離乳食にまぐろは安全?赤ちゃんには心配せず積極的に与えて
離乳食にまぐろを与えてよいか心配なママもいるでしょう。妊娠中は魚に含まれる水銀による胎児への悪影響から厚生労働省がクロマグロやメバチマグロなどの食べ方への注意喚起(注1)を行っていましたが、離乳食については問題ありません。
胎児はまぐろの水銀がダメで離乳食はいい理由!乳幼児は食べる量が少なく排出できるから
平成17年改定以降の厚生労働省の指導では妊婦及び胎児はハイリスクとされていますが、乳児や小児および成人はハイリスクに含まれていません。
これはメチル水銀が子供の神経発達に有害であると証明されていないこと、摂取量が少ないこと、小児は胎児と違いメチル水銀を体外に排出できるという点などから判断されています。
離乳食のまぐろに安全な種類は?特に規定はくどれも安全
厚生労働省からは離乳食でまぐろを与えることや量に対し、特に注意喚起はされていません。
まぐろを原料とするツナ缶の水銀含有量も少ないため、マグロの種類に関しても心配せずバランスよく与えるように推奨されています。
むしろ心配し過ぎでマグロなどの魚を離乳食で与えないと、EPAやDHAなど魚から摂れる大切な栄養素が不足してしまうのが心配!
赤ちゃんの体内に入った異物は少しずつ排泄されますので、毎日立て続けに食べさせるような過剰摂取やマグロを食生活から完全除去などアンバランスな離乳食にならないように気をつけて、色々な食材でたんぱく質を摂らせてあげましょう。
まぐろの水銀は母乳に移行する?量は少ないので気にしないで!
母乳育児の場合、まぐろを食べて作られた母乳を赤ちゃんに与えてよいか不安になるでしょうが、母乳から赤ちゃんの体内に入る水銀量は低いため授乳中の母親はハイリスクの対象外となっていません。
むしろマグロは授乳中の母親に大切な栄養素が豊富な食材ですので、誤った解釈により魚の摂取量を減らさないようにしましょう。
離乳食にまぐろはいつから使える?白身魚に慣れる中期から
離乳食の魚については「白身魚→赤身魚→青皮魚」の順番なので、赤身魚のまぐろは白身魚や身が赤いけれど白身魚である鮭に食べ慣れてから開始しましょう。
離乳食でまぐろを開始する目安は中期ですが、実際にはその前に白身魚の種類を増やしたり、卵を始めたりするため中期の後半~後期に開始する赤ちゃんも多いです。
離乳食には脂質の少ないたんぱく質が適していますので、まぐろのトロは離乳食向きではありません。離乳食ではツナ缶や赤身の刺身を湯通ししたりして与えたりしましょう。
ただしツナ缶は主原料がマグロとカツオの2種類の商品があります。離乳食ではカツオもマグロと同じ時期から与えられますが、いずれも初めはスプーン1さじから徐々に食べ慣らすため、混同しないように注意して下さい。
またツナ缶の種類も水煮だけでなくオイル漬けがありますので、表示をしっかりと確認して選びましょう。
離乳食でまぐろの刺身はいつから?3~6歳以上が目安
離乳が進むとまぐろの刺身も食べさせたくなりますが、残念ながら生のまぐろの刺身は専門家でも3歳以上あるいは6歳以上で、保育所でも刺し身が出されることはありません。
刺身を離乳食期に与えるのは早すぎますので、子供がまぐろの刺身を欲しがっても与えないように注意しましょう。
おじいちゃんやおばあちゃん、パパが食べさせてしまうことがあります。日頃からパパと育児情報を共有し、おじいちゃんおばあちゃんに子供を預ける際は「刺身はまだ早いので与えないで」と伝えておきましょう。
対策として離乳食に使用するマグロは調理中も常温に放置せず、温度や鮮度管理をしっかりと行ってください。
離乳食向けまぐろの選び方|刺身はトレーや色を見て
離乳食向けのまぐろは新鮮なものを選ぶのはもちろんですが、他にも赤ちゃんの内臓への負担や食べやすさを考慮して選ぶ必要があります。つぎの4つのポイントを抑えて購入しましょう。
離乳食向けまぐろ選び4つのポイント
- 赤身を選ぶ
- 血栓(赤い血の筋)や茶色い部分がない、透き通るような赤色鮮やかなものを選ぶ
- トレーに赤い汁が染み出ていないものを選ぶ
- 白いスジが少ないものを選ぶ
離乳食用のまぐろの冷凍方法|常温に置かず購入後すぐに調理して冷凍
調理済みの離乳食のまぐろを冷凍保存は、購入後できるだけ速やかに行うことが大切。マグロに含まれたヒスタミンは加熱しても分解せず、冷凍しても解凍時に急増します。
そのため離乳食のまぐろを冷凍時に既に多くのヒスタミンを含んでいると、食べる時に赤ちゃんが体調を崩す恐れがあります。
離乳食のまぐろを冷凍する際は新鮮なマグロを購入するだけでなく、購入後は常温に置かず速やかに調理し、すぐに冷凍するように注意しましょう。
【離乳食のまぐろ】段階別おすすめレシピ6
まぐろは加熱すると刺身とはまた違った味わいを楽しめます。まぐろの刺身は1切れ15~20g(注4)ですので、夕食が刺身の時は1切れを離乳食用にすると作るのも楽です。
こちらでは、離乳食中期・後期・完了期向けのまぐろおすすめレシピをご紹介します。
離乳食中期のまぐろレシピや調理のコツ
離乳食中期はまだまだ食材を小さく刻んで食べさせる時期ですので、マグロを初めて離乳食に取り入れる場合にはまぐろだけを刻んで食べさせるとパサパサして食べ辛く感じる赤ちゃんもいます。お粥に混ぜたり野菜と混ぜたり、片栗粉でとろみをつけたりしてあげると食べやすくなります。
まぐろとほうれん草の2色粥のレシピ
材料:まぐろ 10g、ほうれん草 10g、全粥 50g
まぐろと野菜のスープ
材料:まぐろ 15g、ブロッコリー 10g、人参 10g、野菜スープ 100cc、水溶き片栗粉 適量
離乳食後期のまぐろレシピや調理のコツ
離乳食後期になると赤ちゃんが自分の手でご飯を食べたがり始めます。手づかみ食べは食への意欲の高まりですので、後片付けが大変ですが嫌がらずにさせてあげましょう。マグロのハンバーグは赤ちゃんの手づかみ食べの練習にピッタリの献立です。
まぐろハンバーグのレシピ
材料:まぐろ 40g、卵 1/4個、玉ねぎ 10g、片栗粉 小さじ2
※作りやすい分量(3食分、6個程度)
まぐろのクリーム煮のレシピ
材料:まぐろ 15g、人参 10g、ジャガイモ 10g、野菜スープ 20cc、牛乳 20cc
離乳食完了期のまぐろレシピや調理のコツ
離乳食完了期になると大人の取り分けも少しずつできるようになりますが、マグロの関しては必ず加熱してから与えるようにしましょう。
ある程度大きくカットしたものも食べることができるようになりますので、刺身用にカットされたまぐろをそのままソテーにするなど、簡単な調理法でも美味しい離乳食を作ってあげることができます。
まぐろのソテーのレシピ
材料:まぐろ 15~20g、バター 少々、ブロッコリー 適量
まぐろの3色丼のレシピ
材料: まぐろ 15g、人参 20g、卵 1/4個、軟飯 90g
※まぐろは、かつおや昆布だしで火を通しても美味しく仕上がります
参考文献