オートミールで離乳食の栄養バッチリ!段階別の調理方法やレシピ
栄養価が高く手軽に食べられると巷で話題のグラノーラの主な材料、オートミール。赤ちゃんにとっても栄養満点の離乳食としておすすめの食材です。調理しやすく加工してあるので、時短で簡単に美味しい離乳食が作れて長期保存も可能なため、忙しいママの味方になりますよ!日本ではあまり馴染みがない食材ですが、ヨーロッパやアメリカでは定番の朝食であり離乳食なんです。
今回は、そんな離乳食お助け食材オートミールとはどんな食べ物か、栄養価や健康効果、アレルギー、離乳食用の選び方、初期~完了期までの食べ方とおすすめレシピをご紹介します。
オートミールって何?原材料は?
オートミールはイネ科の植物で、オーツ麦が原料です。オーツ麦は、燕(ツバメ)が翼を広げている姿に似ていることから、燕麦とも呼ばれています。元は雑草だったオーツ麦ですが、古くは古代ギリシャやローマで家畜の飼料として利用されていました。後にイギリスでオートミールとして食べられるようになり、今ではイギリスやアイスランドで朝食には欠かせない一品なんですよ。
ヨーロッパのみならず17世紀にはアメリカにも渡り、米国人に愛される朝食として、私たちもアメリカ映画やドラマなどでよく見かけますよね。
日本には明治時代に入り、北海道の土壌改良作物や馬の飼料として大量に生産されていましたが、その後高い栄養価が認められ、オートミールとして製造販売されるように…。今では栄養価が高いダイエットフード、あるいは手軽に摂れる朝食や栄養補助食品として、スーパーなどで手軽に購入できるようになりましたね。
オートミールで赤ちゃんがとれる栄養&健康効果
赤ちゃんの成長に必要な植物性たんぱく質を含み、ビタミン、ミネラルを豊富に含んでいるオートミール。さっそくその健康効果を見ていきましょう。
1歯や骨を強くする!カルシウム
カルシウムは、成長期の赤ちゃんの骨や身体を形成するのに大切な栄養素。さらに精神を安定させる働きがあるので、赤ちゃんのかんしゃくが軽減したり、寝つきがよくなったりするうれしい効果も期待できますよ。
オートミールは全粒のままで加工されているためカルシウムが豊富に含まれていて、オートミール30gあたりに14.1mgも摂取できるのです。牛乳をオートミールに混ぜて食べれば、より美味しくカルシウム不足を解消できますよ♪
2貧血予防!鉄分
母乳を飲む赤ちゃんは、生後半年を過ぎると胎内で蓄えてきた鉄分が底をつき、母乳や粉ミルクで摂取できる鉄分だけでは体の大きさや成長には足りず、離乳食から鉄分を補う必要があります。貧血になると体中に酸素が十分いきわたらなくなり、赤ちゃんの元気がなくなり、さまざまな不調が起こってしまうんです。
オートミールには、30gにつき1.17mgの鉄分が含まれています。これは離乳食期の赤ちゃんが一日に必要な鉄分の1/4~1/5の量。「鉄分といえばレバー」と思うママもいますが、レバーだけに偏って食べさせると、ビタミンAを過剰摂取してしまう恐れも…。
鉄分は色々な食材からとれるのがベスト!野菜や果物のビタミンCと一緒に食べる鉄分の吸収率をアップできますよ。
3便秘改善!食物繊維
オートミールの栄養素で特に注目したいのが食物繊維。外皮を残したまま全粒で加工されるため食物繊維が豊富で、その量は精白米のなんと約20倍、玄米の約3.5倍も含まれているんです。また、オートミールの食物繊維はバランスが抜群!水溶性と不溶性の両方のバランスが理想的といわれる1:2なのです。
水に溶けやすい水溶性の食物繊維は、腸内の水分を吸収してうんちを程よい硬さに調節しますし、水に溶けにくい不溶性の食物繊維は、腸を刺激して蠕動運動(ぜんどううんどう)を促し、うんちを押し出してくれます。離乳食を食べ始めてから便秘気味な赤ちゃんにオートミールを食べさせてあげたことで、「便秘がスルッと解消した~」というママは意外と多いんですよ。
4元気がでる!ビタミンB1
ビタミンB1は「疲労回復のビタミン」と呼ばれ、おかゆやうどんなどの糖質からエネルギーを作り出すのにとても重要な働きをしています。このビタミンB1は穀物の胚芽に豊富に含まれていて、全粒で加工されるオートミールにも豊富。
ビタミンB1は水に溶けやすく熱に弱い性質がありますので、お湯や牛乳でふやかしてそのまま食べるオートミールの離乳食は、赤ちゃんが汁気ごと食べられ、効果的にビタミンB1を摂取することができるのです。
5紫外線によるシミや肌荒れ予防!ビタミンE
「若返りのビタミン」と呼ばれるほどのビタミンE。強力な抗酸化作用によって細胞の酸化を防ぎ、血流を改善して全身に血液を運ぶため、新代謝が活発になり美肌の赤ちゃんをさらに美肌にしてくれるんですよ。
特に嬉しいのが、紫外線による害からのガード。赤ちゃんの肌を守ってくれますので、シミやそばかす、ほくろ予防にも効果的です。油に溶けやすい脂溶性のビタミンですので、油と一緒に調理をすると効果的にとり入れることができますよ。
6血や肉となる!タンパク質
タンパク質は、炭水化物、脂質と並ぶ「三大栄養素」の一つで、筋肉や臓器など人間の身体をつくるのにとても重要な栄養素。鉄と結びついて酸素を体全体に運ぶヘモグロビンにもなります。タンパク質が不足すると酸素を運ぶヘモグロビンの量が減少するため、貧血になる恐れもありますよ。
オートミールには、植物性タンパク質が白米の約2倍も含まれています。このタンパク質の分解と合成にはビタミンB6が大切な働きをしていますので、できるだけビタミンB6をオートミールと一緒に与えるようにしましょうね。
ビタミンB6は、魚や大豆製品、バナナなどに多く含まれていますよ。赤ちゃんの離乳食でオートミールを与える際には、牛乳の代わりに豆乳を混ぜたり、バナナをトッピングしてみましょう。
オートミールはいつから?赤ちゃんのアレルギー
オートミールは離乳食初期の赤ちゃんから食べられます。ただし「オーツ麦」が原材料のため、「小麦アレルギーになるのでは?」と心配のママもいますよね。ところがオーツ麦は小麦ではありませんので、小麦に比べアレルギーを引き起こすと考えられているグルテン量は少ないんです。そのため、アレルギーになる赤ちゃんが小麦に比べて少なく、離乳食初期の赤ちゃんでも食べられるのです。
ただし、全くアレルギー反応が出ないわけではないので、他の食材同様に食べ始めは特に注意し、小麦アレルギーがある赤ちゃんには、主治医に相談してから与えるようにしましょうね。
また、市販されているオートミールの中には、保存性を高めたり、味をよくしたりするために様々な添加物を使用しているものもあります。それらの添加物がアレルギーを引き起こしてしまうこともありますので、どんな添加物が使われているか、購入前に原材料表をきちんと確認しましょうね。赤ちゃんの口に入る食べ物なので、できるだけ化学添加物が含まれていない、無添加のオートミールを購入するようにしましょう。
オートミールを離乳食に使うときの選び方
赤ちゃんの口に入る食べ物ですので、できるだけ残留農薬や添加物のない製品を選びましょうね。小麦や大豆などが混ざっておらず、味付けをしてないものを選ぶようにしましょう。
こちらでは有機栽培で育てられた無添加のオートミールをご紹介しますが、他の物を購入する場合も赤ちゃんが食べるものなので、安心なものを選びましょうね。
日食オーガニック ピュア オートミール 260g
日本食品製造合資会社
有機栽培されたオーツ麦100%のオートミールです。保存料、着色料は一切使用していないので、赤ちゃんの離乳食にも安心して使用できますよ。牛乳などに溶けやすいので素早く調理したいときに大活躍!チャック付きなので保存にも便利ですよ。また、他のメーカーのオートミールに比べて栄養価が高く、鉄分は30gでおよそ8倍の9mg。2~3日に一度食べれば、貧血の心配なしですね。
http://www.nihonshokuhin.co.jp
【オートミールの離乳食】段階別の食べ方&おすすめレシピ
初期の後半になると裏ごしの手間がなくトロトロになるオートミールは離乳食には最適。手早く栄養満点の離乳食つくりに役立てることができます。ママも赤ちゃんと一緒にオートミールを食事に入れて、健康美人を目指してみてはいかかですか?
【離乳食初期】食べ方&オートミールレシピ
離乳食初期は、食べ物をゴックンと飲み込むことができるように練習をする時期ですね。最初は調理したものを滑らかに裏ごししてから与えましょう。オートミールはミルクといっしょにやわらかく煮ると、トロトロになって調理が楽。10倍粥に慣れてきたら、オートミールを少量ずつ与えていきましょう。食べられるようになったら少しずつ量を増やしていきましょうね。
こちらでは、電子レンジで簡単にできるミルク粥をご紹介します。離乳食初期の赤ちゃんは食べられる食材が限られますので、オートミールを使って赤ちゃんの成長期に必要な栄養を補給しましょう。
オートミールミルク粥のレシピ
材料:オートミール大さじ1/2、調整済み粉ミルク50㏄
※水気がなくなるまで加熱。30秒ごとに様子を見ながら調節しましょうね
【離乳食中期】食べ方&オートミールレシピ
離乳食中期は素材の味を色々経験する時期なので、味付けは必要ありませんがオートミールそのままでは味気ないかもしれません。「あれ、なんか食べない?」と思ったら、ミルクやヨーグルト、フルーツなどと混ぜることで、赤ちゃんでもぱくぱく食べてくれるようになりますよ。
こちらでは、ヨーグルトとバナナを使った離乳食レシピをご紹介します。ヨーグルトと和えることでオートミールが柔らかくふやけますので、短時間で簡単に作れますよ♪甘いバナナと一緒に食べることで、味気ないオートミールにも甘さがプラス。ヨーグルトの酸味も和らぎ、赤ちゃんも食べやすくなります。
オートミールとヨーグルト和えのレシピ
材料:オートミール大さじ1、ヨーグルト大さじ2、バナナ1/2本
※バナナに少しレモン汁をかけると変色を防げます
【離乳食後期】食べ方&オートミールレシピ
離乳食後期になると、食感を残すために短時間で調理できるようになります。朝食や軽食になりがちなオートミールですが、お野菜と一緒に調理することで主食にもなり、レシピの幅も広がりますよ♪
こちらでは、彩り野菜と納豆を使った離乳食レシピをご紹介します。ビタミンCを含む野菜と一緒に調理しますので鉄分補給にぴったりなレシピです。納豆のにおいが苦手な赤ちゃんの場合、納豆を入れる前に湯通ししておくと、においが気にならなくなりますよ。
野菜と納豆のオートミール粥のレシピ
材料:オートミール大さじ3、にんじん15g、玉ねぎ20g、小松菜(葉先)5g、ひきわり納豆20g、水120ml
【離乳食完了期】食べ方&オートミールレシピ
離乳食後期以降になると、赤ちゃんの「食べたい」という意欲が増々出てきます。指先を使って手づかみ食べができるような食べ方もさせてあげましょう。いろいろな食べ方をとり入れていきましょうね。
こちらでは、オートミールとコーンフレークを使った簡単お焼きをご紹介します。作ったものを一つずつラップにくるんで冷凍保存しておくと、いつでも手軽に食べられるので便利なレシピですよ。コロコロ丸めることができたら、赤ちゃんも一緒に作れるようになりますよ。
オートミールのお焼きのレシピ
材料:オートミール大さじ3、牛乳50㏄、とうもろこしフレーク大さじ2、バター適量