離乳食は麩で栄養バランスを整えよう!健康効果と段階別レシピ
麩は大人向けの食材というイメージがありますが、赤ちゃんに不足しがちな鉄分を始め、タンパク質、食物繊維など、幅広い栄養素がとれ、保存も利く、赤ちゃんとってもママにとっても嬉しい食材のひとつです。
そこで今回は、離乳食で大活躍してくれる食材「麩」をご紹介します。麩を食べさせることによる赤ちゃんへの健康効果、いつから食べられるか、保存方法への注意、選び方、離乳食段階別おすすめレシピをご紹介します。麩を使ったおやつのレシピもご紹介していますので、栄養たっぷりの手作りおやつを赤ちゃんに食べさせてあげてはいかがですか?
離乳食の麩に秘められた健康効果と栄養素
麩には、人間の体に必要な5大栄養素のうち2種類、「タンパク質」「ミネラル」を効率的に摂取することができます。特に、離乳食後期にはミネラル不足になる赤ちゃんが多いため、離乳食やおやつにおすすめなのです♪
1健康な体作りに役立つ!タンパク質

一般的な焼き麩のおよそ2~3割はタンパク質。肉類に含まれるタンパク質の割合がおよそ2割ですので、肉と同量の麩を食べた場合、タンパク質だけで比べると焼き麩の方がより多くのタンパク質をとることができるのです。一度に沢山食べられない赤ちゃんには特におすすめ!
タンパク質は、人間の肌、髪、筋肉などを作ってくれる栄養素。健康な体つくりには不可欠ですね。ですから、離乳食期のタンパク源として、麩を献立にとりいれましょう。動物性のタンパク質である肉には脂肪も含まれていますが、赤ちゃんは脂肪を上手に消化することができないので、脂肪が少なく消化のよい麩は、赤ちゃんに負担が少ない食材でもありますよ。
2賢くなる!グルタミン酸
麩には、同じタンパク源である肉類に比べておよそ3~5倍のグルタミン酸が含まれています。グルタミン酸には、脳を活性化させて記憶力や学習能力をアップさせる効果がありますので、脳細胞をどんどん増殖させている赤ちゃんにはもちろんですが、世代を問わず食卓にとり入れたいですね。
ただし、グルタミン酸を過剰摂取すると、脳細胞に障害が起こり神経症や睡眠障害を起こす可能性もありますので、食べさせ過ぎないようにしましょうね。
3貧血を防げる!鉄分
麩には鉄分が多く含まれています。生後5~6ヶ月を過ぎると赤ちゃんの体は急激に成長するため、食事や母乳からの鉄分の供給だけでは不足しやすく鉄欠乏症貧血になる赤ちゃんが増え始め、特に生後9ヶ月を過ぎると貧血の赤ちゃんが急増します。
離乳食をあまり食べない赤ちゃんや偏食の赤ちゃんは、食事からの鉄分補給が不足しがちですので特に心配。鉄分はレバーやほうれん草でしか沢山とれないと思っているママは、ぜひ離乳食に麩を摂り入れて赤ちゃんの貧血を予防してあげましょうね。
<離乳食で鉄分がとりやすい食材>
4便秘や臭いおなら改善!食物繊維

麩には食物繊維が豊富に含まれています。離乳食を始めたばかりの赤ちゃんは、食べたものの消化吸収が上手くできずに便秘になりがちですよね。便秘が続くと赤ちゃんのご機嫌が悪くなってしまいますので、食物繊維を含む麩を食べさせて、便秘を解消してあげましょう。赤ちゃんおならの臭いが気になる場合も、麩は効果的ですよ♪
5情緒が安定する!マグネシウム
マグネシウムは、神経の伝達に影響を与える栄養素の一つです。マグネシウムを摂取することにより、イライラする気持ちを抑えて、穏やかな精神状態を保つことができますよ。
「最近、赤ちゃんの機嫌が悪い」「情緒不安定だな」と感じる場合には、マグネシウムが豊富な麩の離乳食を与えて、赤ちゃんの情緒を安定させてあげましょう。
6歯や骨が強くなる!リン

リンは、体内でマグネシウムと結合して骨や歯を強くする役割を果たしてくれます。「歯や骨を丈夫にするのはカルシウム!」と思っているママ、離乳食でリンやマグネシウムも食べさせてあげましょうね。
麩には、リンとマグネシウムが含まれていますので、乳製品や魚などカルシウムが豊富な食べ物と一緒に与えれば、骨に必須の3栄養素が一度にとれます!「背が高い子に育てたい」「ケガに強い子に育てたい」「歯の丈夫な子に育てたい」などのママの願いを叶える可能性を秘めた麩を、ぜひ離乳食にとり入れましょう。
離乳食で麩はいつから?原材料は?アレルギーに注意
麩は、室町時代に中国から伝わり、昔から人々の貴重なタンパク質源として日本の食卓で活用されてきましたが、麩の主な原材料は小麦粉ということを知らない人は意外と多いんです。麩は小麦粉に水を加えて練るとできるグルテンからできています。
ただし小麦は、鶏卵、乳製品と共に赤ちゃんが食物アレルギーを起こしやすい食材ですので、赤ちゃんに与えるときには注意が必要。柔らかく麩そのものには味がないため、色々な食材と合わせることができて離乳食にも適した食材ですが、小麦アレルギーが心配な場合は無理に初期から与える必要はありません。
また、小麦粉を含む食品はダニが発生しやすく、赤ちゃんが食べてしまうことでダニアレルギーを発症する恐れもあります。麩を加熱してダニが死んでも死骸からダニアレルギーを発症しますので、「加熱すれば大丈夫」と考えているママは要注意!開封後は保存方法への注意が必要です。
離乳食用の焼き麩の保存方法

麩や高野豆腐などの乾物は長期保存が可能で、離乳食初期から食べさせることができるため、離乳食期の貴重なタンパク源として重宝しますね。ただし、長期保存できる食材だからといって、どこにどのように置いておいても良いということではありません。
離乳食用の麩の正しい保存方法をご紹介しておきますので、赤ちゃんのダニアレルギー予防のためにもしっかり守りましょうね。
防ダニ!開封後の焼き麩の保存方法
- 必ず密閉容器や密閉袋にいれて保存する
- 高温多湿を避け、日光や蛍光灯など当たらず風通しがいい涼しい場所で保存する
- 開封後は早めに使い切る
- 保存開始日がわかるように袋に書いたり、紙に書いて容器に貼ったりする
- 水分が付着する可能性があるので、冷蔵庫での保存はしない
離乳食用麩の便利な保存と冷凍やレンジ加熱
毎日の離乳食作りは、赤ちゃんのお世話で忙しいママにとって負担になってしまうこともありますね。時短レシピを実現してくれる離乳食用の麩の保存方法やレンジ調理法をご紹介します。
便利な保存方法&使い方
麩を離乳食に使用する際には、野菜などと一緒に煮るだけでなく、パウダー状の麩を料理の仕上げのトロミ付けとして使用することもできます。フードプロセッサーですり潰し、密閉容器に入れて保存しておきましょう。少量ずつ使うことができるので非常に便利ですよ。
水戻しした麩の冷凍保存
離乳食作りで水戻しした麩は、冷凍保存も可能です。麩を冷凍保存する場合には、ただ水戻しした麩を冷凍することもできますが、水で戻した麩をだし汁で煮たものを、1回の離乳食の分量に分けて冷凍保存しておくと、使いたい時にすぐに解凍して使えるのでとても便利ですよ。
冷凍麩のレンジ加熱

冷凍保存しておいた麩は、電子レンジで解凍して離乳食に使用することができます。電子レンジで加熱する際には、加熱時間が長すぎると水分が蒸発してしまい麩が固くなりますので注意してくださいね。
初めは短めにタイマーを設定し、様子を見ながら時間を延長していくと良いでしょう。また、一度解凍した麩を再び冷凍すると風味が落ちますのでやめましょう。
離乳食向きの麩の選び方
麩には、色々な種類のものがあり、また、地方によっても食べられる麩が異なります。一般的に私たちがよく食べている麩は「焼き麩」「乾燥麩」などと呼ばれるもので、お味噌汁やすき焼き、煮物などに入っていることが多いですね。焼き麩や乾燥麩は離乳食で食べられますが、離乳食に使用する際に便利でおすすめなのが、小さめサイズの小町麩です!量の調整や調理が楽ですよ。
麩には、刺し身麩などの生麩もありますが、生麩はあまり離乳食向きではありません。弾力があり噛みにくく、餅のように喉に詰まらせる恐れもありますので、できれば焼き麩や乾燥麩を使いましょう。
また、揚げ麩は油で揚げて作った麩ですので、油の消化が難しい離乳食に揚げ麩はあまりおすすめできません。
大きめサイズの麩なら、すりおろしてパウダーにして使用するとよいでしょう。離乳食作りでは、車麩などの麩を水で戻す際には、固い部分が残らないように均一に戻すようにしましょうね。
【離乳食の麩】段階別の調理法&レシピ
麩を使用した初期~完了期の離乳食レシピやおやつレシピをご紹介します。麩は、大人の料理では和食に使われることが多いのですが、離乳食では和食だけでなく幅広い料理に活用する先輩ママが多いですよ。市販のおやつを食べさせたくないママは、麩を使ったおやつ作りにも挑戦してみてくださいね。
【離乳食初期】調理法&麩レシピ
離乳食初期では、水戻し前の麩をすり潰して使用します。麩そのものはあまり味がないので、野菜やお粥のペーストに混ぜるだけでもOK。離乳食の栄養価アップを手軽におこなえますよ。
こちらでは、麩と人参のトロトロ煮のレシピをご紹介します。すり潰した麩と人参をだし汁で伸ばすだけのとっても簡単なメニューです。麩のとろみで口当たりがよくなりますので、野菜や白身魚が苦手な赤ちゃんも食べやすくなりますよ。
麩と人参のトロトロ煮のレシピ

材料:焼き麩、人参、だし汁
【離乳食中期】調理法&麩レシピ
離乳食中期になると麩をすり潰さなくても食べられるようになります。2~3mmにして調理しましょう。離乳食の回数は1日2回ですが、食べられるタンパク質が限られる離乳食中期は、離乳食の献立がワンパターンになりがち。タンパク質として麩をとり入れることで、離乳食の献立の幅を広げることができますよ。
麩を料理のメインとして使用するだけでなく、すり潰した麩でとろみ付けや栄養価アップに活用してもいいですね。
今回は、トマトと麩を入れた洋風スープのレシピをご紹介します。野菜スープを冷凍保存しておくと、うま味たっぷりのスープがいつでも作れますよ。野菜不足が気になるママやパパも、朝食メニューとしていかがですか?
麩とトマトの洋風スープのレシピ

材料: 焼き麩、トマト、野菜スープ(冷凍ストック)
【離乳食後期】調理法&麩レシピ
離乳食後期の赤ちゃんなら、そろそろ手づかみ食べが始まる頃ですね。柔らかい食材なら歯で噛みちぎれるようになりますので、積極的に手づかみメニューを作ってあげましょう。小町麩なら、カット不要で調理できますね。
今回は、麩を使ったフレンチトーストのレシピをご紹介します。とっても簡単で栄養たっぷりなので、赤ちゃんの朝食メニューとしておすすめですよ。
麩のフレンチトーストのレシピ

材料: 焼き麩、卵、牛乳、サラダ油
【離乳食完了期】調理法&麩レシピ
離乳食完了期になると、大人の料理から取り分けしているママも多いですよね。1日3食の離乳食作りは大変ですが、麩を使った取り分けメニューを上手に活用して、離乳食作りがママの負担にならないようにしましょう。麩は、ローカロリーな食材ですので、体形が気になるママやパパにもおすすめです。
今回ご紹介する麩のそぼろ煮は、短時間で作れる簡単メニュー。大人向けにはショウガやニンニクで香りづけして、醤油を加えるとおいしくなりますよ。
麩の豚そぼろ煮のレシピ

材料: 焼き麩、豚ミンチ、だし汁、サラダ油、しょうゆ(無くてもOK)
【離乳食のおやつ】麩レシピ
離乳食期の赤ちゃんは、まだ1度の食事で沢山の量を食べることができませんよね。後期以降はおやつを食べさせるママが増えてきますが、特に満1歳を過ぎて動きが活発になってきたら、おやつが栄養補給源として大切になってきます。
赤ちゃんに安心で美味しいおやつを食べさせたい方は、麩を使った手作りおやつを作ってみてはいかがですか?
今回は簡単で美味しい麩のラスクのレシピをご紹介します。きな粉に含まれる大豆サポニンは、赤ちゃんの体にウィルスや細菌が侵入するのを守ってくれる働きがあるので、風邪予防におすすめですよ。
麩のきな粉風味ラスクのレシピ

材料: 焼き麩、きな粉、バター(油やマーガリンでもOK)、お好みで砂糖少量