離乳食を手づかみ食べしないのはなぜ?進め方と中期後期レシピ
離乳食の手づかみは、ママのイライラの原因の1つに挙げられるのですが、「うちの子、他の子のように離乳食を手づかみ食べしないけれど、大丈夫かなぁ」と、心配しているママも少なくありません。「育児書では手づかみ食べは大切」と書かれ、周囲の赤ちゃんもしているとなれば、心配にもなりますよね。
今回は、離乳食を手づかみ食べしない原因と手づかみ食べをさせる促し方、赤ちゃんが手づかみ食べしやすいレシピをご紹介します。赤ちゃんの食欲や食への関心には、個人差がありますが、赤ちゃんが離乳食を沢山食べてくれるとママも安心ですね。赤ちゃんが手づかみ食べせずに心配しているママは、参考にしてみて下さい。
離乳食を手づかみ食べしない4つの原因
一般的に赤ちゃんは離乳食を手づかみ食べしたがるのに、しない赤ちゃんがいるのは何故でしょう。考えられる原因をご紹介します。
1お腹が空いていない
お腹が空いていない時間に離乳食を与えていると、赤ちゃんは食欲もなく、手づかみをして自分で食べようとする意欲が湧いてこないことがあります。生後9ヶ月を過ぎると、1日3回食に進んでいる赤ちゃんが多くなりますね。3回食になると前の食事の時間がずれたり、授乳を少し前にしていたりすることで、前の食事から間隔が空かずお腹が空いていないうちに、次の離乳食の時間になってしまっている可能性があります。
2食への関心が低い
赤ちゃんが手づかみ食べするのは、「自分が食べるものがどんなものか自分の手で確かめてみたい」という意思の表れでもあります。ところが、食卓の雰囲気、遊びの方が好き、離乳食や食器がワンパターンで飽きたなどの理由で食べることへの関心が低い赤ちゃんは、自分で確かめようとする意欲が無くなる傾向があります。離乳食期は、赤ちゃんが食べることへ関心を示してくれるようなアプローチも大切ですよ。
3手づかみ食べできるメニューがない
赤ちゃんに「手づかみ食べしたい」という意欲はあるのに、手づかみ食べできるメニューが出てくる回数が少なく、ドロドロ状のものが多いと、赤ちゃんは手づかみ食べすることができませんよね。赤ちゃんがある程度の固さのものを食べることが出来るようになったら、手づかみ食べが出来る時期と考えて、メニューを工夫してみましょう。
4ママに食べさせてもらうのが好き
「ママにスプーンやフォークで食べさせてもらうのが大好き」というとっても甘えん坊の赤ちゃんもいます。同じ月齢のお友達が手づかみ食べしているのを見ると、ママも心配になるかもしれませんが、赤ちゃんが自分から離乳食に手を伸ばしてくれる日を気長に待ちましょう。「食べさせてあげられるのも今だけ」と考えて、思いっきり甘えさせてあげれば、次第に欲求が満たされてステップアップしていきますよ。
離乳食の手づかみはいつから始まるの?
離乳食を手づかみ食べし始める月齢の目安は、早い子では離乳食中期、一般的には生後9ヶ月頃に多くなります。ちょうど歯茎で噛みつぶして食べられるようになる時期ですね。離乳食もおやきやハンバーグなどの固まり状のものが出てくるようになり、手先指先も器用になってくるため、赤ちゃんも手づかみ食べしやすいのですね。
また、この時期の赤ちゃんは、好奇心がどんどん発達し、食事に集中するのが困難になります。遊び食べが盛んになり始める時期でもありますが、お腹が空いていると思わず手を伸ばしてパクッと食べ始めたくなるのです。
ただし、赤ちゃんの離乳食の進み方には個人差が大きく、同じ9ヶ月の赤ちゃんでもすり潰したものや細かく刻んだものを食べている子もいますよね。そのような場合は指先でつかみにくく、なかなか手づかみ食べしようとしない赤ちゃんも多いです。また、早い時期に手づかみで食べようとして、「汚れるから…」とママに止められると、その後手づかみしなくなることがあります。
離乳食の手づかみ食べの進め方
「赤ちゃんが食器に手を伸ばす」「スプーンや離乳食を触りたがる」などの様子が見られたら、手づかみ食べを進めるための工夫をしてみましょう。
ただし、毎食全部のメニューを手づかみ食べ出来る離乳食にするのは、ママも大変ですし、食べるのに時間がかかるため、結局食べ残してしまいます。毎食1~2品でいいので、赤ちゃんが手づかみ食べできるメニューにしてあげるとよいでしょう。以下の手順で進めてみましょう。
手づかみ食べの進め方
- 食べ物がこぼれくい深めのお皿を準備する
- 手づかみしやすい離乳食を準備する
- 赤ちゃんをきちんと椅子に座らせる
- 目の前にお皿を出しても食べない様なら、ママが見本を見せてみる
赤ちゃんは慣れるまでどれくらの量を口入れてよいかわかりません!また、慣れてもうっかり沢山入れ過ぎて、喉に詰まらせてしまう恐れもあります。赤ちゃんが食事中は、赤ちゃんから目を離さないようにしましょう。
離乳食を手づかみ食べする3つのメリット
離乳食期の赤ちゃんの手づかみ食べは、お洋服や床が汚れてしまうという悪いことだけではありません。赤ちゃんは、自分の手で食べることを通じて多くのことを学んでいます。手づかみ食べが赤ちゃんにもたらすメリットを挙げてみました。
1食への興味が広がる
赤ちゃんは離乳食を手づかみすることで、自分の手で食べ物に直接触れることになり、食べ物の感触や固さなどを感じることができます。今までは、目、鼻、口で捉えていた食べ物に、手からの刺激がプラスされることで、目で見た食べ物、匂い、味や食感に、手触りや温度などの情報がプラスされます。これは赤ちゃんにとっては刺激的なことですし、生きていくうえでも大切な情報ですよね。
離乳食を手づかみする刺激により、赤ちゃんの食べ物に対する興味が広がるきっかけになりますので、ママも、「これは○○だよ~美味しいね」などと、赤ちゃんへ語りかけながら、楽しく離乳食を食べさせてあげましょう。
2手や指先の発達を促す
まだ手や指先がそれほど器用でない赤ちゃんが、自分の手で食べ物をつかみ口の中に持っていくことは、意外と難しいことなのです。けれど、離乳食を手づかみすることで、「掴む」「つまむ」「口までの距離を上手く捉える」などのトレーニングを、食事のたびに自然に行うことになります。
初めのうちは、上手くできず泣いてしまったり、食べ物を投げてしまったりすることもあるかと思いますが、温かく見守ってあげましょう。
3達成感を味わうことができる
今までママに食べさせてもらった離乳食を、自分で食べることが出来るようになるということは、赤ちゃんにとって大きな成長ですよね。ママも子供の成長は嬉しいでしょうが、赤ちゃん自身も「自分で食べることができた!」という達成感を味わうことができます。
赤ちゃんが、上手にお口に食べ物を持っていくことができた時には、思いっきり褒めてあげましょう。また、失敗した時も、励まして繰り返し挑戦するように促してあげましょう。
離乳食の手づかみ食べを促す4つの方法
なかなか離乳食の手づかみ食べをしない赤ちゃんも、ちょっとしたきっかけがあれば、自分から離乳食に手を伸ばすことがあります。こちらでは、離乳食の手づかみ食べを促す方法を4つご紹介しますので、ぜひ試してみて下さいね。
1生活リズムを整え、積極的に遊ばせる
離乳食の手づかみ食べを促すには、生活リズムを整え、離乳食の時間を体に覚えさせることが大切です。また、食事への興味は、お腹が空くことが大切!そのためには、摂取したカロリーを消費する必要がありますよね。自然にお腹が空くように、散歩や遊びを積極的に行いましょう。
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2お腹が空いている時間に食べさせる
お腹が空いていない時間に離乳食を与えていると、赤ちゃんも自分から食べようという意欲が湧いてきません。離乳食の時間を見直し、お腹を空かせたタイミングで食べさせるようにしましょう。また、手づかみ食べを始める離乳食後期からは、おやつを与えるママが増え始めます。おやつは手づかみ食べを促すきっかけになりますが、与えすぎると離乳食が食べられなくなりますので注意しましょうね。
月齢によっては、赤ちゃんのお腹が空きすぎることで、機嫌が悪くなって離乳食を食べなくなる可能性があります。赤ちゃんの機嫌を見ながら、離乳食の時間を調節することが大切です。
3食べ物への関心を持たせる
「時間を空けても駄目。ミルクやおっぱいばかり欲しがって、食べ物への関心が低い」「食べさせてもらいたがって、食の自立がちっとも進まない」という、食べ物への関心が低い赤ちゃんには、次の方法で食べ物への関心を持たせるようにしてあげると良いでしょう。
- おもちゃの野菜や果物を使ったおままごと等の遊びを積極的に取り入れる
- 食べ物の載った絵本を読んであげる
- プランターで出来る育てやすい野菜を栽培して、赤ちゃんに成長の様子や収穫の様子を見せてあげる
- 親や兄弟が美味しそうに食べる姿を見せる
4ママが手づかみ食べする姿を見せてあげる
ママに食べさせてもらうのが大好きな赤ちゃんには、ママが手づかみ食べする姿を、一緒に食事をしながら見せてあげるのもよいでしょう。大好きなママが手づかみ食べをする姿を見ることにより、赤ちゃんも「自分もやってみよう!」という気持ちになるかもしれません。
子供はママやパパの真似をして成長していきます。困った時は親が何度もお手本を見せることで、子供が自然に身に着けることが多いですよ。ただし、悪いことも真似しますので、注意しましょうね。
5手づかみ食べできる離乳食にする
手づかみ食べできる離乳食を出さないことが多いママは、次の離乳食からすぐに改善しましょう。赤ちゃんの手づかみ食べを促すためには、赤ちゃんが手づかみしやすいような離乳食を作ってあげることが大切です。
赤ちゃんによっては、ベチョッとした手触りが苦手で、柔らかいものは手づかみしたがらないことがありますし、手が汚れるのを嫌がる子もいます。次にご紹介する離乳食中期の手づかみレシピと、離乳食後期の手づかみレシピを参考に、月齢に合った手づかみ離乳食を、毎食少なくとも1品は出し、手づかみ食べを促してあげましょう。
離乳食中期の手づかみレシピ
離乳食中期は、まだドロドロ状のものしか食べることができませんが、早い赤ちゃんは生後8ヶ月頃から手づかみ食べを始めたがります。赤ちゃんが手づかみ食べをしたいと思っても、月齢が低いとドロドロ状のものを手づかみ食べするのは難しく、ママも後片付けも大変ですよね。
周囲を汚さない工夫をし、離乳食の進み方に合せて手づかみレシピを作ってあげましょう。離乳食中期の赤ちゃん向けの手づかみ離乳食レシピを2つご紹介します。
さつまいもの茶巾
さつまいもは離乳食初期から食べられ、冷凍保存もできる離乳食に適した食材ですね。生後8ヶ月を過ぎるとモグモグすることが上手な赤ちゃんが増えてきますので、手づかみ食べをしたがったら、離乳食の進み具合に合せて固さを調節し、さつまいもやかぼちゃで茶巾を作ってあげましょう。
丸型だとつかみにくそうにしている場合は、短いスティック状にしてあげてもよいでしょう。じゃがいもやかぼちゃでも、美味しくできますよ。
さつまいもの茶巾レシピ
材料:さつまいも 適量
- さつまいもを柔らかく茹で、裏ごししてミルクや温めた牛乳で適度な固さに調節する
- ラップで食べやすい形に形成する
マカロニと人参のトロトロ煮
ツナ缶を食べられるようになった赤ちゃんに、細いうどんやスパゲッティよりも赤ちゃんが手づかみしやすい形のマカロニを使って、手づかみメニューを作ってあげましょう。片栗粉でとろみをつけることにより、野菜とマカロニがくっつくので食べこぼしも少なくなります。
マカロニと人参のトロトロ煮レシピ
材料:マカロニ 10g、人参 20g、ツナ 10g、野菜スープ 適量、水溶き片栗粉 適量
- マカロニを柔らかく茹でで、細かく刻む
- 人参を、柔らかく茹でてみじん切りにする
- ツナを、細かくほぐす
- 野菜スープを鍋に入れて火をかけ、1~3を入れる
- 具材がなじんだら水溶き片栗粉でとろみをつける
離乳食後期の手づかみ離乳食レシピ
離乳食後期になると、ある程度形のあるものを食べることができるようになるので、色々な手づかみメニューを作れるようになりますね。野菜スティックやおにぎりなどは、簡単に作ることができるので活躍してくれますよ。離乳食後期の赤ちゃんにおススメの手づかみ離乳食レシピを2つご紹介します。
ニラのチヂミ
離乳食後期になると、ニラも食べることが出来るようになります。栄養満点で餃子やスープに入れると美味しいですので、是非取り入れてみて下さいね。小麦アレルギーの赤ちゃんは、米粉やジャガイモのすりおろしで作ると食べることができますよ。
ニラのチヂミレシピ
材料:米粉 70g、片栗粉 20g、水 120g、ニラ 1/4束(作りやすい分量)
- 米粉、片栗粉、水をボウルに入れて混ぜ合わせる
- ニラを細かく刻む
- 1に2を入れて、ヘラで混ぜる
- フライパンを熱して、3をお玉で入れて、片面5分ずつ焼く
- 焼きあがったら食べやすい大きさに切る
きな粉パンステック
パンは、離乳食後期以降の赤ちゃんが手づかみ食べするのに適していますし、時間が無い時のお助けメニュー作りにも大活躍してくれます。サンドイッチ用の食パンを使うと、薄く切る手間を省くことができるのでおすすめです。バターは、焦げないテフロン加工のフライパンであれば必要ありません。
きな粉パンステックレシピ
材料:食パン(8枚切り)1/2枚、きな粉 大さじ1、牛乳 大さじ1、無塩バター 少量
- 食パンを赤ちゃんの食べやすい大きさに切る
- 牛乳を入れたボウルに1を浸して、上からきな粉をかけて混ぜる
- フライパンに油を薄く塗り、2を焦げないように焼く
離乳食は手づかみ食べしないとダメなの?
手づかみ食べは、赤ちゃんの成長過程において必ずしなければならないというものではありません。赤ちゃんによっては、手づかみ食べをせずに始めからスプーンやフォークで食べることもありますし、完了期や幼児食になり、おにぎりやサンドイッチを食べるようになれば、自然に手で食べることも覚えます。赤ちゃんの手や指先も、日常生活や遊びを通して発達を促していくことはできます。
むしろ、ママが心配し過ぎると離乳食の時間が楽しいものでなくなってしまう恐れがありますので、楽しく食事をさせることを第一に考えてくださいね。赤ちゃんの食べ方には個人差があることを、先輩ママの体験談でご紹介します。
A三人三様の離乳食でした
3人の子を持つ母です。子供たちの離乳食期の食欲や食べ方は、これでも兄弟かなと思う程バラバラでした。1人目は、食べさせてもらうのが大好きで、しかも手が汚れるのが好きでない子だったので、手づかみ食べするのはパンくらいでした。
2人目は、自分が好きなものはどんどん手づかみ食べして、苦手なものは最後にママに食べさせてもらうという感じでした。
3人目は、兄たちの真似をして1歳前からスプーンやフォークを使いたがり手づかみ食べすることは殆どありませんでした。
手づかみ食べは大切と聞いて1人目の時は、色々トライしてみましたが、あまりうまくいきませんでした。今となっては個性の1つかなと思います。
Aお友達が良い刺激に
1歳を過ぎても手づかみ食べをする気配がなかった娘でしたが、ある日お友達が家に遊びに来て一緒にランチをした時に、お友達のお弁当が手づかみ食べできるメニューで、上手に一人で食べていました。それを見て娘も刺激されたのか、いつもなら私が食べさせているおにぎりを自分で食べ始めました。それ以降、手づかみ食べすることが増えて私も自分の食事がゆっくりできるようになり嬉しく思っています。
手づかみ食べor遊び?離乳食を切り上げるタイミング
「赤ちゃんが自分で食べていると思ったら、食べ物をお皿の上でぐちゃぐちゃにしていた…」という姿は、手づかみ食べをし始めた赤ちゃんに良くみられる光景です。赤ちゃんが、椅子に座り食べることに集中できる時間は、およそ10分と言われています。赤ちゃんが遊び食べを初めてしばらく様子を見ても口に食べ物を持っていかないようなら、ママが食べさせてあげましょう。それでも食べないようでしたら、食事を切り上げてもよいタイミングと考えてましょう。