揚げ物油は何回再利用できるの?長持ちさせる保管方法とエコな節約術
家族に美味しい食事を作ってあげたいときやパワーのつく食べ物を食べさせてあげたいときにメニューから外せないのがカツやてんぷらなどの揚げ物ですが、残ってしまう揚げ物油を再利用せずそのまま処分してしまう人も多いですよね。でも、せっかくお金を出して購入している油を1回の使用で処分してしまうのはもったいない!
こちらでは、揚げ物油の再利用術について詳しく解説します。使用後に何回再利用できるのか、劣化の見分け方や上手な保管方法、梅干しの効果、廃油を使ったエコな再利用術など、揚げ物油を最後まで徹底的に使い切るための節約情報です。ぜひ生活に取り入れて出費を抑えましょう。
揚げ物油って何回使うもの?
最近は調理後の掃除の手間を気にして揚げ物をあまり作らない家庭も増えており、中には「1回使っただけで捨ててしまう」という人も少なくありません。しかし、揚げ物油は上手に使えば繰り返し再利用できるものです。食費節約のためにも油の正しい再利用術について知っておきましょう。
「〇回」「◯日」という明確な基準はない
新しい油と調理で残った揚げ物油を比べると、色や粘り気などの見た目に違いが生じます。
これは油を食材と一緒に加熱したことで酸化が進んだ証拠です。風味が落ちて油っこくなる原因になりますが、決して「一度加熱したからもう食用には使えない」というわけではありません。
揚げ物の油に関しては、「必ず〇回まで」とか「○日までは保存ができる」という明確な基準はありません。油の種類や揚げる具材、調理の温度、保存方法によって酸化のスピードがまったく異なるためです。だからこそ、揚げ物油を酸化しにくくする工夫を知っておくことが長持ちさせる秘訣なのです。
使えるかどうかは、回数ではなく「揚げる力(カラッと揚がるか)・風味・粘り具合」を見て判断しましょう。
油を長持ちさせる「差し油」と「揚げる順番」の重要性
揚げ物を作っていると具材に油が吸収されて徐々に油が減っていきますが、その際に新しい油をつぎ足すことを「差し油」といいます。調理中に差し油をして一定の油量を保つことで、急激な温度変化が防げ、酸化が抑えられます。料理がカラッとおいしく仕上がるだけでなく、油自体の劣化も防げるため、繰り返し使うことができるようになります。
さらに、油で揚げる具材の順番を工夫することも重要です。油を汚しにくい「野菜(素揚げ)」や「天ぷら」から先に揚げ、肉や魚などの匂い移りしやすいもの、から揚げやトンカツなどの「衣(粉)が散りやすく油が汚れやすい料理」を一番最後に回すことで、油の質を長く保つことができます。
捨てるタイミングは?揚げ物油の劣化の見分け方
家庭では油の酸化数値を専用の機械で調べることはできません。そのため、まだ再利用可能な状態か、それとも処分すべき状態かを判断するには、調理をする人が五感を駆使して次のような劣化のサインを見分ける必要があります。
劣化した揚げ物油の特徴(捨てるサイン)
- 鍋の底が見えないほど、油の色が黒ずんでいる
- 具材の中まで火が通る前に、衣がすぐに焦げてしまう
- 調理中に細かいカニ泡がブクブクと出て、なかなか消えない
- 170度程度の通常の温度でも、すぐに真っ黒な煙が出てくる
- 冷めた状態の油がドロリと粘っている
- 油臭い、ツンとするような嫌な臭いがする
劣化させない!揚げ物油の上手な保管方法
食用油は加熱だけでなく、光や空気に触れるだけでも酸化が進んでしまいます。1度しか調理に使っていない揚げ物油でも、保存方法が悪いとすぐに劣化して使い物にならなくなります。保存の際は次の3つの点に注意しましょう。
1揚げ物鍋のまま放置しない
「明日も使うから…」と揚げ物鍋のままコンロに油を放置していると、空気に触れてどんどん酸化してしまいます。ホコリや虫などの混入も起きてしまうので、使った揚げ物油は専用のオイルポットやボトルに移して密閉し、冷暗所(シンク下の扉の中など、光が当たらない場所)で保存するようにしましょう。コンロのすぐ横など、温度変化が激しい場所は保存場所に向きません。
2使った油はすぐに「濾す(こす)」
揚げ物をすると、パン粉や小麦粉、具材のカスなどが油の中に残ります。これを放置しておくと焦げカスから酸化が急速に進んでしまうため、揚げ物油を使った後は必ず、キッチンペーパーや専用の油こし紙を使って綺麗に濾してから保存しましょう。油がほんのりあたたかいうちに濾すのが、スムーズに不純物を取り除くポイントです(※火傷には十分注意してください)。
3早めに使い切る
未開封の食用油は長期保存が可能ですが、一度でも加熱調理に使って空気に触れた揚げ油は傷みやすくなります。繰り返し使えるといっても、油は美味しいうちに使うのが一番ですので、なるべく2〜3週間のうちに早めに使い切りましょう。「今週は天ぷら、来週はから揚げ」など、メニューを計画しておくと油を効率よく回せます。
おばあちゃんの知恵袋:揚げ物油は梅干しでよみがえる?
昔からの言い伝えに「揚げ油をキレイに保つために梅干しを入れる」という方法があります。北陸農政局のホームページ(注1)でも「黒ずんだ油に梅干しを2個入れて揚げるとサラサラになる」という情報が紹介されていますが、一方で味の素株式会社中央研究所の研究(注2)によると「油の酸化による泡立ちへの直接的な効果はない」という調査結果が出ており、科学的な根拠については意見が分かれています。
そこで実際に試してみた結果、梅干しを使用しなかった油よりも、使用した方が油の色が若干薄く透き通っているように見えました。また、懸念していた「油に梅干しの酸っぱい匂いが移る」ということもありませんでした。ただし、とろみ(粘度)がサラッとしたという明確な変化はなく、劣化した油が劇的に新品同様によみがえったという実感は得られないという結論になりました。油の種類や汚れ具合によっても違いが出るはずですので、興味のある方は一度お試しあれ。
捨てないで!廃油を使いきる2つのエコな再利用術
繰り返し使って黒ずんでしまった揚げ物油も、きちんと濾して保存しておけば、手作りのエコ石鹸やオリジナルキャンドルに再利用することができます。石鹸やキャンドルを親子で作れば、楽しく環境問題やリサイクルの勉強(SDGs)にもなりますね。夏休みなどの長期休暇のお楽しみに、ぜひ取り組んでみてください。
1廃油でエコ石鹸を作る
石鹸作りは、材料の一つとして苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)を使用することが多いのですが、苛性ソーダは薬局で印鑑が必要な劇物であり、家庭で小さな子どもと一緒に扱うにはハードルが高い材料です。
そこで今回は、苛性ソーダを使わずに、ペットボトルを振るだけで安全・簡単に作ることができると評判のキット「フレ!フレ!リサイクル」を使って、古い揚げ物油をエコ石鹸にリメイクする方法をご紹介します。
フレ!フレ!リサイクル
有限会社 ねば塾
324円(税込)
揚げ物油100gに対して1個のエコ石鹸が作れる「石鹸の素」が4袋入ったセットです。苛性ソーダのように発熱する危険が少なく、水と油を混ぜて振るだけで簡単に固形石鹸ができるので、家庭でも手軽に挑戦できます。
送料は全国一律550円。購入金額によって割引があり、税抜き5000円以上で送料無料となります。
フレ!フレ!リサイクルをネットで注文すると、箱の中には以下の物が入っていました。
- 石鹸のもと ×4袋
- 取扱説明書
- 注意書き
石鹸を安全に作るための注意事項が、取扱説明書にしっかり記されています。
作業を行う前に必ず取扱説明書と注意事項を熟読し、準備を整えてから開始しましょう。
フレ!フレ!リサイクル使用上の注意
「フレ!フレ!リサイクル」は劇物指定こそされていませんが、強アルカリ性の成分が含まれているため、素手で触れると手荒れの原因になります。石鹸を作る時は必ずゴム手袋・保護メガネ・マスクなどを着用し、粉が目に入ったり、液が直接肌に触れたりしないように、通常の掃除用洗剤と同様に十分注意して扱いましょう。
古い揚げ物油で作るエコ石鹸の材料
- 古い揚げ油 100g
- 石鹸のもと 1袋(25g)
- 水 50ml
- 500mlの空きペットボトル 1本
- じょうご(漏斗)
- 好みの水彩絵の具
- エッセンシャルオイル(香り付け用)
- 好みの型(牛乳パックやシリコン型など)
1. ペットボトルにじょうごを使って水50mlと石鹸のもと1袋を入れ、キャップをしっかりと閉めて、粉が溶けるまでよく振りまぜます。
2. 1のペットボトルに揚げ油100gと好みのエッセンシャルオイルを入れ、キャップを絶対に漏れないようキツく締めて、10~15分程ひたすら上下左右にシェイクします。
3. ペットボトルの中身がしっかり混ざり合い、マヨネーズのようにトロリとした乳化状態になったら型に流し込みます。
4. 色をつける時は、水で少し溶いた水彩絵の具をペットボトルに少量入れ、再度振りまぜてから型に流し込みます。
5. そのまま風通しの良い日陰に置いて乾燥させ、固まったら型から外します。さらに1~2週間ほど熟成させたら完成です!
気温などにもよりますが完全に乾燥して使える石鹸になるまで1~2週間かかります。乾燥させている途中に油が分離して表面に浮いてくることがありますが、固まる前にスプーンなどでかき混ぜれば大丈夫です。
出来上がったエコ石鹸は、泥汚れのついた靴下の洗濯や、換気扇などの頑固な油汚れの掃除に大活躍します。熟成に時間をかければかけるほどアルカリ性が落ち着き、マイルドな使い心地の石鹸になりますよ。
子供と一緒に作る場合は、ペットボトルに材料を入れる危険な工程は大人が行い、「ペットボトルを音楽に合わせてシャカシャカ振る」という楽しい部分だけを子供に担当させるとよいでしょう。作業中は決して目を離さないようにしてくださいね。
2カラフルなエコキャンドルを作る
スーパーで売っている市販の油凝固剤(固めるテンプル等)を使えば、古くなった揚げ物油を再利用して可愛いエコキャンドルを作ることもできます。クレヨンで好きな色をつけ、アロマオイルで香りを足すことで、捨てるはずだった廃油がおしゃれなインテリアに生まれ変わります。
揚げ物油で作るエコキャンドルの材料
- 古い揚げ物油
- 市販の油凝固剤(※油の量に対し、通常の処理時の2~3倍の量を使用します)
- 油性クレヨン(着色用)
- 好みのエッセンシャルオイル
- タコ糸や綿のヒモ(芯用)
- 割り箸
- 牛乳などの紙パック(色を混ぜるコップ用)
- ガラスの空き瓶(ジャムの瓶など耐熱のもの)やシリコン型
1. キャンドルの芯となるタコ糸を、割っていない状態の割り箸に挟み、空き瓶の真ん中に垂れ下がるようにセットします。
2. 着色用のクレヨンをカッターやピーラーで細かく削っておきます。
3. 底をカットした紙パックのコップに、市販の油凝固剤を入れておきます。
4. 古い揚げ物油を小鍋に入れ、80℃以上(凝固剤が溶ける温度)になるまで火にかけて温めます。温まったら火から下ろし、3の紙パックに注いで割り箸でよくかき混ぜ、凝固剤を完全に溶かします。
5. 4の液にエッセンシャルオイルを数滴たらして、油の嫌な匂いを消すために香りをつけます。
6. 必要な色の数だけ紙パックのコップを用意し、5の液をそれぞれに取り分けます。そこに2で削った各色のクレヨンを入れて、溶けるまでかき混ぜます。
7. 1でセットした空き瓶に、6の液を流し込みます。複数の色を層にしたい場合は、1色目を流し込んで少し固まるのを待ってから次の色を注ぎます。1~2日程おいて完全に固まったら、芯のヒモを程よい長さにカットして完成です!
【安全に作るための注意点】
油を火にかけて温める作業は、絶対に大人が担当してください。油を紙パックに注ぐ際も、火傷をしないよう十分注意が必要です。キッチン周りが油で汚れないよう、新聞紙を敷いて作業するのがおすすめです。
実際に作ってみるとわかりますが、キャンドル作りは油が冷めると凝固剤の作用でどんどん固まっていくためスピード勝負です。もし作業の途中で液がドロドロに固まってしまった場合は、耐熱容器であれば電子レンジで様子を見ながら数秒〜数十秒加熱して再び溶かせば大丈夫ですので、慌てずに作業を進めてくださいね。
揚げ物油の再利用が無理な場合の正しい捨て方
「できるだけエコに再利用したいけれど、子供が小さくて手作り工作をする時間がない」「やっぱり油の処理は面倒」という人も少なくないですよね。忙しい子育て中のママ達は、無理せず市販の油処理グッズを活用するのも賢い選択です。
油を直接シンクに流すのは環境汚染や配管の詰まりの原因になるため絶対にNGです。100円ショップの「油吸収パッド」を使ったり、牛乳パックに丸めた古新聞やチラシを詰めてそこに冷めた油を染み込ませ、燃えるゴミとして捨てる方法が簡単で衛生的です。お住まいの自治体によっては、ペットボトルに入れて「資源ゴミ(廃油回収)」として出せる地域もありますので、ごみ捨てのルールを確認しつつ、自分に合った無理のない方法で油を処理しましょう。
参考文献
- 注1:北陸農政局「米粉のサクサク天ぷら」
- 注2:J-STAGE「味の素株式会社中央研究所-「調理科学」の立場」


