離乳食初期の野菜はいつから?お粥に慣れたスタート1週間後が目安

離乳食初期の野菜は、赤ちゃんがすり潰した10倍粥の呑み込みに慣れてきたら与えましょう。離乳食開始の1週間後がおおよその目安です。
日本では生後5~6ヶ月頃になると初めての離乳食を主食となる米の10倍粥から始めるのが一般的ですが、海外では初めての離乳食に人参をピューレ状にして食べさせる国もあります。
野菜やたんぱく質に比べて比較的安心して与えられる食材ですが、離乳食初期は赤ちゃんがまだ野菜を噛めずゴックンするだけの時期。初めての離乳食で凝りて野菜を食べない赤ちゃんもいるので、初期は食べやすい野菜を選び、調理の際も飲み込みやすさへの配慮が大切です。
離乳食初期の赤ちゃんにおすすめの野菜18種類

離乳食初期向きのおすすめ野菜は、アクやクセのない柔らかく甘みのあるもの!下ごしらえして加熱後した後、すり鉢やブレンダーを活用して飲み込みやすい離乳食となるように、滑らかなペースト状にしてあげましょう。
離乳食初期は一度に多くの量を食べませんので、フードプロセッサーやミキサーを使う家庭では野菜をまとめて茹でてペースト状にし、その日の離乳食で使わなかった分を小さじ1杯ずつ製氷皿に入れて冷凍すると、必要な分だけ取り出して解凍して使えるため便利です。
またペーストなので冷凍保存袋に薄く延ばして冷凍庫に入れ、凍った野菜ペーストをポキポキ折って使っても便利です。
離乳食初期におすすめの食べやすい野菜
離乳食初期は避けた方がいい野菜|アクや苦味が強い種類は中期以降
離乳食初期はアクが強い野菜や苦味のある野菜を避けた方が無難。生後6ヶ月から離乳食をスタートする赤ちゃんが多いので、3週間では新しい野菜をそれほど進められません。まずは食べやすい初期のおすすめの野菜から始めるとよいでしょう。
アクの強い野菜の中には初期から食べさせられるものもありますが、アク抜きをうっかり忘れると苦味で赤ちゃんが野菜嫌いになりやすいので、離乳食作りに慣れていない初期より中期以降の方がおすすめ。
またかゆみが出やすい野菜や消化しにくい食物繊維が豊富な野菜も、わざわざ離乳食に慣れていない初期に与える必要はないでしょう。
離乳食初期は避けた方がよい野菜
- 食物繊維が多い野菜
ゴボウ、レンコン - アクや苦味が強い野菜
ナス、ズッキーニ、ピーマン、パプリカ - 歯茎ですり潰しにくく調理が困難
おくら、もやし - かゆみが出やすい
かゆみがでやすい
野菜は栄養素をとるだけでなく、食物繊維をとることでお通じを良くするためにも大事な食材ですが、香りや味にクセがあるため子供が苦手な野菜も多いのです。
赤ちゃんは生き物の本能として苦味のある味を嫌がる傾向がありますので、ほうれん草や小松菜を使う時は葉の柔らかい部分を調理し、新鮮だとアクが少ないのでうがしっかりとアク抜きをして、食べない時は初期から与えられる昆布だしやベビーフードのダシ、野菜スープを上手に使って料理してあげるとよいでしょう。
食物繊維が多すぎる野菜は赤ちゃんの胃腸に負担がかかるため、アクや苦味のある野菜、ゴボウなどの繊維が多い根菜は後回しにした方が無難。
粘り気の強い山芋や里芋などのイモ類が、かゆみの原因となることもありますので、離乳食初期におすすめの野菜を食べ進めてから、少量ずつ様子を見て与えましょう。
離乳食の生野菜はいつから?満1歳の誕生日までは加熱して

離乳食初期の赤ちゃんに生野菜を食べさせるのは無理です。生野菜は赤ちゃんが1歳の誕生日を過ぎてからを目安としましょう。
1歳前後になれば歯が生え揃って噛む力がついてきていますし、生野菜の繊維質を消化する力もついてきます。また、体力がかなりついていますので、生野菜でお腹を壊すリスクや重症化するリスクも低くなります。
とはいっても赤ちゃんの成長は個人差が大きいので、1歳をすぎたからと無理に生野菜を与える必要なく、1歳半ごろまで様子を見ていても大丈夫。
赤ちゃんに初めて与える生野菜のおすすめ
- 皮と種を取り除いて小さくカットしたトマト
- 皮を剥いたきゅうりスティック
満1歳になっても赤ちゃんのうんちの色や下痢などの異常、離乳食がしっかり消化されているかなど状態をチェックし、肌の状態や元気で機嫌がよいかなどを確認してから、タイミングを見て与えましょう。
離乳食初期の赤ちゃんへの野菜の進め方!柔らかさや量に注意
離乳食の初期はどのように野菜を進めたらよいのでしょう。柔らかさや量、食べさせる野菜の順番も知っておきましょう。
離乳食初期の野菜の柔らかさの目安|ポタージュスープ状からスタート

赤ちゃんが10倍粥になれ、下痢をするなどの体調不良がないことを確認したら、次は初期におすすめの野菜を与えてみまよう。
「初期の離乳食の柔らかさの目安はペースト状」と言われますが、離乳食初期は噛む力も未熟ですし、まだ白湯やミルクしか飲んだことがないので、ボテボテしたペーストだと喉に違和感があり赤ちゃんが飲み込みにくいことがあります。
初めのうちは、そのまま飲んでも喉に詰まらないポタージュスープくらいで試し、徐々にヨーグルト状からベタベタで若干舌に細かい粒を感じる程度に近づけるとよいでしょう。
離乳食初期の野菜の量は?1ヶ月後の目安量は15~20g
離乳食初期の目的は栄養摂取ではなく、(1)離乳食の飲み込みに慣らすこと、(2)体質にわず食べられない食材かを試すこと、(3)食材の風味に慣らすことの3点なので、少食でも目安量をあまり気にする必要はありません。
2019年に改定した厚生労働省の「離乳・授乳の支援ガイド(改定版)」にも、初期の野菜の目安量については記載されていませんので、離乳食初期は量より野菜の種類を増やすようにしましょう。
ただし離乳食の野菜をよく食べる赤ちゃんの場合、目安量を知っておくと食べ過ぎを防げて安心。初めての食材は1匙、2回目は2匙、3回目は3匙と徐々に増やし、生後6ヶ月からスタートした赤ちゃんは1ヶ月経った段階で、目安量として15g(小さじ3)~20gまで増やします。
生後5ヶ月からスタートした赤ちゃんは1ヶ月目で15g、2ヶ月目に15g~20gまで増やします。
離乳食中期の野菜の目安量は?20g~30g
中期に入ると離乳食は一日2回に増え、1食の野菜の目安量は20g~30gになります。いきなり2回とも15g与えると食べられない赤ちゃんもいますので、赤ちゃんのペースに合わせて徐々に量を増やしていきましょう。
離乳食初期の栄養と野菜の量
離乳食初期の栄養はミルクや母乳から摂りますので、栄養を考えて無理に沢山食べさせる必要はありません。離乳食初期は食べる野菜の量よりも「喜んで食べているか」「上手に飲み込めているか」「体調に異変はないか」をチェックすることが重要。また離乳食の与えすぎにも注意してください。
離乳食初期の赤ちゃんにあたえる野菜の部位は?葉物は柔らかい葉先から

離乳食初期に初めて与える野菜のおすすめは人参。柔らかいペースト状に調理しやすくてママも楽ですし、甘みもあって赤ちゃんが好みやすい味です。また人参には腸の働きを整える働きもあります。
その後の順番としては、食べやすく調理しやすい「かぼちゃ」「大根」「キャベツ」「白菜」「カブ」「玉ねぎ」「ブロッコリー」「ほうれん草」「小松菜」などの野菜を進めます。葉物は茎ではなく葉の柔らかい部分を使いましょう。
じゃがいもやかぼちゃは穀物か野菜か分からない人も多いのですが、かぼちゃは緑黄色野菜、じゃがいもは穀物(お粥と同じ糖質)と考えましょう。
海外でははじめての離乳食にマッシュポテトを緩めて与える人もいますので、「じゃがいも」も順番としては早いうちから食べさせてよいでしょう。
体調を崩さず離乳食が順調に進んでいる場合には、さらに「トマト」や「きゅうり」などの味にくせがある野菜を順番に進めます。離乳食のトマトも乳食のきゅうりも、どちらも皮をむいて生ではなく加熱して与えることが大切です!
初めての野菜だと赤ちゃんが舌で押し出して嫌がることもありますが、無理に完食させる必要はありません。「大丈夫かな?」と心配な野菜はママが声をかけて楽しい雰囲気を作るようにし、嫌がるときは1週間後に少量をお粥やりんごに混ぜて食べさせてあげましょう。
離乳食初期に冷凍野菜ミックスは使える?食べられる種類ならOK

赤ちゃんを子育て中のママは買い物も大変。そこでママにおすすめしたいのが、市販の冷凍野菜ミックスです。離乳食初期から冷凍野菜ミックスを使ってOK!上手に利用しましょう。
一般冷凍野菜ミックスには、「人参・カリフラワー・ブロコリー」の入っている洋風野菜ミックス、「人参・グリーンピース・コーン」が入ってミックスベジタブル、「ゴボウ・たけのこ・シイタケ・里芋・レンコン」が入っている和風野菜ミックスがありますが、和風野菜ミックスは離乳食初期の野菜に不向きな根菜が多いため、洋風野菜ミックスやミックスベジタブルがおすすめです。
ただし、離乳食初期はまだ繊維質が十分に消化することが難しいので、グリーンピースやコーンは茹でてから皮を取り除き、すり鉢ですってペースト状にしましょう。
離乳食初期に野菜を使う時の注意点!無理強いしないで
離乳初期に大切なポイントは、野菜から栄養を摂ることではなく、いろいろな食材に触れて「食べる楽しさ」を知ってもらうことです。
そのためにも食材の安全は第一!「食べたら体調が悪くなった」という経験をすると、その味や野菜を嫌いになってしまうこともありますので注意しましょう。
胃や腸が未熟な離乳食初期の赤ちゃんには、必ず野菜を加熱して柔らかく調理してから与えましょう!

野菜嫌いにならないように、味に気をつけてあげることも大切です。初期は基本的に離乳食の味付けをしませんので、味付けなしで「苦い」「美味しくない」と思う野菜は、お粥にほんの少量混ぜるところからスタート。
赤ちゃんが野菜を嫌がった場合は、りんごなどの初期から与えられる甘みが強い果物に混ぜて食べさせるなどの工夫も大切です。
野菜嫌いの赤ちゃんに無理強いするのも厳禁!1週間くらい嫌いな野菜をお休みすることで、赤ちゃんが嫌がらずに自らすすんで食べることもありますので、あまり肩に力を入れず、楽しい雰囲気を作るようにして進めていきましょう。
離乳食初期の野菜ペーストに便利!昆布だしの取り方
野菜の種類にもよりますが、繊維質が多い野菜は水分量が足りないので、ボソボソとした食感になり赤ちゃんが食べない傾向があります。
味が濃い野菜もやはり食べない傾向がありますので、「これ、食べるかちょっと心配」と思う野菜はただお湯を加えて伸ばすより旨味の強い昆布だしを使う方が、食が進みやすくなる場合があります。
「だしをとる」と聞くとちょっと面倒にも感じてしまいますが、ベビー用以外の市販の昆布だしは塩分が多く添加物が入っているものも多いので、面倒な場合は「水出しする昆布だし」を試しに作ってみましょう。とっても簡単です。
水出しする昆布だしレシピ
材料:昆布1かけ(7×5cm)、水1カップ、1L用密閉容器、キッチンペーパー1枚
- キッチンペーパーで、昆布の表面を軽くふいて汚れを取り除く
- 密閉容器に昆布と水を入れ、10時間浸してから昆布を取り出す
※水出しした昆布だしは、加熱して使いましょう
※表面の白い粉は旨味成分の結晶ですので、むきになって洗ったりこすり取ったりしないように注意しましょう
鍋に水と昆布を入れ、30分~1時間浸してから中火で加熱し、沸騰する直前に火をとめて昆布を取り出すと、早く昆布だしがとれます。
その日使わない昆布だしは、冷めたら製氷皿に入れて小分けに冷凍させ、冷凍保存袋に入れて保存しておくと、いつでもすぐに昆布だしを離乳食に使うことができて便利です。
昆布だしは離乳食期の魚料理の時に使うと、「動物性の旨み成分+植物性のうまみ成分」で旨みがアップしますので、ぜひ離乳食初期に作り方を覚えてしまいましょう。
離乳食初期の野菜スープの作り方
野菜からは魚や肉に負けないダシがでます。いろいろな野菜を煮出した野菜スープを、ぜひ赤ちゃんに味わってもらいましょう。
野菜スープはスープとして使うだけでなく、野菜ペーストを伸ばしたり、肉や魚を煮込むときのダシにしたりすることで旨みがアップしますので、製氷皿に入れて冷凍したものをジップロックに入れて、いつもストックしておくと便利です。
離乳食用の野菜スープのレシピ
材料:玉ねぎ、キャベツ、大根、人参、水1カップ、キッチンペーパー、ザル
- 洗って皮を剥いた野菜を切る
- 切った野菜と水を鍋に入れ、弱火で20~30分煮る
- 途中アクとりをしたり、水が足りない場合は足したりする
- ザルにキッチンペーパーをひいて、スープをこせば完成!
※野菜は他の種類でもよいのですが、離乳食で食べられるのを確認した野菜を使ってください。できるだけアクが少なく煮崩れしにくい野菜を使うのがおすすめです。
赤ちゃんが食べない!離乳食初期の野菜を上手に食べさせる方法
離乳食初期のころは「赤ちゃんに野菜を美味しく食べさせたい」と思い、一生懸命野菜をすり潰し、苦みや舌触りに気を付けて作るママが多いのですが、残念ながら赤ちゃんが野菜を全く食べてくれず、正直ガッカリしてしまうこともあります。
赤ちゃんがスプーンや野菜の味に慣れるには、赤ちゃんなりのペースがあるのです。野菜が好きな子に育ててあげるためには、食べなくてもあまり気にせず根気よく野菜を与えていくことが大切です。
市販のベビーフードを利用して野菜に慣れさせる
離乳食初期に赤ちゃんが野菜を嫌がるのは、ママの離乳食がマズイからではありません。赤ちゃんがどうしても野菜を嫌がる場合には、手作りにこだわらずに、市販のベビーフードを利用するのも一つの方法です。
市販のベビーフードは、赤ちゃんの食の好みを熟知したプロが作っていますので、目先が変わって興味を惹かれて食べてくれる赤ちゃんが意外と多いです。
市販のベビーフードに慣れたら、ベビーフードに野菜を混ぜて野菜の味に慣らしたり、ベビーフードの食感に似せて野菜を調理したりするとよいでしょう。
苦味の少ない無農薬や有機栽培の新鮮な野菜を与える
離乳食初期から野菜嫌いにしないためには、初めに与える野菜を新鮮で苦味の少ない無農薬や有機栽培の野菜にするのもおすすめです。
新鮮な有機野菜なら、赤ちゃんも野菜本来のおいしさを味わえます。「赤ちゃんが小さいから買い物が大変で、無農薬野菜が手に入らない!」というママは、ネットで申し込みができる無農薬野菜の宅配サービスを活用すると便利です。
子育て4コマ漫画:離乳食初期の野菜はどうやってあげる?簡単な調理方法は?

離乳食初期で野菜の味や風味に慣れておくと、中期以降も色々な野菜を食べられるようになる子が多いですので、なるべくなら野菜スープやだしを使わずに、野菜本来の味を楽しませてあげたいところ。
だからといって暫く時間を置いて再チャレンジしても、赤ちゃんが野菜を食べてくれないと、ママも不安になってしまいます。
「離乳食初期に味付けは不要」と言われていますが、赤ちゃんの様子を見ながら野菜スープや昆布だしを上手に使いこなし、毎日のママの愛情のこもった野菜の離乳食で、赤ちゃんの豊かな味覚を育ててあげて下さいね。