語のシャワーを浴びていたとしても、まだ話すことはできません。母国語が話せない時期には、泣き方にルーツや国の種別はそれほどなく、つまり赤ちゃんはみんな、全世界共通の「泣く」という言語を使っていると言えるのです。
泣き方の聞き分けができれば、その時その時の赤ちゃんの気持ちに触れることができます。これは是非とも身につけたいママテクニックですよね。
赤ちゃんが泣くことには、大きく分けてどんな意味があるのでしょう
赤ちゃんの「泣く」という行為には、大人のおしゃべりと同じような意味あいが含まれていることがあります。言葉によって気持ちを伝えることができないので、泣くことで大人の私たちに気付かせようとしている時だってあるのです。
月齢の低い赤ちゃんの泣きには、大きく分けて3種類のパターンがあります。例え、泣き声の聞き分けでピンポイントにわからなかったとしても、どんなことで赤ちゃんが泣くのかをある程度、頭に入れておけばだいたいの予想はつくようになりますね。
1喉が渇いた・お腹が空いたなどの欲求を早く満たして欲しい
赤ちゃんが泣いている理由として、最も多い理由です。月齢の低い赤ちゃんは、少しずつ、何回かに分けて栄養を補給しています。胃自体が小さいため、おっぱいやミルクから取り入れた栄養分を、胃に溜めておくことができず、消化が早まってしまい、すぐにお腹が空いてしまいます。
お腹が空いた時には、激しく泣いたり、かと思えば泣き止んだりを繰り返して、ママに自分の気持ちを理解して欲しくて、行動に変化をつける事もあります。
2寂しくなったから、ママにいっぱい甘えたいと思っている
産まれたばかりの赤ちゃんは、この世界に出てきたばかりで不安がいっぱいです。寂しくなったりしたら、すぐにお腹の中にいた時のように、ママのぬくもりを求めています。ねんねしたいわけでもなく、おっぱいも飲ませたし、オムツも綺麗、そんなときは、ただただママの抱っこで安心したいだけなのかもしれません。暖かいママの腕でギュッと包んであげましょう。
3体のどこかが痛かったり、変な感じがするのでどうにかしてほしい
まれにあるのが、この理由です。急に泣き出したり、いつまでも激しく泣いたりします。ときには、衣服のきつさや下着の不快感が引き金になっていることもあります。敏感な赤ちゃんの身のまわりのものも確認してみましょう。
赤ちゃんの泣き声だけでなく、泣き方なども観察しましょう
赤ちゃんの泣き声だけでなく、その泣き方にも癖や特徴があります。赤ちゃんがどうして泣いているんだろう?と考えるときには、泣き方も含めて観察してみましょう。例えば、特徴的なのは痛くて泣いている時です。突然堰を切ったように泣き出し、いつもあやす方法では泣き止んでくれないこともあります。いつもと何か違う激しい泣き方で、あまりにも長く泣くようであれば、病院の受診を考えなければなりません。例えば、赤ちゃんはうんちがなかなか出なくて泣くことがありますが、その際には足上げ運動をしても、便秘の症状が回復しない場合には、病院での診察をお勧めします。
このように、泣き方には赤ちゃんの健康を守るための重要なメッセージが含まれていることがあります。
赤ちゃんが泣いていたら、その思いに応えて対応してあげましょう!
自分が泣くとママがちゃんと解決してくれるということを繰り返すことで、赤ちゃんはママの愛情をしっかり汲み取ることができます。できるだけ、赤ちゃんの思いを受け取って、早く対応してあげたいのが、親心というものではないでしょうか。でも、新米ママはそう簡単にはいきませんよね。産院でベテランママが泣いているお子さんをサクッとあやす姿を見てしまうと「早く自分もあんなママになりたい!」という、憧れの存在のように感じてしまう方もいるのでは?
ちょっと落ち込んでしまっても、大丈夫です。赤ちゃんの泣いている理由がわかるのには、経験値も大きく関係しています。一緒に過ごす時間が長くなれば、徐々に、赤ちゃんの訴えていることがわかるようになっていきますよ。大切なのは、赤ちゃんの要求に耳を傾け、理解しようと努力すること。ママのその健闘ぶりは、必ず赤ちゃんに届いています!

