離乳食のチンゲン菜はいつから?初期の与え方と冷凍保存のコツ
離乳食におすすめの中国野菜の定番、チンゲン菜。スーパーでは一年中手に入りますが、旬は秋から冬(10月~1月頃)で、この時期のものは特に味が濃く、美味しくなります。
チンゲン菜はアクが少なく調理しやすい緑黄色野菜で、離乳食初期から適切に調理すれば赤ちゃんに与えることができます。こちらでは、チンゲン菜はいつから食べられるか、初期の与え方、冷凍ストックの疑問から、赤ちゃんが美味しく食べられる段階別の離乳食レシピまで、チンゲン菜を使った離乳食作りのあれこれをまとめてご紹介します。
離乳食にチンゲン菜はいつから?初期は葉先をペーストで
チンゲン菜は離乳食の初期(生後5~6ヶ月頃)から与えることができる野菜です。ただし、食物繊維が多く含まれているため、離乳食の初期には、繊維の少ない葉先の柔らかい部分のみを使用します。
初めて与える際は、しっかりと加熱して柔らかくし、すり鉢やブレンダーでなめらかなペースト状にしてください。ほうれん草や小松菜などの他の葉野菜を与え、離乳食に慣れてきてから、チンゲン菜を与え始めるのがおすすめです。
離乳食にチンゲン菜の茎はいつから?中期後半から後期がおすすめ
チンゲン菜の茎の部分は葉先よりも食物繊維が多く硬いため、飲み込む練習をする初期や、初めて噛む練習をする中期の前半にはあまりおすすめできません。赤ちゃんが舌や歯茎で食べ物を潰すことに慣れてくる離乳食中期後半(生後8ヶ月頃)から、後期(生後9〜11ヶ月頃)にかけて与えるのがよいでしょう。
最初に茎を与える時は、細かく刻んで、十分な時間をかけてしっかり煮て柔らかくしてから与えるようにしましょう。赤ちゃんの食べ具合に合わせて、焦らず進めてください。
チンゲン菜に含まれる主な栄養素と離乳食への活用
チンゲン菜は、ビタミン類やミネラルがバランス良く含まれた栄養豊富な野菜です。離乳食に積極的に取り入れることで、赤ちゃんの成長に必要な栄養を補うことができます。
1β-カロテン(ビタミンA)
チンゲン菜には、特にβ-カロテンが豊富に含まれています。β-カロテンは体内でビタミンAに変換される性質があり、ビタミンAの供給源として知られています。茹でたチンゲン菜10gには約260μgのβ-カロテンが含まれています。
β-カロテンは脂溶性のビタミンで、熱に強く、油に溶けやすい特徴があります。そのため、離乳食後期以降は、ごま油などの少量の油と一緒に調理する(例:炒め物、中華風あんかけなど)ことで、吸収力が高まります。
2ビタミンKとカルシウム
チンゲン菜にはビタミンKも含まれており、茹でたチンゲン菜10gには約12μgが含まれています。ビタミンKは、血液の凝固に関わる重要な栄養素です。また、カルシウムを骨に沈着させる働きを助けるため、骨の成長が進む時期の赤ちゃんに欠かせない栄養素の一つです。
チンゲン菜自体にもカルシウムが含まれているため、離乳食にぴったりの野菜です。ビタミンKの一日の摂取目安は、生後6~11ヶ月で7μg、1~2歳で60μgとされています。離乳食にチンゲン菜を上手に活用し、不足しないように摂らせてあげましょう。
3食物繊維
チンゲン菜は食物繊維も豊富です。茹でたチンゲン菜10gあたり約0.9gの食物繊維が含まれています。この食物繊維が多いという性質から、初期や中期では葉先の柔らかい部分を裏ごしし、消化器官が発達する後期以降に茎の部分を与えるようにすると、赤ちゃんもスムーズに食べ進めることができます。
離乳食のチンゲン菜の選び方や下ごしらえのポイント
味付けが薄い離乳食では、素材そのものの甘みや鮮度が大切になります。新鮮で甘みのあるチンゲン菜を選び、適切な下ごしらえで離乳食に使いましょう。下ごしらえをして冷凍ストックしておくと、毎日の離乳食作りを時短調理できます。
新鮮で美味しいチンゲン菜の選び方
美味しいチンゲン菜を選ぶ時には、葉の部分と株元の白い部分に注目するのがポイントです。葉の色が黄色っぽくなっていたり、根元の切り口が茶色っぽくなっていたりするものは、鮮度が落ちたものです。鮮度が落ちると栄養価も低下するため、以下のポイントを押さえて新鮮なチンゲン菜を選びましょう。
離乳食向きのチンゲン菜の選び方
ミニチンゲン菜は、通常のチンゲン菜よりも葉が柔らかく食べやすいので、離乳食向きです。また、スーパーで買う際も、葉の色が濃い緑のチンゲン菜は硬くてアクがやや強いため、色が薄いチンゲン菜で慣らしてあげた方が、赤ちゃんが食べ慣れやすい傾向があります。
離乳食のチンゲン菜の下ごしらえ方法
チンゲン菜はアクが少ないため、下茹でしなくても調理に使えますが、離乳食に使う際は、柔らかくすることと、衛生面を考慮して下茹でをするのが一般的です。チンゲン菜は根本に泥が残りやすいので、しっかり洗いましょう。
下ごしらえの手順
- 根本を4等分に切り分けます。
- 葉と茎を切り分けます。
- 葉は流水で優しく洗います。
- 茎は切り口や付け根部分を水に浸けて、泥をしっかりと落とします。
- 熱湯で柔らかくなるまでゆでます。
- 冷水で冷やし、硬く水気を切ります。
※下茹でしたチンゲン菜は、時期に合わせてペーストやみじん切りにして冷凍ストックするのがおすすめです。
離乳食の時短調理に便利なチンゲン菜の冷凍保存方法
チンゲン菜は下ごしらえ後に冷凍保存しておくと、使いたい時にすぐに使え、離乳食の時短調理に大活躍します。時期に合わせてペーストやみじん切りにしてストックしましょう。
ペースト状のチンゲン菜の冷凍方法(初期〜中期向け)
離乳食初期〜中期で使用するチンゲン菜のペーストは、だし汁や野菜スープと一緒にミキサーにかけてペースト状にした後、製氷皿に入れて凍らせます。凍ったものを冷凍保存袋に移し替えておけば、レンジで解凍するだけで一品簡単に作れます。
刻んだチンゲン菜の冷凍方法(中期〜完了期向け)
中期以降で使用する、刻んだチンゲン菜の茎や葉は、食べやすい大きさにカットしてからラップに包み、さらに冷凍保存袋に入れて冷凍保存しましょう。お粥やスープ、炒め物に入れるだけで、夕食の栄養価を簡単にアップできます。
離乳食初期(生後5~6ヶ月頃)のチンゲン菜おすすめレシピ&調理のポイント
チンゲン菜は、ほうれん草や小松菜に比べてクセがなく苦みも少ないので、赤ちゃんも食べやすく調理しやすい食材です。初期から与え始める時は、葉先の柔らかい部分のみを使い、しっかり下ゆでをして柔らかくし、裏ごしまたはブレンダーでなめらかなペーストにしたものを与えるようにしましょう。
チンゲン菜のペーストをだし汁でのばすことで、赤ちゃんもより食べやすくなります。初めての時は、必ず小さじ1から試してください。
チンゲン菜のペーストのレシピ(初期)
材料:チンゲン菜葉先1枚、だし汁大さじ2
※初期の形状は「ポタージュ状」を目安とし、舌でつぶせる硬さよりもさらに柔らかく、裏ごしで繊維を完全に除去することが重要です。
離乳食中期(生後7~8ヶ月頃)のチンゲン菜おすすめレシピ&調理のポイント
中期になると、お豆腐くらいのかたさの離乳食が食べられるようになります。チンゲン菜はまだ繊維が多いので、初期よりも粗めのペーストにするか、2〜3mmくらいのみじん切りにし、舌で潰せる硬さに調理しましょう。茎に挑戦する場合は、葉先と同じように細かくみじん切りにして柔らかく煮込んでください。
水溶き片栗粉でとろみをつけてあげることで、赤ちゃんも飲み込みやすくなります。だし汁の代わりに水で煮て、最後にかつお節をかけるだけでも、美味しく仕上がります。
チンゲン菜と豆腐のとろとろ煮のレシピ(中期)
材料:チンゲン菜葉先1枚、豆腐10g、だし汁1カップ、片栗粉小さじ1
離乳食後期(生後9〜11ヶ月頃)のチンゲン菜おすすめレシピ&調理のポイント
後期以降からは、歯茎で潰せる硬さの離乳食にし、手づかみ食べができるように工夫しましょう。チンゲン菜も5〜8mmのみじん切りにし、柔らかく煮込んで使ってください。この時期から、茎の部分も積極的に離乳食に取り入れてみましょう。
お焼きやパンケーキに入れて与えると、手づかみしやすく、赤ちゃんが食べる意欲を育てることができます。モチモチして赤ちゃんがうまく噛みきれない場合は、一口サイズにちぎって与えると食べやすくなります。離乳食の進み具合によって片栗粉の量を調節し、硬さを調整してあげるとよいでしょう。
チンゲン菜のおやきのレシピ(後期)
材料:チンゲン菜(葉先・茎)1枚、じゃがいも1個、ツナ10g、片栗粉大さじ1
※焼いたものをラップに包んで冷凍保存できるので、ストックにも便利です。
離乳食完了期(生後12〜18ヶ月頃)のチンゲン菜おすすめレシピ&調理のポイント
この時期になると、大人と同じような食事が食べられるようになりますが、離乳食の味付けはまだ薄味のものにするように気を付けましょう。塩分が多いと、赤ちゃんの腎臓など内臓に負担がかかってしまいます。
チンゲン菜は、1cm程度の大きさにカットし、噛みつぶせる硬さに調理してください。大人と一緒に取り分けられる食事を作ることで、少しでも離乳食作りの負担を減らすことができます。
チンゲン菜とツナの炒り卵のレシピ(完了期)
材料:チンゲン菜1枚、ツナ10g、全卵1/2個、かつお節少々
※大人用には大根おろしをのせて少量の醤油をかけるなど、味付けを別で行いましょう。




