離乳食にしいたけはいつから?中期・後期・完了期の与え方と注意点(干し椎茸のだしも解説)
離乳食でしいたけの実を食べ始めさせるのは、離乳食中期(生後7〜8ヶ月頃)からが目安とされています。市販のベビーフードにも、離乳食中期頃からしいたけは使われています。
ただし、しいたけは食物繊維が豊富で弾力があり、赤ちゃんにとっては噛みにくく消化しにくい食材です。そのため、離乳食後期(9〜11ヶ月頃)からスタートすることを推奨する専門家もいます。始める場合は、少量からにしましょう。
特に7ヶ月頃の赤ちゃんはしいたけを上手に噛み潰すことができません。喉に詰まらせる(誤嚥・窒息)リスクを防ぐため、他の食材よりも細かく薄くスライスし、お粥などののど越しのいい料理にごく少量混ぜる程度にしましょう。生しいたけのかさの部分を使い、ごく薄くスライスしてから1mm以下のみじん切りにすると、より安心ですよ。
しいたけは弾力があり、喉に詰まらせやすい食材です。離乳期を問わず、特に1歳未満の赤ちゃんには、必ず火を通し、細かく刻んで与えるようにしましょう。
離乳食に干し椎茸はいつから?だしの活用と食材の与え方
干し椎茸とは、生のしいたけを天日や機械で乾燥させたものです。干し椎茸は、生のしいたけよりも旨味成分(グアニル酸)が凝縮され、またビタミンDの含有量が高くなっています。
一方で、食物繊維も多く、水戻ししても生のしいたけと比べて硬さが残り、赤ちゃんには噛むことが難しい食材です。そのため、干し椎茸の実を離乳食期に無理に食べさせる必要はありません。
干し椎茸の戻し汁(だし)は旨味と栄養価が高く、塩分を控えた自然な味付けができるため、離乳食初期(生後5〜6ヶ月頃)から活用できます。戻し汁は薄めて使用しましょう。
干し椎茸の実を食べさせるとしても、離乳食完了期(12〜18ヶ月頃)以降とし、十分に水戻ししてから薄くスライスし、生しいたけよりもさらに細かく刻んで食べさせてあげましょうね。
| 食材名 | 干し椎茸 |
|---|---|
| 特徴 | 旨味とビタミンDが高いが、食物繊維が多く硬い |
| 戻し汁(だし)の時期 | 離乳食初期(生後5〜6ヶ月頃)から |
| 実が食べられる時期 | 離乳食完了期(12ヶ月頃)以降 |
| 与える方法 | 十分に水戻し後、薄くスライスしてから細かく刻む |
| おすすめの活用 | だしだけを利用し、塩分を抑えた味付けに活用する |
しいたけ皮膚炎(アレルギー様症状)への注意と加熱の重要性
しいたけは、稀にアレルギー様症状が出ることが知られています。その一つが「しいたけ皮膚炎」です。これは、特定のしいたけ成分によって引き起こされると考えられている皮膚炎で、強いかゆみを伴い、ムチで打たれたような赤い線状に盛り上がる紅斑(線状紅斑)が出るのが特徴です。食べてから数時間〜数日後に発症することもあります。
この皮膚炎は、主に加熱が不十分な生のしいたけを食べた後に発症リスクが高いとされています。バーベキューなどで肉厚なしいたけを生焼けで食べたり、干し椎茸の戻し汁を加熱せずに飲んだりすることが原因となる例が多く報告されています。
原因物質は、しいたけに含まれる成分であるレンチナンなどが関連していると考えられていますが、発症のメカニズムにはまだ不明な点があり、アレルギー反応とは異なる中毒性皮膚炎やアレルギー様反応ではないかという説もあります。稀に、十分に加熱したしいたけや加工品でも発症することがあるため、赤ちゃんに与えるときは量にも注意が必要です。
離乳食でしいたけを与える時の注意
しいたけや戻し汁は中心部までしっかりと加熱し、生のまま与えないようにしてください。初めて与える際は少量からとし、新鮮なものを選びましょう。特有の症状が現れたら、速やかに専門医にご相談ください。
離乳食は加熱して柔らかくすることが大前提ですので、過度に心配する必要はありません。ただし、初めて与える時はお粥などに混ぜてごく少量(1さじ)からとし、食べた後2~3日は新しい食品を与えず、赤ちゃんに皮膚の異常(かゆみや紅斑など)がないか、機嫌や全身状態をしっかりと観察しましょうね。複数の食材を同時に試すことは避け、一つずつ様子を見ながら進めていくことが基本です。
| 注意すべき症状 | 強いかゆみ、赤い線状に盛り上がる紅斑 |
|---|---|
| 発症タイミング | 食後数時間~数日後に出ることもある |
| 主な原因とされる物質 | レンチナンなど(特定の成分) |
| 発症リスクが高い条件 | 加熱不足の生しいたけ、戻し汁の未加熱摂取 |
| 離乳食での注意点 | 中心部まで加熱・少量から・新鮮なものを使用 |
| 初回の与え方 | お粥に混ぜて1さじから・2~3日様子を見る |
| 観察すべき点 | 機嫌・全身状態・皮膚の異常(線状の紅斑など) |
離乳食のしいたけの下ごしらえ|軸を取り細かく刻んで茹でる方法
しいたけは、水で軽く洗い流して水気を取り除きます。軸(石づき)は硬く食物繊維も多いため、離乳食には使わず取り除きましょう。かさの部分を薄くスライスしてから、たっぷりのお湯でしっかりと茹でます。
茹で上がったらザルにとって水気を取り除いてから、離乳食の段階に応じて1mm以下の微塵切りなどに刻みましょう。生のまま刻んでから加熱しても問題ありませんが、加熱後に刻む方がやわらかさの確認がしやすく、形も整いやすいです。
茹で汁は旨味成分(グアニル酸)が溶け出ているため、だしとして離乳食に活用できますので、捨てずにとっておきます。しいたけを茹でる時にザルに入れて茹でると、水切りが楽になります。
【離乳食期の形状の目安】
- 中期(7〜8ヶ月頃): だしのみ、またはかさの部分を1mm以下の微塵切りにし、とろみをつけて粥などに混ぜる。
- 後期(9〜11ヶ月頃): かさの部分を2〜3mm程度の微塵切りにし、とろみをつけて他の食材と混ぜる。
- 完了期(12〜18ヶ月頃): かさの部分を5mm程度の粗みじん切りにし、徐々に慣らしていく。干し椎茸の実もこの時期から。
| 下ごしらえの手順 | 水洗い → 軸(石づき)を取る → 薄くスライス |
|---|---|
| 加熱方法 | たっぷりの湯でしっかり茹でる |
| 茹でた後の処理 | ザルで水気を切り、月齢に合わせた大きさに刻む |
| 茹で汁の活用 | だしとして離乳食に活用できる(捨てずに取っておく) |
| 調理のコツ | ザルに入れて茹でると水切りが簡単 |
離乳食のしいたけの冷凍保存|月齢に合う大きさに刻んでから凍らせる
生しいたけはカビが生えやすい食材です。そのため買ってきたらできるだけ早く調理し、使い切れない分は冷凍保存がおすすめです。冷凍することで旨味が増すとも言われています。
【新鮮なしいたけの選び方】
購入する時もかさの内側が白く、ひだが開ききっていない肉厚なものが新鮮です。軸が太くて短いしいたけは旨味が強い傾向にありますので、確認して選びましょう。
【離乳食用の冷凍方法】
離乳食用のしいたけを冷凍保存する時には、下ごしらえしてしっかりと加熱した椎茸を、離乳食のそれぞれの月齢に応じた大きさに刻んでから、製氷皿や冷凍用保存袋に入れて冷凍します。冷凍用保存袋に入れる時は、薄くのばして菜箸で線をつけ、凍ったらポキポキ折れるようにしておくと便利です。
スープなどの汁物やおかゆを作る時に、冷凍しいたけを冷凍のままお鍋にプラスして加熱すれば、時短で栄養と旨味を加えた離乳食に早変わりしますよ!
| 保存の理由 | 生しいたけは傷みやすい(カビが生えやすい) |
|---|---|
| 購入時のポイント | かさの内側が白く、肉厚で軸が太く短いもの |
| 冷凍前の準備 | 下ごしらえし加熱後、月齢に合った大きさに刻む |
| 保存方法 | 製氷皿または冷凍用保存袋に入れて冷凍 |
| 便利な保存法 | 袋内で薄く伸ばし菜箸で線をつけて折りやすくする |
| 使い方 | スープやおかゆに凍ったまま加えるだけ |
| メリット | 時短・手軽・旨味を逃さず調理できる |
離乳食のしいたけは赤ちゃんにとって美味しい?苦手な場合の工夫
しいたけは独特の香りが強く、また弾力ある歯ごたえも、赤ちゃんには食べづらい理由の一つです。そのため、離乳食にしいたけの実を加えると、苦手に感じる赤ちゃんや子供も多い食材です。
離乳食が完了して幼児食へと移行し、上下の奥歯が生えてきた3歳頃になっても、大きく切られた椎茸を食べられない子供もいます。ですから、離乳期の赤ちゃんが嫌がる場合は無理せず、まずは薄めた干し椎茸だしや、茹で汁のだしで風味に慣らしてあげましょう。
しいたけの旨味成分であるグアニル酸は、昆布のグルタミン酸や、かつお節のイノシン酸などの他の旨味と合わせると、相乗効果で旨味がさらにアップします。かつおだしやチキンスープなどの動物性のだしと混ぜて調理すると、風味が和らぎ、美味しく食べやすくなりますよ。
離乳食のしいたけを食べやすくするコツ
- 細かく刻む:おかゆなどに1mm以下の微塵切りをごく少量を混ぜる
- とろみをつける:水溶き片栗粉などでとろみをつけ、飲み込みやすくする
- だしを組み合わせる:昆布やかつおなどの合わせダシで調理し、風味を調整する
- スープやあんかけに活用し、他の食材と馴染ませる
| 赤ちゃんの反応 | 香りや歯ごたえが苦手な子が多い |
|---|---|
| 苦手な理由 | 香りが強く、弾力があって噛みにくい(食物繊維が多いため) |
| 苦手な場合の対応 | 無理に与えず、だしの風味に慣れさせることから始める |
| 味を良くする方法 | 動物性だしと組み合わせる(かつお・チキンなど)→旨味の相乗効果 |
| 食べやすくするコツ | 微塵切りにしてとろみをつける、合わせだしで調理する |
離乳食で与えるしいたけの量は?多すぎに注意
離乳食ではうどんやお粥に混ぜて与えると、ノド越しがよく食べやすいのですが、あまり量が多いと香りがきつくなり過ぎて嫌がることもあります。また、しいたけは食物繊維が多いため、食べ過ぎると消化不良を起こす可能性もあります。
【月齢別 与える量の目安(生のしいたけのかさの部分)】
- 中期(7~8ヶ月頃):だしのみの活用を推奨。実を加えるとしても、赤ちゃんスプーン半分程度の微塵切りをごく少量にしましょう。
- 後期(9~11ヶ月頃):5g程度(小さなかさ1/4個分程度)で充分です。
- 完了期(12~18ヶ月頃):5g~最大10gくらいにしておくと、他の食材とのバランスもよく赤ちゃんが食べやすいでしょう。
アレルギー様症状(しいたけ皮膚炎)の観点からも、離乳期には与え過ぎに気をつける必要があります。常に少量から始め、赤ちゃんの様子をよく観察しながら量を増やしていきましょう。
干ししいたけダシの濃さにも注意
干ししいたけダシも、濃すぎるとしいたけ成分の量が多くなりアレルギー様症状を発症しやすくなる可能性が考えられます。中期は特にだしを薄めて香りに慣らす程度にし、後期や完了期になってからも濃すぎない上品な味に仕上がるように、水を加えて調節しましょうね。
| 与え方の工夫 | うどんやお粥に混ぜると食べやすい |
|---|---|
| 注意点 | 量が多いと香りが強くて嫌がる、消化不良のリスクがある |
| 中期(7~8ヶ月) | だしのみ、実を入れるならごく少量(スプーン半分程度) |
| 後期(9~11ヶ月) | 5g程度 |
| 完了期(12~18ヶ月) | 5g~最大10gまでに抑える |
| アレルギー対策 | 与えすぎを避け、少量から始める |
| 干ししいたけだしの濃さ | 中期は薄めて香り慣れ、後期以降も上品な味に |
【離乳食のしいたけ】段階別おすすめレシピと栄養価
しいたけには、骨の形成を助けるビタミンDや、腸の働きを整える食物繊維、料理の旨味を深めるグアニル酸が豊富に含まれており、離乳食に積極的に取り入れたい食材です。最近はハウスで栽培される椎茸が増えたため、1年中スーパーで手に入れることができますが、旬は春と秋です。旬のしいたけは栄養価も高くなりますね。
離乳食で椎茸を使用する時には、赤ちゃんがのどに詰まらせないように十分注意し、月齢に合った形状にすることが最も大切です。
【離乳食中期】しいたけレシピ:豆腐のシイタケあんかけ
離乳食中期では、しいたけを薄くスライスしてから、1mm程度にみじん切りにして使用しましょう。彩りのよい緑黄色野菜と合わせてあんかけにすると、食べやすく栄養価も高い離乳食になりますよ。とろみがつくと、口の中でまとまりやすくなり、飲み込みやすくなります。
こちらでは、豆腐のシイタケあんかけのレシピをご紹介します。豆腐はやわらかい絹ごし豆腐を使用しましょう。冷蔵庫や冷凍にストックしているお好みの野菜でアレンジしてもいいですね。
豆腐のシイタケあんかけのレシピ
材料: しいたけ(かさ)、絹ごし豆腐、ブロッコリー、しいたけのゆで汁、かつおだし、水溶き片栗粉
| 対象時期 | 離乳食中期(7~8ヶ月) |
|---|---|
| しいたけの刻み方 | 1mm程度のみじん切り |
| おすすめ調理法 | とろみをつけたあんかけにして食べやすく |
| 主な材料 | しいたけ、絹ごし豆腐、ブロッコリー、かつおだし、水溶き片栗粉 |
| 手順のポイント | しいたけのゆで汁とかつおだしで旨味の相乗効果を狙う |
| 仕上げ | とろみをつけて豆腐にかける |
【離乳食後期】しいたけレシピ:しいたけと鶏肉の煮込みうどん
しいたけのゆで汁や干ししいたけダシは、うどんやお粥などの味つけにも活躍してくれます。後期になると離乳食の好き嫌いが増えてくる子もいますので、赤ちゃんが喜ぶ麺類にしてあげると食が進む子も多いですよ。
こちらでは、しいたけと鶏肉の煮込みうどんのレシピをご紹介します。椎茸のグアニル酸と鶏肉のイノシン酸の相乗効果でうま味タップリの献立です。ママ用には味噌などを加えてアレンジすれば、ママと赤ちゃんのお昼ご飯が手軽に完成しますね。色々な野菜を加えて栄養満点のうどんを作ってみましょう。
しいたけと鶏肉の煮込みうどんのレシピ
材料: しいたけ(かさ)、鶏モモ肉、茹でうどん、人参、大根、かつおだし
| 対象時期 | 離乳食後期(9~11ヶ月) |
|---|---|
| しいたけの形状 | 2~3mmの微塵切り |
| 旨味の工夫 | しいたけと鶏肉(イノシン酸)のダシで相乗効果 |
| 手順のポイント | 鶏肉・野菜・うどんもすべて月齢に合わせた大きさに刻み、柔らかく煮込む |
| アレンジ | 大人用に味噌などを加えると、親子の食事が手軽に |
【離乳食完了期】しいたけレシピ:干し椎茸入り豚そぼろ
離乳食完了期になると薄くスライスした椎茸なら、うまく食べられる赤ちゃんもいますが、まだ奥歯は生え揃っていませんので、引き続き刻んだ椎茸を食べさせましょう。
この時期から干ししいたけの実も食べられるようになりますが、生しいたけより食べにくいので、十分に水戻ししてから調理し、生しいたけより細かいみじん切りにしましょうね。
今回は、干ししいたけを加えた干し椎茸入り豚そぼろのレシピをご紹介します。干ししいたけの戻し汁を活用したビタミンDと旨味が豊富なレシピです。ごはんに乗せたりパスタに絡めたりすると美味しいですよ♪
ママやパパ向けには、ニンニク・味噌・醤油・酒などをプラスして肉みそにしてみてはいかがですか?
干し椎茸入り豚そぼろのレシピ
材料:干ししいたけ、干ししいたけの戻し汁、豚ミンチ、醤油少々、味噌少々
| 対象時期 | 離乳食完了期(12~18ヶ月) |
|---|---|
| しいたけの種類 | 干ししいたけ(しっかり水戻し) |
| 下ごしらえ | スライス後に細かいみじん切り(硬さが残るため) |
| 主な材料 | 干ししいたけ、戻し汁、豚ミンチ、調味料少々 |
| 栄養価のメリット | ビタミンDと旨味が豊富 |
| アレンジ例 | ごはんに乗せたり、パスタに絡めても美味しい |





