離乳食にサツマイモはおすすめだけど量や食べ合わせに注意して
味つけしなくても甘みのあるサツマイモは、離乳食初期から食べさせることができる離乳食におすすめの食材。
「食物繊維が多いから便通が良くなる」と言われていますが、与え方によってはどういうわけか悪化してお腹が張り、苦しくなる赤ちゃんも。
こちらでは離乳食のサツマイモが本当に赤ちゃんの便通をよくするのか、与え方の注意点、さつまいもに含まれる栄養素、離乳食で使う時の調理法、初期・中期・後期・完了期のおすすめレシピを紹介します。
サツマイモは赤ちゃんの便通を本当によくする?
サツマイモは本当に便通をよくするのか?なぜ赤ちゃんのお腹が張ってしまったのか?といった疑問について、実際のところはどうなのかを、まずは見ていきましょう。
サツマイモの原材料は赤ちゃんの便通改善で有名な「マルツエキス」
サツマイモには巷で言われているように食物繊維がたっぷり。食物繊維の総含有量はジャガイモのおよそ2倍。少量でもしっかりとれます。食物繊維には、不溶性と水溶性の2種類がありますが、サツマイモにはどちらの食物繊維も豊富に含まれています。
不溶性の食物繊維は大腸の動きを活発にする働きがあります。また、水溶性の食物繊維は便の水分量を増やし軟らかくする働きがあります。
また、サツマイモには麦芽糖も含まれていますが、麦芽糖は大腸で善玉菌の栄養分となり腸内環境を整える働きをします。サツマイモは便通の悪い赤ちゃんに使われるマルツエキスの原料にもなっています。
離乳食の与え方によってはサツマイモを食べても便通が悪くなる!?
便通をよくするはずのサツマイモなのに、なぜ離乳食でお腹が張り便通がよくならない赤ちゃんがいるのでしょう?
食物繊維のバランスは、水溶性と不溶性が1:2のバランスが理想的と言われています。水溶性食物繊維は保水性がありますので便が軟らかくなりますが、不溶性食物繊維は水分量が少ないため食べ過ぎると便が硬くなったりガスが溜まってお腹が張ったりしやすくなるのです。
さつまいもは種類や調理法により食物繊維のバランスが多少変わるものの、およそ1:2~3のバランスで食物繊維が含まれています。つまり、不溶性食物繊維が若干多い。ですから離乳食やおやつでサツマイモを食べさせ過ぎると、赤ちゃんのお腹が張ってしまうのです。もちろん便を軟らかくする水溶性食物繊維すら軟らかくならないので、水分が十分とれていないのもNGです。
離乳食のサツマイモの与え方で注意すべき2つのポイント
離乳食のサツマイモは与え方を間違えるとお腹が張って苦しくなるので、赤ちゃんには以下の2点に注意して与えましょう。
1水分をしっかり与える
サツマイモを与えることによって赤ちゃんのお腹が張らないように、離乳食やおやつでサツマイモを与える時には、水分も一緒に与えるようにてくださいね。また、水溶性食物繊維を多く含む食品を同時に食べるように心がけることも大切です。
水溶性食物繊維のバランスが多い食材
- 玉ネギ
- オートミール
- いちご
- ブドウ
- スイカ
- 納豆
2安納芋は量や味付けに注意する
サツマイモには、色々な種類ものがあり、それぞれ味や含まれる栄養素が少しずつ異なります。鹿児島県特産の安納芋は柔らかくて甘みが強くとても美味しいですが、ショ糖が多く含まれるため赤ちゃんには甘すぎ。赤ちゃんに安納芋を与える時には、だしやお湯で薄めて味を薄くしたり、量を控えめにしたりしてショ糖の摂取量が多くなりすぎないように注意してくださいね。
サツマイモに含まれる赤ちゃんに嬉しい3つの栄養素
サツマイモは芋類なので離乳食ではご飯と同じ炭水化物(糖質)として与えますが、「野菜を凝縮した食品」と言われるほど、ビタミンやミネラルが豊富。その中でも特に豊富な栄養素とは?
1カリウム
サツマイモにはカリウムが豊富に含まれています。暑い季節は汗とともにカリウムが体外に排出されてしまうため、赤ちゃんもカリウム不足に陥りやすくなります。体内のカリウムが不足すると熱中症になる恐れがありますので、夏の熱中症予防に離乳食でサツマイモを食べさせるのは効果的なのです。
また、カリウムは高血圧やむくみを予防する効果もあるので、最近血圧が高めだなというパパや出産後もむくみがとれないママのもおススメですよ。
2ビタミンC
サツマイモにはりんごの約6倍のビタミンCが含まれています。また、ビタミンCは一般的に加熱による損失が多いと言われていますが、サツマイモに含まれるビタミンCはサツマイモに含まれるでんぷん質に保護されるため、6割以上が加熱してもそのまま残ってくれます。
ですから、紫外線による赤ちゃんの肌トラブルや風邪の予防として、ぜひ離乳食にサツマイモをとりいれましょう。
3ビタミンB1
ビタミンB1は、糖をエネルギーに変換するために不可欠な栄養素。サツマイモには同じ糖質の白米と比べてビタミンB1がおよそ5倍も含まれていますので、ばっちりエネルギーチャージができて、赤ちゃんが元気になりますよ。
逆に、ビタミンB1が不足すると疲労を感じやすくなります。そのため、ビタミンB1を含むサツマイモは、赤ちゃんのおやつにも最適ですし、NASAも注目するほどの準完全栄養食なのです。
離乳食のサツマイモペースト作りにはブレンダーやミキサーが便利!
離乳食ではサツマイモをペーストにして使用することが多いです。サツマイモは、潰しただけだとザラザラした食感が残るため、離乳食で使用する時には裏ごしする必要がありますが、繊維が裏ごし器の目に詰まって面倒。少量の調理にはブレンダー、まとめて大量に調理する時はファイバーミキサーを使うと、サツマイモのペーストが楽ですよ。
マルチクイック MQ 735
BRAUN(ブラウン)
パワフルなモーターを搭載しているブレンダーですので、さつまいものペースト作りやスープ作りにも大活躍。お手入れも計量カップに洗剤とぬるま湯を入れて、20秒程度スイッチを入れるだけ!1本あると便利ですよ。
ファイバーミキサー MX-X301
パナソニック
安心の日本メーカーのブレンダーです。ガラス製なので臭いや色が付きにくく、いつまでも清潔に使えます。離乳食だけでなく毎朝のパパ・ママのスムージー作り、お子さんが大きくなってからは夏のかき氷作りにも活用できます。
離乳食のサツマイモの冷凍保存方法|加熱後に小分けにして冷蔵庫へ
サツマイモは、加熱後であれば冷凍保存することができます。柔らかく茹でてから、ペースト状や輪切りなど離乳食の進み具合に合わせたものを小分けにして冷凍しましょう。家庭用の冷凍庫は温度変化が激しいので、冷凍保存したサツマイモは1週間を目安に来るだけ早めに使い切るようにしましょう。
サツマイモの離乳食を調味料を使わずにより甘くする裏ワザ
サツマイモを調理する時に少し手間を変えることで、甘いサツマイモ離乳食にすることができますよ。また、変色しない黄色く美味しそうな離乳食にするためには、皮をむいて切ったサツマイモを、10分程水にさらしてアク抜きしましょうね。
甘くするコツは、加熱する時にじっくりと調理すること。電子レンジでパパっと加熱せず丸ごと蒸したり、オーブンでじっくり煮たりすると甘くなりますよ。
でも、忙しいママは電子レンジで簡単に甘く調理したいですよね。そこでこちらでは、電子レンジで甘くする方法もご紹介しちゃいます。解凍モードや100wがある電子レンジをお持ちのママ、さっそく試してみて下さいね。
サツマイモを甘くする電子レンジでの調理法
材料:サツマイモ1本
- サツマイモの泥を洗い落とし、キッチンペーパーでくるむ
- 1をそのまま水でぬらしたら、ラップに包む
- そのまま電子レンジに入れて500wで2分加熱する
- 電子レンジの解凍モード(100wでもOK)で15~20分加熱する
※加熱時間はサツマイモの大きさにより調節しましょう
離乳食初期のサツマイモレシピ&調理のポイント
離乳食初期では、蒸したり茹でたりしたサツマイモを潰して離乳食に使用します。お粥や他の野菜とあわせると甘みが増し、食べやすくなりますよ。まだ飲み込むのがやっとの時期ですので、硬さに気をつけてポタージュスープくらいサラサラした状態から与え始めましょう。
こちらでは、「サツマイモとリンゴのトロトロ煮」のレシピをご紹介します。リンゴもサツマイモと同じように便通をよkする食材で、若干不溶性食物繊維の割合が多いのですがオリゴ糖が含まれていて、加熱すると量が増えて腸内環境がよくなります。
サツマイモとリンゴのトロトロ煮のレシピ
材料:サツマイモ、リンゴ、水
離乳食中期のサツマイモレシピ&調理のポイント
離乳食中になると、細かく刻んだサツマイモも食べることができるようになります。コロコロしたサツマイモは、潰したサツマイモとはまた違った食感を楽しめますので、色々なお野菜と煮て栄養満点のサツマイモ離乳食を食べさせてあげてくださいね。
また、サツマイモはポタージュにすると赤ちゃんから大人まで美味しく食べることができます。サツマイモだけでも十分美味しいポタージュができますが、玉ねぎや人参など冷蔵庫に残っている野菜をプラスすると、更に美味しくいただけますよ。
サツマイモと玉ねぎのポタージュのレシピ
材料:サツマイモ、玉ねぎ、野菜スープ
離乳食後期のサツマイモレシピ&調理のポイント
離乳食後期に入り1日3回食に進むと、「そろそろ手づかみ食べの練習をさせようかな」と考えるママも多いですよね?サツマイモは手づかみ食べ離乳食に使用しやすい食材ですので、おやき、スティック、きんぴらなど色々な手づかみメニューを赤ちゃんに作ってあげましょう。
こちらでは、サツマイモとかぼちゃをマッシュしたものを食べやすいようにスティック状にした手づかみメニューをご紹介します。食材をマッシュして冷凍保存しておくと、すぐに作ることができる時短メニューです。もちろん、茶巾にしても可愛らしいですよ♪
サツマイモとかぼちゃのスティックのレシピ
材料:サツマイモ、かぼちゃ
離乳食完了期のサツマイモレシピ&調理のポイント
離乳食完了期になると、大人の料理の取り分けを出来ることも多くなります。毎日3回の離乳食作りは大変ですから、冷凍食材の活用や取り分けメニューを利用して、離乳食作りがママの負担にならないようにしましょうね。サツマイモを入れた具だくさん豚汁なども野菜がたっぷり摂れるので、赤ちゃんだけでなく上の子やママ、パパも美味しく食べられますよ。
こちらでは、サツマイモとツナのミルク煮のレシピをご紹介します。ツナ缶は、長期保存がきくので離乳食でタンパク質が足りないなという時に活躍ですね。
サツマイモとツナのミルク煮のレシピ
材料:サツマイモ、ツナ缶(水煮)、牛乳、野菜スープ、水溶き片栗粉