離乳食の蒸しパンはいつから?生後9ヶ月を過ぎた離乳食後期から
離乳食の蒸しパンは名称に「パン」がつくこともあり、「パンが食べられる中期から赤ちゃんも食べられる」と誤解されがちですが、基本的には生後9ヶ月を過ぎた離乳食後期からです。
離乳食の蒸しパンを作る際は特定原材料7品目に指定されている全卵や牛乳、小麦粉を使いますし、赤ちゃんにはあまり与えたくない砂糖も使うため遅い方が安心。柔らかく美味しいため、頬張りすぎてしまうとのどに詰まらせることも。
ただし市販の蒸しパン粉やホットケーキミックスなどを使う場合は、粉自体に卵や牛乳、添加物が多く含まれている商品もあるため原材料の確認が必要。初めは粉から材料を選んで手作りしてあげるのがおすすめです。
ミックス粉を使わない蒸しパンなら赤ちゃんにも安心して与えられる
離乳食で初めて蒸しパンを作る時は市販のホットケーキミックスや蒸しパン粉、パンケーキミックスを使わずに、粉の計量から手作りで蒸しパンを作るとシンプルな材料だけで作ってあげられます。
離乳食の手作り蒸しパン基本の材料
- 薄力粉
- ベーキングパウダー
- 砂糖
薄力粉は中期から与えられる食材。そしてベーキングパウダーの主成分は、赤ちゃんが口に入れても安心と言われる重曹(炭酸水素ナトリウム)。
となると「中期から食べられるのでは?」と思いますが、ベーキングパウダーには自然の食物ではない化合物も含まれているため、後期からの方が安心です。
蒸しパンは噛むとネチョネチョしてくるため、赤ちゃんには意外と食べにくい離乳食。飲み込みやすさの観点からも様々な食材に慣れ、抵抗力もついてきた後期からにしましょう。
蒸しパンの甘味づけには砂糖や果物を使って!
赤ちゃんはハチミツをまだ食べられないので、満1歳までの離乳食の蒸しパンの甘味は、砂糖やバナナ、柿などの甘さが強く糖分の多い果物を使って付けましょう。
食感がフワフワで食べやすい蒸しパンですが、砂糖を加えないと赤ちゃんでも食べにくいです。また、ベーキングパウダーを使わないと固くなります。
後期・完了期の砂糖の目安は1食3g。そのため離乳食の蒸しパンは生地に混ぜる食材にすり潰した野菜、バナナや柿など素材の味そのものが甘くて食べやすい果物を選ぶとよいでしょう。
市販の蒸しパンミックスも離乳食用なら安心!
離乳食で初めて蒸しパンを作る時は市販のホットケーキミックスや蒸しパン粉、パンケーキミックスを使わずに、粉の計量から手作りで蒸しパンを作るとシンプルな材料だけで作ってあげられます。
離乳食用蒸しパンミックスの原材料の一例
- 植物油脂
- 脱脂粉乳
- でん粉
- 卵
- コーンシロップ
- デキストリン(ジャガイモやコーン由来の食物繊維)
蒸しパンミックスのパッケージに「生後9ヶ月の赤ちゃんから」と表示されていても、牛乳や卵をまだ与えていない場合は与えられません。
離乳食用であっても原材料となっている卵や牛乳を食べられることを確認してから、蒸しパンミックスを使うようにしましょう。
蒸しパンやホットケーキミックスはいつから?製品ごとに違う
市販の蒸しパンミックスを使って離乳食の蒸しパンを作る場合は、含まれている原材料により与える時期に気をつける必要があります。
原材料に砂糖などの糖類や塩分が少なく、香料などの添加物を使っていない物であれば生後9ヶ月の後期から与えられます。
ただし、一般的に市販されている蒸しパンミックスの原材料には、商品にもよりますが次のような物が入っている製品が多いです。
市販の蒸しパンミックスの原材料の一例
市販のホットケーキミックスも離乳食で与える際に気を付けたい乳化剤や卵黄などが入っている商品がありますので、製品選びには気を配りましょう。
市販の蒸しパンミックスやホットケーキミックスは、含まれる香料などの添加物の種類や調味料の量に関する情報が、パッケージやメーカーのホームページを確認しても明確に表示されていないことが多いです。
また美味しいだけに砂糖や塩など離乳食ではあまり与えたくない調味料も多く含まれているので、悪影響を理解して濃い味付けに注意することが必要。
濃い味付けや添加物はすぐに悪影響を実感するものではありませんが、離乳食には栄養摂取だけでなく赤ちゃんの安全を守る役割もありますので、市販の蒸しパンミックスやホットケーキミックスを使わなくても、美味しく手軽に作れるレシピを知っておくと安心です。
粉から手作りする離乳食の蒸しパンはベーキングパウダー選びに注意!
離乳食の蒸しパンをふっくらさせるための膨張剤となるベーキングパウダーは、重層のほかに化合物やコーンスターチなどの添加物からできていますが、商品によっては焼きミョウバン(硫酸カリウムアルミニウム)が含まれているものもあります。
焼きミョウバンに含まれるアルミニウムは、安全性への疑問が指摘されていますので、ベーキングパウダー選びには十分気をつけたいところ。
赤ちゃんの離乳食に使うベーキングパウダーは、「アルミフリー」「焼きミョウバン不使用」といった表示がされている商品を選びましょう。
市販の蒸しパンは離乳食になる?赤ちゃんには不向き
ベーキングパウダーに含まれるアルミニウムの危険性は分かりましたが、だからといって市販の蒸しパンに含まれるベーキングパウダーに、アルミが含まれているかどうかなんて確認できません。となると、市販の蒸しパンは離乳食として赤ちゃんや幼児に与えられるのでしょうか?
離乳食後期になったからといって、離乳食期に「市販の蒸しパンでも大丈夫よね」なんて気軽に与えるのはおすすめできません。
私達は日常生活をしている中でも、野菜や魚などから自然にアルミニウムを摂取しています。厚生労働省によると、大人の場合は摂取量が許容量を下回っていますが、残念ながら1~6歳児までの子どもは、許容量に対する摂取量の割合が最も高くおよそ40%。
許容量を上回ってしまった子供は5%もいたそうです。これは、パンやお菓子の膨張剤、つまりベーキングパウダーが関係していると考えられているんです。
また、市販の蒸しパンにはアルミニウムだけでなく、美味しいだけあって砂糖や塩がたっぷり。ですから、砂糖や塩による味付けの濃さも問題です。離乳食期の蒸しパンは、ママの愛情たっぷりの手作りのものを与えましょう。
離乳食の蒸しパンをフワフワにする6つの方法
手作りの蒸しパンには膨らませるためにベーキングパウダーを入れますが、これだけではどうしても重くなってしまいがち。ですが、せっかく作るのですからフワッフワの蒸しパンを作って食べさせてあげたい!
こちらでは、そんなママのご要望にお応えし、フワフワの激ウマに変える技を6つご紹介しますので、ぜひ試してみてください。
1つなぎを入れる
蒸しパンがふっくらせずに固くなるのは、小麦粉に含まれるたんぱく質のグルテンが硬く結合してしまうため。グルテンの働きは水分や油脂、砂糖を入れることで弱まります。ところが、水の量が多すぎると逆にベシャッとしてしまうことも…。また、離乳食では油脂や砂糖を控えたいです。
そこで、水加減を調節しやすいすりおろした野菜、乳脂肪が含まれたチーズや牛乳などのつなぎをプラスするのがおすすめなんです!基本の材料につなぎを入れることで、蒸しパンが柔らかく仕上がります。コクがプラスされるので、味もさらにおいしく仕上がります。
2ごく少量の植物油を入れる
植物油を少量入れることで、パサつきがなくなってしっとりフワフワした蒸しパンに仕上がります。お菓子作りではバターを使ってフワフワにすることが多いのですが、肉や乳製品の脂肪より体にいい植物油は、バターよりもおすすめ。油類は後期に1食3g、完了期は1食4gを目安に食べさせることができます。
3卵白を入れる
卵白を入れると蒸しパンがフワフワ丸く膨らみます。卵白には空気を含んでフワフワに膨らませる作用があるためです。ですから、市販の蒸しパンミックスにも卵白が入っているものが多いです。
ちなみに、卵黄には風味を増し、膨らみを抑える働きがあります。卵蒸しパンのような優しい味に仕上げたい場合は、卵黄も入れるとおいしさ倍増です。
4コーンスターチを入れる
とうもろこしを粉にしたコーンスターチ。離乳食のトロミつけに初期から大活躍する食材です。蒸しパン作りでも生地に混ぜ込むことで、しっかり混ぜてもグルテンによる粘りが出にくくなるため、蒸しパンが膨らみやすくなります。市販の蒸しパンやベーキングパウダーにも、コーンスターチが含まれていることが多いです。
5サックリ混ぜる
生地を混ぜ合わせるとき、しっかり錬るように混ぜるとグルテンの量が多くなって生地が硬くなってしまいます。粉と水分を混ぜ合わせるときは、ゴムベラでサックリ切るように、ボウルの底から大きく返すようにかき混ぜるようにすると、フワフワした蒸しパンになりやすいです。
6蒸す
市販の蒸しパンミックスで蒸しパンを作るかのように、離乳食の手作り蒸しパンを電子レンジで作ろうとすると、短時間で簡単に作れますが、時間が経つと固くなってしまいやすいんです。
できれば蒸し器を使って蒸すのがおすすめ。蒸し器で作ると1日中フワフワ状態。硬くなったとしても、レンジで20秒程加熱することで、再度ふわふわの状態になります。
蒸し器がないご家庭では、蓋つきのフライパンや鍋を使っても簡単に蒸して作ることができます。
フライパンを使った離乳食の蒸しパン作りに便利なシリコンカップ
シリコンカップは、直火にかけなければ蓋つきのフライパンやお鍋でも蒸しパンが作れるのでとっても便利♪
直火にさえかけなければ約230度からマイナス30度ほどまで耐熱性があるので、電子レンジやオーブンにも使えますし、冷凍保存にも利用できます。紙カップがなくても、シリコンカップにそのまま生地を入れて蒸すだけでOK。
フライパンでの蒸しパンの蒸し方
- 水で濡らしたフキンを固く絞って蓋を包み、上でしっかり結ぶ
- フライパンの底にクッキングシートを敷く
- シリコンカップに生地を7分目まで入れ、フライパンに入れる
- フライパンに水を高さ2~2.5cmまで注ぐ
- 蓋をして10~15分蒸す
※加熱時間は火加減などで調節し、水がなくなると危険ですので、目を離さないようにしましょう
※フキンを蓋に包むことで、蒸気が水滴になって落ちるのを防ぐことができます
シリコンカップは生地がくっつきにくいので、アルミカップよりお手入れが楽。また、繰り返し使えるので経済的です。
最近では動物の形のシリコンカップやハートや星といったかわいい形のものがあるので、動物のかわいい蒸しパンだと子どもも喜びます。お弁当の仕切りやカップケーキ作りにも重宝します。スーパーや100円ショップなどでも購入できますので、好きな形や色を選んで常備しておくといいです。
離乳食の蒸しパンは冷凍OK?保存袋に入れれば2週間ほどOK
離乳食用の蒸しパンを作る時は、たくさん作って残った分は冷凍保存しておきましょう。冷凍するときは、一つ一つラップで包んで、ジッパー付きの冷凍用保存袋に入れて冷凍保存!
これで冷凍による乾燥を防ぐことができますし、小分けして冷凍しておくことで、いつでも好きな時に取り出しやすくなります。
食べるときは1分ほど電子レンジで加熱して解凍すれば食べることができ、蒸して解凍すれば、さらにおいしく食べることができます。冷凍での保存期間は2週間程が目安。冷凍中も水分がなくなっていきますので、冷凍保存袋に作った日付を記入し、できるだけ早く食べましょう。
【離乳食の蒸しパン】フワフワ激ウマレシピ
こちらでは後期から食べられる離乳食の蒸しパンレシピをご紹介します。基本の材料をマスターしておくと、あとはトッピングや中に入れる具材をアレンジすることで、いろんなバリエーションの蒸しパンが楽しめます。野菜嫌いの赤ちゃんには、ピューレ状にした野菜を生地に混ぜ込むのもおすすめ。ほうれん草やにんじん、かぼちゃなどは身体によく、見た目も色鮮やか♪美味しい蒸しパンに仕上がります。
まずは、かぼちゃの米粉蒸しパンのレシピをご紹介します。米粉を使うことで小麦アレルギーの赤ちゃんでも安心して食べることができます。また、小麦粉と違って粉をふるう必要がないのも、簡単に作れて魅力的。つやっつやなフワフワ蒸しパンに仕上がります。
かぼちゃの米粉蒸しパンのレシピ
材料:米粉100g、蒸したかぼちゃ50g、砂糖10g、ベーキングパウダー5g、塩少々、豆乳又は水80g、なたね油20g
※竹ぐしを刺して、生地がつかなければ完成
次は、さつまいもとおから豆乳蒸しパンのレシピをご紹介します。「生のおからを買ったけど、なかなか消費しきれない…」という時のお助け料理です。おからと豆乳を使っているので、栄養満点の蒸しパンになります。さつまいもの代わりにレーズンを入れても、おいしく食べることができます。大人用には砂糖を多めに入れれば、お茶うけとしてもgood。
さつまいものおから豆乳蒸しパンのレシピ
材料:薄力粉50g、おから50g、さつまいも30g、砂糖10g、ベーキングパウダー小さじ1、豆乳100㏄
こちらではバナナとココアパウダーを使ったバナナのココア風味蒸しパンのレシピをご紹介します。ココアパウダーは、製菓用の砂糖の入っていないものを使うようにしましょう。
ココアパウダーは9ヶ月以降になると、風味付けくらいであれば少量使うことができるようになります。バナナと相性のいいココアを混ぜ込むことで赤ちゃんもおいしく食べてくれます♪
バナナのココア風味蒸しパンのレシピ
材料:薄力粉120g、バナナ1/2本分、砂糖10g、ココアパウダー小さじ1、ベーキングパウダー小さじ1、塩少々、牛乳70ml、水60ml
乳製品、卵、サラダ油のフワフワ技をてんこ盛りに使った、ヨーグルト蒸しパンのレシピをご紹介します。ヨーグルト風味の甘さ控えめの蒸しパンなので、ママが食べるときはブルーベリーのジャムなどを塗って食べるとおいしいです。ヨーグルトの代わりに牛乳や豆乳を入れてもOK!切ったさつまいもやレーズンをトッピングしても、おいしく食べられます。
ヨーグルト蒸しパンのレシピ
材料:薄力粉150g、砂糖10g、ベーキングパウダー5g、ヨーグルト100g、卵1個、サラダ油大さじ1
朝食にピッタリなケークサレ風蒸しパンのレシピをご紹介します。こちらでは、簡単に作れる砂糖や添加物の心配がないパンケーキミックスを使っていますが、ベースの蒸しパンの作り方に具材を入れて作る方法でもOK!ベーコンを使っていますので、完了期のお子さんにおすすめ。忙しい朝には冷凍しておいたものを温めなおして出すと、手軽に栄養満点の朝食に早変わりです♪
ケークサレ風蒸しパンのレシピ
材料:パンケーキミックス150g、玉ねぎ10g、にんじん10g、ピーマン10g、ミニトマト4個、ベーコン10g、粉チーズ大さじ1、卵1個、牛乳100ml
乳幼児の蒸しパンによる窒息に要注意!
一つだけ、離乳食期の乳幼児に蒸しパンを与えるときに注意したいのが、のどに詰まらせないようにすること。離乳期の乳幼児の場合、大きなまま頬張ったりかじりついたりすると、うまく噛めずにそのまま飲み込んで喉に詰まらせる可能性が高く、他の食材と違って「オエッ」とはばけても窒息することが多いんです。
窒息事故TOP3はもち、ご飯、パン!離乳が進んだからと油断せず、側に飲み物を置き、食べさせるときは蒸しパンを食べやすい大きさにちぎって与え、目を離さないように注意しましょう。
蒸しパンは離乳期の赤ちゃんや幼児だけでなく、どの年代のおやつにしても重宝します。この機会に蒸しパン名人になって、いろんな蒸しパンレシピに挑戦してみてください。
子育て4コマ漫画:離乳食のレパートリーに!アレンジがきく蒸しパン
離乳食で蒸しパンを食べられるようになると野菜を混ぜる好き嫌い対策がしやすくなり、電子レンジで作れるので調理も簡単で助かります。
手づかみ食べを自由にできるためか、あるいは食感や甘さのためか、野菜ペーストを混ぜた離乳食用の蒸しパンは野菜嫌いの赤ちゃんも好んで食べくれます。
つい作りすぎてママも食べるというのはマーミーの離乳食のパンの記事に掲載されている永岡さくら(saku)さんの子育て4コマ漫画と共によくある育児あるあるですが、できれば作り立てが美味しいのでペーストを冷凍しておき、マグカップに粉と溶かしたペーストを入れ、レンジでチンするのもおすすめです。