美味しいトマトの見分け方!スーパーで迷わず選ぶためのポイント
トマトは夏が旬ですが、ハウス栽培や温室栽培が進んでいるため、一年中スーパーに出回っています。露地栽培の夏採れは熊本県、愛知県、栃木県産などが多い一方、ハウスや温室栽培の冬春ものは北海道、茨城県、福島県産などが主な産地です。皆さんが想像しているよりもずっとたくさんの種類のトマトが流通しています。
スーパーでトマトを選ぶ際、どのように選んでいらっしゃいますか。実は、美味しいトマトを選ぶにはいくつかポイントがあります。これらのポイントを押さえていれば、同じ値段でもより美味しいトマトを選ぶことができますね。
ここでは、美味しいトマトの選び方と主なトマトの種類をご紹介しますので、ぜひ今日のお買い物から役立ててみてください。
美味しいトマトを見分ける方法
スーパーにはたくさんのトマトが並んでいますが、どのトマトが美味しいのか迷ってしまうことはありませんか。なかなか美味しいトマトに出会えない、せっかく買ったのに酸っぱい、水っぽい、という経験があるかもしれません。これからご紹介するポイントを押さえて選ぶと、美味しいトマトを見分けることができます。ぜひスーパーで活用してみてください。
1.色が真っ赤で均一であること
全体が均一に濃い赤色になっているものを選びましょう。へたのまわりにわずかに緑色が残っていても大丈夫ですが、それ以外の部分の色味に差がないものがおいしいとされています。均等に丸くて均一に赤いものを選ぶと間違いが少ないです。
2.形がきれいな球状であること
トマトは、きれいな球状のものほど中身が詰まっていて美味しいです。角ばったものは、中のゼリー状の部分が空洞になっていることがあり、水気が少なく風味が弱い場合があります。中身がしっかり詰まっていると、外側もきれいに丸くなります。
3.ずっしりと重いこと
トマトを選ぶときは、手に取って重さを確認しましょう。中に空洞があると軽く感じます。中身がしっかり詰まった、ずっしり重いものを選んでください。また、完熟しすぎるとやわらかくなり、甘みが薄れることがあるため、表面が固いものを選ぶのもポイントです。
4.ヘタがみずみずしく立っていること
へたが青くてみずみずしく、ツンと上を向いて立っているものを選びましょう。トマトは実よりもへたのほうが水分の蒸発が早いため、へたが先にしなびてきます。へたがしおれていたり、黒ずんだり、黄色くなったものは鮮度が落ちている証拠です。
5.お尻に放射状の白い線(スターマーク)があること
トマトのへたの反対側、お尻の部分を見ます。てっぺんから白い線が放射線状にのびて、星のような形になったもの(スターマークと呼ばれます)は、実がしっかりつまっています。一般的に、糖度が高いトマトにはこの白い線が出てくる傾向があり、この星のマークが大きいほど甘みが強いといわれています。
6.白い斑点がないこと
へたの周辺に白い斑点があるトマトは避けた方がよいでしょう。この白い斑点は、植物が呼吸する穴である「気孔」が開いた部分が白く見えるものです。
この白い斑点がないトマトは、気孔が閉じているため、内部の甘みや旨みが逃げにくい状態にあります。白い斑点があるものは肉質がやわらかく甘みが弱くなる傾向がありますが、斑点がないものは肉質がぎゅっと締まっていて固めです。
7.ひび割れがないこと
実が成長しているときに水分バランスが崩れると、へたの部分からひびが入ることがあります。へたのまわりに茶色い筋のようなものがあれば、それがひびです。ひびが入るとそこから鮮度が落ち、水っぽくなったり、腐敗が進むこともあります。トマトを選ぶときには十分注意しましょう。
知っておきたいトマトの種類と特徴
一口に「トマト」と言っても様々な種類があります。世界では8000種類以上、日本でも120種類以上のトマトが栽培されているといわれています。スーパーで見かけたときに、トマトの特徴がわかるとお買い物しやすいですよね。ここでは、主なトマトの種類や特徴をご紹介します。
桃太郎
1985年に開発された品種で、現在スーパーで最も多く売られている大玉トマトの代表的な品種です。皮が比較的かたく崩れにくいことが特徴です。大玉ですが、品種改良により実を小さく育てて糖度を高めたものは、「フルーツトマト」と呼ばれることもあります。桃太郎には25以上の品種があり、中でも黄色い果皮を持つ「桃太郎ゴールド」などがよく知られています。
ファーストトマト
桃太郎トマトが普及する前によく食べられていた品種です。桃太郎トマトぐらい大きく、お尻のてっぺんが尖っているのが特徴です。皮が薄く、果肉が少なめで甘みがあります。傷みやすいため保存性は低いですが、昔ながらの味で今も根強い人気を誇っています。サラダなどでシンプルに食べると美味しいです。
ミディトマト
ミディトマトとは、大玉トマトとミニトマトの中間のサイズ(中玉トマト)の総称です。卵1個くらいの重さで、皮も果肉もしっかりしています。桃太郎などの大玉よりも栄養が多く含まれている品種も多く、好んで買う方も多いです。このミディトマトには、「フルティカ」などのさまざまな品種があります。ドライトマトなどの加工にも向いています。
アイコ
ミニトマトの一種で、卵型やプラムのような形をしています。別名「ロケットミニ」と呼ばれることもあります。皮が厚く、しっかりした歯ごたえと高糖度が特徴です。黄色いものは「イエローアイコ」という品種になります。どんな料理にも使いやすいミニトマトです。
シシリアンルージュ
イタリアのシチリア島で開発された、調理用トマトとして人気の品種です。イタリアントマトの代表格ともいわれています。一般的な大玉トマトと比べると、リコピンや旨み成分のグルタミン酸が豊富に含まれています。加熱するとコクが出てさらに美味しくなるので、ソースに使われたり、炒め物にして食べられることが多いです。
フルーツトマト
フルーツトマトというのは特定の品種名ではありません。水やりを極力控えるなどの特別な栽培方法によって作られた、高糖度のトマトのことを、栽培者や販売者がそのように呼んでいます。糖度は8度以上あり、サイズはミディタイプのものが多いです。冷やしてマリネなどにして食べるのがおすすめです。
塩トマト
塩トマトも品種名ではなく、土壌の塩分濃度が高いところで栽培されたトマトのことをいいます。熊本県八代地域で作られブランドになったことで、よく知られるようになりました。糖度は高いですが、その甘みの中に適度な酸味もあり濃厚な味わいです。加工品としても人気があります。
サンマルツァーノ
シシリアンルージュと並んで知られるイタリアントマトで、にんじんのような縦長の形をしています。サンマルツァーノの特徴は、煮込み料理に使っても煮崩れしにくいことです。果肉がたっぷりなので、加熱することで旨みが増し、パスタソースや煮込み料理にとても美味しく仕上がります。
プチトマト/ミニトマト
これも品種名ではなく、実の大きさが小さいトマトの総称です。ミニトマトともいわれますが、この中にもたくさんの品種があり、色も形もさまざまです。一般的にトマトは、実が小さいほど甘みが強く、栄養価が高いことで知られています。
アメーラ/アメーラビーンズ
アメーラは静岡県で開発された高糖度トマトのブランド名です。水やりを極力控える方法で栽培され、通常のトマトの3割くらいの大きさで成熟するため、甘みや栄養価が凝縮された濃厚な美味しさになります。アメーラビーンズはさらに小型にしたものです。豆のような形で実に張りがあり、とても人気がありますが、価格は一般的なトマトより高めです。
マイクロトマト
実の大きさが10mmほどしかない、トマトの中でもっとも小さい品種です。2000年頃から市場に出回るようになり、実の色はオレンジや黄色、赤など様々で、強い甘みが特徴です。サラダの彩りなどに適しています。
グリーンゼブラ
グリーンゼブラは、完熟しても黄色い縞模様の緑色のままのトマトです。「トマトは赤いもの」という概念が覆されますね。大きさはミディトマトと同じぐらいから、少し大きいものまであります。切っても中は緑色で、果肉はしっかりとしています。味は酸味が強く、シャキシャキした食感です。変わり種として食卓に並べると、家族の会話がはずみそうです。
ブラックミディ
ロシア原産の皮が黒みがかった濃い赤色のトマトです。大玉はブラックトマト、中玉はブラックミディ、小玉はブラックチェリーと、大きさによって名前が変わる場合があります。酸味が控えめなので、まろやかな甘みで生でも美味しく食べられます。
トマトはどこから来たの?
トマトはナス科トマト属の1年生果菜です。原産地は南米のペルーやボリビアにかかるアンデス高地といわれています。大航海時代の16世紀にヨーロッパに伝わりましたが、当初は毒がある植物と誤解されていたため、観賞用とされていました。
ヨーロッパで食用として広まったのは18世紀になってからで、19世紀以降に本格的に栽培されるようになりました。日本に渡ってきたのは17世紀頃で、日本でも当時は観賞用として用いられていました。食用として栽培が広まったのは明治時代以降、一般家庭に普及したのは第二次世界大戦の後です。今となってはイタリアやスペインはもちろん、日本でもトマトなしでは考えられないほど重要な食材となっています。
みんな大好き美味しいトマト
トマトが大好きという人は多いと思います。サラダやトマトスライスなど生食だけでなく、トマト煮込みやミネストローネなど、さまざまな調理法がありますよね。トマトが必ず冷蔵庫に入っているという人も少なくないでしょう。トマトには、抗酸化作用が期待されるリコピンをはじめ、ビタミンCやカリウム、葉酸などの栄養素が豊富に含まれています。栄養価が高く、熱を加えることで色々な料理にも使えるので、日々の食卓でいつも美味しく食べられたら嬉しいですね。
もうスーパーで迷わない!
スーパーには、どれを買っていいのか分からなくなるぐらい多くの種類のトマトが売られています。品種によって見た目や特徴は様々で、合う調理法も違ってきます。今回ご紹介したのはその中のごく一部ですが、覚えておくとスーパーでトマトを選ぶ際に大いに役立ちますよ。
また、レストランなどではどのようなトマトの種類が使われているのか、注目してみるのも楽しそうですね。ぜひスーパーでのお買い物で、いつもと違うトマトを買って試してみてはいかがでしょうか。


