離乳食の柿で秋の風邪をブロック!アレルギーは?段階別レシピ
柿は、日本古来の植物で、秋の風物詩として親しまれているほど。「柿が赤くなると医者が青くなる」と言われるほど、栄養価が高い果物なんですよ。柿の葉ですら昔から殺菌力があると言われ、柿の葉寿司にも使われていますよね。最近は、パパの加齢臭にも効果があるとして柿の葉石鹸がヒットしましたし、柿の葉茶は栄養満点で注目されています。けれど、優秀な柿も食べすぎには注意が必要!
こちらでは、柿の健康効果と柿アレルギーや下痢への注意、鉄分不足の赤ちゃんへのデメリット、離乳食向きの柿の選び方や渋戻りを防ぐ方法、加熱や冷凍、段階別の離乳食レシピについてご紹介します。気温の変化にも負けない体づくりをサポートしてくれる柿。離乳食にとり入れて、赤ちゃんの健康を守ってあげましょうね。
秋は柿で風邪予防!赤ちゃんへの健康効果
昔の映画やマンガには、よく子どもが柿をちぎって食べるシーンが出てきますよね。柿には子供を元気にしてくれる栄養がたっぷり。医者が青くなるほどの栄養や健康効果って、一体どんなものなのでしょう。
1秋の風邪をブロック
柿には、免疫力を高めてくれるビタミンCが豊富に含まれているんです。その量は、同量のみかんのおよそ2倍。急に寒くなってくる秋。鼻水が出たり、咳をしたりする赤ちゃんが増えてきますが、そんな秋風邪のウイルスや細菌をブロックするビタミンCをたっぷりとらせてあげましょう。
柿に含まれるビタミンCには、粘膜を守る効果があります。また、体内に侵入したウイルスや細菌と戦ってくれる免疫物質の生成にも関わっています。ところが、ビタミンCは体内に蓄積することができません。尿や汗と共に体外に流れ出てしまうため、こまめにとる必要があるのです。
また、柿には皮膚の乾燥を防いで潤いを保つ効果があるβ-カロテンもたっぷり。ビタミンCとの相乗効果で、鼻やのどの粘膜をより強化し、風邪を予防する効果があります。ビタミンCとβ-カロテンをたっぷり含んだ柿を離乳食に加え、赤ちゃんを風邪に負けない強い身体にしてあげましょうね。
2便秘解消
柿は便秘解消に効果がある食物繊維がたっぷり。干し柿にするとビタミンCはほとんどなくなってしまいますが、βカロテンは2倍以上に増加。さらに、食物繊維は同じ量でおよそ5~9倍にもなるのです。柿や干し柿には不溶性の食物繊維が非常に多いため、便の量を増やして腸を刺激し、蠕動運動を活発にして便を排出しやすくする効果が期待できますよ。
ただし、夏の暑い時期と違い、秋になるとのどが渇きをうったえることが少なくなるので、水分不足で逆に便秘がひどくなる赤ちゃんもいます。柿を食べさせるときは、意識して水分補給を行うようにしましょうね。
3夏の日焼けした肌を回復
柿に含まれるビタミンCは、強い抗酸化作用があり、日焼けした肌を回復させてくれ働きがあります。日焼け止めを塗ったり、UV加工された服などを着せたりしても完全にシャットアウトできない紫外線ですが、ビタミンCを定期的にとらせてあげることで、身体を酸化から守れますよ。
また、ビタミンCにはメラニン色素の沈着を防ぐ効果もありますので、シミやそばかすのない美しい赤ちゃんのお肌をキープするのに役立ちますよ。肌荒れしやすい産後のママも、赤ちゃんと一緒に柿でビタミン補給しましょうね♪
柿はいつから?柿アレルギー
離乳食で柿を初期後半から与えるママもいますが、柿は体を冷やし柿アレルギーも心配される果物。甘みの強さや渋みなどで食べにくい赤ちゃんもいるため、心配な場合は離乳食中期からのスタートするのがおすすめですよ。
柿アレルギー
柿を食べると口腔アレルギー症候群を発症する赤ちゃんがいます。食後5~15分で起こることが多く、口やのどがかゆい、はれぼったい、イガイガヒリヒリするなどの症状が出ますが、ひどくなるとじんましん、吐き気や下痢、アナフィラキシーショック症状が出ることもあります。
また、柿を食べさせていた経験がなく、小学校入学後に給食で初めて食べたことから柿でアレルギーを起こす子供もいるようです。慌てて食べさせる必要はありませんが、だからと言って極端に避ける必要もありません。心配であれば少しずつ様子を見ながら与えていくようにしましょうね。
花粉症の赤ちゃんは特に注意
花粉症の赤ちゃんは、柿をはじめ様々な果物のアレルギーを発症しやすいと考えられています。これは、柿が害虫から身を守るための生体防御タンパクが、花粉のタンパク質と似ているため。特にシラカバ花粉症の赤ちゃんは、柿アレルギーを発症しやすく、柿以外にもリンゴ、イチゴ、メロン、梨、桃、キウイ、サクランボ、ビワなどでもアレルギーを発症する可能性が高いため、ママは注意してあげましょうね。
赤ちゃんが柿を食べ過ぎた…下痢への注意
風邪予防に効果的と言われるビタミンC。柿にもタップリ含まれていますが、残念ながら食べ過ぎると赤ちゃんが下痢することがあります。柿は食べ過ぎると排尿の回数も増えることから、「身体を冷やす食べ物」と言われ、昔の人も食べ方には注意していたのですよ。柿には利尿作用のあるカリウムも豊富に含まれています。
ただし、ビタミンCは赤ちゃんに必要な栄養素でもあり、尿と一緒に体の外に排出されてしまうため、赤ちゃんには柿を含め様々な食材からビタミンCを少量ずつこまめに与えることが大切。甘くて美味しいと赤ちゃんは何個も食べたがりますが、一度に食べ過ぎてしまわないようにママが配慮してあげましょうね。
鉄分不足の赤ちゃんに柿は控えて!
柿の渋みはタンニンと呼ばれるポリフェノールの一種。体にいい効果もありますが、実はこのタンニンが鉄分の吸収を阻害してしまうのです。ですから、鉄分を摂らせたい貧血気味の赤ちゃんには、柿を食べさせるのを控えた方がいいです。貧血でない赤ちゃんにも、柿はおやつなど、食事の時間とずらして与えましょうね。
離乳食向きの柿の選び方
柿には甘柿、不完全甘柿、不完全渋柿、渋柿の4種類があります。このうち、甘柿以外は加熱することで渋みが戻る「渋戻り」がおこってしまうことがあります。渋戻りとは、渋抜きされて無くなったはずの柿の「渋み」が戻ってしまうこと。稀に甘柿にも起こることがありますが、赤ちゃんに与える離乳食で使う場合は、白く粉を吹いている甘柿を選ぶとよいでしょう。白い粉は完熟している証拠なので、甘みがあり栄養価も高くなっていますよ。
<甘柿の種類>
- 次郎柿(じろうがき)
- 富有柿(ふゆうがき)
- 御所柿(ごしょがき)
- 早秋柿(そうしゅうがき)
- 伊豆柿(いずがき) など
甘柿の見分け方
- かたちは全体的に丸みを帯びている
- 切ると中にゴマと呼ばれる黒い点々がある
- 食べてみる
甘柿の見分け方をご紹介しましたが、残念ながら例外も多く、柿の種類を見た目で選ぶことは困難です。渋柿の形は、干し柿の形をイメージすると分かり易いのですが、一般的には先がとがって縦長い形をしている物です。ただし、市場に良く出回っている四角くて平らな形の平核無柿(ひらたねなしがき)も渋柿ですので、これはなかなか甘柿と見分けられないですよね。
また、柿を切って見える黒い点々の正体はタンニン。タンニンは熟すことで黒くなり、食べても渋みを感じなくなりますので、切ると黒いゴマがあるものはタンニンが不活化した甘柿である可能性が高いのです。ただし、食べてみると渋みがある、不完全渋柿もありますし、市販の渋柿は炭酸ガスなどを使って渋抜き(不活化)してから出荷されていますので、渋抜きをして甘くなった渋柿にも黒い点々はあります。
柿の渋戻りによる離乳食の失敗を防ぐ調理法
加熱することで渋戻りしてしまう柿。せっかくママが赤ちゃんのために甘柿を選んでも、実は渋柿だったということもあり、できれば渋戻りを防ぐ調理法も知っておきたいでしょう。
離乳食作りで渋戻りによる失敗を防ぐためには、ひと匙分を先に加熱して渋くなっていないかを確認するのが一番です。
また離乳食に使う柿を冷凍するために柿のピューレを沢山作った後に、実は渋柿だったと気付いた場合は牛乳やヨーグルトなどのタンパク質と一緒に、大人が食べたり飲んだりしましょう。
たんぱく質と一緒にとることで、渋みを感じにくくなります。ただし渋みの感じ方には個人差があるため、加えるタンパク質の量を調節して渋みを減らしてください。
離乳食の柿は加熱が必要?冷凍できる?
赤ちゃん用に柿を買ってきても、一度にたくさん食べられないので保存方法も知りたいところですよね。また、柿は果物だけど、赤ちゃんには加熱して与えなければならないのかも疑問ですよね。ここからは、離乳食での柿の加熱の必要性と冷凍保存について見ていきましょう。
離乳食の柿は加熱が必要?
赤ちゃんは雑菌に対する抵抗力が弱いため、1歳までは基本的に食材の加熱が必要ですよね。ただし、柿などビタミンCが豊富な果物は基本的に加熱の必要がありません。ただし、赤ちゃんに与える場合は、調理器具をしっかり殺菌・除菌してから調理しましょうね。もちろん、加熱して与えてもOK。甘みが増しますよ。
離乳食用の柿の冷凍
柿は冷凍保存できます。離乳食に使う場合、ピューレ状にして製氷皿に入れて冷凍したり、ジッパー付き保存袋に入れて平らにしたりして冷凍保存しておくと使いやすいですよ。また、てっとり早く柿を丸ごと冷凍庫へポン!半解凍させたものをスプーンですくってピューレ状にしても、簡単に調理できます。ママのやりやすい方法で保存してくださいね。
【離乳食の柿】段階別おすすめレシピ
秋が旬の美味しい柿。赤ちゃんにもおいしく食べてもらいたいですね。季節を感じるものを与えることは、赤ちゃんの情緒を育てる上でも大切なことですよ。そのままでも十分に甘くておいしい柿ですが、こちらではおいしい離乳食レシピをご紹介します♪
【離乳食中期】柿レシピ
初めて柿を与える時は、少しずつ様子を見ながら与えていきましょう。柿は実の回りにとろみがあるので、食べ始めの赤ちゃんは角切りだとうまく噛みつぶせずに、飲みこんで詰まらせる危険性もあります。最初はピューレ状にして与えると安心ですよ。
こちらでは、便秘の赤ちゃんにピッタリのヨーグルトを使った離乳食レシピをご紹介します。甘味のない無糖ヨーグルトも、柿の甘さで食べやすくなりますよ。
柿ピューレのヨーグルトのレシピ
材料:柿10g、無糖ヨーグルト20g
- 柿の皮をむき、種を取り除いてピューレ状にすりつぶす
- 無糖ヨーグルトにトッピングする
【離乳食後期】柿レシピ
こちらでは、後期のおやつにピッタリの簡単プリンをご紹介します。柿に含まれるペクチンの力を利用して、温めた牛乳と混ぜるだけで加熱しなくても固まる簡単レシピです。冷やすだけで手軽にできるので、柿が残った時のアレンジレシピとして活用してくださいね。
柿のプリンのレシピ
材料:柿30g、牛乳30ml
- 柿の皮をむき、種を取り除いたらピューレ状にすりつぶす
- 牛乳は沸騰しない程度に加熱しておく
- 1に2を入れて混ぜ、型に入れて冷やし固める
【離乳食完了期】柿レシピ
離乳食完了期は、大人と同じような料理を食べる練習の時期です。好き嫌いが出てくる頃で、食べムラも心配ですよね。塩分は赤ちゃんの胃腸に負担がかかるので、できるだけ薄味のものを与え、1日3回の食事でとりきれない栄養は、おやつなどでとれるように工夫しましょうね。
こちらでは柿が旬の秋にぴったりな柿と人参のカップケーキをご紹介します。にんじんをすりおろして入れることでオレンジ色のケーキになり、ハロウィンパーティーにも大活躍♪にんじん嫌いの赤ちゃんにもパクパク食べてもらえますよ。
柿と人参のカップケーキのレシピ
材料:柿30g、にんじん30g、小麦粉100g、砂糖大さじ1、ベーキングパウダー(アルミフリー)小さじ1、菜種油小さじ1、牛乳50ml
- 柿は食べやすい大きさに細かく切り、にんじんはすりおろしておく
- 小麦粉と砂糖、ベーキングパウダーを良く混ぜ合わせておく
- ボウルに牛乳と卵、菜種油を入れてよく混ざったら、2を入れて混ぜ合わせ、1を混ぜる
- 型に生地を流し込み、180℃に熱したオーブンで25~30分焼く
柿を使った離乳食には他にも美味しいレシピが沢山ありますので、ぜひ赤ちゃんに美味しい秋を堪能させてあげてください。