離乳食のおかゆは初期・中期・後期で水の分量や作り方が違う!

離乳食はおかゆからスタートし、初めは米1に対して水10の10倍がゆ(=5分がゆ)をすり潰したり裏ごししたつぶし粥から与え、全がゆ→軟飯→ご飯へとステップアップします。
厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド(改定版)」には、初期がつぶし粥、中期が全がゆ50~80g、後期が全がゆ90g~軟飯80g、完了期が軟飯80g~ご飯80gと記されています。
離乳食初期は10倍がゆのつぶし粥→8倍がゆ
初期はつぶし粥ですが、離乳食スタート直後は粒のない滑らかなポタージュスープ状のペーストだと赤ちゃんが飲み込みやすく、すり潰しを食べない場合は裏ごしが必要。面倒な場合は離乳食作りに大活躍するブレンダーがおすすめです。
滑らかなつぶし粥を上手に飲み込めるようになったら、裏ごしをやめて試し、徐々にすり潰しを荒くしていきます。
進み具合によっては初期の段階で8倍がゆも試し、中期の7倍粥にスムーズに移行できるようにしましょう。
離乳食中期は7倍がゆ→5倍がゆへ
中期からは全がゆですが、まずは米1に水7の割合の7倍がゆから与えましょう。後半になり慣れてきたら米1に水5の割合の5倍がゆを試してみます。
育児書によっておかゆの進め方が異なるため、離乳食の食が細いなどでおかゆがなかなか進まない場合は、焦らず後期から全がゆ(=5倍がゆ)にしてみましょう。
離乳食後期は5倍がゆ→軟飯へ
後期は全がゆから軟飯なので、しばらくは引き続き5倍粥を与え、肉や魚など新たな食材や手づかみ食べに慣れてきたら軟飯に進めましょう。
しっかりカミカミできるようになってからも全粥を続けたり、しっかり噛めないのに硬すぎる食事を与えると、嚙み砕く練習ができず丸呑みの習慣がつくことがあるため、様子を見てステップアップしてください。
ごはんで作る!離乳食初期の10倍がゆのつぶし粥のレシピ
離乳食の初期1ヶ月目は10倍がゆをすり潰したり裏ごしたりして滑らかな舌触りしたつぶし粥から与え始めます。
10倍がゆ(=五分粥)は赤ちゃんが母乳やミルク以外に初めて口にする固形物で、ほとんど水に近く、粒も残っていないドロドロのおかゆです。最初はスプーン1杯から与えましょう。
ごはんで作る!10倍がゆのつぶし粥の作り方
材料:炊きあがったごはん大さじ2、水200㏄(=1カップ)
- 炊けたごはん大さじ2と水1カップを鍋に入れ、塊をほぐしながら強火で沸騰させる
- 弱火で15分煮たら火を止め、鍋にフタをして10分蒸らし、出来上がった10倍がゆをブレンダーでペースト状にすりつぶすか、裏ごしする
※米から炊く場合は、鍋に「米1:水10」の割合で入れ、水に30分浸した後に強火で沸騰させ、弱火にして40分程炊き、10分蒸らす
多めに作って製氷皿に小さじ1~2を計量して流し入れると、量が分かって使いやすいです。
生後6ヶ月から離乳食をスタートした赤ちゃんが上手にお粥を飲み込めるようになったら、8倍がゆのつぶし粥にステップアップしてみましょう。
ごはんで作る!離乳食初期の8倍がゆのつぶし粥のレシピ
離乳食の8倍粥へのステップアップは育児書によっては省略されていますし、厚生労働省のガイドにも記されていませんが、中期の7倍がゆにステップアップする前に試しておくとスムーズに進めやすいです。
離乳食を生後5ヶ月からスタートした赤ちゃんは2ヶ月目に入ったら、10倍がゆを上手に飲み込めるのを確かめてから、8倍がゆのすりつぶしを試してみましょう。
離乳食を生後6ヶ月からスタートした赤ちゃんは初期後半になったら、10倍がゆを上手に飲み込めるのを確認してから、8倍がゆのすりつぶしにステップアップしてみましょう。
ごはんで作る!8倍がゆのつぶし粥の作り方
材料:炊きあがったごはん大さじ2、水160㏄(≒3/4カップ強)
- 炊けたごはん大さじ2と水160cc(3/4カップより少し多め)を鍋に入れ、塊をほぐしながら強火で沸騰させる
- 弱火で10分煮たら火を止め、鍋にフタをして10分蒸らし、出来上がった8倍がゆをブレンダーかすり鉢で荒くすりつぶす
※米から炊く場合は、鍋に「米1:水8」の割合で入れ、水に30分浸した後に強火で沸騰させ、弱火にして40分程炊き、10分蒸らす
ごはんで作る!離乳食中期の7倍がゆのレシピ

離乳食中期の前半は、7倍がゆをすり潰さずにツブツブ感が残った状態で与え、モグモグしてから飲む練習をさせます。
後半になりモグモグゴックンが上手にできるようになったら、全がゆ(=5倍がゆ)にステップアップします。
もし初期に8倍がゆを試さずに10倍がゆから7倍がゆへステップアップして食べなくなった場合は、8倍がゆのつぶし粥で慣らしてから7倍がゆに再挑戦してみましょう。
ごはんで作る!7倍がゆの作り方
材料:炊きあがったごはん60g、水280㏄(≒1.5カップ弱)
- 炊きあがったごはん60gと水280㏄(1.5カップより少し弱なめ)を鍋に入れ、塊をほぐしながら強火で沸騰させる
- 弱火で10分煮たら火を止め、鍋にフタをして7~8分蒸らす
※米から炊く場合は、鍋に「米1:水7」の割合で入れ、水に30分浸してから強火で沸騰させ、弱火にして40分炊き、10分蒸らす
ごはんで作る!離乳食中期~後期の全がゆのレシピ
全がゆ(5倍がゆ)はお米の形がはっきりと分かります。中期後半になり7倍粥を上手にモグモグ食べられるのを確認したら、全がゆへとステップアップしましょう。
ごはんで作る!全がゆ(5倍がゆ)の作り方
材料:炊きあがったごはん60g、水200㏄(=1カップ)
- 炊きあがったごはん60gと水1カップを鍋に入れ、塊をほぐしながら強火で沸騰させる
- 弱火で10分煮たら火を止め、鍋にフタをして7~8分蒸らす
※米から炊く場合は、鍋に「米1:水5」の割合で入れ、水に30分浸してから強火で沸騰させ、弱火にして40分炊き、10分蒸らす
離乳食のおかゆにおすすめのアレンジ食材
大人でも、ご飯に添えると食べやすいものってありますよね。おかゆばかりで赤ちゃんが飽きないように、さまざまな食材をアレンジして、おかゆに取り入れてみてはいかがでしょう。ここでは、栄養価も高く身近にあるおすすめの食材と、簡単な調理法を紹介していきます。
初めての食材は平日の午前中に試しましょう
初めて食べさせる食材は平日の午前中に1さじから試し、万が一体調を崩してもすぐ医療機関を受診できるようにしておきましょう。
野菜ペースト

赤ちゃんがおかゆに慣れてきたら次は野菜を試していきますが、離乳食初期の特に前半は、向いている野菜と不向きな野菜がありますので確認しておくとよいでしょう。初期の野菜はペースト状にして食べさせます。
野菜ペーストの作り方は、「茹でる」「裏ごしする」の過程は野菜全般で同じです。ここでは、ほうれん草ペーストの調理法についてみていきましょう。
ほうれん草ペーストの作り方
- ほうれん草の葉の部分だけ切る(茎は使わない)
- 沸騰したお湯に1のほうれん草を入れ、やわらかくなるまで茹でる
- 茹でたほうれん草を冷水にさらしてから、ザルにあげる
- 3を裏ごしして、おかゆにのせる
豆腐
赤ちゃんが最初に食べるタンパク質食材といえば豆腐です。豆腐は柔らかく離乳食向きの食材ですが、段階ごとに種類や調理法を変えるとより食べやすくなります。
ポロポロした食感が苦手な赤ちゃんもいるので、絹ごし豆腐を選んでおかゆと一緒に与えるのがおすすめ。初期の豆腐は次の手順で調理して進めていきます。
豆腐ペーストの作り方
- 沸騰したお湯に、食べる分だけ豆腐を入れて茹でる(1分30秒くらい)
- 1をザルにあげ、キッチンペーパーに包み水気を切る
- 2をすり鉢ですりつぶす(ステップアップしたらフォークで軽くつぶすだけでOK)
- 3をおかゆに混ぜる
納豆
納豆は栄養価が高い食材なので、離乳食で赤ちゃんにも食べさせたいと考える人も少なくありませんし、生後5~6ヶ月の離乳食初期の段階に食べさせても良い食材です。しかし、まだ10倍がゆをようやく食べている赤ちゃんにとって、あのネバネバを攻略するのは難しいでしょう。そこで、納豆は、次のような手順で調理していきます。
赤ちゃんが食べやすい納豆の調理方法
- 納豆を湯通ししてネバネバを取り除く
- その後、湯切りをして包丁やフォークで細かく砕く
- すり鉢でさらに2をつぶす(離乳食の段階に応じて砕いたりつぶしたりする程度を調整)
- お湯やだしで薄くのばして、おかゆに混ぜる
白身魚
鯛やヒラメは白身魚の中でも塩分や脂質が少なく、離乳食の白身魚デビューにおすすめです。
鮭も分類上は白身魚ですが、脂質が多いので中期から与えるとよいでしょう。赤ちゃんはパサパサした魚の食感に慣れていないので、すりつぶした白身魚はおかゆに混ぜると食べやすくなります。
白身魚のすりつぶし方
- 魚の骨を取り除き、適当な大きさに切る(骨がないので刺身用がおすすめ)
- 沸騰したお湯に入れて茹で、灰汁を取る(茹でた状態だと冷凍保存も可能)
- ザルにあげて水気を切る
- お湯で伸ばすように、すり鉢で3をすりつぶす(離乳食後期になると粗くほぐすだけでOK)
- おかゆにのせて出来上がり
しらす

しらすは離乳食のたんぱく質の中でも調理がしやすい人気の魚ですが、下ごしらえが必要です。
離乳食段階によってはエビやカニなどを抜く必要があり、塩分が多いので離乳食期全般で塩抜きもしなければなりません。下ごしらえ後は細かく切るなどしておかゆに混ぜて食べましょう。
しらすの塩抜き方法
沸騰したお湯にしらすを入れ、さっとゆがいてザルで湯切りするのが基本のやり方。他にも、しらすを器に入れ、熱湯に数分浸した後に湯切りするという、手軽な方法があります。
鶏のささみ
鶏のささみは離乳食中期から食べられます。ささみ脂質が少なく高たんぱくなので離乳食向き。
離乳食に鶏のささみを使う場合、茹でて細かくすりつぶす必要がありますが、次のような手順で調理すると茹でる手間が省けます。
鶏のささみは茹でなくてもいい?
- すじをとって小分けにし、ラップに包んで冷凍する
- 凍ったままのささみをすりおろし器ですりおろす
- すりおろしたささみを耐熱容器に入れ、ラップをしてレンジであたためる
- だしやお湯に3を浸してからおかゆに混ぜる
ひじき

ひじきは離乳食で不足しがちな鉄の補給に活躍する食材。鉄分以外のミネラルも豊富ですが、単品では食べられない赤ちゃんも多いので、おかゆといっしょに食べるのがおすすめ。
離乳食には、長ひじきより小さな芽ひじきの方が適しています。乾燥ひじきでも生ひじきでも使いやすい方を選び、次のような手順で調理を進めていきましょう。
ひじきの調理方法
- 乾燥ひじきの場合は、たっぷりの水をボウルに入れてもどす
- お湯を沸騰させ、ひじきを茹でる(だしで茹でてもOK)
- ザルにあげて水気を切り、包丁でみじん切りにする
- すり鉢で、3をお湯で伸ばしながらすりつぶす
- おかゆに混ぜて出来上がり
手早く簡単にできるおかゆ調理器5選
おかゆを作るとなると、お鍋に水を沸かしてお米かご飯を入れて…と時間も手間もかかりますよね。赤ちゃんのお世話も忙しいし、毎日のことだから、何とかラクに手早くおかゆを作る方法ってないのでしょうか?ここでは、簡単、便利なおかゆ調理器を紹介しましょう。
おかゆ釜

オルゴ株式会社
この釜に沸騰したお湯と米を入れると、電気もガスも使わずに60分でおかゆができあがります。釜の内部が熱を閉じ込める構造のステンレス魔法瓶になっているので、熱を逃がさないまま保温調理ができますよ。省エネかつお手軽で、おかゆ以外にもアレンジ料理が楽しめます。
http://allgo.co.jp/c_product/s_indoor/kl_800.php
電気おかゆ鍋

タイガー魔法瓶株式会社
余ったご飯からでもお米からでも、電気炊飯ジャーでお米を炊くのと同じようにおかゆができる調理器。茶碗3杯分のおかゆが作れるので、一度に作って小分けし冷凍しておくと良いですね。60分タイマー機能付きで、時間が来たらチン!と音を鳴らして知らせてくれます。
http://www.tiger.jp/front/productdetail/confirm?productId=CFD-B
おかゆこがま

AGCテクノグラス株式会社
家族は普通のご飯、赤ちゃんだけおかゆと、ご飯がいっぺんに炊けるアイデア商品。このおかゆこがまにお米と水を入れて、そのまま炊飯器に入れるだけ。安心素材の耐熱ガラスなので、炊飯器のお米に触れても安心です。このまま電子レンジであたためなおすこともできるので便利です。
https://www.igc.co.jp/product/porridge_pot/
電子レンジ用おかゆクッカーE

株式会社リッチェル
この商品は、電子レンジ用と炊飯器用があり、用途に合わせて使い分けられます。電子レンジ用は、ご飯があれば4分でおかゆが作れるので急いでいるときに重宝します。容器がそのまま食器になるので、洗い物も少なく忙しいママには嬉しいですね。
https://www.richell.co.jp/page/baby/okayu01/
おかゆポット

ピジョン株式会社
ベビー用品に実績のあるピジョンのおかゆメーカー。熱や衝撃に強いステンレスで作られており、電気炊飯器とガス炊飯器両方に対応できます。家族用のご飯といっしょに作れ、5、7、10倍がゆの目盛りに合わせて水の量を調整すると、赤ちゃんの成長に合わせておかゆを作り分けることができますよ。