離乳食の梨は秋風邪の咳止め薬になる!アレルギーと段階別レシピ

夏の終わりから秋にかけて旬の梨。甘みが強くみずみずしい梨は、秋の食べ物の代表格として子供から大人まで愛される旬の味覚ですが、実は美味しいだけではないんです。台風の影響もあり急激に気温や気圧が下がる秋に増える、咳風邪や喘息発作に嬉しい、健康効果も秘めているのですよ。
今回は、梨が赤ちゃんにもたらす健康効果、離乳食で梨を食べさせる際の注意点、月齢別の梨レシピなど、離乳食の梨について詳しくご紹介していきます。秋の味覚を家族で楽しみ、恩恵を受けましょう。
離乳食は梨で秋の風邪を撃退!3つの健康効果

梨には秋の体に嬉しい健康効果が秘められていて、昔から漢方で生薬として皮が利用されてきたほど。できるだけ薬に頼らず健康管理をしてあげたい赤ちゃんには、うってつけですね。どのような健康効果があるのでしょう?
1咳止め薬になる
梨に含まれる糖アルコールの一種「ソルビトール」には、喉の痛みや咳を和らげ、痰(タン)を切る効果があります。秋の咳風邪や喘息が原因で赤ちゃんの咳やタンが気になるときは、梨を絞ってこしたものを白湯で割って飲ましてあげてもいいですね。
また、ソルビトールは保水力があり便の水分量を増やしますので、便秘解消にも効果的ですよ。
2夏の疲れを回復
梨にはアスパラギン酸が豊富に含まれています。アスパラギン酸は栄養ドリンクにも含まれているので、聞いたことがある方が多いのではないでしょうか?アミノ酸の一種で、エネルギーの産出やタンパク質の合成など、私たちが元気に過ごすためにとても大切な働きを担ってくれています。
夏の暑さや冷房で体が疲れ気味な赤ちゃんやママ、パパにおすすめの秋の食べ物。ただし、アスパラギン酸は熱に弱いので、その効果を最大限に得るには生のまま食べさせてあげましょうね。また、離乳食に使う場合は加えるタイミングを遅らせるなどの工夫をし、加熱しすぎに注意しましょう。
3解熱効果がある
梨の赤ちゃんへの嬉しい健康効果の一つが、解熱効果です。梨は昔から解熱剤になる生薬として使われてきました。梨は体を冷やす食べ物と言われ、梨に含まれるナトリウムやアスパラギン酸には利尿作用があるため、熱が下がりやすくなるのです。
小児科の診療が終わる夜になると、子供の熱は上がりやすいですよね。赤ちゃんの熱が少し高いけど食欲や元気があって、下痢やおう吐など他に苦しがる風邪症状もない場合は、慌てて夜間救急に駆け込まずに、まず離乳食で梨を少し食べさせ様子を見てみましょう。
離乳食で梨はいつからOK?

梨は、離乳食の初期から与えることができる果物です。梨は加熱すると甘みが増し、赤ちゃんが食べやすくなりますよ。
初めて梨を与える時には、加熱した梨の果汁をまずは1さじ与えてみましょう。甘くておいしい梨の果汁を、赤ちゃんも気に入るはずですよ。
梨と口腔アレルギー

梨は、りんごやモモ、サクランボ、イチゴ、スモモ、ビワなどと同じバラ科の果物です。そのため、これらの果物になんらかのアレルギー症状がでる赤ちゃんには、かゆみや腫れ、場合によってはアナフィラキシーショックを起こすこともありますので、充分に注意しましょう。
離乳食で梨を食べさせた後しばらくは、赤ちゃんの様子に変わったこところがないか、注意深く観察してくださいね。
栄養が豊富で、赤ちゃんも大好きな果物ですが、果物にもアレルギーが出る場合があるので注意が必要です。
梨の与え過ぎに注意!
梨に含まれるソルビトールはソルビットとも呼ばれ、その甘みから安全な食品添加物として、キシリトールなどと同様に様々な食品に使われています。ソルビトールは、下剤や浣腸液など医療用途でも使われていますので、便秘を解消する効果はありますが、乳幼児が食べ過ぎることで下痢を引き起こすことも…。
大人でも大玉1個、子供は半分食べると下痢をする人がいる程ですので、赤ちゃんに離乳食で梨を食べさせるときは、1匙から様子を見て与え、離乳食完了期でも1/8個程度にしておくと安心ですよ。
食物アレルギーかと思った
私は子供の頃から梨が大好きだったのですが、食べると下痢をするので「アレルギーかなぁ?」と思っていました。息子が生まれて離乳食で梨を食べさせると、彼も大喜びで食べてくれました。梨は秋しか食べられないので、それから離食で梨を出す頻度が増えたのですが、しばらくすると息子も下痢をするように…。
「私と同じアレルギー体質なの?」と思い、かかりつけの小児科で検査をしましたが、特にアレルギー反応はなく、医師に「もしかして食べさせ過ぎてない?食べ過ぎると下痢するよ」と言われハッとしました。
息子は好き嫌いが多く「小さい時は食べたいものを食べさせればいいのよ」という実母の言葉を真に受け、2人で梨をバクバク食べていたからだのようです。以来、量を加減したら親子で下痢しなくなりました。
離乳食用の梨は冷凍できる?

梨は本来冷凍向きではなく、冷凍すると食感が悪くなり美味しくありません。ただし、すりおろして加熱する離乳食では、少量のレモン汁を加えてミキサーでピューレ状にし、製氷皿などで冷凍したものを冷凍用保存袋で保存しておけば、2週間程度は加熱調理に使えますよ。
旬の梨は安く手に入りますので、安い時に買ってピューレ状にして冷凍保存しておくのもよいですね。
【離乳食の梨】段階別調理法とおすすめレシピ
梨には、幸水・豊水・二十世紀など、様々な種類がありますよね。それぞれ味や食感が少しずつ違いますので、色々な梨を赤ちゃんの離乳食に試してみてはいかがですか?
【離乳食初期】調理法と梨レシピ

離乳食初期の調理法としては、すりおろした梨を少し加熱し、甘みを増してから食べさせるのがおススメです。
初めはすりおろした梨をガーゼでこして、梨ジュースにして与え、慣れて来たらすりおろした果肉をお粥や野菜に混ぜて食べさせてみましょう。
離乳食初期におすすめしたいのが、「梨と大根のトロトロ煮」。大根も梨と同じように、喉の痛みや咳を和らげる効果がありますので、風邪の初期症状が現れたら、早めに食べさせてあげたいメニューですよ。
梨と大根のトロトロ煮のレシピ
材料:梨、大根
- 梨の皮をむいて適当な大きさに切り、すりおろす
- 大根の皮をむいて適当な大きさに切り、すりおろす
- 小鍋に梨と大根を入れて弱火でしばらく煮る
【離乳食中期】調理法と梨レシピ

離乳食中期になると細かく刻んだ梨も与えることが出来るようになりますが、急にすりおろしからみじん切りに切り替えると、赤ちゃんが対応できないことがあります。赤ちゃんの様子を見ながら初めは1~2mmの梨を加熱調理して柔らかくして与え、徐々に大きくしていきましょう。
離乳食中期になると食べられる食材が少し増えますね。食パンも開始できますので、パン粥に梨を加えて、ほんのり甘い「梨入りパン粥」を作ってあげてはいかがですか?牛乳は生後8ヶ月過ぎから離乳食で使えますので、生後7ヶ月の頃は豆乳や粉ミルクを使うといいですね。
梨入りパン粥のレシピ
材料:梨、食パン、牛乳(または豆乳)
- 梨の皮をむいてみじん切りにし、電子レンジで加熱して柔らかくする。(すりおろしてもOK)
- 食パンの耳を切り落として、細かくきざむ
- 小鍋に牛乳を入れて火にかけ、1の梨と食パンを加えてひと煮立ちさせとろみをつける
【離乳食後期】調理法と梨レシピ

離乳食後期には、1日1品くらいは手づかみ食べ出来るメニューを取り入れたいと考えるママも多いでしょう。シャキッとした食感の梨は、手づかみ食べにもおススメの食材です。離乳食後期になると、生の梨をそのまま食べさせることができますので、喉に詰まらせないように大きさに気をつけて、赤ちゃんにも生の梨の美味しさを味わってもらいましょう。
離乳食後期では、離乳食やおやつに果物や野菜ステックを取り入れると簡単に手づかみ食べの練習ができますよ。こちらでは、梨と人参のステックのレシピをご紹介します。
梨と人参のステックのレシピ
材料: 梨、人参
- 人参の皮をむき、細くステック状に切り、柔らかく茹でる
- 梨の皮をむき、細いステック状に切る
- 梨と人参をお皿に並べる
【離乳食完了期】調理法と梨レシピ

離乳食完了期になると、梨を手づかみして上手にシャリシャリかじる赤ちゃんが増えますが、ママが目を離したスキに他の人の分まで食べて、食べ過ぎてしまうことがありますので、充分注意してくださいね。
今回は、梨ときゅうりのヨーグルトサラダをご紹介します。カレーなどの味の濃い食事の後に食べると、口の中がサッパリしますので、お子さんだけでなく家族みんなでぜひ召し上がって下さいね。
梨ときゅうりのヨーグルトサラダのレシピ
材料: 梨、きゅうり、ヨーグルト(プレーンタイプ)
- 梨の皮をむき、1~2cm角に切る
- きゅうりを1~2cm角に切る
- ヨーグルトと梨・きゅうりをあえる