離乳食期はきなこの常備がおすすめ!ただし保存・調理・量には要注意
離乳食にきなこはとっても便利な食材。下ごしらえ不要なのに離乳食にひと匙加えるだけで、良質のたんぱく質をプラスして栄養価を高めることができます。
きなこは長期保存ができる食材なので、気軽に買い出しに出られないママにとっては離乳食のお助け食材。
ただし与える量や保存の仕方などには注意が必要です。食べやすさから過剰に与えては本末転倒。進め方や与え方をレシピと共に見ていきましょう。
子育て4コマ漫画:離乳食にきなこで簡単栄養プラス!
離乳食のきなこや青のりは手軽に不足しがちな栄養素を手軽にとれる食材。永岡さくら(saku)さんの子育て4コマ漫画のように、プラスすると食べてくれる子も多いので砂糖などの調味料代わりとして重宝します。
きなこの他にも離乳食用にすりおろした高野豆腐パウダーやおからパウダーなどをプラスワンする技を使うと、手間をかけず手軽に栄養価をアップできるので、乾物を上手に利用して時短しましょう。
離乳食にきなこはいつから?初期後半から!
離乳食初期の1ヶ月目はまずお粥や野菜に慣らし、開始3週目から離乳期の主要たんぱく源となる豆腐や白身魚、卵黄といった脂質が少なくお腹への負担になりにくいたんぱく質を試します。
そのため実際にきなこを与えるのは離乳食初期の後半以降となります。生後6ヶ月からスタートした場合は、開始2ヶ月目の中期前半からきなこを与え始めるのがおすすめです。
きなこは大豆製品!アレルギーは大丈夫?厚生労働省の新たな方針
2019年3月、厚生労働省は離乳食への方針を示した「授乳・離乳の支援ガイド(2019改定版)」を発表。
前回2007年に発表した支援ガイドから10年以上たち、ようやく最新の医療情報や現代ママの実情を反映した内容に改定されました。
きなこは表示義務がある特定原材料7品目に含まれる、大豆が主原料の製品。
乾燥大豆をパウダー状にしただけの大豆そのものなので、ママやパパとしては初期から離乳食で与えるのに不安もあるでしょう。
厚生労働省の離乳食のアレルギーへの新方針
食物アレルギーの発症を心配して、離乳の開始や特定の食物の摂取開始を遅らせても、食物アレルギーの予防効果があるという科学的根拠はないことから、生後5~6か月頃から離乳を始めるように情報提供を行う。
離乳を進めるに当たり、食物アレルギーが疑われる症状がみられた場合、自己判断で対応せずに、必ず医師の診断に基づいて進めることが必要である。なお、食物アレルギーの診断がされている子どもについては、必要な栄養素等を過不足なく摂取できるよう、具体的な離乳食の提案が必要である。
引用元:厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」「授乳・離乳の支援ガイド(2019改定版)」は、産科や乳幼児医療、栄養学などの分野で活躍するスペシャリスト達が検討を重ねて作成したガイド。ちまたの育児書も離乳食についてはこの支援ガイドを参考にしています。
きなこへの具体的な記載はありませんが、改定前から初期後半に与えられてきましたし、あまり心配し過ぎずむしろ遅らせる悪影響や食後の様子をしっかりと観察する方向に視点を移しましょう。
きなこの保存方法|離乳食にダニを混入させないように気を付けて!
きなこは開封前なら長期保存ができる食材ですが、一度開封したら出来るだけ早く使いきり、保存の仕方に充分注意しましょう。
開封したきなこを常温保存するとダニが混入して増殖しやすく、見つけて取り除くのはほぼ不可能。加熱後の死骸でも赤ちゃんに与えるのは害となりえます。
開封後のきなこは密閉容器に入れ冷蔵庫で保存する
開封したきなこは密封容器に入れてしっかりと密閉し、冷蔵庫で保存しましょう。冷蔵庫内は寒いのでダニの活動が鈍り増殖しませんし、密閉しないとダニが混入するだけでなく風味も損なわれます。
ベストは開封後すぐに密閉容器に移し替え、使う時だけ出してふたを開け、すぐ冷蔵庫にしまう保存方法です。これならダニが混入せず増殖もしません。
今は少量ずつ小分けになった便利なきなこが販売されているので、離乳食期間中は開封後全て使いきれる少量パックもおすすめです。
離乳食期のきなこの量は1食10~15gまで!カロリーやカリウムに注意
きなこは5gでおよそ21.8kcalの高カロリー食品なので、「良質のたんぱく質が摂れるから」「体にいいから」と何にでもどばどばプラスするのは誤った与え方です。
離乳食やおやつでは、きなこを立て続けに食べさせないように!離乳期でのきなこの目安量は1食10~15gまでにしておくとよいでしょう
ただし、3回食になる後期に1食で食べさせる離乳食のカロリーは210~230kcal程度。全粥1食分90gでおよそ32kcalなのでその他の野菜や果物、肉や魚でカロリーを摂り過ぎず適量を与えていれば、カロリーオーバーを心配する必要はありません。
離乳食期の赤ちゃんが一日に必要なカロリー
- 6~ 8ヶ月男の子650kcal、女の子600kcal
- 9~11ヶ月男の子700kcal、女の子650kcal
- 1~ 2歳の男の子950kcal、女の子900kcal
母乳やミルクでほとんどの栄養をとる初期~中期は、離乳食から多くのカロリーをとることで肥満を引き起こす恐れがあるため、きなこの摂り過ぎには特に注意しましょう。
また、きなこにはカリウムが豊富に含まれていて10gで200mgと大量なので、例えば体にいいからとおやつにも離乳食にも毎食10gのきなこを入れると過剰摂取になります。
離乳食期の赤ちゃんの一日のカリウム目安量
- 6~11ヶ月 700mg
- 1~2歳の男の子 900mg
- 1~2歳の女の子 800mg
カリウムを過剰摂取すると体調を崩す恐れがあるため、離乳食やおやつにきなこをドバドバ与えるのはやめましょう。
離乳食初期のきなこはお粥に混ぜてスタート!
生後5ヶ月から離乳食を始めた場合、離乳食2ヶ月目も初期メニューとなるため、きな粉をごく少量お粥などに混ぜて風味を体験させてあげましょう。
ただし初期の離乳食は量が少ないため、卵黄を試した時のように耳かき1杯程度を混ぜて与え始めるのがおすすめ。きな粉の量が多いと水分を吸い過ぎて食べにくくなります。
きなこはリンゴ、バナナ、サツマイモ、かぼちゃなどの離乳食初期から食べられる甘みのある食材と相性がとても良いです。
初期1ヶ月目に甘みのある果物や野菜に慣らしてあると、2ヶ月目や中期に入ってからスムーズにきなこと組み合わせられるので赤ちゃんが喜んで食べてくれやすいです。
離乳食中期のきなこレシピ!飲み込みにくさに配慮して慣らして
離乳食中期もきなこをお粥やパン粥、ヨーグルトやスープなどに混ぜて食べさせますが、苦手な子には少なめで慣らしていきましょう。水分の少なさからの見込みにくい体験をすると嫌いになりがちなので注意。
パン粥は離乳食中期に入り牛乳や食パンに食べ慣れてからですが、牛乳のみダメな場合は粉ミルクで作ると喜んでくれます。
きなことかぼちゃのパン粥のレシピ
材料:きなこ、かぼちゃ、食パン、牛乳
きなこ風味ポテサラのレシピ
材料:じゃがいも15g、人参5g、アスパラ5g、コーン5g、きなこ小さじ1杯、ミルク大さじ1杯
- じゃがいもは皮をむいてサイコロ状に切り、人参は皮をむいてみじん切りにする
- アスパラは穂先の柔らかい部分を使い、薄皮をむいたコーンとともにみじん切りにする
- 1、2を鍋で柔らかくなるまで茹で、水を切る
- 3が熱いうちにミルクを加えて、全体をつぶしてマッシュにする
- 4にきなこを入れて、よく混ぜたら完成です
離乳食後期のきなこレシピ!味のバリエーション増やしに大活躍
離乳食後期になると赤ちゃんの食材をすり潰す力も強くなります。1日3回食になり、同じようなメニューばかりだと赤ちゃんも飽きるので、新しい離乳食に挑戦したいママはきなこで味のバリエーションを広げましょう。
きなこにもバナナにも水分を吸収する不溶性食物繊維がタップリなので、野菜嫌いの赤ちゃんには特におすすめ。バナナの離乳食は甘味が強いので赤ちゃんに人気があります。
ただしお腹の中で水分を吸収して詰まらないように、お茶などを一緒に摂らせることが大切です。
バナナのきなこヨーグルトがけのレシピ
材料:きなこ、バナナ、ヨーグルト
次のレシピはきな粉とさつまいもの組み合わせですが、さつまいもは準完全栄養食とも言われる離乳食やおやつにおすすめの優秀食材。甘くて美味しいのできなこをプラスすると栄養プラス香ばしさも楽しめる離乳食になります。
きなことサツマイモの茶巾のレシピ
材料:きなこ、サツマイモ
さつまいものきなこヨーグルトあえのレシピ
材料:さつまいも30g、ヨーグルト大さじ1杯、きなこ小さじ1杯
- さつまいもは皮をむき、サイコロ状に切って水にさらしてから、柔らかく茹でる
- 1にヨーグルトときなこを加え、よく混ぜれば完成です。
きなこ風味のそうめんおやきのレシピ
材料:そうめん20g、さつまいも10g、人参5g、きなこ小さじ1杯、片栗粉10g、水大さじ1
- そうめんは柔らかく茹で、水洗いしてから1cm程度に切っておく
- さつまいもは皮をむいたらサイコロ状に切り、水に10分程度さらす
- 人参は皮をむいてから薄い千切りにし、2とともに柔らかく茹でる
- 3をつぶして粗いマッシュにし、きなこと片栗粉を振り入れ、様子を見ながら水を加えて生地を作る
- 4に1を加え、テフロン加工のフライパンに落として焼き目がつくまで焼けば完成です。
きなこの豆おやきのレシピ
材料:納豆15g、豆腐50g、ミックスベジタブル15g、きなこ小さじ1杯、片栗粉大さじ1杯、水少量
- 納豆は熱湯を回しかけ、粗くきざむ
- ミックスベジタブルのグリーンピースやコーンは薄皮を取り除き、まとめでみじん切りにする
- ボウルに豆腐を入れてペースト状につぶし、きなこと片栗粉を入れて生地を作る。緩いようであれば、片栗粉を足して調整する
- 3に1、2を入れて軽く混ぜ合わせ、テフロン加工のフライパンで焼き色がつくまで焼けば完成
離乳食完了期のきなこレシピ!手づかみメニューにプラスして
離乳食後期~完了期になると自分の手を使って食べ始めます。きなこを使って引き続き手づかみメニューを増やし、食への意欲を育てましょう。
離乳食を手づかみしない場合は、少しだけきなこに甘味をつけたディップを塗った手づかみメニューもおすすめです。
きなこディップトーストのレシピ
材料:きなこ10g、食パン、水、砂糖2g
蒸しパンは完了期の離乳食や幼児のおやつにおすすめの料理でレシピも豊富ですが、ふくらませるために使うベーキングパウダー選びには注意が必要。
焼きミョウバン入りのベーキングパウダーはアルミニウムが含まれるため、「アルミフリー」または「ミョウバン不使用」と書かれた商品を使用しましょう。
きなこ蒸しパンのレシピ
材料:きなこ10g、小麦粉70g、ベーキングパウダー3g、砂糖大さじ1/2、牛乳100cc
※蒸し器がある方は、蒸し器で。また電子レンジ用の蒸し器で加熱してもOKです。
マカロニきなこは保育園のおやつにも出る好評の離乳食レシピですが、喉に詰まらないように必ず飲み物を用意して一緒に食べさせましょう。
マカロニはリボン型などを使うと、かわいいおやつになります。マカロニで作ると噛み応えのあるおやつに、茹でうどんを切って作るとモチモチ食感のきなこおやつになります。
マカロニきなこのレシピ
材料:マカロニ20g、きなこ大さじ1杯
- マカロニはやわらかく茹でる
- 1を細かくきざみんで、水分を蒸発させる
- マカロニの表面が乾いたら、きなこをまぶして完成です
詰まりやすい!きなこの離乳食やおやつは水分と一緒に与えて
きなこの離乳食やおやつで気を配らなければならないのが、同時にとる水分。きなこは水分を吸い取りやすいため、飲み込みにくく高齢者の窒息の元にもなっています。
離乳食ではおかゆなど水分量の多いメニューに混ぜればよいだけですが、離乳食のおやつとしても人気のある麩ラスクなどを作る際はバターに溶かして絡めるなどの配慮をし、横に水やお茶を用意して食べさせましょう。