りんごの皮の活用術10 捨てずに節約してゴミも減らすリデュース術
りんごを食べたあとに残る皮、そのまま捨てていませんか。実はりんごの皮は、掃除や香り、ちょっとしたおやつ作りまで、暮らしのいろいろな場面で活躍してくれる優秀な素材です。捨てればただのゴミですが、活用すれば洗剤代や芳香剤代、おやつ代の節約につながり、ゴミを減らすリデュース(ごみの削減)にもなって地球にもやさしいですよね。
こちらでは、りんごの皮で節約する10の活用術と、皮を食べるときに気になる残留農薬の話、子どもと楽しむ食育アイデアやよくある疑問までをまとめました。家事に仕事に子育てにと忙しい毎日でも、ちょっとしたひと手間で「捨てるだけだったもの」がもう一仕事してくれると、なんだかうれしくなります。りんごのおいしさと香りを、最後まで楽しみ尽くしましょう。
目次
りんごの皮の活用術10
家事に仕事に子育てにと忙しい毎日では、「節約って手間や我慢が増えて大変」というイメージもあるかもしれません。でも、節約とは我慢ではなく無駄な出費を減らすこと。ちょっとひと手間かけるだけで、暮らしが少し楽しくなったり、浮いたお金で家族の楽しみを増やせたりします。まずは捨てるだけだったりんごの皮を、10通りの方法で生かしてみましょう。気になるものから気軽に試せますよ。
1ポプリにする
りんごの皮を乾かして作るポプリは、ほんのり甘い香りがお部屋にふわりと広がります。市販の芳香剤を買わなくても、自然なりんごの香りを楽しめるのが魅力。玄関や寝室、トイレなど、ちょっと香らせたい場所に置いておくと、ドアを開けるたびにやさしい甘い香りが出迎えてくれます。「最近、買った芳香剤の香りが強すぎて苦手」という方にもおすすめです。子育ての現場では、お子さんと一緒に皮を並べて乾かす工程を「お手伝い」として楽しむ家庭もあります。次にりんごを剥くときは、皮を捨てずに小さな容器に取っておきましょう。
ポプリの材料
- りんごの皮
- 新聞紙
- 密封容器(密封ビニール袋でもOK)
- 保留剤
- 香料オイル
※香料オイルや保留剤がない場合には、乾燥させたリンゴの皮を布袋に入れるだけでもOK
※空気中の水分によりカビが発生することがありますので注意しましょう
※乾燥させる時間がない方は、電子レンジで加熱して乾燥させることもできます
2シンク磨きに使う
りんごの皮には「リンゴ酸」という酸の成分が含まれています。この酸は、クエン酸と同じようにアルカリ性の水垢汚れと中和して落としやすくする働きがあるため、シンク磨きに役立ちます。使い方はとても簡単で、皮の内側(果肉がついていた面)で、白くくもった蛇口やシンクをくるくるとこするだけ。「夕飯の片づけついでに、剥いた皮でサッとひとこすり」という感覚で取り入れられます。専用の洗剤を出さずに済むので、洗剤代の節約にもなりますね。こすったあとは水で流して、最後に乾いた布で拭き上げると、くもりが取れてスッキリします。皮を捨てる前のワンアクションとして習慣にしてみてください。
3アルミ鍋の黒ずみ取り
りんごの皮のリンゴ酸は、シンクの汚れだけでなく、アルミ鍋の黒ずみをやわらげるのにも使えます。アルミ鍋を長く使っていると、内側が黒っぽくくすんでくることがありますよね。そんなときに、捨てるはずの皮が活躍します。煮るだけの手軽さなので、料理の合間についでにできるのもうれしいところです。
アルミ鍋の黒ずみ取りの材料
- りんごの皮
- 水
- アルミ鍋にりんごの皮を入れて、黒ずみがある位置まで水を入れて火にかける
- 沸騰させて15分程煮たら火を止めて冷まし、擦って汚れを落とす
※汚れを落とした後に米のとぎ汁でコーティングすると、汚れが付きにくくなりますよ。
4アップルティーを作る
りんごの皮を紅茶に加えると、ほんのり甘い香りとやさしい風味のアップルティーになります。本物のりんごの皮から香りが移るので、市販のフレーバーティーとはひと味違う、フレッシュな香りが楽しめるのが魅力。皮を加熱すると皮特有のクセや渋みがやわらぎ、香りだけがふわっと立ちます。「いつもの紅茶に飽きたな」という日のちょっとした気分転換にぴったりです。はちみつを少し加えたり、冷やしてアイスにしたりとアレンジも自在。剥いた皮があるときに、ティーポットへ一緒に入れるだけなので、まずは一杯試してみてください。
アップルティーの材料
- りんごの皮
- ティーパック
- 湯
- 残ったりんごの皮を適当な大きさに切り、ティーポットに入れる
- 1にティーパックを入れて、熱湯を注ぐ
※自分用に作る場合は、ティーカップに直接りんごの皮とティーパックを入れて作ってもOK♪
5アップルジェリーを作る
お子さんのおやつや、甘いものが好きな方のデザートには、アップルジェリーがおすすめです。りんごの皮や芯に多く含まれるペクチンは、砂糖と一緒に煮るととろみがついて固まるもと。だから果肉を使わず、皮と芯だけでぷるんとしたゼリーが作れるんです。りんごの品種によって、淡いピンクから濃い赤まで色合いが変わるので、できあがりの色を見るのも楽しみのひとつ。「果肉はそのまま食べて、皮と芯はジェリーに」と分ければ、一個のりんごを丸ごと使い切れて、捨てる部分がぐっと減ります。
アップルジェリーの材料
- りんごの皮(3~4個分)
- りんごの芯
- 砂糖
- 水
- 密閉できるビン
※圧力なべを使って加熱すると、早くできますよ
※当日食べない場合は、加熱殺菌してから保存しましょう
6入浴剤にする
りんごの皮は、お風呂に浮かべて香りを楽しむ入浴剤としても使えます。冬至のゆず湯のように、季節の果物の香りを湯船で味わう「りんご湯」です。お湯に皮を入れてフタをしばらく閉めておくと、甘い香りがお湯に移り、よりふんわりと香ります。一日の終わりに、りんごの香りに包まれてゆっくり浸かれば、おうちでのバスタイムがちょっと贅沢な時間に。子どもと「今日はりんごのいい匂いのお風呂だね」と話しながら入るのも楽しいですよ。市販の入浴剤を使わない日があれば、その分の節約にもなります。
入浴剤の材料
- りんごの皮
- ネット(又はガーゼ)
- りんごの皮を適当な大きさに切る(天日干ししたものでもOK)
- 1をネットに入れて、湯船に浸ける
7りんご酢を作る
近ごろ人気の「飲む酢」も、りんごの皮で手作りできます。皮を漬けて作るりんご酢は、甘酸っぱくてさっぱりとした味わい。水や炭酸水で割って、お好みではちみつを少し加えると、食事のおともや暑い日の一杯にぴったりです。最後に取り出したりんごの皮は、煮詰めてジャムにすると最後までおいしく使い切れます。買うと意外とお値段のする飲む酢を、家にあるりんごの皮で作れるのは、節約という意味でもうれしいですね。漬けるだけなので、思い立ったときに気軽に仕込めます。
りんご酢の材料
- りんごの皮100g
- グラニュー糖100g
- 酢125cc
- 500ml密閉ビン
※密閉できるガラス製のビンを使い、ビンとフタは事前に熱湯消毒してしっかり乾かしておくこと
※砂糖がすべて溶けるまで、1日1度くらいビンを振って混ぜる
8りんごの皮を犬のおやつにする
ジャーキーメーカーを持っている方は、りんごの皮を乾燥させて、愛犬のおやつ代わりにしている家庭もあります。捨てるはずの皮を活用できるので、市販のおやつ代の節約にもつながりますね。乾燥させてカリッとさせると、いつものフードのトッピングとしても使えます。ペットに与えるときは、ごく少量から、様子を見ながら取り入れ、いつもの食事の方針に合わせてあげてください。芯や種は取り除き、皮だけを使うようにしましょう。
犬用りんごの皮おやつの材料
- りんごの皮
- ジャーキーメーカー(天日干しの場合はザル)
- りんごの皮を犬が食べやすい大きさに切る
- 1をジャーキーメーカーの上に並べる(7時間ほどで完成)
※ジャーキーメーカーのない方は、天日干しして乾燥させてもOK
9ごみの消臭剤として使う
りんごの皮を乾燥させてゴミ箱に入れておくだけで、気になるにおいをやわらげる消臭・芳香の役割を果たしてくれます。しっかり乾かして使えば、ほんのり甘い香りも漂うので、市販の消臭剤や芳香剤を買わずに済みます。ゴミ箱のほか、冷蔵庫の隅や下駄箱など、においがこもりやすい場所に置くのもおすすめ。「消臭剤を切らしていた」というときの、ちょっとしたつなぎにも便利です。ただし、皮が水分を含むと傷んでしまうので、よく乾かしたものを使い、こまめに新しいものへ取り替えましょう。
10肉と一緒に漬けこむ
お手頃価格のお肉をおいしく仕上げて、食費を節約しましょう。りんごの皮に含まれるリンゴ酸には、肉の繊維をやわらかくする働きがあるので、安いお肉でもしっとり柔らかく、ぐっと食べやすくなります。焼く前のひと手間で、いつもの食卓が少し豪華になりますよ。
使い方は、りんごの皮をお肉の表面にのせ、タッパーや密封できるビニール袋に入れて、しばらく置いてから焼くだけ。すりおろした皮に浸すと、より柔らかく仕上がります。味つけしたい場合は、調味料も皮と一緒に漬けこんでおくと、味がなじんで一石二鳥です。
果実や野菜は、皮や芯など普段は捨てがちな部分にも、味や香りの魅力が詰まっていることが多いものです。最近では玉ねぎの皮などが食材として店頭に並ぶのを見かけることもありますよね。生ごみにしてしまいがちなものの活用術を暮らしに取り入れれば、もっと楽しく節約できて、お財布のひもも締めやすくなります。
りんごの皮と残留農薬
りんごの皮を料理に使う前に、確認しておきたいのが安全性です。皮がテカテカとワックスをかけたように光っていたり、ベタベタしていたり、白い粉がついていたりすると、これがワックスや農薬ではないかと心配になる方も多いですよね。順番に整理してみましょう。
日本で流通するりんごの残留農薬は、食品衛生法に基づく残留基準のもとで管理されています(基準の設定は厚生労働省、農薬の登録や使用基準は農薬取締法にもとづき農林水産省が所管)。一般に、皮を流水でよく洗えば、過度に残留農薬を心配する必要はないとされています。それでも気になる場合は、無農薬や減農薬と表示されたりんごを選んだり、食用に使う分は皮をむいて使ったりすると安心です。あくまで一般的な目安であり、商品や産地によって状況は異なります。
皮の表面にときどき見られる白い粉は、「果粉(ブルーム)」と呼ばれるもので、新鮮なりんごの証です。果粉はロウのような働きをして、雨や水滴をはじき、内部の水分が逃げないように実を守り、みずみずしさを保ってくれます。農薬と間違われやすいのですが、りんご自身が出している天然の成分です。
また、収穫したりんごを長く保存しておくと、リノール酸やオレイン酸といった植物性の脂質が増え、皮表面の果粉を溶かして、ワックスと誤解されるようなベタつきやテカリが出てきます。これは「油あがり」と呼ばれる自然な現象で、りんごが熟したサインのひとつ。果粉もこれらの脂質も、りんご自身から出た天然の成分なので、よく洗って使えば心配はいりません。気になるテカリも、安全性の問題というより鮮度や熟度のあらわれと考えてよいでしょう。
子どもと一緒に楽しむ食育アイデア
りんごの皮の活用術は、子どもと一緒に取り組むと「食育」の楽しい時間にもなります。食育とは、食べ物を大切にする気持ちや、食の楽しさを育てること。捨てるはずだった皮が変身する様子は、子どもにとって小さな驚きと発見の連続です。「もったいない」を「楽しい」に変える体験は、節約以上の価値がありますよね。
たとえば、皮を新聞紙に並べて乾かすポプリ作りは、小さな子でも手伝いやすい工程。「だんだん色が変わってきたね」と一緒に観察すれば、自然と食材への興味が育ちます。アップルティーやアップルジェリーは、皮を入れる・かき混ぜるといった作業を任せると、「自分で作った」という達成感につながります。発達の観点から見ると、こうした「自分でやりたい気持ち(自我の芽生え)」を満たすお手伝いは、3歳前後の子どもにとって自信を育てる大切な経験です。
季節とのつながりを感じられるのもうれしいポイント。りんごが出回る秋から冬は、りんご湯で体を温めたり、皮のジャムを朝食に添えたりと、季節の恵みを家族で味わえます。「りんごを丸ごと使い切る」という体験を通して、食べ物を無駄にしない感覚が自然と身についていきます。次にりんごを剥くときは、ぜひお子さんを呼んで、皮の活用を一緒に楽しんでみてください。
りんごの皮活用のよくある質問
りんごの皮はどのくらい保存できますか
生のままだと傷みやすいので、すぐに使わない場合は乾燥させるのがおすすめです。新聞紙やザルに並べて天日干しにするか、電子レンジで加熱して乾かすと、ポプリや消臭剤、お茶用として長く使えます。乾かした皮は密閉容器に入れ、湿気を避けて保存しましょう。食用にする場合は、乾燥後もなるべく早めに使い切ると安心です。
りんごの皮は冷凍できますか
冷凍できます。よく洗って水気を拭き取り、使いやすい大きさに切ってから、保存袋に入れて冷凍しておくと便利です。アップルティーやジャム、肉の漬け込み用など、加熱して使う用途に向いています。少量ずつ出るりんごの皮をその都度冷凍しておけば、ある程度たまったところでまとめて活用でき、無駄なく使い切れますよ。
どんな品種のりんごが向いていますか
基本的にはどの品種でも活用できますが、香りを楽しむポプリや入浴剤には、香りの強い品種を使うとより満足度が上がります。アップルジェリーは皮の色が出るので、赤みの濃い品種だと鮮やかな仕上がりに。お茶やお酢には、酸味のしっかりした品種が向いています。手元にあるりんごで気軽に試して、お好みの組み合わせを見つけてみてください。
食べる用と掃除用で皮を分けたほうがよいですか
用途を分けておくと使いやすいです。食用にする皮はよく洗ったものを、掃除や消臭に使う皮は剥いたものをそのまま、と分けておくと衛生面でも安心です。食用に回す分は、剥く前にりんご全体を流水でしっかり洗っておきましょう。掃除用は乾かしてストックしておくと、使いたいときにサッと取り出せて便利です。
皮はどうやって洗えばよいですか
流水で全体をこすり洗いするのが基本です。気になる場合は、皮をむく前にりんごを丸ごと流水で洗っておくと、皮の表面の汚れを落とせます。果粉やテカリはりんご自身の天然成分なので、神経質になりすぎる必要はありません。食用に使うときは、洗ったあと水気をしっかり拭き取ってから調理すると、味も水っぽくならずおいしく仕上がります。
りんごの皮で楽しく節約しましょう
普段は捨ててしまうりんごの皮も、視点を変えれば掃除・香り・おやつ作りに大活躍する暮らしの素材です。ポプリや入浴剤で香りを楽しみ、アップルティーやジャムでおいしさを味わい、シンク磨きや肉の漬け込みで家事をちょっと得に。ひとつでも取り入れれば、洗剤代や芳香剤代、食費の節約になり、ゴミを減らすリデュースにもつながります。
節約は我慢ではなく、暮らしの工夫を楽しむこと。子どもと一緒に皮を乾かしたり、季節のりんご湯を味わったりすれば、食べ物を大切にする気持ちも自然と育ちます。皮を食べるときは流水でよく洗い、気になるときは無農薬のものを選ぶなど、安全に配慮しながら無理のない範囲で。次にりんごを剥くときは、捨てる前にひと呼吸おいて、「今日はどの活用術を試そうかな」と暮らしのアイデアを広げてみてください。

リンゴの皮を適当な大きさに切って、新聞紙の上に並べて乾燥させる(7~10日)
完全に乾いたら密封容器に入れて香料オイルをたらし、保留剤を入れて冷暗所に置いて2~3週間熟成させる
りんごの皮を洗って鍋に入れ、水を加えて弱火で皮も芯も柔らかくなるまで煮る
ザルとキッチンペーパーで1を濾し、抽出したりんごエキスを一晩おく
2を再び火にかけて中火で煮る。途中で砂糖を加えてとろみが出るまでさらに煮詰める
りんごの皮をよく洗い、水気をキッチンペーパーで拭きとってから、密閉ビンに入る適当な大きさに切る
密閉ビンにりんごの皮とグラニュー糖を交互に入れ、最後に酢を注ぎ入れたら、密閉して冷暗所で保存
