離乳食のナスって食べさせてもムダ?いいえ立派な夏野菜です!
夏が旬のナスは離乳食でも赤ちゃんに美味しく食べてもらえますが、あまり栄養がないと思っているママも多く「わざわざ赤ちゃんに食べさせなくてもよいのでは?」と誤解されがち。
旬のナスにも離乳食で人気のトマトやキュウリなどの夏野菜と同様に、熱くなった体を冷やして過ごしやすくするカリウムが含まれていますので、食べさせて無駄なんてことはありません。
ナスは立派な夏野菜。しかも柔らかく調理できるので離乳食では食べやすい!ただしタネや皮、アクなど調理に知識や手間が必要なので確認しておきましょう。
離乳食のナスはいつから?初期からOK!アクが強いのでおすすめは中期
ナスは初期から赤ちゃんに与えられますが、離乳食ではまず食べやすく調理しやすいにんじんなどから進めるのが一般的。
特に生後6ヶ月から離乳食をスタートした場合はアッという間に中期になるので、ナスは中期から与えるのがおすすめです。
離乳食のナスのアク取りを失敗すると苦味で赤ちゃんが食べにくくなる
ナスを離乳食中期から始めた方がいい理由は、ナスがアクの強い野菜だからです。離乳食初期はママやパパが離乳食作りに慣れていません。しかも食べさせ慣れていないし、赤ちゃんも食べ慣れていません。
そのような時期にうっかりナスのアク抜きを忘れると、苦味が出て赤ちゃんがナス嫌いになり離乳食を進めにくくなったり、ママが自信を失って離乳食作りが面倒になったりしやすいからです。
ことわざ「秋ナスは嫁に食わすな」は赤ちゃんには大丈夫?
ナスは体温を下げる夏野菜なので、食べ過ぎると大人でも子供でも必要以上に体を冷やしてしまうことがあります。
「秋ナスは嫁に食わすな」ということわざは、一説によるとこれから子供を産む大切な嫁の体を冷やすなという戒めなのだとか。
もっとも秋に収穫する秋ナスは美味しさも抜群なので「美味しい秋ナスを憎い嫁に食わせてなるものか!」という姑の本音という説もありますが。
嫁であれ赤ちゃんであれ、夏野菜の食べ過ぎは体を冷やす元になります。赤ちゃんが喜んで食べる場合は特に、「ばっかり食べ」をさせないように量への注意が必要です。
ママが2人目以降の赤ちゃんを妊娠している場合も、ナスなどの夏野菜を食べ過ぎて体を冷やさないように十分に注意してください。
離乳食の新鮮なナスの選び方!色や張りだけでなくトゲトゲも鮮度の証
離乳食には新鮮なナスを選び、購入後はできるだけ早く使いきるか冷凍保存をしましょう。
いくら離乳食用に新鮮なナスを購入しても、保存方法が悪いとすぐに鮮度が落ちるので購入後は保存への注意も必要です。
新鮮なナス選びのポイント
- 皮にハリがあって艶やかで濃い紫色のナスを選ぶ
- ガクについているトゲがピンとたっているかチェック
- ずっしりと重みを感じるか手に持って確認する
- 表面に傷がないものを選ぶ
離乳食用のナスが長持ちする保存方法!冷やし過ぎに気を付けて
ナスは、水分の多い野菜ですが水分が蒸発しやすいという特徴も持っていますので、ナスを買って来たら1個ずつラップに包んで冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。
ただし、保存温度が低すぎると低温障害をおこし、身が縮んで痛みが早くなりますので、5℃以下にならないように気をつけ、出来るだけ早く使いきりましょう。遅くとも3~4日以内に食べきってください。
ナスは冷凍保存できるの?
ナスは、生のまま冷凍保存することはできません。茹でてペースト状にするか食べやすい大きさに刻んで、小分けにして密封できる容器または袋に入れて冷凍保存しましょう。
離乳食のナスの下ごしらえの方法!皮タネの処理やアク抜きの仕方
離乳食でナスを使う時には、下ごしらえをきちんとすることが赤ちゃんに美味しいナス料理を食べてもらうために大切になります。
もちろん離乳食だけでなく大人向けのナス料理も下ごしらえに手を抜かないと美味しく仕上がりますので、ナスの下ごしらえの仕方をマスターしておきましょう。
離乳食のナスは皮やタネをとり除くの?食べ慣れるまでは取ってあげて
離乳食中期で離乳食に慣れている赤ちゃんなら、ナスを皮つきのまま食べることもできますが、赤ちゃんが食べにくそうにしているなら皮をむいてから食べさせてあげましょう。また、ナスのたねは柔らかいので取る必要はありませんが、気になるようでしたら初めのうちは裏ごししてから食べさせてください。ナスの皮は、包丁よりもピーラーを使用するとむきやすいですよ。
ナスは切ったら水に浸けてアク抜き!放置すると離乳食が茶色く変色する
ナスは下ごしらえの段階で必ず水につけてアク抜きしてください。ナスを切ったまま空気に触れる状態で放置すると、ナスに含まれるナスニンが酸化して茶色く変色します。
ナスのアク抜きの仕方
切ったナスをたっぷりの水に浸け、10分程度放置します。切ったナスを素早く水につけるのがポイント。アク抜きしたナスをお湯で10分程茹でると柔らかい離乳食が作れます。
離乳食のナスを電子レンジで調理のコツ!焦げを防ぐために水を入れて
ナスの下ゆでは鍋だけでなく電子レンジで行うことも可能。離乳食用のナスを電子レンジで調理する際は、あらかじめカットしておきましょう。
ナスは全国各地で栽培され、それぞれの地方で種類や大きさに差があるので、適当な大きさに切って電子レンジで加熱します。
電子レンジでナスを調理する際も、事前のアク抜きは必要です!焦げを防ぐために耐熱容器に大さじ1程度の水を入れ、ラップをしてからレンジで加熱しましょう。
電子レンジの加熱時間は短めに設定し、様子を見ながら再加熱すると加熱しすぎるのを防ぎ、美味しい離乳食を作りやすくなります。
離乳食初期のナスの調理ポイント!食べやすい食材と一緒にペーストに
生後5ヶ月から離乳食を始めた場合、初期から食べられる野菜の種類をどんどん増やせます。
初期後半に旬のナスを食べさせたい場合は、しっかりとアク抜きをしてから鍋やレンジでクタクタに煮てから、ブレンダーですり潰すだけで離乳食をヨーグルトのようなトロトロ食感に仕上げられます。まずはこれで食べれるか試しましょう。
ナスのペーストを嫌がる場合は離乳食初期から使える昆布ダシで伸ばしたり、離乳食で人気のりんごやかぼちゃなど甘味の強い果物や野菜と一緒にペーストにすると食べやすくなります。
離乳食中期のナスのおすすめレシピ&調理のポイント
離乳食中期になりペーストを上手に飲み込めるようになった赤ちゃんには、豆腐くらいの固さの食材を小さくみじん切りにしてモグモグと歯茎で噛む練習をさせます。
アク抜きして皮をむいたナスをみじん切りにし、だし汁と一緒に煮て離乳食にしたり、お粥に混ぜたりすると食べやすいです。
柔らかく煮たナスはドロッとするのでとろみ付けとしてパサパサして食べにくい白身魚やささみの離乳食と一緒に調理してもよいでしょう。
ナスとピーマンのおかか煮のレシピ
材料:ナス、ピーマン、花がつお、だし汁
- ナスの皮をむきみじん切りにして10分程アク抜きする
- ピーマンの種をとり、みじん切りにする
- 鍋にだし汁を入れて火にかけ、ナスとピーマンを加える
- ナスとピーマンをクタクタになるまで煮て、最後に花かつおを振り入れる
ナスのオニオン粥のレシピ
材料:ナス10g、玉ねぎ10g、10倍がゆ50g、だし汁大さじ1
- ナスは皮をむいて5mm程度のサイコロ状に切り、水にさらす
- 玉ねぎはみじん切りにする
- 耐熱ボウルにだし汁と1、2を加えて柔らかくなるまでレンジで加熱し、軽く磨り潰す
- 3に温めた10倍がゆを加えてよく混ぜる
ナスとじゃがいものミルクシチューのレシピ
材料:ナス5g、玉ねぎ5g、じゃがいも5g、人参5gほうれん草5g、ツナ10g、水40ml、粉ミルク小さじ1、片栗粉少量
- ナス、じゃがいも、さつまいもは5mm角のサイコロ上に切り、水にさらしてアクを抜く
- 皮をむいた玉ねぎと人参をみじん切りにする
- ツナは湯通しして、細かくほぐする
- 小鍋に水と1~3を入れて弱火にかけ柔らかく煮込む
- ほうれん草を下茹でし、水にさらしてアク抜きしたら、葉先をみじん切りする
- 4に5と粉ミルクを入れてひと煮立ちさせ、水溶き片栗粉を入れてとろみをつける
離乳食後期のナスのおすすめレシピ&調理のポイント
離乳食後期になると食材を潰す能力も高くなってきます。ナスに含まれる栄養素「ナスニン」は皮に多く含まれるので、皮つきのまま食べさせると栄養がたっぷり。
離乳食後期になると3回食に進むため、赤ちゃんが飽きないような離乳食を作ることが大切です。ナスは和洋中どんなお料理にも使いやすい野菜なので、後期の離乳食作りに役立ちます。
ナスとトマトのチーズ焼きのレシピ
材料:ナス、トマト、チーズ
ナスと豆腐のクタクタ煮のレシピ
材料:ナス、豆腐、だし汁
ナスとササミのみぞれ煮のレシピ
材料:ナス15g、大根15g、鶏ササミ肉15g、だし汁大さじ1、片栗粉少量
- ナスは皮をむき、5mm程度のサイコロ状に切って水にさらす
- 大根おろしはおろし金ですりおろす
- 鶏ササミ肉を茹で、5~6mmのみじん切りにする
- 鍋にだし汁と1~2を入れ、ナスが柔らかくなったら3を加えてひと煮たちさせる
- 水溶き片栗粉を入れてさらに加熱してトロミをつける
離乳食完了期のナスのおすすめレシピ&調理のポイント
離乳食完了期になると食べられる肉類が増えますが、ナスは肉や油との相性が抜群の食材なので、肉料理に加えるのがおすすめです。
暑い夏場の完了期にはナスを使った冷やし味噌汁もおすすめ。サッパリしているので食欲がない幼児でも美味しく食べられます。
ナスの味噌汁のレシピ
材料:ナス、人参、麩、味噌少量、だし汁
ナスときゅうりの納豆和えのレシピ
材料:ナス10g、きゅうり10g、納豆10g、だし汁小さじ1
- ナスは皮をむき、5mm程度のサイコロ状に切って水にさらす
- きゅうりは板ずりして、5mm程度のサイコロ状に切る
- 納豆は熱湯で湯通ししてから粗く刻む
- 耐熱容器にだし汁と1、2を入れてレンジで1~2分程度加熱し、水気を切る
- 粗熱が取れたら3を入れてよく混ぜ合わせる
ナスと大根のあんかけ丼のレシピ
材料:ナス20g、大根20g、鶏ひき肉15g、だし汁大さじ2、軟飯80g、片栗粉少量
- ナスは皮をむき、5mm程度のサイコロ状に切って水にさらす
- 大根は皮をむき、5mm程度のサイコロ状に切る
- 鶏ひき肉は熱湯を回しかけて、湯通しする
- 鍋にだし汁と1~3を入れて弱火にかけ、野菜が柔らかくなったら水溶き片栗粉でとろみをつける
- 器に暖めた軟飯を盛り、4をかける
子育て4コマ漫画:ありがとう!離乳食きっかけでナスが増えた我が家の食卓
ナスは離乳食の野菜の中でも赤ちゃんが食べやすいトロッとした触感にするのが簡単な食材なので、下ごしらえさえしっかり覚えれば美味しく調理できます。
ただし離乳食の野菜の中でもナスやレンコンは、下ごしらえを疎かにすると食べにくくなる食材なので手が抜けません。アク抜きしないナスを食べて嫌いになったママもいるでしょう。
永岡さくらさんの子育て4コマ漫画のように、丁寧にアク抜きして調理した離乳食のナスを食べ、食べず嫌いが改善した大人もいるので、ひと手間必要になりますが離乳食作りを機に下ごしらえに慣れ、家族で旬の味覚を堪能しましょう。